CBのパスと古田。 【第11節 vs FC東京】

2012年05月14日

先週土曜日、札幌ドームで行われたFC東京戦は、0-1で敗戦。

シュート数が互いに11本とスコア通りの接戦だったとも言えそうですが、
この試合で、私が特に気になったことを2点、指摘したいと思います。




1.CBのパスについて

まず、一般的にCBに求められる基本的な能力は、

①対人の強さ、②カバーリング能力、③攻撃の起点となるパス能力といわれています。

この中でも、CBに最も求められる能力は、
DFですから、①対人の強さであることは間違いありません。


しかし、特にパスを繋ぐサッカーを志向している場合、

③攻撃の起点となるパス能力も重要です。

このことについて、以下、書いていきたいと思います。






自陣に侵入した相手の攻撃を防いで、自陣でマイボールになった場合、
DFライン(最終ライン)でボールを回し、相手の隙を見て、
攻撃の起点となる縦パスを入れることが多い。

問題は、この縦パスの精度です。

FC東京戦を見直してもらえるとわかりますが、
札幌は、CBからボランチへのパスがほとんど通っていません。

CBからSBにあずけるか、大きく前線にロングボールを蹴るだけです。

しかも、CBのパス回しが危なっかしいので、
マイボールなのに、味方選手が相手陣地に上がっていかずに
SBやボランチが下がってきて、DFラインに常に3人、多いときで5人居ました。

サッカーは、11対11でやるスポーツですから、マイボールになって、
最終ラインに5人も残っていたら、相手陣地に入っていけるのはGKを除いた5人。
しかし、相手は、こっちがDFラインで回している間に、
ほぼ全員が自陣に戻っている。

そんな数的不利の状況で、前線に苦し紛れにロングボールを蹴っても、
セカンドボールを拾えないのは、ある意味当たり前です。


逆に、FC東京のマイボールになったときの
最終ラインのボール回しの人数は、二人です。

ですから、中盤で数的不利にならず、パスコースもあるので
中央のボランチを経由してパスを繋げる。

CBからボランチに繋いだ方が、少なくともCBから前にロングボールを蹴るより
確実に攻撃を組み立てられ、なおかつ、相手のゴールにより近い位置から
パスが出せるのでより決定的な場面を作りやすい。
また、ピッチの中央にいるボランチを経由すれば、
少なくともDFラインからいきなりサイドに流すよりも、
そのまま縦に突破することも、両サイドに流すこともできて攻撃の幅が広がります。

ですから、CBからボランチに繋がらないというのは、マイボールになってから、
最初の攻撃の組立の段階から、既にかなり難しい状況になっているといえます。

このあたりが改善されないと、札幌の攻撃は根本的に良くならない。


それでは、どうすればいいのか!?

私が気づいた範囲でいうなら、まず、インサイドキック なんじゃないでしょうか。

足を後ろに振り上げた時から足首を固定して蹴るパター型のインサイドキックは、
途中でフェイントをかけられないうえに、蹴るかなり前の段階から
相手にパスコースが分かってしまうので、パスコースを読まれやすい。

ですから、まず、このパター型のインサイドキックを止めた方が良いと思われます。


なお、正しいインサイドキックの蹴り方については、
↓のサイトが詳しいので、そちらを参照してください。

蹴球計画 ~スペインサッカーニュース~






2.古田選手について


公式サイトによれば、古田選手の身長は、170cmで、体重は、64kgです。

そして、古田選手が好きな選手にもあげている
バルサのメッシの身長は、169cm、体重は、67kghttp://ja.wikipedia.org/wiki/メッシ

ほぼ、同じ体格ですが、どちらの選手もサッカー選手として、
決して体格に恵まれているとは言えない。

同じバルサのピケなんか、身長192cm、体重85kgです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ジェラール・ピケ

私の格闘技の経験からいっても、
体重が10kg以上違う相手と接触するのは、それだけでかなり辛いです。
(※だから、格闘技は、大体、体重別に分けられる。)


FC東京戦、古田選手は相手と接触して潰れるシーンが多かったと思うのですが、
あれだけ体格差があって接触プレーを続けると、
それだけで相手より体力を消耗しますし、何より怪我をする可能性も高い。

体幹を鍛えて、相手とガシガシ当たるのもいいですし、守備時はそういう能力も求められますが、
少なくとも攻撃の時は、出来るだけ相手と接触しない方がいいのではないでしょうか。

正に、あの体の小さいメッシが、スペインリーグの屈強なDF達の中で、
あれだけ活躍できるのは、相手と敢えて当たるのではなく、
ボールを保持しながら、相手との接触を避けているからでしょう。

もちろん、それができるのは、メッシの巧みなボールコントロールがあればこそですが、
古田選手もボールコントロールに関しては、類い稀なものを持っていますから、
ファーストトラップ時のボールの位置とか、キープ時に精神的な余裕が持てれば、
もっと活躍できるんじゃないかと…

古田選手が、相手にぶっ飛ばされる姿を見る度に思うんですよね(;´Д`A ```




“悪くない”ではダメ。 -ナビスコ杯 vs 新潟-

2012年03月21日

明らかに、スタメンが過去2試合のリーグ戦と異なったこの試合。

どう取るかは、人それぞれでしょうけれど…


J1に昇格したばかりで、試合もまだ2試合しかしていないんだから、

スタメンがまだ固定していない と言えば、

ベストメンバー規定なんて、関係ないんじゃないですかね(笑)。

実際、この試合で活躍すれば、
次節浦和戦のスタメンに抜擢される可能性は高かったと思いますし、
石崎監督もそういう選手が出てくることを望んでの
メンバー構成だったのではないでしょうか。






ただ、試合結果は、皆さんご存知のとおり0-1で惜敗ですが、
石崎監督が、次節、是非使ってみたくなるような活躍をした選手がいたか?
といえば、居なかったと思います。


確かに、悪くない活躍をした選手もいますが、

悪くない では、積極的にスタメンと入れ替える理由にならない。

それに、今のスタメンを脅かすような選手が出てこなければ、
長いリーグ戦、怪我人、出場停止などで、メンバーを必ずしも固定できないので、
リザーブの突き上げなしには、チームも、遅かれ早かれ低迷するでしょう。

そういう意味では、
確かに、降格とは関係の無いナビスコ杯での敗戦ではありますが、
降格と全く関係のない敗戦とも言えないのではないかと思うわけです。






試合内容については、確かにパスの出し手のミスもありましたが…、

交代メンバーで入ったのが、榊、近藤、前田と
パスの出し手ではなく、受け手だったことから考えても、
パスの出し手の問題というより、パスの受け手の問題だったと思います。

端的に言うなら、パスのもらい方。
パスをもらうときフリーの選手がいない。相手選手を背負って、前を向けない。
スペースに走り込む選手がいない。パスのタイミングがずれる。
パスを受ける位置がかぶる…などなど。

これでは、パスの出し手も出しどころがないし、
あったとしても選択肢が少ないので、結局繋がる可能性は低くなる。


あと気になったのは、自分がその試合で与えられたポジションで
やるべきことを意識しているかということ。

例えば、、FWではなく、SHで先発したのだから、
シュートをアピールするのもいいですが、簡単にサイドを突破されるのはまずい。
ボランチではなく、SHで先発したのだから、
もっと使われる動きや、縦への突破があっていい。

普段と同じポジションで先発した選手も、スタメン奪取のためには、
何か自分の良いところをアピールする必要があった。


リーグ戦も、惜敗ということにはなっていますが、
スタートダッシュには既に失敗している。

J1でもやれるというには、
リザーブ含めたチーム全体が、悪くないではダメで、
選手が自分の良さを積極的にアピールしなければ、
残留は厳しいのではないでしょうか。