オフザボールとトラップと選択肢と判断

2009年10月27日

先日の日立台での得点シーンでの山形のプレイに、
今現在コンサが最も必要としている事がけっこう詰まっていたような感じがします。

以下、1度はやってみようと思っていた単なる自己満足分析なので、
興味のない人や全くそう思わない人はスルーの方向でゼヒ。
(´・ω・`)







20091027-00.JPG

①(カツ宮沢)がボールを②(長谷川?)に渡し、パス&ゴー
ポイントはその後ボール自体が逆サイド側にいっても
そのまま①は相手DFラインへ目掛けて走っている所。

ポストでボールを受けた②は③(古橋)へ落としパス&ゴー



20091027-01.JPG

ここで柏の選手(A・B・C)は、
とりあえずBが②に併走している形。
あとはAとCですが、Aは最初③の正面に入れるように動き出すが、
Cの存在を考えて、直接ボールへアタックする判断に切り替える。
『Cが③の正面に入ってくれるだろう』という考えの基に。
しかし、Cは走り出した②に対して数的優位を作るために
③へはアプローチせず。
結果、写真でいうとAは左斜め下Cは右側に重心がある事となり、
②に併走しているBも含めて、中央部分に大きなスペースが。



20091027-02.JPG

この時③は、選択肢として
『そのままトラップして②の前方へスルーパス』
『中央に出来たスペースを使う』
といったものが取れ、結果③は後者を選択。
そして③は、ボールに対して直接アプローチにきたAを見て
重心の違いを利用したボールの受け方をする。
足元ではなく大きなスペースを目掛けてトラップをすれば、
そのスペースを利用する事だけではなく、瞬時に
Aを抜き去る事ができるという判断。



20091027-03.JPG

そして実行。
この時、『④に対してパスをする』という選択肢も生まれるが、
②がゴーを行っていた事により、相手はB・Cの2人のDFだけでなく
最終ラインの1人が②に対するケアをする事に。
(この時点でもBとCが抜かれちゃってますしね)
これによって、最終ラインにギャップができ
併せて①がそのギャップへ突入。
これによって、『①へのパス』という選択肢も生まれる事となる。

③がこういったトラップをした事により、
ドリブルも含めてこんなに有効な選択肢が。



20091027-04.JPG

Cが慌てて③へアタックを試みるが、③にとっては
かなりの時間的猶予がある。

この時、Dもスペースを消す&ボールへのチェックのために
写真左下へ寄せるのですが、そのウラにもう1人誰か
走り込んでいたら、さらに完璧だったと思う。



20091027-05.JPG

そして、③は相手の最終ラインのギャップへボールを出す事を選択。
本来はEの位置が最終ラインであるはずなんですが、
写真右下の②の存在があったから



20091027-06.JPG

相手の最終ラインがこのような状態になっており、
①はオフサイドにならなかった。
(パスが出た瞬間はギャップの間に①がいた)



この後、ボールを受けた宮沢がGKもかわして得点を決めるんですが、
点が決まったかどうかはともかく、またカウンターがどうとか関係なく
この一連のプレイには随所に『考える力』が詰まっているかと思います。
そしてそれは、決して自分自身に対してのみではなく
各選手がチーム全体をイメージした考える力になっているかと思います。
アフターゲームショーで野々村さんが古橋のトラップを褒めちぎっていたようですが、
自分なんかは他にも『おぉ~!』と感じる部分がいっぱい。

山形、スゴイです。
こういった所がJ1でもやっていける所以かなぁ。
コンサの選手たちにもこういう力があれば・・・
頑張れ!選手たち!



post by しゅ~ちょ~

19:58

サッカー コメント(6)

この記事に対するコメント一覧

きなこ

Re:オフザボールとトラップと選択肢と判断

2009-10-27 20:17

はじめまして。 タメになる分析、ありがとうございました。 コンサの選手たちにも、監督に言われただけでなく 自分たちなりに理解、咀嚼する時間を持って日々の練習に取り組んでもらいたいですね。 せめて、あと2年後ぐらいには例に挙げていただいた山形の選手たちのように 自分たちで考える力を身につけてもらいたいです。

aru

Re:オフザボールとトラップと選択肢と判断

2009-10-27 21:06

凄い。こういうブログ書ける貴殿が凄い。 サッカーの雑誌みたい。 これはよその試合だけど、コンサの試合も激しく応援しながら こんなふうに見ているの知ってるからほんと凄いと思います。 こういうのって慣れなのでしょうか?コツ?センス? カボチャ揚げてたんです。もぐもぐしながら唖然。すみません。

しんのすけ

Re:オフザボールとトラップと選択肢と判断

2009-10-27 21:17

こんばんわ。 先日はありがとうございました。 すごい分析だと思います。 本日は当方の理解力がアルコルのせいで著しく劣って おりますので、明日も一度ゆっくり読ませていただきます。 いろいろな角度から見られるような眼力がほしいと常日頃 思っておりましたが、おっさんには無理のようです。 また宜しくです~

しゅ~ちょ~

Re:オフザボールとトラップと選択肢と判断

2009-10-28 18:32

まるで平松愛理とも篠原涼子とも取れるようなこんなタイトルのエントリーに コメントくださった方へお返事です。 >きなこさん こんなクソブログなんかにコメント、ありがとうございます。 m(_ _)m そうですよね、『自分たちで考える力』を身につけて欲しいと このアホゥなんかもきなこさんと同様に感じています。 この力がなければ、いくら高等な個人技術を身につけたとしても 限界がある、と思っているのが理由です。 今回紹介した山形の選手たちも、決して個人技術としては とんでもないレベルの事をしている形ではないですし。 こういった事ができるようになってくれれば嬉しいですよね。 (´∀`) サッカーは他の競技と比べると『失敗が多い競技』ですから、 選手たちにはミスを恐れないでチャレンジして欲しいですね。 >aru姉 ただこういうのを少なくとも1度はやってみたかっただけさぁ。 単なる雑誌類の受け売りともとれるけどね・・・orz こういった類は確かに慣れなのかもしれません。 1つ大事だと思うのは、サッカーに限らず 様々な競技を観たりプレイしたりする事です。 1つの競技ばかりでは見え辛いようなものが 結構見えてきたりしてくるモンです。 ちなみにセンス自体はあまりないと自負しておりますよイエーイ。 v(´∀`)v  ←気分は松鶴家千とせ わっかるかなぁ!!わっかんねぇだろうなぁ!! ところで、今現在としては個人的に 『揚げたカボチャはおいしかったのか?』 ココの方が気になっています。 天ぷらなのかな? もぐもぐしてるから多分おいしかったんだろうなぁ(爆) >しんのすけさん こちらこそ先日はありがとうございました。 m(_ _)m 自分としては 『多分しんのすけさんの応援のジャマばっかりしてる・・・』 なんて感じてました・・・イヤ、マジです。 しんのすけさんからすると『コイツらはクドい!クド過ぎる!』 なんて感想だぞ絶対!なんてシモベ同士では話してました(爆) 当方も立派なオッサンですので(笑)、 眼力なんてしんのすけさんでも十分出来ますよ。 こんなアホゥなんかは余裕で越えちゃって下さいな。 (´∀`) 何か改めてエントリーを見直してみると、 あたかも得意げに書いているように見えますが、 実は今回の例は、アメフトの『プレイアクションパス』や バスケの『カットプレイ』の応用と同じようなパターンなので、 その辺りに対してある程度精通していると、サッカーのマニアでなくとも 普通に考えられるプレイなのかなぁ、なんて地味に思ったりもしています。 orz

フラッ太

Re:オフザボールとトラップと選択肢と判断

2009-10-28 20:29

>実は今回の例は、アメフトの『プレイアクションパス』や  バスケの『カットプレイ』の応用と同じようなパターンなので、  なるほど!  プレイアクションパスはランと見せかけてDF陣をおびき寄せて  空いたスペースに短いパスを投げ込む・・・って感じなので、  「人が動いてスペースを作る」というのはイメージしやすいですね。  その共通認識をどれだけ多く作れるか、選手個々がどれだけ同じ絵を描けるか・・・  ということになるんですね。  テレビの画面ではボール中心になってしまうので、ボール(とその周囲)の動きを追うことに目が行きがちなんですが、試合を“眺める”感覚だとそういうことにも目が行くようになる・・・といいなあ(苦笑)。

しゅ~ちょ~

Re:オフザボールとトラップと選択肢と判断

2009-10-29 02:24

>フラッ太さん どーもです。 (´∀`)/ コメントレスへの反応だったのでビックリしています(笑) プレイアクションで最も大事だと思うのは、 相手をダマす事、そしてプレイの1つ1つにおいて 相手に対して『えっ、そんな・・・』と思わせる事 かと考えています。 今回の例では、柏側として 3枚目の写真でAが、4枚目の写真でAとCが、 そして最後の写真でディフェンスライン全体が 当初の考えと違う形になり、戸惑っている様子が分かるかと思います。 そこで素早いチェック(アメフトだとブリッツ)があった時には 短いパスを選択する事となり、 それがそんなに強くない時には長いパスを選択する事も出来ます。 ここまでの流れを1人の選手が行う事は不可能なので、 『ボールに関わっていなければさぁ・・・』 なんてなっている選手が多いと、こういったような形は 永遠に見ることのできないモノかな、と思います。 ヤンツー時代のやり方は、突き詰められれば オフェンスにおいてはこういった形が自然と出てくるような やり方だったかと思います。 フラッ太さんの仰る『同じ絵』というのがビンゴですね。 こういった所までを見る事が出来るのが スタジアムでのナマ観戦が最高な理由の1つですよ。 (´∀`) TVだとボール中心になってしまうのはある意味仕方がないかと思います。 それでも常に全くもって見えないワケでもないので、 そういう部分を見つけたりするのも TVの醍醐味の1つとしてはあるのかも知れません。 あまりに選手のドアップばっかりだと、 (あとはタイミングの悪いVTRなど) 『ガクッ』となっちゃいますけどね。

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