首の皮一枚。 -HFCの経営問題-

2010年01月29日

様々な他クラブの経営危機も伝えられていますが、
コンサドーレにとっても、まったく他人事ではありません。


営業赤字1億3千万円 コンサ運営会社HFC 09年12月期決算見通し(01/28 道新)

>1億3千万円余りの赤字を見込んでいる。

>これに札幌市の補助金約8100万円を加えるなどした純損益は、
4400万円のマイナスで2年連続の赤字となる見通し


正直、4400万の赤字でよく納まったなという印象です。

しかし、確かに、過去と比べて大した赤字額ではないかもしれませんが、
この報道が意味するHFCの経営状態は、首の皮一枚繋がっている状態です。


以前、HFCの経営問題を考えるのまとめ。 -その1- 2009年11月23日で指摘しましたが、

HFCの2008年の減増資後の資本金は、7億9千万円になりましたが、
なお7億3千万円の累積赤字を残していました。

(※減増資によって、借金がなくなっていたわけではありません!)


つまり、2009年時点で、

資本金(7億9千万円)-累積赤字(7億3千万円)=@6000万円

昨年、6千万円を越える赤字額を出すと、再び債務超過に陥るところでした。


この報道が事実であるとすれば、昨季の赤字が4400万円なので、
債務超過まで残り@1千万強ということになります。


したがって、新聞報道では軽く流しておりますが、

今年、黒字にならなければ、再び債務超過に陥る可能性が高い。

ということは、明らかです。
(※ちなみに、債務超過に陥ると財務状況を理由に、3位以内に入ってもJ1に昇格できません。←建前的にはですが・・・) 






さきほどの道新では、

>観客数が目標とした30万人を大きく下回る26万5千人にとどまり、
興行収入で1億2500万円の減。

と昨年の赤字の理由を書いていますが、この目標とされた30万人という観客動員は、
2007年の昇格時の観客動員数を元に出された数値です。

つまり、昨年は、昇格前提の予算を組み、それを実現できなかったために、
赤字にならざるを得なかったということになります。


こういった身を滅ぼしかねない博打的な予算を組んできた構造的な原因は、

結果を出さなければサポーターもスポンサーも付いてこないからという理由で、
本来的には、経営責任の所在がはっきりせず赤字ができない経営体質でありながら、
毎年、HFCは博打的な予算を組むことを強いられていること。

と指摘してきました。


この背景には、クラブの収入(2007年)は、上から5、6番目で昇格圏にない事実より、
観客動員数(2007年)は、仙台に次ぐ2位の昇格圏にある事実が過大評価され、
これだけ他のチームよりたくさんの人が応援しているのになぜ強くならないのか?
という一般的な不満があることも指摘してきました。


2008年のJ1昇格と共に減資、増資をして債務超過を何とか解消したものの、
それからたったの2年で再び経営危機を迎えつつあるというのが現実です。

その間、経営の改善は見られますが、再びまったなしの状態です。


繰り返しになりますが、更なる経営改善のために、
北海道フットボールクラブ 中期経営計画2009-2011の継続と
この計画の昨年段階での反省を早期に出して欲しいと思います。



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