【ガセネタ】パ・リーグ、「ベストローテーション問題」にメス【支離滅裂】

2008年11月11日

 パ・リーグは11日、来シーズンのペナントレースにおいて「ベストローテーション」に関する規定を導入することを発表した。この規定は、現在パ・リーグでのみ行われている予告先発を発展的に継承するもの。
 開幕前に各チームに6名の先発投手の名前を記した「ローテーション投手リスト」を提出させ、リストに記載されていない投手が先発したら一試合ごとにリーグから制裁が科せられる。

 事の発端は、Jリーグの「ベストメンバー問題」だ。Jリーグには「リーグ戦・ナビスコカップの先発メンバー11人は、直前のリーグ戦5試合の内、1試合以上先発メンバーとして出場した選手を6人以上含まなければならない」という内容の規定が存在する。規定には天皇杯は明記されていないが、もちろん天皇杯にもベストメンバーで望んだ方が怒られなくて良いに決まっている。そんな小学生でも分かりそうな常識を破るチームが現れ、これが犬飼基昭・日本サッカー協会会長-犬に喰われろ!の逆鱗に触れた。
 しかしそこは深謀遠慮の人、犬飼会長。「こんな問題が起こるのは秋春制移行をジャマするヤツがいるからだ」と、天皇杯の権威失墜の要因となっている春秋制の廃止につなげたい意向だ。

 パ・リーグにはJリーグのような開催時期の問題はないが、ファン重視というJリーグの美徳は是非とも学ばねばならない。この規定は「ファン本位」の規定なのだ。
 この規定が適用されると、「肩が痛い」とか「妻が産気づいて…」などと先発登板を回避しようとする怠慢ピッチャーをリーグから駆逐することができる。リストに記載された投手は一年間先発を務め続けなければならず、そのためにキャンプからガンガン練習して6億球ぐらい投げ込んで強靱な体を作り上げようとするだろう。そんな選手が疲労とか故障を抱えるはずがない。
 よしんばシーズン中に故障でまともな球を投げられなくなってもローテーションを守らなければならないわけだから、ファンもお目当ての投手の顔を必ず見ることができる。その結果ガンガン打ち込まれてチームが負けてもへっちゃらだ。疲労の蓄積などというショボい理由でローテーションを一回飛ばすことで、お目当ての投手の姿を見られないという耐え難い苦痛をファンに与えるわけにはいかない。
 若手の出場機会が失われるなどというヘタレな意見は通らない。実力でレギュラーを勝ち取るのがプロというものだし、この規定が適用されれば投手の寿命は縮むのですぐにエースの座が回ってくるだろう、たぶん。

 パ・リーグは来シーズンから、プロスポーツとしての原点に回帰する。「お客さんあってのプロ野球」という原点に。


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