代表v.s.フィンランド戦

2006年02月19日

 ジャンプ、残念でした>トリノ
 書いておいたレビューをアップしてから寝ます。明日もやること山積みなのに。


 「引いた相手を崩す」…。ドイツで代表がそのようなチーム相手に試合をすることはなかなか想定しづらいのですが、得点には結びつきませんでした。以下、雑感。

【前半と後半の違い】
 試合直後の小野伸二のコメント(onテレ朝:要約)。「前半はロングボールを蹴ることが多かった。ただ、結果的にサイドで裏を取ることが出来ていたので多用する展開になった」。
 これは実はフィンランドの狙いだったのではないかというのが私の考えです。まず中央に人数を揃えておき、FWのマークをずらさないようにして、サイドを突破されてクロスが上がっても高さではね返す。サイドからクロスを放り込まれるのが危険なのはどのチームでも同じなのですが、それでもゴールラインに平行なクロスであれば真ん中でやられることはないだろう、しかもGKとDFの間のスペースを消しておけばなお危険は少ないだろう、というのがフィンランドの守り方だったのではないでしょうか。

 それに対して後半、ジーコは「グラウンダーの速いボールを使え」という指示を出したようです。結果、直接得点に結びつかなかったものの、何度か「サイドをパスワークで崩した上でのクロス」が見られました。
 真ん中を固めて引きこもる相手に対しては、①早いタイミングでクロスを上げてDFを背走せざるを得ない状況に追い込む、②リスクを恐れずに縦にくさびのパスを打ち込んで真ん中から崩す、③サイドでの速いパスワークを多用しその間にFWがマークををずらしてクロスに飛び込む、などの方法が考えられます。日本は③を選択したわけですが、至極真っ当な選択だったと思います。①は高さの問題、②は巻はともかく久保は足下で受けてキープするにはちょっとフィジカルの面で不安があるというのもありますが、何より③は日本の長所を活かした攻め方だからです。こうした狙いを設定したことから、小野・福西が「自分も動いてボールも動かす」という本来の役目をうまくこなせるようになったことが、後半のまずまずの出来につながったのではないでしょうか。相変わらず福西はトンデモなパスミスが多いですが。象徴的だったのは65分のシーン。左サイドのスペースに抜け出した福西が折り返した先には小野が詰めていました。
 ただ、それが得点に結びつかなかったのは今後の課題ですね。

【アメリカ戦との違い】

  • ボールを失った後のプレッシャーが上手くかかっていて、二次攻撃につなげることが出来た。アメリカ戦と逆に押し込むことが出来た(つまり小野・福西のプレーエリアが前になった)のはここに理由があると思います。ま、あれだけフィンランドが引けばそうなるでしょうが。
  • 前線の選手の組み合わせ。巻と久保だったわけですが、アメリカ戦と違って巻がボールの引き出しと前からのプレスをやってくれたおかげで、久保はフィニッシュの場面に顔を出すことにある程度専念出来たのではないでしょうか。久保はやはりタスクを限定して点を取ることに集中させてやった方が良さそうです。シュートの場面のスピード・シュートに持っていくまでの動きはまだまだでしたが。

【選手個々の評価】

  • 村井は良く動いていたし、アレックスよりもキックの種類はたくさん持っているけれど、精度がなぁ…
  • 坪井。目立たないが安定していた。この選手、スピードには強いが高さには弱いという印象があったのは私だけでしょうか?今日はその弱さを感じさせなかった。体張っていた。良かった。

【言いがかり】

  • テレビ朝日。88分・2-0で「3点目を狙って欲しい」ってどういう実況だよ。マイボールの時間増やして逃げきりが定石だろ。得点シーンがないと視聴率が上がらないのは分かるけれど…

 え、ゴール?早いスローインからの得点はしたたかという点で評価できるけれど、2点目はラッキーゴールだし。イヤ、小笠原が適当に蹴ったという意味ではなくて、狙って蹴ってもなかなか入らないのが入ったという意味でのラッキー。見事な精度でしたよ。でも、あくまで個人の力。どちらも崩して取ったものではない。