勘所をつかむ嗅覚みたいなもの

2006年08月27日

 私のサッカー仲間が以前、加茂周についてこんなことを言っていました。「あの人の解説は何か不思議だ。『あ、いま危ないですねぇ』というとその通りに失点したりする」と。細かい技術的なことはあまり喋らないけれど、ゲーム展開についてのコメントは結構的確だ、というのが彼の感想でした。チーム作りや采配に活かされたかはともかく、長年の経験から、「ゲームの流れ」を読む眼というものを備えているということなのでしょう。

 昨日、札幌は勝てる試合をまたしても落としたようです。注意しなければならない時間帯に失点し、決めるべき時に決められず、警戒すべき相手にやられる…。今シーズンどころか、何年も繰り返してきた負けパターンです。
 口で言うのは簡単です。「立ち上がりに注意しよう」「チャンスは確実に決める」「相手の誰それにやられないように」。できなければそれは分かっていないということだし、そこから抜け出す方法も「できるまでやる」以外にない。前にもこんなこと書いた気がします。で、またしても同じ失敗を繰り返したわけですが、それでもやっぱり「できるまでやる」しかない、これは変わりようがありません。

 例えば「立ち上がり15分が危ない」というのはあくまでデータから帰納的に得られた結論であって、試合によっては選手が危ないと感じる時間帯が10分だったり20分だったり、状況に応じて変化するだろうし、それ以外の時間帯にだって集中力が欠けることだってある。その場にいる選手はそれを肌で感じる必要がある。そういう勘を磨くには「身をもって」体験するしかないんではないでしょうか。
 「一体いつになったらできるんだ?」という疑問が浮かぶのももっともだと思います。でも、問題が先送りにされたまま何となく進んでいくよりも、いっそのこと絶望的な失敗をしていいだけ悔しい思いをすることの方が、後々絶対に役に立つと思います。加茂周だって指導者として数多の失敗を繰り返してきて見る眼を養ったんだろうし、実際に痛い目に遭わなければ本当に身に付いたことにはならない。未熟なウチはこれからも同じ失敗を繰り返すだろうし、その失敗によってもっともっとヒドイ目に遭うでしょう。そうして本当に危ないところを肌で感じ取れるようになるまでやり続けるしかない。


 「今年は終わった。来年だな」などと言う人がいますが、来年になったらチームの問題が全てリセットされるとでも言うのでしょうか?よしんば来年のために今年を戦えと言う意見だとしても、そんな中途半端な考えで臨む勝負から、一体どれだけのものを得られるでしょう?最後まで徹底的にあがいて、もしダメでもボロボロになるまで叩きのめされればいい、私はそう思います。それを見るのがイヤならチームを見捨てればいいのに。サポは楽ですよ、やめればいいんだから。一番辛いのは選手だよ、やめられないんだから。


この記事に対するコメント一覧

kenji

Re:勘所をつかむ嗅覚みたいなもの

2006-08-27 22:00

サッカーのみならず、仕事においても、読みのできる人っていますね。 自分も、綿密なほうではないので、そのようになりたいのですが、やはり、経験がものをいう部分はあります。 毎日の努力の積み重ねと、失敗と成功と悔しさと嬉しさが積み重なってチームが成長していくとすれば、 それはまさに人生そのものですね。(ちょっとカッコつけ)

tottomi

Re:勘所をつかむ嗅覚みたいなもの

2006-08-27 23:00

>kenjiさん >それはまさに人生そのものですね。(ちょっとカッコつけ) すごくイイと思います、それ(笑 自分も何となく自らの生き方とか、置かれている状況とかいったものとチームを比べていたりします。チームに求めてばかりいて自分は全くなっちゃいないので、チームに負けないように精進しますw

MasaMaru

Re:勘所をつかむ嗅覚みたいなもの

2006-08-28 07:30

>私はそう思います。 私もそう思います。そこまで行く前に学べればそれに越したことはないですけどね。実際、ボロボロにやられたところで(チームがあるうちは)私達が彼らを応援することに何の差障りもないわけですし。 前節はtottomiさんが注目していたとおり、アレモンと千葉が試合の鍵でしたね。千葉も頑張ってくれたとは思いますが…。

tottomi

Re:勘所をつかむ嗅覚みたいなもの

2006-08-28 22:01

>MasaMaruさん ただ一方で、チームの成績がアレだと「先立つモノ」に関する心配が出てくるわけで。現に横浜FC戦は御新規開拓の絶好のチャンスだったのに逃してしまったわけですからね。そこは難しい問題で… 悪い意味で注目されてしまいました。>アレモンと千葉 取るべき時に取っておかなかった攻撃陣にも責任がありますからね。次の機会があれば頑張って欲しい。

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