2008年10月31日
今季から、東芝OBであり札幌OBの村田さんが強化部に入った。 イタリアのキエーボでコーチ留学していた影響や最近の為替相場の動向もあってか、 三上強化部長が欧州視察(道新)(10/31 10:31)に行くようだ。 しかし、実動部隊である三上さんや村田さんには少々失礼かもしれないが、 しまふく寮通信の「練習生」を読む限り、 札幌の誇る最強のスカウトは、寮母さんこと村野さんだと思った(笑)。 >じゃがいもと蜜がたっぷり入った頂き物のりんごを重いと思いながらお土産にしました これ、沖縄の人にとってはすごく嬉しい贈り物だと思うんですよね。 お金はないけど、北海道に美味いものはたくさんある。これも立派な北海道の資源の一つ。 美味いものをもらって嬉しくない人などいないわけだし、じゃんじゃんあげればいい。 >昨日は、同郷のカズ君とひとなっつこいヤス君がジンギスカンに連れて行ってくれた お土産も接待も完璧ですし、これで上原選手が入ってくれること間違いないですね!(笑) >北海道と、コンサドーレの自慢のこのほっこり感。 北海道は、北海道のあり方があっていい。 北海道人は東京への憧れを持つ。確かに、日本の政治、経済、文化の中心だ。 しかし、朝はあり得ない満員電車、人を人と思うと乗れない。 夏の暑さは熱帯並み、かといって、家のつくりが寒冷地向けじゃないので冬の家の中は寒い。 水はまずいし、高い金を出さないと美味いものは喰えない。 空気はよどみ、道路は常に交通渋滞。都心部は毎日がお祭りのような人ごみ。 人付き合いもないし、電車の優先席にはそれを気にもしないで常に誰かが座っている。 虫好きの私でもあり得ないと思った生物ゴキブリは出る。 正直、あんなところに日本の人口の10分の1が住んでいること自体が不思議でならない。 道外に出るとよくわかるが、道民が意外と気づいていない、 お金では買うことができない北海道には、北海道の良さがある。 それをさり気なく練習生に示すことができる寮母さんが、札幌最強のスカウトだ(笑)。
>寮監もグットルッキングガイだと思っていたのですが。 >・・・そういえば、私の結婚式の写真を知り合いに見せたとき。 >「ずいぶん歳の離れた人と結婚したのね~」 >と言われて、4つしかかわらないんですけど・・。と思ったものでした。 コーヒー吹き飛ばすほど、爆笑させていただきました(笑)。
2008年10月30日
アルゼンチン代表監督に、ディエゴ・マラドーナが内定した。 マラドーナ代表監督内定、サッカー革命だ(日刊) マラドーナは、言わずと知れたサッカー界のスーパースターである。 86年W杯、イングランド戦で見せた5人抜きは今でも伝説のプレイの一つだ。 >テクニック重視の華麗なサッカーで、戦術優位の現代サッカーに殴り込みをかける。 >マラドーナ氏がチームの中心に考えているのは、 >「自分の後継者」と認めるFWメッシや、愛娘の婚約者FWアグエロ。 >さらにMFリケルメやベロンら、自分を見て育った世代のテクニシャンを復帰させ、 >戦術でがんじがらめになった現代サッカーに一石を投じるつもりだ。 >「メッシには自由を与えないといけない。僕の経験を伝えることは彼の役に立つだろうし、 >それはアグエロ、テベスも同様。目標は86年のアルゼンチンを再現することなんだ」。 サッカーファンなら、泣いて喜ぶような文言ばかりだ。 『ファンの希望をそのまま反映させるようなサッカーをしたら、どうなるのか?』 アルゼンチン代表は、タレントが豊富なだけに、絵空事とも言い切れない。 しかし、もし、それで、本当にアルゼンチンが強くなったら、 現代サッカーへの強烈なアンチテーゼになるだろう。 マラドーナは、南米解放運動の英雄、チェ・ゲバラのように、 戦術という呪縛に絡めとられた選手を現代サッカーから解き放つ英雄となれるのか!?
しかし、この御仁、コカイン所持での逮捕暦や、体重増加による健康面での不安を抱える。 また、指導者としての経験は、ほとんどない。 アルゼンチン協会も、その辺りはわかっているようで、 >同氏の希望で、元スターFWバティストゥータ氏の入閣を検討。 >総監督には、86年W杯当時の監督で、マラドーナ氏の「操り方」を心得るビラルド氏を据える方針だ。 >グロンドーナ会長は「責任をマラドーナ1人には押しつけない」と、全面支援を約束した。 スター軍団であるアルゼンチン代表をマラドーナの持つカリスマの力で、 押さえつけようという思惑があるのではないか。良い意味で、お飾りの監督になればいいのだが・・・(・・;)私の大好きな選手の一人だった、バティストゥータが入閣というのも興味がある。 試合に勝ったら、コーナーフラッグとか掴んでくれないかな(笑)。
2008年10月29日
オシム報道の間隙を縫うかのように、日刊で毎日のように報道される秋春制移行への問題。 正直、私が想定していたスピードよりも早く事態が動いている。 犬飼さん、真剣にやる気のようです。 J秋春制川淵氏が支持、10年移行へ追い風 >日本代表を含め国内日程が過密になっている点など変化を指摘。 >その上で「ノーから入って議論しても意味がない。イエスの前提から入って話し合い、 >ノーなのかやってみようかというふうになるのか、きちんと議論していきたい」。 日本協会がJリーグ秋春制移行を本格検討 >鬼武健二委員長(Jリーグチェアマン、日本協会副会長)は「Jリーグだけでなく、 >日本サッカー界全体の構造をどう構築するかの問題」と話し、 >下部リーグや学生リーグなども包括した議論が必要 Jリーグ秋春制移行に選手会慎重論も >事前に実施したアンケートでは「条件付きも含めて賛成7、反対3という感触」だったが、 >降雪地のクラブの選手を中心に、サポーターやクラブ経営への悪影響を指摘する意見も出た。 >藤田俊哉会長は「選手だけの立場ならメリットが大きいが、意外に慎重な意見も多かった」
秋春制移行へのメリットとデメリットの比較は、以前した。(※下記参照。) 秋春制のまとめ -メリット編- 秋春制のまとめ -デメリット編- 正直、現状はデメリットの方が多いので、秋春制への移行は馬鹿だと思うような状態である。 しかし、「変化」というものは、往々にして誰かの鶴の一声で趨勢が変わり、 一部の不利益者の意見を封殺して進んでしまうのも常である。 (※小泉元首相の郵政民営化、WBC監督問題のイチローのコメントなどなど。) 秋春制は、積雪地帯ではありえないから検討する価値もないというサポが多かったが、 ありえないからとそこで思考停止すると、そうなってしまった時に後手を踏むことになる。 HFCがなすべきことは、秋春制、絶対反対ではなく、 秋春制移行で、札幌に発生する具体的な不利益を試算して、Jリーグ側に示すことだ。 ただ反対しているだけだと、"All or Nothing" になって、 何の補償もないまま、エイヤァっと、ただ結局切り捨てられる可能性が高い。 それならば、こちらから譲歩を示せば、相手からの補償も引き出しやすい。 そうしないと札幌の話を聞いてもらえないまま、先導者が悲壮感を漂わせながら 改革には痛みが伴う、自分は英断をした。功績は後年の人間が認めてくれるだろう。 などと偉くかっこつけて、結局、地方を切り捨て、秋春制移行なんてことは十分にありえる。 だからこそ、秋春制導入に伴う不利益をどう補償してもらえるのか? という点をただ反対するだけではなく、具体的に主張していく必要がある。 それで、十分な補償を引き出せたのなら秋春制導入も止むを得ないというくらいでなければ、 この問題、札幌にとって何の得もないまま終わってしまう可能性がある。 (※少なくても、室内練習場をJリーグの金で作ってもらわないと割に合わない。 できれば、積雪地帯への毎年のJリーグ分配金の増額もお願いしたいところだ。) 昨日の話(コレ)ではないが、選手だけではなく、フロントも駆け引き上手になる必要がある。
2008年10月28日
守備崩壊の原因として、三浦監督の用いるゾーンディフェンスのせいだとか、 昨日の「Fの炎」の平川さんの言では、川崎Fの強力な攻撃を 止められないのは、リアクションサッカーの限界が原因だという。 意図することはわかる。ゾーンを意識しているから、出足が鈍くなる。 攻撃する時間が少ないので、結果的に押し込まれる時間が長くって、失点してしまう。 しかし、DFだろうがFWだろうが、守備がゾーンだろうがマンツーだろうが、 サッカーがアクションだろうが、リアクションだろうが、基本は選手間の1対1だ。 守備の基本は、ボールホルダーに対しては、誰かが当たりいかねばならないのだから、 この基本の1対1での対処が悪ければ、どう守ったところで守りきれない。 人が沢山居ても守りきれない理由はそこにある。 従って、根本的な原因は、札幌の選手が1対1での相手選手との間の取り方が悪いことにある。 守備側が相手との間を急激に詰めようとして、不用意に相手の懐に飛び込むと交わされる恐怖がある。 だから、特に川崎Fのブラジル人選手のように上手い選手と対峙した時、 相手との間を開けがちになる。(※その気持ちは、後にも書いたがすごくわかる・・・(・・;)) かといって、相手との距離を開けてしまえば、相手に自由に動き回るスペースを与えてしまう。 その結果、精度の高いパスやクロス、シュートをうたれる結果になる。 だから、極力相手との距離を詰めなければならないのだが、 札幌の選手は、局面で相手選手との駆け引きに負けている印象だ。 ↓はFWとしてDFとどう間合いをとるかの解説だが、 蹴球計画 ~スペインサッカーニュース~から、 個人技術 結果からプレーをつくる(逆算) サビオラ 相手との駆け引きという1対1の基本である「間」を考える上で、 非常に参考になる解説だ。(※それ以外の解説も秀逸でお薦め。)
この1対1については、空手の組手と合い通じるものが多いと感じている。 従って、これからは私の空手の組手の経験から考えたい。 相手が強い選手だと、どうしても相手との間をとりたくなる。その気持ちはすごくよくわかる。 まず、空手だと体重差20k以上あると、前に行くのが怖い。 しかし、離れていては絶対に相手には勝てない。 相手の攻撃も当たらないがこちらの攻撃も当たらないからだ。怖くても間を詰める必要がある。 かといって、相手と相対した時に、こちらがおっかなびっくりだと後手に回ることになる。 だが、難しいのは承知で例え受けに回っても絶対に気持ちで負けてはならない。 少しでも、相手の気持ちに気圧されて後ろに下がったら最後、 絶対に相手はそれに乗じて一気に押し込んでくる。 (※ただ、自分の間合いでなら、距離をとるのはいい。これが難しいところ・・・(・・;)) そして、相手と対峙した時、必ず相手をよく見る。 その時、重要なのは、よく見るといっても漠然と相手の全身を見ることだ。 空手の組手の場合、相手の手や足だけを注視することはしない。 必ず相手の全身を漠然と見る。 (※自分から見て、自分の頭の斜め後ろから飛んでくる上段回し蹴りや、 視野の外の横から飛んでくる下段回し蹴りに対して対処できないのは、 視野が狭くなっている証拠である。) 人間は必ず、手や足を動かす前に、どこかに予備動作が入る。 そして、上手い人間は、この予備動作がほとんどない。 しかし、その一方で、フェイントもあるので、 もちろんそれも察知しなければ、相手を止めることは出来ない。 (※フェイントかそうでないかを見分けるポイントは、 相手の重心の位置をよくみることだが、こればかりは感覚的なもので難しい。) 「後の先」とか、「先の先」というのは、この「間」を考える上での極意でもある。
しかし、相手との間を詰める上でやはり精神的な部分は大きい。 こちらに精神的な余裕がないとまず無理だからだ。 しかも、1対1の間は、守備だけではなく攻撃にも活かすことが出来る。 そして、空手とサッカーで大きく違うのは、ボールを持っている人間の方が、 ボールを扱うという行為が増える分、動作の点では不利だという点だ。 だから、基本的にはサッカーは守備者のほうが有利なはずなのだ。 そうはいっても、この状況では自信を持つことは難しいかもしれない。 しかし、それがないとまず止められないし、相手を抜き去ることも出来ない。 (※喧嘩やプロレスなどの格闘技でも、まず相手を威嚇することが多いのは、 精神的優位になろうとすることの現われでもある。) 自分の自信をつけるためにも、以前、箕輪選手と藤田選手が居残りでやっていた様に、 札幌の選手は1対1の練習をもっとしなければならないと思う。
2008年10月27日
下向かないで選手よ あなたのため明日のため すべてのサポよ 文句だけの批判は止めて 忘れるな五段階計画の心 金をかけず チームを育てる 自分を捨てて札幌のため何かができる 日々札幌思い 一生が終わればいい 日々の暮らしの中 間違いだらけこの世の中 責任たらい廻し 借金踏み倒し 平気な顔 弱いチーム見殺し 無力な自分 くずれる今 日々札幌思い 札幌思い 一生が終わればいい 日々札幌思い 札幌思い 一生が終えてもいい 日々札幌と僕 札幌と僕 一生を終えようか
2008年10月26日
資金が乏しいチームは、選手を育成して強いチームにしていくしかない。 それは、セビージャ(セビリア)FCの例を挙げるまでもない。 しかし、札幌が、今季J2降格に至った原因の一つに 「精神的な弱さ」があったことは、間違いないだろう。 札幌の選手は、他のチームから来た選手に、練習外で仲が良くて、練習中は大人しいとよく言われる。 前節柏戦後の菅沼選手のコメントを引用するまでもなく、 チームが強くなるために大切なことは、「チーム内の競争激化」だ。 それなくして、安易な若手起用など更なるチーム内の不協和音を生み出すだけだ。 現代サッカーは、FWにも守備が求められ、DFにも攻撃センスが求められることからもわかるように、 選手にオールラウンドな能力を求める。 しかし、程度にもよるが、得意なことをさらに延ばすよりも、 弱点をなくすことの方が容易であるはずだ。 例えば、試験の点数を80点から100点にするよりも、同じ20点でも、 50点を70点にする方が簡単である。 プロなのだから、監督の要求に応えられなければ試合には出られない。 だが、サッカー選手の選手生命は、それほど長くはない。 監督の戦術が気に入らなく、能力があるにも関わらず弱点を指摘されて、 監督の戦術のせいで試合にでられないと思っているのなら、移籍すれば良い。 移籍先がないなら、今のチームで頑張るしかない。 そして、HFCももっと若手選手を囲い込むのではなく、外に出すべきだ。 チームに厳しさを与え、良い見本となるベテラン選手は必要で、 若手に偏った年齢構成はむしろいびつで、チームには足りないとすら思える。 チームが強くなるには、練習からの厳しい雰囲気が必要だ。それがないと若手も伸びない。 箕輪選手の来季獲得を望むなど、HFCもその点はわかっているようだが、 高給であるからベテランを斬り、薄給であるから若手を残すという安易な考えなら賛成できない。
2008年10月24日
資金のない地方都市にあるクラブチームが、成功する方策はそれほどない。 限られた資源を有効に使うしかないからだ。 ゾーンディフェンスを考える。 -その6- 札幌とセビージャ(セビリア)FC。 そのためには、 ・ユースとスカウトの強化。 ・チームカラー(どういうサッカーをするのか)の固定。 ・そのサッカーの実現をクラブがサポートする体制をつくる。 ことがポイントだと思う。それは多分誰が考えてもあまり大差はないだろう。 揉める要素があるとすれば、来季以降どういうチームカラーにするかという点だろう。 そう考えると、監督問題は、来季以降の札幌のサッカーを どういうサッカーにするかの対立かもしれない。 報道から漏れてくる監督候補は、オシム親子、その下でコーチをしていた江尻氏、 そして、今の川崎Fの礎をつくり、現柏監督の石崎さん。 いずれもパスをつなぐ攻撃的なアクションサッカー志向だ。札幌でいうとヤンツー路線。 それに対して、三浦監督の続投が意味することは、 岡田、三浦路線というか、現実的なリアクションサッカー志向の継続。 さらに、来季の捉え方にもよる。育成メインでいくのか、J1再昇格に拘るのか。 育成メインでアクションサッカーの再来か、J1再昇格を目指してリアクションサッカーの継続か。 なにか、いつか来た道な様な気もするのだが、気のせいだろうか・・・(・・;) しかも、単純にアクションだから、来季J1に再昇格できないというわけではないだろうし、 リアクションだから、育成ができないというわけでもないのだから、更に話がややこしい・・・(´Д`|||) リアクションサッカーは、堅実なだけにサッカーに面白みはないが、その分結果は期待できる。 アクションサッカーは、リスクが大きいために魅力的だが、 大勝も多いが負けも多く、成績は不安定になるというような一般的な傾向はある。 まあ、そうはいっても、結局は、選手と監督次第なのだが・・・。 サポーターというのは、私も含めて元来無責任なことしか言わない。 アクションサッカーの時は、ポゼッションして相手を崩すには技術が必要なのに、 結局、選手がヤンツーの要求に応えられないからこのままやっても無理だといい、 結果がでないなら面白くても勝たなきゃ意味がないという。 三浦監督が就任して、J1再昇格を果たすとホレ見たことかという一方で、 結果は出てもサッカーはつまらないという。(札幌は、バルセロナか・・・) そしてJ1に昇格して低迷すると、今度は、J1では守備的な戦術は通用しないことはわかっていた。 それに戦術が難しすぎて選手にはわからないからレベルを下げろという。 技術もなく戦術も理解できず、かといって出来る選手をつれてくる資金もない。 それで、できないなら練習を沢山しろ!というが、沢山したら怪我をする・・・(・・;) 本当に、どうしろと?(笑)。 矢萩さん、あなたが社長なんですから、人に色々と意見を聞くのはいいのですが、 社長として、あなたがいいと思ったことをするのが私は一番だと思います。 そして、それが社長の仕事だと思います。
2008年10月24日
10月19日の厚別で開催された柏戦後、札幌サポーターのフィールドへの 飛降り行為およびカメラマン等への威嚇行為があり、その処分がHFCから出ました。 10月19日 柏レイソル戦での違反者への処分について >■違反者2名に対して… >直近のホームゲーム2試合とその期間に開催されるアウェイゲームへの入場を禁止。 要は、今シーズンは、出入り禁止ってことでしょう? そう書けばいいのではないかと思うわけですが・・・。 これだと、「飛び込み=ホーム2試合出入り禁止」ととる人が多いというか、 実際、そうだと思って処分が軽いという論調が多い。 本当は、そういう意図(今後も、飛び込み=ホーム2試合出入り禁止)で出したものでないならば、 「2試合のホームとその間の試合の出入り禁止」と「今シーズン出入り禁止」では、 実質的に結果は同じだが、周囲へ与える印象が格段に違うので、 「今シーズンは出入り禁止」の方が良いのではないかと。 道新の記事でも、 乱入サポーター2人、入場禁止に(10/24 10:18) >今季の残り5試合への入場を禁止する処分を科した。 今季残り5試合、入場禁止となっているし、誰が書いたのかはわからないが、 HFCは、伝え方の違いをもう少し考えた方が良いのではないだろうか。 サポーターの不祥事が問題になっているこの時期に、 敢えて、今回はHFCがサポーターに寛大な処分を下したことを 対外的にアピールしたいのであれば、ホーム2試合禁止でもいいと思いますが・・・。
2008年10月23日
さて、久々の復活となりますが、今回のゾーンディフェンスを考えるは、 三浦監督が、その戦術をどう修正しているか考えていきたいと思います。 以前のゾーンディフェンスを考える。 -その5-で、
◎図1 (●・・・守備者 ○・・・攻撃側 ◎・・・ボールホルダー) ◎ ○ ↓ ● ×←●(※ここにスペースが出来るので左にヘルプにいけない)
>上図1のように、ボールホルダーに対して、常に1対1なのです。 >左右から挟もうとするとラインが崩れてそこにスペースが出来るので、 >基本的にヘルプに行きません。 という点を指摘しました。これは修正されてます。 どう修正されているかといえば、(※下図2参照。)
◎図2 (●・・・守備者 ○・・・攻撃側 ◎・・・ボールホルダー) ◎ ○ ↑ ←● ● ←● ←●
全体的に選手がボールサイド(ボール側)にスライドして、ボールホルダーに対して 二人がプレスにいってます。そして、ヘルプに行った選手があけたスペースを その隣の人が埋めてカバーリングするということをしています。(※上図2参照。) また、ゾーンディフェンスを考える。 -その4-で指摘した >4-4-2の4-4の2ラインによって自陣のゴール前に >2枚のゾーンの防御網を張り、その陣形を極力維持することで、 >自陣に相手に使われるスペースを消し、相手に自陣に侵入する隙を与えないこと。 >しかし、その一方で、陣形を維持することのみに囚われるとボールホルダーへの >プレッシャーが弱くなり、流石にノープレッシャーでは、J1の高い技術の前に >精度の高いクロスやミドルシュートを沢山蹴られる結果となっていること。 >そして、この2つのバランスをどうするかが一つのジレンマである。 このジレンマも、以前より、明らかに球際に強く当たりに行くように なっていますし、マークも厳しくなっています。 ただ、人に付いていくことが多くなったので、その結果、 DFラインにスペースを作ることも多くなってきました。 しかし、以前からやってはいたのですが、DFラインの選手があけたスペースに対しては、 2列目の中盤の選手がカバーに入っています。(※図3参照) さらに、チームとしてだいぶこなれて来た感じはします。
◎図3 (●・・・守備者 ○・・・攻撃側 ◎・・・ボールホルダー) ◎ ↑ ● ●(2列目の中盤の選手) ↓ ↓ ← ← ● ● ● (←DFラインはここ)
上図2と図3であげたように、また、その他の所でもチームとしてカバーリングが 以前に比べて、しっかり出来るようになっていると感じています。 特に、この間の柏戦でそれをすごく感じました。 それが、負けはしましたが、私があの試合で選手を評価していた点でもありました。 上を見て、そんなこともできなかったのかと思う人がいるかもしれません。 それは、そんなこともできなかったともいえるし、一人ではなく チームで行うわけですから、そんなことをするのが難しいといえるかもしれません。 毎日のように練習しているのですから、当たり前なのかもしれませんが、 日々、戦術の完成度は上がっています。 この間の柏戦の前半を見ればわかるように、カバーリングが上手くいってるときは、 J1でも守備が大きく破綻することは無かった。(※1失点目は、セットプレイ。) 今の選手を出来るだけ維持して今の戦術を実行できれば、 J2なら通用するレベルにあると私は思っているので、正直もったいない。 このやり方をリセットして、もう一度作り直すとなると、 ここまでくるのにこれだけ時間がかかったのですから、 再び次の戦術の完成度を上げるまで、かなり時間がかかるのは目に見えています・・・(・・;) 従って、J2最下位になっても育成をメインにするというならまだしも、 1年でのJ1再昇格を狙うなら、よっぽどの監督でもない限りは、 私は監督交代の方がギャンブルだと考えています。
フランスの1部リーグに、リヨンというチームがあります。 昨日のスペインのセビージャの話札幌とセビージャ(セビリア)FC。ではないのですが、 今でこそフランスリーグを7連覇する強豪ですが、それまではエレベーターチームでした。 さて、リヨンの転機は、同じ監督による長期政権を基本としたことにあるとされています。 リヨンの監督は、自分が辞めると言うか、どこかに引き抜かれてしまった場合を除いて、 3年以上同じ監督による長期政権になっています。 個で対抗できないチームは、組織を磨くしかありません。 しかし、組織をつくるには時間がかかるということを、もう一度考えなおすべきだと思います。
2008年10月22日
今の札幌の状態を見ると私には思い出す一つのクラブがある。 それは、現在、スペインリーグ1部のセビージャFC(セビリア)だ。 2006-2007シーズンこそ、コパ・デル・レイを優勝(国王杯。日本でいうと天皇杯)、 リーグ戦を3位で終わるような強豪だが(※2007-2008シーズンは、5位。)、 以前は、2部に降格することも多い、正にエレベーターチームだった。(※下記表参照。) スペイン南部アンダルシア地方にあるセビージャは、 (Sevillaの"ll"の発音の違いでセビリア、セビーリャとも呼ばれる。) 人口約70万人でスペイン第4の都市。 スペイン南部の政治、経済、文化の中心地であり、観光都市である。 そして、ちょうど2001年、セビージャFCが2部から1部に上がった年、 私はセビージャに行ったことがある。いい思い出もたくさんある街だ。 基本的に、スペイン人とはサッカーが好きだと仲良くなれる(笑)。 スペイン語がつたなくても、とりあえずスペイン代表選手の名前を並べると、 お前、日本人なのによく知ってるな!という顔をされて、握手を求められ抱きつかれる(笑)。 その時もそんな感じで、現地の人とサッカーの話で盛り上がった。 ただ、その当時、セビージャの人たちが異口同音に言うのは、セビージャは地方都市で、 金が無いから、今回1部に上がってもまたいつか落ちるだろうさという非常にさめたものだった。 スペイン南部のアンダルシア地方の人は暖かい気候もあってかスペインの中でも陽気な気質なのだが、 地元のサッカーチームに対しては、とにかくネガティブで、現実的だった(笑)。 この人たち、バル(バー)で話している分には、しおらしいのだが、 スタジアムに行くとかなり豹変する(笑)。 (※サッカーを見たいといったら、マドリッドみたいな都会と違って危ないから、 怪我をしたくなかったら、スタジアムには近寄るな!とすら言われました・・・(・・;)) この諦めにも似た雰囲気、だけど、サポーターは熱い。そう、どこかで見た光景なのだ(笑)。 さて、その熱いサポに支えられるもパッとしなかったセビージャFC。 実は、2001年に1部に昇格してから2部に降格していない。 (※下記表参照。その前は、昇格と降格を繰り返している。) 昔はエレベーターチームの代表格みたいに言われたが、 近年は、降格するどころか、強豪と呼ばれるクラブになっている。
○近年のセビージャFCのスペインリーグでの成績 (※プリメーラは1部、セグンダは2部の意味。) 1996-1997 プリメーラ・ディビシオン 20位 1997-1998 セグンダ・ディビシオン 7位 1998-1999 セグンダ・ディビシオン 4位 1999-2000 プリメーラ・ディビシオン 20位 2000-2001 セグンダ・ディビシオン 1位 2001-2002 プリメーラ・ディビシオン 8位 2002-2003 プリメーラ・ディビシオン 10位 2003-2004 プリメーラ・ディビシオン 6位 2004-2005 プリメーラ・ディビシオン 6位 2005-2006 プリメーラ・ディビシオン 5位 2006-2007 プリメーラ・ディビシオン 3位 2007-2008 プリメーラ・ディビシオン 5位 セビージャFC 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
転機になったのは、2002年に弁護士として活躍していたデル・ニド氏が、
セビージャFCの会長に就任したことによるとされている。
ただし、セビージャFCは、スペインでも屈指の下部組織を持つことでも有名である。
マルチェナ(スペイン代表 バレンシア)、レジェス(元スペイン代表 ベンフィカ)、
セルヒオ・ラモス(スペイン代表 レアル・マドリッド)、ケパ(ヘタフェ)、
ヘスス・ナバス(セビージャ)、ディエゴ・カペル(セビージャ)など
現所属を見ればわかるように、主力をビッグクラブに次々に引っこ抜かれても、
有望な若手選手を次々に輩出している。
そこで、実力はあるが、あまり移籍金のかからないお買い得の選手をスカウトし、
そこに自ら育成した若手選手を組み合わせることで、資金をかけずに
ビッグクラブに対抗できる強力なチームを作り上げることに成功したとされる。
セビージャの人口は、190万人といわれる札幌の半分以下。(アンダルシア州は、約780万人。)
そして、スペインでも経済的に貧しい地域とされる。
スペインは、サッカーが国技のようなところがあるので、単純に真似は出来ないが、
札幌にも可能性があると思わせてくれる事例である。
セビージャFCが示す、お金のない地方都市のクラブが成功するための一つのポイントは、
『下部組織の充実と優秀なスカウトの確保』だ。
これが長期的なチーム強化の視点に立ったときに、最も重要かつ堅実な路線だろう。
有能な若手を引っこ抜かれても、ビッグクラブから移籍金をせしめて
次々と有望な若手を育成して輩出する。そういう強かさが必要だ。
札幌の村野GMが進める育成路線は、このセビージャFCの例を見ても
地方のクラブが強くなるために、決して間違った方向性ではないと思う。
だから、私は、村野GMを支持するし、頑張って欲しい。
札幌を是非日本のセビージャにして欲しいと願っている。
2008年10月21日
今日は、色々と溜まっているものを吐き出したいと思います(笑)。 (※お見苦しい点もありますので、続きに書きました。)
まず、日刊、リストアップしただけで、なんで「招へいへ」になる? 札幌がオシム氏リストアップを認める 本人は監督をやる気はあるかもしれないが、周囲はあまり乗り気ではないこと、 具体的に札幌にくる話は全く進んでいないらしいじゃないですかと。 そんなもん、リストアップだけならどこのクラブでもできんだろーが! 話題性だけで一面に載せたとしか思えない。さしたる根拠も無く書いて、書いたもの勝ちか? 次、柏戦後、ピッチに降りた人。同情はするが、残念ながらルール違反です。 乱入サポーターに対し入場停止処分も(10/21 10:41) 「かっとなってやった。今は反省している。」じゃ許されない。 あの行為は、誰も得をしません。入った人は出入り禁止。HFCは、警備の強化を求められます。 多分、飛び込んだのは熱心なサポだろうから、観客動員は減る、 そして、警備費は余計にかかるで良いことはない。 当然、いい大人なんですから、自分たちが出入り禁止なる覚悟で選手に伝えたいことがあって 飛び込んだのでしょうけど、その後の社会的な制裁も受ける覚悟があって入ったと思いたい。 3つ目、昨日の深夜の「Fの炎」で平川さんがあげた降格の理由の3番目。(他の3つは賛同。) 「守備的から攻撃的な戦術の転換に失敗した」 そして、その理由が、 「相手FWが一人なのにDFラインに4人並べるのはどうか。」 逆じゃないかと。問題は、相手FW一人にこっちはDFラインに4人並べて、 なんでJ1最多失点なのかという点じゃないのですか? そもそも、攻撃という点で言うなら、 3バックとか4バックとかフォーメーションの問題じゃない。 4バックなら、両SBが上がればいい。しかも、両SBを攻撃的な選手に代えるという手段はやっている。 それと、攻撃的な戦術から守備的な戦術への転換は比較的容易だが、その逆は難しい。 ヤンツーが苦労したのと、その後三浦監督があっさり守備的に変えて J1昇格したのをみれば十分だ。最近、平川さんもお怒りなのか、持論に拘りすぎな気がする。 その他のコメントでは、最後の今後、安易に若手を使うのではなく ベストメンバーで望むべきというのは賛成です。 ベテランとか若手とかピッチの上では関係ない。若いからという理由だけで出しても意味がない。 先日の柏戦後の菅沼選手のコメント。 >「先制点を奪えたのはよかったが、もっと決めるチャンスはあったので、 >そこを決められるようにしたいと思う。このチームはポジション争いが >激しいので、今後もしっかりアピールしていきたい」 (※太字は、私が加筆。) 大事なのは、私が太字にしたところだと思っています。 最後に、村野GM辞めないで!
2008年10月20日
昨日、J2降格が決まって、早速来季の話も具体的になり盛り上がってきた。 道新、報知、日刊で三社三様の来季の監督人事に関する報道が出た。 まず、基本的な私のスタンスとして、新聞とはいえ、 特にスポーツ新聞の記事を鵜呑みにするのは大変危険であると思っている。 以前、私は、ある事件に対する新聞各紙の報道を比較するということをしたことがある。 その時のスポーツ新聞の記事の適当っぷりが、他紙と比べてすごかったことだけは書いておく。 例えば、他の大手紙がデータとして出した数字(これはどこの大手紙も同じ数値)と スポーツ紙だけが、それとはかけ離れた数字を根拠にしていた。 そして、それが問題になったり、謝罪されたということはなかったからだ。 (※一度やってみると面白いので、学生の方は、冬休みの自由研究に是非!(笑)) 道新は、三浦監督続投を軸に来季監督を模索しているという印象。 監督の去就「今は白紙」 HFC矢萩社長(10/20 10:38) >監督問題について「現時点では白紙。続投もあるし、そのほかの選択肢もあり得る」 この路線が、最も現実的な選択肢であると私は思っています。 報知は、他の日本人監督で探しているとのこと。 コンサ降格「1年で帰ってくる」…J1第29節 >次期監督に江尻篤彦氏(41)や柏の石崎信弘監督(50)など日本人指揮官をリストアップ。 ここで名前の挙がっている、江尻氏は、主にジェフで選手として活躍し、 U22日本代表のコーチ。ただ、Jリーグ含めて監督経験はない。 石崎氏は、札幌の前身である東芝出身。 現在、柏の監督であり、Jリーグでの監督としての実績も申し分ない。 ただ、柏をJ1に昇格させ残留させた実績があり、柏が手放すかどうか。柏次第という面が強い。 日刊は、監督候補にオシム親子の名前。正直びっくりした。 札幌総監督にオシム氏招へいへ オシムなぁ、オシムなぁ、それは願望はあったけど、正直想定外。 まず、1億といわれる年俸を払えないと思っていたから、完全に私の頭の中になかった。 ただ、この方、多分、ビッククラブからのオファーには元々興味のない人で、 今までの精神性からいって、弱いチームを強くすることに生きがいを感じている人。 また、オシムの故郷のサラエボは、冬季五輪を開催したことからもわかるとおり、 気候も同じく冬季五輪を開催した札幌と似ている。 元来、寒いところの人間が亜熱帯(失礼(笑))に住むのは、若いならまだしも色々と苦痛が多い。 健康面を考えると、日本に滞在する上で移動が難儀ではあるが、 住む分には、札幌はベストな選択といえる。寒いということが、こんなところで有利に働くとは(笑)正直、適当な記事の多いスポーツ新聞とはいえ、可能性は0ではないと思う。 他の名前があがっている日本人監督だと石崎さんが気になるが、 それなら、私は、三浦監督の続投の方が良いと思う。 ただ、オシムだと、三浦監督の続投支持派の私もさすがに心が揺れる(笑)。 監督で観客を呼べる知名度もある。多少、大枚はたいてもペイするだろう。 実績も今さら語るまでもなく超一流だ。 ただ、色々と問題もある。 まず、ヤンツー>三浦>オシムだと、アクション>リアクション>アクションになって、 本当に、札幌のサッカーに統一感が無い。 それと67歳という高齢。無理をすればまた、脳梗塞を再発する恐れもある。 どれくらい長い間、指揮を執れるか疑問が残る。 そして、オシム日本代表監督復帰待望論もある。日本代表監督に引っこ抜かれる可能性もある。 そして、最大の問題は、千葉を見ても日本代表を見てもわかるが、オシムは劇薬なのだ。 効果は絶大だが、効き目が強すぎるだけにその後が続かない。オシムの真似は、誰にも出来ない。 運良くオシムが来てくれたとしても、オシムがいなくなった後が、かなり問題になる。 オシムのサッカーをオシムの水準で引き継ぎ発展できる監督がいないからだ。 そうはいっても、その選手の育成手腕、サッカー哲学、戦術眼。 どれをとっても当代一流の監督であることに間違いはない。 興行的にも、話題性に弱い道民心理をがっちりつかめる。 しかし、この名前が出てくるとはね・・・。もう少し、事態の推移を見たいと思います。
2008年10月19日
今日の試合内容は悪くなかった。だから、最後に私は選手に拍手をしました。 結果は0-2での負けですから、結果だけ見たり聞いたら惨敗です。 きっとこれからの新聞報道やスポーツニュースでは、結果しか報じられないのでしょう。 そして、肩を落とす札幌の選手の映像とともにJ2降格を知らせるだけなのでしょう。 しかし、私は、その結果が出るまでの選手たちの過程をしっかりと見届けました。 今日は、1対1も体をはっていたし、マークの受け渡しとカバーリングもしっかりできていた。 随所できちんとキープしたり、しっかりパスを回そうとする意志も感じられました。何度か回そうとして危険なシーンもありましたが・・・(・・;)でも、厚別の風を最後まで味方につけられなかった。 札幌のシュートはことごとくGKの正面に飛び、こちらの失点はどちらもゴールラインギリギリで入った。 これが今季の札幌を象徴しているようです。ほんのちょっとの差、だけど大きな差。 今日の試合がもっと前から出来ていれば、 もう少しまともな結果になっていたかもしれないという内容ではありました。 結果だけが付いてこなかった・・・。 こうなりゃ、こっちも意地ですよ(笑)。 私はいつの日か再びJ1の舞台で、彼らが勝つ日が来ることを信じて応援します。 まあ、でも、拍手はしたけど、滅茶苦茶悔しかった。本当に悔しかった。複雑だった。 だけど、それしか思いつかなかったし、何か声をかける気の利いた言葉も見つからなかった。 この経験を思い出にしないで、絶対に捲土重来して欲しい。 この経験を活かせないやつが、今後、本当の意味で負け犬だと思う。
2008年10月17日
今日は、少々抽象的なお話です。 先日、日本代表は、W杯最終予選のホームでウズベキスタン相手に1-1で引き分け。 サカマガ元編集長の千野さんが、ブログでまた岡田JAPANに痛烈な苦言を呈しています。 千野圭一の辛口コラム第427回08/10/16「勇気」だけのFWではなく賢く、技術のある前田の起用を! 千野さん曰く、岡田JAPANにコンセプトがないと。 私は、日本代表テストマッチ -UAE戦-で、 オシムとは違うよりシステマチックな雰囲気の岡田流「走るサッカー」の 攻撃の形が、浸透しつつあると感じたと書きました。 ですから、この御仁が、正直何をそこまで怒っているのか 少々的外れではないかとも始めは思ったのですが・・・(・・;) 私は、一番大事なことを見落としていたのかも知れません。 千野さんが、岡田JAPANにコンセプトがないと言っている意味がやっとわかりました。 哲学がないんです。どうやって勝つかというフィロソフィーがない。 あるのかもしれませんが、それは少なくても現時点では感じない。 それが、私が岡田サッカーをシステマチックと感じた由縁かもしれません。 サイド攻撃とかSBがオーバーラップするとか、そういうのはチームとしてどうやって点数を取って、 最終的にどうやって勝つかというチームのコンセプトだったり、哲学ではない。 千野さんが言っているのは、恐らく局面で選手がどう動くかという戦術レベルではなくて、 もっと深いところで、勝つためにチーム全体で同じ絵を描けているかということ。 戦術の上のもっと大きな漠然とした考えみたいなものがない。 例えば、オランダのトータルフットボール、イタリアのカテナチオ、ブラジルの個人技。 そこまで歴史と伝統に裏付けられた哲学である必要もありませんが、 少なくとも、オシムのサッカーには、「人とボールが動くサッカー」のように、 チーム全体として、どうやって点数を取りにいってどうやって勝ちにいくか という哲学が感じられた。確かに、そこは根本的に違います。 良い監督とそうではない監督の一番の違いは、自らの哲学があるかないかだとも思います。 岡田監督は、今まで自分には明確なコンセプトがあるようなことを言っていますが、 少なくても現時点で、岡田JAPANにそれは感じられません。 W杯でベスト4を目指すというサッカーのコンセプトが見えてきません。 現に、マスコミでも岡田JAPANのサッカーを端的に表す様な形容詞がない。 監督の力量差といってしまえばそれまでかもしれませんが、 この記事から、チームが勝利するための哲学の重要性を改めて教えられた気がしました。 4-4-2、4-2-3-1などのフォーメーションは、 監督のコンセプトを具現化する手段でしかない。 さて、長い前振りでしたが(笑)、札幌の話。 昨季からの札幌の戦い方は、自分から攻めるという形に向いていません。 自陣のスペースを消し相手にボールを支配されても攻撃の糸口を与えず、 ボールを奪ってカウンターで1点をとり、後はリスクをかけずに守りきる。 これが、昨季の札幌の勝利へのコンセプトでした。 それを、突然コンセプトを変えても上手くいくわけがない。 今さらという人も居るかもしれませんが、 私は、今こそ、チームコンセプトを思い出すべきだと思います。 そこがぶれると勝てない。初心に戻って、チーム一丸になって欲しいと思います。 そうやってJ1昇格を果たしたという自信まで失う必要はないはずです。 今なら、また開幕の頃とは違うサッカーが展開できるかもしれません。
2008年10月16日
昨日、今の札幌の課題は、「攻守のバランスの悪さ」だと主張した当ブログですが、 (勝ちきれない理由は、攻撃か守備か) Ryosukeさんのコメントにもあったように、 攻守のバランスと一言にいっても実際に実行するのは難しい。 もう少し、この問題について具体的に突っ込んで行きたいと思います。 以前、箕輪選手が、守る時はある程度守れているし、攻める時はある程度攻めることが出来ている。 ただ、その間がないと語っていました。実は、この攻守の微妙な加減がないと思っています。 例えて言うなら、車でいうと1速(全力守備)と5速(全力攻撃)しかない感じなのです。 そんなマニュアル車、乗りづらい(笑)。それに燃費も悪い。 まず、サッカーは、90分間一方が攻め続けることも、守り続けることもない。 そして、攻めか守りしかないわけではなく、 手で扱う球技(ボールを奪われにくい)であるハンドボールやバスケと比べて、 足を使う(ボールを奪われやすい)サッカーは、その中間の時間が長い。 それなのに、全力で攻めたり守ったりし続けていれば、燃費が悪くガソリンが切れます。 攻めにも守りにも緩急がないのです。攻撃の全てがチャンスになるわけではない。 DFラインで回して、GKに戻してキックしてもいい。そういう時間帯があってもいい。 もっと休む時間があっていい。例えば、自陣でのマイボールを確実につなぐ、 プレッシャーのないルーズボールは正確にコントロールするとか、 それを全員が意識してやらないとそういう時間がつくれない。 J1のプレッシャーに負けて精神的な余裕がない。 したがって、根本的な原因は、ボールポゼッションができないという点なのですが、 ポゼッションができないがために、特に攻撃が単調になっている。 ボールを奪ったら全力攻撃、ボールを奪われたら全力守備。これでは、後半まで持たない。 これは以前から言われていることですが、もう少し、ポゼッションの意識を高めないと 単調な攻めに終始してしまう。特に両SH、CHあたりがこれを意識して実行する必要がある。 そして、今の札幌の攻めに課題があるとすれば、この部分ではないでしょうか。 試合をスムーズに進めるためにも、実行に移すのは難しいことは十分承知で、 札幌は1速と5速の間の時間帯をいかに多く作れるかが課題ではないかと思っています。 札幌のため、いや選手、監督自身のために、今後に繋がるサッカーをして欲しい。 J1は、貴重な経験の場なのだから。
2008年10月15日
中国の兵家、孫子はその有名な兵法書の中で、 かの有名な「己を知り、敵を知れば百戦危うからず。」と書いている。 この続きは、自分と敵のどちらかしか知らなければ、勝率は半分に。 どちらも知らなければ、勝てないと書いてある。 今の勝てない札幌に対して、勝ちきれない理由は攻撃にあるのか守備にあるのか。 月曜深夜の「Eスポーツ」の野々村さんと「Fの炎」の平川さん、 札幌のご意見番の二人が、札幌の現状打破に対して対照的なコメントをしていた。 要約するなら、野々村さんは、バランスを崩して得点を取るために 攻撃しているので最後の所で守備が崩壊して勝ちきれないとし、 平川さんは、勝ちきれないのは攻撃のせいだという。 確かに、点数を取らねば勝てないが、今の札幌は得点不足で勝てないわけではない。 それは、J1でぶっちぎりの最多失点58(17位は緑と千葉の43)と 得点32は全体の12位(最下位は大宮の28)というデータを見ても明らかで、 攻撃に問題がないとは思わないが、少なくともガンバ相手に3点とっても 勝ちきれないという守備の脆さにあると考えるのが妥当だろう。 例えば、バイタルエリア -第27節 FC東京戦-でも指摘したが、 勝ちに行って全体的に前がかりになり、バイタルエリアを空けるなど 布陣のバランスを悪くして失点することが多い。 したがって、私は守備というか、原因は攻守のバランスが悪いことにあると思うので、 野々村さんの意見を支持したい。 しかし、ある程度こうなることは想定できたはずだ。 以前書いたホーム勝点3では生ぬるい。でも書いたが、 昨季からの札幌の戦い方は、自分から攻めるという形に向いていないことを指摘した。 自陣のスペースを消し相手にボールを支配されても攻撃の糸口を与えず、 ボールを奪ってカウンターで1点をとり、後はリスクをかけずに守りきるという戦法だからだ。 それが、どうしても勝ちに行くために自らの勝ちパターンを崩してしまえば、 リスクはより大きなものになる。 これは日本代表戦に対してだが、金子さんがいうように、一般的に UAE戦 偵察隊に見せつつ隠せ【金子達仁】2008年10月09日 >自分たちよりやや力の落ちる相手が、負けないためにではなく勝つために >ぶつかってくるシチュエーションは、本来であれば、もっとも大差のつきやすい試合である。 今のように自らリスクをおかして攻めるというスタイルは今の札幌に向いていない。 上手く前半戦で勝点を積み上げられず、こういう状況に自ら追い込んでしまい、 昨季の勝ちパターンに持ち込めないことが更に厳しい結果を招いている。 したがって、繰り返すが、私は攻撃に課題があるというよりも、 攻守のバランスの問題だと思う。 これ以上、攻撃に偏重してもその隙(スペース)を突かれて失点するだけだ。 がむしゃらに行っても勝てなかったのだから、この中断期間で ちょっと落ち着いて攻守のバランスを取り戻して欲しいと思う。 勝てない札幌は、まず己を知ることが必要ではないか。
2008年10月14日
若干遅いですが、先週行われた2010年W杯最終予選、 日本代表のテストマッチUAE戦の感想です。 前半は良い形で攻めながらも0-0で折り返し、 後半、香川の代表年少得点記録3位で先制するも、 カウンター気味にサイドをドリブル突破され、そのまま中央に流れてミドルで一閃。 その後も惜しい形は作るものの勝ちきれず、結果的には、1-1で引き分けました。 その後のスポーツニュースの携帯アンケートで、8割位の人が岡田JAPANの出来に不満とのこと。 私はといえば、若手も試していたしこんなものかなという印象でした。 確かに、ホームで勝ちきれなかったこと、日本積年の課題であるチャンスは作るが 「決定力不足」を露呈してしまったことは不満です。 ただ、SBが中盤を追い越してオーバーラップしてサイドから崩し、ゴールエリアの角に 低いアーリークロスを入れ、中央に数人の選手が飛び込むという形は出来ていた。 (イングランドのアーセナルが、似たような攻撃しますよね。) 後は、最後のラストパスとシュートの精度です。まあ、コレが大きな問題なのですが・・・(・・;)岡崎や興梠などのオリンピック世代を試したこともあり連携不足の面もあったのでしょうけど、 今までよりは攻撃の意図をきちんと感じました。 守備に関しては、的確にカウンターの目を摘んでいましたね。 危ない場面は、上手く体をつかって止めにいっている。だけど、ファールをもらわない。 SBが上がった後のスペースにもちゃんとカバーリングが入っていましたし、 何より1対1で負けない。 日頃、札幌の試合を見ているから上手く見えたのかもしれませんが(笑)、 当たり前のことを当たり前にやっている印象でした。でも、それが難しい。失点のシーンは全体が前がかりになっていたこともあり、 サイドとDFラインの前にスペースが出来ていて、そこを使われてしまった感じです。 あとは、CBに現状だとやはり中澤とトゥーリオの代わりがいない。 一番気になったのは、4-2-3-1の布陣で、1トップは玉田でいいのか?という点。 玉田は体の使い方も上手いし、速いし、ポストプレイもこなせる。 ただ、一応UAE相手にボールは収まっていましたが、だいぶ削られていました。 1トップは、簡単に倒れていては攻撃が出来ないので、多少ファールされても 倒れないくらいのフィジカルとテクニックが必要なポジションです。 ですから、これから世界相手に玉田の1トップではきついのではないか という印象をどうしても持ってしまいました。 かといって、日本だと高原が復調すれば、1トップにはまるかもしれませんが・・・。 後は、1トップの下3の大久保、不完全燃焼っぽかった。 生粋のサイドプレイヤーではないので使い方の問題なのか、それとも、ただの不調なのか。 全体的に岡田監督が目標として掲げるW杯ベスト4には、もう一歩という印象は拭えませんが、 オシムとは違うよりシステマチックな雰囲気の岡田流「走るサッカー」の 攻撃の形が、浸透しつつあると感じた試合でした。それで実際に点数取れるかは、また別の問題ですけれどね・・・(・・;)
2008年10月13日
しばらく羽を伸ばしておりました。週末お越しくださった方すいません・・・(・・;) 監督問題については、19日に試合もあることですし、まだ降格も決まったわけではない。 言いたいことは大体書いたので、今後はしばらく静観していこうと思っています。 さて、アメリカの金融不安を背景に、世界経済の停滞が深刻になりつつあります。 今日のスポーツ報知から、コンサ、スポンサー減ピンチ >「ウチのスポンサーさんはあまり問題になっていないところが多いですが、 >それ(スポンサード)どころじゃないという企業もありました」と矢萩社長。 このような不景気に見舞われたり、今季のように資金難が原因で成績が低迷すると、 野球のように大企業がバックに付いて損失を補填すれば強くなるという 意見が出てくる。それは確かに、そうかも知れません。 しかし、責任企業丸抱えの構造というのは、一見良さそうですがリスクもあります。 その責任企業の経営が危機に陥ってしまった時、チームの存続すら危うくなる。 例えば、北京五輪でベスト4入りした、なでしこJAPANの選手も所属する TASAKIが来季なでしこリーグ退会 これは、本体の田崎真珠の経営悪化が原因です。 日本のプロ野球を見ればわかるように、時代とともにスポンサー企業も変わっている。 変わらず支え続けてくれる優良企業はほとんどない。本体が経営危機に陥った時に 本体よりもスポーツを優先する企業などありませんし、 その企業に余程のスポーツに対する思い入れと余裕がなければ、丸抱えは危険だと思っています。 さらに、責任企業が撤退した場合、運良く次の責任企業が見つかる保障もない。 従って、リスクを分散するという意味でも、 私は企業丸抱えではないクラブ経営の方が良いと思っています。 アメリカの大リーグMLBを見ればわかるように、特定の企業に頼るよりも、 多くの企業からお金を集められる可能性があるとも思っています。 スポンサーの問題も監督の問題も、 札幌が継続的に発展していくためにどうしたら良いか現実的に考えることが重要だ と思っています。まだ見ぬ責任企業やまだ見ぬ監督に期待を寄せ、 それで全てが解決してしまうような言説は私はごまかしだと思っています。 前回記事でよくここでコメントしてくれるRyosukeさんのコメントを 私が言いたいことをすごくよくまとめているので引用させてもらいます。 >責任を取るために辞任って言うのは、個人的には責任を取っているとは思えないです。 >たしかに解任されることが多いですけどねw >結局はチームをどういう方向性を持たせてやっていくかということ。 >資金がないから、継続性でそれを補うしかないですから、 >三浦監督ではなかったとしても、コロコロタイプの違う監督を招聘するのは、 >明らかに失敗になるから、そういった意味での三浦監督続投ということだと思います。 >海外で言えばパレルモが顕著な例ですよね。今は連勝しているみたいですけどね。 何が問題でそれに対してどうしたら良いのか。責任者が全て辞めてしまえば、 問題が解決するどころか、かえって問題は有耶無耶になり、チームがなくなる可能性だってある。 チームに対して前向きかつ現実的な視点を持つことが大切だと私は思います。
2008年10月10日
一貫して三浦監督の続投を要請してきた当ブログ。 多分、ここまで執拗にやってるブログはないという自負はあります(笑)。 でも、それくらい三浦監督には残って欲しいということなんです。 2003年を思い出してください。 2002年、監督を散々代え、補強もし負債だけ増やして結局降格。 2003年、1年での復帰を目指し、J1での監督経験のあるジョアン・カルロスと ブラジル代表経験もあるベット、ホベルッチを補強し、ウィルも居た。 誰もがうらやむ布陣で、結果はどうなったか? そして、金の切れ目が縁の切れ目だったこと。この時の遺産はあるのか? 少なくとも、2003年の経験を札幌は活かすべきです。
さて、HFCは、三浦監督の続投を望むならそれ相応の誠意を見せ、 相当の決意を持って選手やサポーター、スポンサーに説明しなければなりません。 まず、今季低迷の理由を明確にする必要がある。 理由① アルセウの開幕前の突然の退団とノナトの開幕前の補強の失敗。 理由② 特に、DFラインの怪我人の多さ。結果的に、昨季のCB2名が離脱。 (※ブルーノは、退団であるが。) 理由③ 資金難により、シーズン中に十分な補強による支援が出来なかったこと。 理由④ 開幕中に補強した選手も、チーム戦術にはフィットしていなかったこと。 (参考:クライトンと三浦監督。) 理由⑤ 期待したほど若手の成長が見られなかったこと。 理由⑥ 戦術で昇格したのに、上記の理由もありJ1基準に戦術を進化させることに失敗したこと。 ①~③は、明らかにフロントの責任です。三浦監督にはどうしようもない。 ④は、確かにクライトンは良い選手なのですが、 戦術に沿った補強とは言いがたいので、これも補強失敗になると思います。 (※シーズン中に、クライトンに合わせた戦術に変えることが、 札幌にとって、簡単なことなら話は別ですが・・・。) ⑤は、監督の責任もあるでしょうが、試合は監督ではなく選手がするのですから、 監督が若手の成長を促すことは出来ても、それを活かすかは選手次第なので 完全に監督のみの責任とは言いがたい。 ⑥に関しては、意見が分かれるところだと思います。 私は、三浦監督に全く責任がなかったとは思いませんが、 ①~⑤の理由により、⑥になった主な原因はフロントにあると思います。 従って、 責任論という話でけじめをつけるなら、村野GMのGM職からの降格を要望いたします。 私は、この処分すら必要ないと思いますが、 今季の低迷の主な原因が補強の失敗であるとするなら、 たとえ形式的であっても、そのトップに責任をとってもらうしかない。 しかし、HFCにとって村野さんの力は最早不可欠です。 そこで、GMの職を解き、育成に専念していただくということでいかがでしょうか? そこで、以前コメントをいただきましたが、確かに、選手と監督の関係が 上手くいってないという可能性は十分あります。 ならば、監督と選手の間のコミュニケーションを補完するために、 選手からの人望もある程度ある人物、 例えば、札幌OBをコーチもしくはGMに招聘してはどうでしょうか? (※自ずと人選は絞られますが・・・(・・;)) コーチとしてならば、監督よりも若干楽な立場で、経験を積むことも出来、 コーチになる人にとってもメリットがないわけではない。 若いコーチで選手と近い関係であれば、若手の更なる成長も望めるかもしれません。 更にS級もちなら、その人が非常事態の際は代わるということであれば、 サポーターの中でも納得する人が増えるかもしれません。 それと、これは思いつきなのですが、GMについては、 東芝サッカー部OBから探すのもひとつの手だと思います。 東芝サッカー部が前身であるにもかかわらず、縁があまりにも希薄です。 遺産は活かすべきです。まして、このつながりを維持することは、 「外地」である札幌が、「内地」方面の関係を構築することにも繋がるはずです。 ②の怪我人多発については、専属のフィジカルコーチを雇う。 ⑤も、若手のメンタルケアとしてカウンセラーを雇うのも一つの手段だと思います。 公募すれば、それほどお金をかけずに雇えるのではないかと思います。 ③については、上記の内容によって、早期のJ1復帰を実現する旨を伝え、 できるだけ今季並みの支援を必死で要請する。 そして、選手育成をメインとはするが、出来るだけ監督の要望に沿った補強は行う。 HFCは、本当に三浦監督の続投とチームの今後を望むなら、 それくらいの準備はしても良いのではないでしょうか? それでも、まだ、足りないような気もしますが・・・(・・;)
おかげ様で、本日、当ブログは10万アクセスを突破しました。 皆様には、日頃のご愛読、感謝しております。 ここ数日頑張りすぎで、私も流石にちょっと疲れてまいりましたが、 出来るだけ更新していこうと思っておりますので、 今後ともよろしくお願い申し上げます。
2008年10月09日
プロサッカー選手でもなかった人間が偉そうに語るなというなら甘んじて受けますが、
これから私が言うことは、空手の黒帯、有段者としての経験から述べることです。
監督が求めているプレイをしているつもり。監督が状況によっていうことが違うので理解できない。
多分、試合の動きを見る限り、選手たちは、そのような不満を持っているに違いありません。
私が空手の指導を受けていた時、例えば前蹴りに対して「強く蹴れ」と
師範は漠然としたことしか言わなかった。(※というか、それは当たり前のこと(笑))
それで、まだ私が白帯であった頃、蹴りが強いと評判の先輩に聞いてみました。
すると、Aさんは蹴って当たった後の押し込みが重要だから、
当たってから腰を前方にぐっと押し込めという。
Bさんに聞くと、体全体で相手に当たることが重要だから
上体が前のめりになるために腰を前に出してはいけない。
同じ前蹴りなのに、二人が全く違うことを言う。
しかも、同じ流派、同じ師範についているのに(笑)。
多分、普通の人はそこで思考停止します(笑)。どうすりゃいいんだと(笑)。
もしくは、どちらかの言うことを信じて稽古するでしょう。
私も悩みました。それで、自分で色々試してみました。
すると、ある日、気づきます。どっちでも強く蹴るという意味では、いいのだということに。
さらにAさんは比較的体格が大柄で、Bさんは体格が普通であるという事実にも気づきます。
そう、答えは一つじゃないんです。状況によって変わるし、人によって答えは違う。
それでいいのだということに。
でも、私は一見矛盾する二人の意見を取りいれ、二人とは別の道をとりました。
体格が普通な私は、基本的に体全体で当たりに行かなければ強い蹴りは出せない。
しかし、そこからもう一伸びすれば、相手に更なるダメージを与えられる。それも事実です。
そこで、腰ではなく膝を曲げて当たってからそれを伸ばすことでそれを実践しました。
結果はいうまでもありません。whiteowlの前蹴りは他の人より強いということになった。
ただの自慢話ととらえてもらっても構いませんが、
相手と同じこと、もしくは、言われたことをただやっているだけでは、
伝えた相手を上回ることは愚か、伝えた相手と同等になることもできません。
自分で言われたことを理解して、違う意見も加味して捉えなおすという作業が必要です。
哲学でいうならば、ヘーゲルの弁証法です。
言葉という代物は、コミュニケーションツールとして不完全ですから、
伝える側は、自分の技術すべてを相手に伝えることが出来るわけではない。
自覚していないコツがあったり、伝えにくいニュアンスがあったりする。
そこの溝を埋めるには、自分で考えて検証するしかない。
だから、私には、師範が漠然としたことしか言わない理由がその時わかりました。
むしろ、漠然としか言えないわけです。
理屈でいわないと他の人に伝わらないから、
明確な理屈で具体的に言わないあの師範は、ダメだという人も居た。
しかし、例えわかりやすい明確な理屈があっても自分で検証して理解しないと意味がない。
大切なことは、言葉の表面的な部分ではないのだということです。
答えは、相手にはない。自分の中にある。
2000年の三浦監督が似たようなことを言っています。 イタリア通信103:<番外編その1>三浦監督 ドイツ仕込みのアウトサイダー(07.2000) 「日本の選手は非常にまじめで、練習でも手を抜かないし、指示されたことを真剣に、きちんとやり遂げる力がある。こういう資質はヨーロッパや南米の選手よりもずっと優れていると思います。大きな長所といっていいでしょう。 逆に足りないのはフレキシビリティですね。というか、自分の頭で考えて判断を下す能力が鍛えられていない。言われたとおりにこなすことはできても、状況の変化に対応するのが苦手なんです。 例えば練習中に、ある状況であまり意味のないところにパスを出したとします。こちらはプレーを止めて、この状況ではあっちに出したほうがいい、と言いますよね。そうすると、次に似たような状況になったときには、必ずさっきこちらに言われたところにパスを出してしまうんです。 似たような状況といってもそれぞれ微妙に条件が違うし、必ずしもさっき言われたところに出すのが最善とは限らない。そこを自分で判断して、その時その時にベストのプレーを選ばなければならないはずなのですが、それがうまくできない。言われた通りにやることには慣れているのですが、自分の頭で判断するのに慣れていないんです」 「いいサッカーをするためには、選手ひとりひとりが自分の頭で考え、判断できなければばならないとぼくは思っています。だから、いまうちは、ボールを使った練習以外はほとんどしません。フィジカルトレーニングはやらないんです。 筋トレしたりただ走ったりするのは、選手にとっては実は楽なんですよ。頭を使わなくていいから。それに、20代半ばの選手がフィジカルトレーニングで得られるものはそんなに大きくない。彼らに一番必要なのは、常に自分の頭で考え続けながらプレーするという姿勢を身につけることです。それにはボールを使った練習しかない。 個々の選手の判断力が磨かれれば、チームとしての総合力はまだまだ伸びます。フィジカルをやっていれば、最後の10分まで走り負けしないとか、そういうメリットはあるかもしれないけれど、それでサッカーの質が上がることは絶対にあり得ません。だからうちでは、フィジカルを省いてでもボールを使った練習を重視します。これはピムが監督だったときからそうです」
引用終了。
2008年10月09日
一貫して三浦監督の続投を要請してきた当ブログ。 正直、私は、もっと四面楚歌になることも想定していました。 思いの外、賛同の声を頂き誠にありがたいかぎりです。 さて、昨日のコメントでJ2に降格したら監督交代は常識的に考えて、 更迭するのが普通だと。 しかし、辞めるのが当たり前だという方に私は問いたい。 『J1最低総額年俸で残留するというミッションは簡単なことなのか?』 『J1最低年俸で、J1に残留することが当たり前のことなのか?』と 我々は始めから難しい要求をしているのに、それができないから、 非難するというのは、逆に、我々の方が酷くはないでしょうか? どこかの裕福なチームのように巨大戦力を持ちながら優勝できないとか、 当然期待されるような結果がでていないというなら、それは明らかに監督の責任問題です。 しかし、現状は違う。ノナト、アルセウの補強の失敗。怪我人も多かった。 選手層の厚くない札幌が、まともな補強もないままそのような状況で、 J1残留を果たすことが、常識的なことなのかと。 それに、そんな無茶な要求を繰り返し、出来なかったら解任していたら、 そのうち誰も監督になってくれる人がいないくなると思いませんか? いきなり例が、野球になりますが、 広島カープが、成績低迷を理由に毎年監督の首を挿げ替えていたらどうなりますか?父がカープファンですが、カープファンの方すいません・・・(・・;)投手が崩壊したという明らかな理由のある横浜は、 ぶっちぎりの最下位でも大矢監督を解任しましたか? 誰もいないなら、金を払えばいいと思うかもしれない。確かに、そうかもしれません。 しかし、それこそ、金の切れ目が縁の切れ目になってしまいます。 資金力のない札幌が、そんな場当たり的なことを続けても 良いクラブ運営に向かうはずがない。 J2でも5、6番目の資金力だった札幌が昇格できたのは、組織のお陰です。 その組織が崩壊していて勝てるはずもない。 それは、監督を解任することで解決しないし、悪化するだけです。 監督を代えれば、その監督の戦術にもよりますが、また1からやり直しです。 そして、成績低迷、監督交代をいつまで繰り返すのですか? 2003年、Jで実績のあった監督ジョアン・カルロスを招聘し、 代表クラスのブラジル人を補強してどうなったか思い出してください。 成績低迷という問題の本質は、監督ではなく資金難です。 組織をつくるには、時間がかかる。そして、選手が出来ないなら育てるしかない。 ヤンツーの時代だって、選手に合わないから選手に応じたサッカーを するべきだという声は根強くあった。 チームの色というべき戦術をある程度固定しなければ、結果が出るまで時間がかかる。 札幌で、J1昇格という実績を残した監督よりも、 まだ見ぬ監督に今後を期待することが本当に現実的な選択なのでしょうか? HFCは、三浦監督の続投を望むならそれ相応の誠意を見せねばならないと思っています。 相当の決意を持って選手やサポーター、スポンサーに説明しなければならない。 私は、フロントではないただのいちサポーターです。 このブログで私の気持ちを言うのが精一杯です。私にはこんなことしかできません・・・(・・;) ここから、他力本願になってしまいますが、三浦監督を本気で引き止めることが出来るかは、 実際に引き止めるフロント次第だと思っています。 次回は、その具体的な方策について考えてみたいと思います。
2008年10月08日
俳優の緒形拳さんが亡くなった。 個人的には、NHK大河ドラマ「毛利元就」の尼子経久役が印象に残っている。 (風林火山の宇佐美定満役もそうでしたっけね。) 最近の男優は、良い意味で男っぽさがない。織田裕二、豊川悦司くらい? そして、その二人が出ているリメイクされた映画「椿三十郎」。 それでも、どうしてもオリジナルの三船敏郎と仲代達矢と比べてしまう。 時代を語るほど長くは生きていないつもりだが(笑)、時代によって求められる 男性像は違うのかもしれない。それは当たり前なのだが、寂しくもある。 ご冥福をお祈りいたします。
閑話休題。 一貫して三浦監督の続投を要請してきた当ブログ。 しかし、大方の予想は、要請したところで三浦監督が受けないだろうというものである。 私は違う見方をしている。三浦監督にも続投することにメリットがあると思うからだ。 まず、今季、札幌がJ2に再降格してしまった場合、昨季の横浜FCとセットで、 『守備的な戦術で昇格したチームは昇格できてもJ1で通用しない。』 という一般的な説が定着する可能性が高いと踏んでいる。 (※その説についての考察は、 リアクションサッカーがもたらす精神的影響 -三浦サッカー考。その3-を参考にされたし。) そうなると、もし三浦監督の能力を高く評価していて、J1に昇格したいJ2のクラブも、 あがってもすぐ落ちるならねという世論によってフロントも取りづらくなる。 また、降格した監督をわざわざJ1のクラブが抱えるとは思えない。 三浦監督ならば、しばらく解説者をやって気分転換しつつ新しいサッカーを吸収しなおして、 再び監督になる日が来るかもしれない。しかし、上記のレッテルは残ったままだし、 ブランクを空けたところで、オファーが来るという絶対的な保障もない。 まして、ブランクが空けば空くほど、実戦感覚という理由からオファーが来なくなる。 そして、何より三浦監督は、プロ選手としての実績がないがために、 当たり前なのだが、監督として実績を残し続けていくことでしか評価されない。 彼が監督であるためには、監督として成功し続けるしかない。非常に厳しい立場だ。 このまま辞任するのは簡単だが、このまま辞めればしばらくこの失敗のみが付きまとうことになる。 三浦監督の監督としての実績として、それがプラスになるのか? しかし、J2降格したとしてもそれを立て直し、再びJ1に挑戦することに成功し、 今度はJ1残留に成功することができたとしたら? それは彼の実績として、輝かしい不動のものになるに違いない。 確かに、そうなればの話ではある。そうならない可能性だって当然ある。 しかし、怪我人が多く、補強も上手くいかないそんな状況の中、 この結果に一番悔しい思いをしているのは、監督自身に違いない。 サッカーへの夢が捨てきれずに、単身ドイツに乗り込んだ男である。 この状況で監督を続けているのもタフだが、それでも茨の道を行く男だと信じたい。 三浦監督にはリベンジして欲しいと思うし、自身のためにも是非成功して欲しい。 時代は変わった。腹を切るという方法で本当の問題は解決しない。 (※欧米では、よく問題をおこした関係者が問題を解決する方が、 問題の本質を理解しているだけに、問題をよりよく解決できるとされている。) 新しいサムライの生き様を見せて欲しい。
追記。 検索していたら、面白い記事を見つけました。 イタリア通信103:<番外編その1>三浦監督 ドイツ仕込みのアウトサイダー(07.2000) この文章の最後。 >守って守ってカウンター、というサッカーには興味ありません。 今のサッカーが彼の信念ではないということがわかります。 正に状況に合わせたサッカーを選択しているということ。 この発言をしたのが2000年。それから色々あったのでしょうね。
2008年10月07日
当ブログでは、一貫して来季も三浦監督続投希望。を要請してきました。 そのために、クライトンは良い選手だがチーム戦術にはフィットしていないこと。 クライトンと三浦監督。 J1最多失点の原因とされるゾーンディフェンスについては、 ゾーンディフェンスを考える。 -その1- ゾーンディフェンスを考える。 -その2- ゾーンディフェンスを考える。 -その3- ゾーンディフェンスを考える。 -その4- ゾーンディフェンスを考える。 -その5- の5回のシリーズを通じて、ゾーンという戦術そのものの問題ではないことを主張してきました。 そして、完璧な戦術などなく、戦術が浸透するには時間がかかる。 「クライトンをうまくつかえない=三浦監督の戦術が悪い」、「失点が多い=三浦監督の戦術が悪い」 と何でも三浦監督のせいにする流れに本当にそうなのか? ということを私はここで言ってきたつもりです。 三浦監督のせいにするのは簡単です。 しかし、最大の問題は、年俸と選手の力量が必ずしも比例するわけではありませんが、 どう考えてもJ1で最低の選手年俸という点です。 しかし、資金がないので、出来る選手を引っ張ってくることができません。 (※無理な補強をすれば、過去の多額の累積赤字の二の舞です。) だから、育成していくしかない。そのために同じ監督である必要はありませんが、 戦術をある程度固定することが重要です。年々コロコロ変えていると、 戦術が蓄積されませんし、必要とされる選手も変わってしまう。 J1最低ランクの三浦監督の年俸と同額かそれ以下で、 素晴らしい監督がいて札幌に来てくれるなら反対なんかしません。 (※いたとしても、札幌に来てくれるかはまた別の問題です。) まして、監督人事は誰でも良いという類の問題ではありません。 いないなら、三浦監督を軸に考える方が、現実的だし来季の補強も巻き返しも図りやすい。 まず、しっかりした組織をつくる。そのためにコロコロ監督を代えないで、 HFCは、サポが何と言おうが、監督が自分で辞めるというまではやらせる。 ここは我慢が必要です。私は石の上にも3年だと思っています。 今は恥を忍んでも、今後の飛躍のためにここは耐え忍ぶべきです。 三浦監督に続投要請へ J2降格でも チーム導いたプロセス評価(10/07 10:34) 私はこれはHFCの英断だと思います。辞めるだけが責任の取り方じゃない。 それは、責任を誰かになすりつけて現実から逃げているのと同じです。 本当の理由は、資金難であり、それ以上でも以下でもない。 責任があるとすれば、さしたる補強も出来なかったフロントです。 しかし、ない袖は振れない。フロントも仕方がないとしかいいようがない。 HFCが続投要請しても、三浦監督は固辞するだろうという見方もあるようですが、 私はやってくれると信じています。三浦監督にもメリットはあるからです。 長くなったので、それはまた次回・・・(・・;)
2008年10月06日
最早、0-5で負けようが、前田に前半でハット決められようが、負けはただの負け。 気力、体力、技術が、弱い方が負ける。その事実を受け止めてどうするのか。 せめてそこは見せて欲しい。 いあ、正直なんでこんな想いまでしてなぜ札幌を応援してるのかと思う時もある。 でも、こんな状況だから、余計に思うのかもしれないが、 やっぱり俺はサッカーが好きで、札幌が好きなんだろうなと改めて思う。
2008年10月04日
ゾーンディフェンスを考える。も5回目を迎えました。 本当は、3回位で終わる予定だったのですが、長期シリーズになりました・・・(・・;) (※今までのものは↓) ゾーンディフェンスを考える。 -その1- ゾーンディフェンスを考える。 -その2- ゾーンディフェンスを考える。 -その3- ゾーンディフェンスを考える。 -その4- 今回は、現在J1で最多失点を誇り、理論倒れだとか札幌の選手には無理と言われる(笑) 札幌における三浦監督のゾーンによる守備戦術についての分析の2回目です。
その4では、4-4-2の4-4の2ラインによって自陣のゴール前に
2枚のゾーンの防御網を張り、その陣形を極力維持することで、
自陣に相手に使われるスペースを消し、相手に自陣に侵入する隙を与えないこと。
しかし、その一方で、陣形を維持することのみに囚われるとボールホルダーへの
プレッシャーが弱くなり、流石にノープレッシャーでは、J1の高い技術の前に
精度の高いクロスやミドルシュートを沢山蹴られる結果となっていること。
そして、この2つのバランスをどうするかが一つのジレンマであることに触れました。
今回は、この中盤をフラットに並べて2ラインでゾーンをする
4-4-2の欠点について考えたいと思います。
◎図1(4-4-2の並びとゾーンの意識) (●・・・選手) ● ● ━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ● ┃ ● ┃ ● ┃ ● ┃ ━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ● ┃ ● ┃ ● ┃ ● ┃ ━━━━━━━━━━━━━━━ ●
上図を眺めてもらうとわかるのですが、システムのバランスが良いということは、 裏を返せば、局面では、味方の数的優位を作りにくいということなのです。 4-4の局面では、ゾーンであるから結局ボールホルダーに対して1対1になります。 だから、1対1できちんと守備が出来ないと相手を止められません。 どういうことかというと、基本的には数的優位を作って相手から 例えば上下から挟んでボールを奪ったり、左右から挟んで取るということに向いていないのです。 (※だから、まずFWが前線から追い回して、360度対応ではなく 180度対応で済む守りやすいサイドにボールを出させる必要があります。)
◎図2 (●・・・守備者 ○・・・攻撃側 ◎・・・ボールホルダー) ◎ ○ ↓ ● ×←●(※ここにスペースが出来るので左にヘルプにいけない)
上図2のように、ボールホルダーに対して、常に1対1なのです。 左右から挟もうとするとラインが崩れてそこにスペースが出来るので、 基本的にヘルプに行きません。というか行けません。 ただし、ラインがコンパクトになっていれば、上下から挟めます。(図3参考)
◎図3 (●・・・守備者 ◎・・・ボールホルダー) ● ↓ ◎ ↑ ●
従って、DFラインをあげて全体的に縦にコンパクトにする必要があるわけです。 しかし、やはり自分のゾーンでは1対1で守ることがどうしても多くなります。 三浦監督はこの4-4-2の布陣をするにあたって、この欠点をカバーするために、 4-4の選手に何を一番求めているかといえば、1対1の守備能力を求めるわけです。 だから、SBにも中盤の4人にも、まずCB並みの守備力を求めるし、 フィジカルの強い(≒背の高い)選手をまず第一に求めるわけです。 特に、サイドのSHよりも中央のCHには高い守備力が求められます。 (※フィジカルの強い選手を均一に並べることで、ゾーンのデメリットである マークの受け渡しによって発生しやすい身長差などのミスマッチの機会も減らすことが出来ます。) 従って、マーカスについては賛否両論ありますが、私は別に監督が贔屓しているわけではなく、 このシステムを機能させるために、ボディコンタクトとDFが強い マーカスを重用しているだけだと思っています。 これは、裏を返せば、マーカス以上に守備ができれば試合に出られるということです。 (※実際に、大塚はすぐ試合に出ている。) 要は、マーカス以上に守備のできるCHがいないというだけのことです。 また、実はこの4-4-2のシステムは、1対1での守備が基本であるにもかかわらず、 現状の札幌は、その1対1で全く止められていないわけですから、 このゾーンの守り方を止めて「マンツーマンっぽい」守備戦術に 変えたところで大差はないと思われます。 確かに、三浦監督はちょっと難しいことを選手に求めている節はあります(笑)。 フィールドプレイヤー10人が、常にハードワークをして、 ゾーンとラインコントロールの戦術理解が高くないと機能しないからです。 ただ、これをマスターすれば、サッカーはつまらないですが確実に強くなります。 (※モウリーニョもサッカーはつまらないと批判されていましたが、 彼の残した実績は今さら語る必要もありません。) マスターできなければ、年俸総額に見合った選手の実力しか出せないというだけです。 1+1=2のサッカーでは勝てません、それを3や4にしなければ、J1では勝てません。 それを実現するのが戦術の力(≒監督)だと私は思っています。 最後に、三浦監督への批判として、選手に無理な戦術を強いるのではなく、 選手の長所を活かした戦術を採るべきだという意見もよく見ます。 まず、その個がジダンやトッテイ、リケルメのように飛びぬけており、 一人で局面を打開できるくらいの能力がなければ、個に頼る戦術をしたところで通用しません。 また、組織ではなく個に頼る戦術は、その個がいなくなると機能しなくなります。 札幌は、そのスーパーな個を引っこ抜かれて低迷する経験をし、 それを反省してJ1で通用する組織を構築するための5段階計画であったはずです。 確かに、三浦監督の理想とするところは今の札幌には、かなり高いハードルかもしれません。 しかし、今の三浦監督のやり方でJ2で5~6番目の人件費でJ1に上がったわけですから、 そこをJ1基準に合わせて進化させるしかなかった。 今回は、それに失敗したということなのだと思います。 三浦監督の理想は、J1残留には最低ラインなのだと思うのです。 そこを満たせないから、この順位なのではないでしょうか。 そして、戦術の積み重ねという点で、怪我人が多かったという点もマイナスであったと思います。 開幕前の大塚、曽田、西澤、西嶋など昨季DF陣の軸であった選手の怪我による離脱。 ブルーノの解雇とクライトンより三浦サッカー向きだったアルセウの突然の退団。 果たして、このような状況で昨季の戦術の蓄積がどれほどあったのか甚だ疑問です。 戦術を浸透させるのに、監督や選手がコロコロ入れ替わるのは、 どう考えてもマイナスでしかありません。 一番悔しい思いをしているのは、多分、三浦監督です。 だから、私はもう少しましな状況でJ1残留にリベンジして欲しいと思っているわけです。 来季も三浦監督続投希望。
2008年10月03日
ゾーンディフェンスを考える。の4回目です。 (※今までのものは↓) ゾーンディフェンスを考える。 -その1- ゾーンディフェンスを考える。 -その2- ゾーンディフェンスを考える。 -その3- 今回は、札幌における三浦監督のゾーンによる守備戦術について分析を試みます。
まず、三浦監督が用いている中盤を横に並べる4-4-2の並びを確認します。(※図1)
◎図1(4-4-2の並びとゾーンの意識) (●・・・選手) ● ● ━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ● ┃ ● ┃ ● ┃ ● ┃ ━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ● ┃ ● ┃ ● ┃ ● ┃ ━━━━━━━━━━━━━━━ ●
守備時は、4-4-2の2ラインを自陣に退き気味に敷いて、 4-4を出来るだけコンパクトにして自陣を均等に8等分したゾーンに配置します。 図1を見ればわかるように、初期配置の状態で自陣にスペースはありません。 この点は、札幌における三浦監督の戦術が他のゾーンとは違う点であり、 長所でもあり短所でもあります。 まず、なぜ横並びの「4」なのかという点ですが、 これは、「3バックは両サイドにスペースがあるので、サイド攻撃をしろ」という サッカーの定石からもわかるように、ピッチの横幅に対して守備側は、 3人だと少なく、4人がちょうど良いということなのです。 当然横に5人以上並べても守れますが、サッカーは攻守が一体なので、 守備に人数をかければ、攻撃時に人数が減ることになります。 少し脱線しますが、3-5-2は、中盤の両WBが最終ラインに吸収されて 5バックになりがちなため、守備的な布陣といわれています。 また、2002年W杯時、トルシエ監督が用いていた「フラット3」という 3バックなのに横に並んでラインディフェンスをするというやり方は、一般的ではありません。 (※今現在、当のトルシエ含めてやってる人は、ほとんどいません。) 3バックの場合、以前書いたように二人のストッパーの後ろにスイーパーを置く形が普通です。 ただ、この場合、ラインディフェンスを敷かないので、ラインコントロールが出来ず、 オフサイドが取りにくいので全体をコンパクトにしにくくなります。 閑話休題。 選手間のバランスを重視すると、自陣に相手に使われるスペースを生み出しにくい。 (ただし、守備時にはすばやく初期陣形に戻らなければ隙が出来るので、 GKを除くフィールドプレイヤーが、攻守の切り替え時に 縦にハードワーク(激しい上下運動)しなければいけません。下記参照。 クライトンと三浦監督。) しかし、バランスを維持することのみにこだわると、ボールホルダーに 十分なプレッシャーがかからずボールホルダーを自由にしてしまいます。 これがJ1では、選手の基礎的な技術が高いために J2よりも自由にクロスやミドルシュートを蹴られる結果になっています。 また、ゾーンディフェンスは、相手の攻撃を受けて立つので、 特に速い選手、後ろから飛び込んでくる選手に対して守りにくい。 では、これらを解決するためにゾーンの意識を弱めて、 より人に付いて行くようにしたとします。 すると今度は、ゾーンにギャップが生まれて僅かですが自陣にスペースができます。 昨季のJ2時代も、京都のパウリーニョなどにそこをつかれたことはありました。 上手い選手は、僅かなスペースをつくりそこをこじ開けてきます。 このバランスが、ひとつのジレンマであることは間違いないです。 将棋は、初期配置が最も堅いといわれていますが、それと似ています。 初期配置では隙がないのですが、そこから攻めたり守ったりするには 駒(選手)が動かねばなりません。 しかし、そこから駒(選手)が動くと隙が出来るため、できるだけ初期配置を維持する。 そうすると、こちらから積極的に攻めることが出来ず、相手に厳しく付いていく守備もしにくい。 オシムが、リスクのないサッカーはつまらないと言っていましたが、 この4-4-2のシステムは、リスクをとりません。だから、面白くない(笑)。 しかし、布陣を維持するために攻守にハードワークが必要ですが、 守備は機能すれば、隙がないので理論的には、素晴らしく堅くなることだけは間違いありません。 それに、攻撃も選手間のバランスが良いので、効率よくカウンターができます。 また、つまらないサッカーですが、実績は申し分ありません。 このシステムを用いたヴァレンシアのクーペル監督は、99-01の2年連続、 欧州CL(チャンピオンズリーグ)で準優勝しています。 04-05シーズンに、チェルシーのモウリーニョ監督がこの戦術を用いて イングランドの国内リーグとカップの2冠に輝きました。 (※これが一般的に普及するきっかけといわれています。) この話をすると決まって、欧州の強豪クラブだから実現できるのであって、 札幌では出来ないという批判がきます。 確かに、機能させるためには自陣に退き気味に構えるとはいえ、 ラインコントロールをしてDFラインを上げて全体を縦にコンパクトにし、 選手間のゾーンのマークの受け渡しもスムーズに行う必要があります。 しかし、現代サッカーはスペースを生み出さないようにするため全体的に縦に コンパクトになっていて、ラインコントロールとゾーンディフェンスは必須の技能です。 できないならやらなくてもいいという類の守備戦術ではありません。 しかも、現在の札幌は欧州レベルの完成度を求められているわけではありません。 また、4-4-2というシステムは、一般的に採用されていることからもわかるとおり 非常にオーソドックスな布陣です。 ある程度これを機能させることが出来れば、今後応用、発展させやすい。 (※例えば、4-2-3-1、4-3-3など) そうはいっても、やはりこの戦術は難しいと思うかもしれません。 しかし、他のJ1クラブと比べて個人の技量に劣る札幌が、 ハードワークもせず、頭も使わないで、どうやって他のJ1クラブと戦うというのでしょうか? 技量で劣るなら、相手より動き頭を使うしかありません。 まして、ある程度機能させれば、このシステムがJ1でやれる ポテンシャルを秘めていることは、大宮時代の三浦監督が、 J1に昇格し2季残留して自身が証明していることです。 機能させることに価値がないシステムとは思いませんし、 浦和ならまだしも、大宮に出来ることが札幌に出来ないとするのは、 逆にあまりにも選手を馬鹿にしているのではないでしょうか。 今までも書きましたが、完璧な戦術などありません。 そして、個で劣るチームは、組織を磨いて戦術の穴をカバーして対抗するしかありません。 そのためには、時間がかかるので、監督や選手をコロコロ代えず戦術を浸透させる必要があります。 この4-4-2は、今後の戦術の基礎として学ぶ価値があると思います。 今季、児玉前社長曰くJ2で5、6番目と思われていた戦力にもかかわらず、 戦術でJ1にあがってきたチームが、その要となる曽田とブルーノとアルセウという ディフェンスの軸を失っては、機能するものも機能しません。 長くなったので、その5に続きます・・・(・・;)
2008年10月02日
当然、私のことではなくて・・・、ダヴィのことです・・・(笑) 本日付、北海道新聞より ダビ、一転残留 移籍交渉成立せず(10/02 10:47) 何か周囲のどう扱っていいのやらというような微妙な空気が、 タイトルみたいな感じに似ているなぁと(笑)。 嬉しいんだけど、その嬉しさを素直に表現できないみたいな・・・。 私の場合は、逃げられた恋人と縒りを戻してうまくいった試しはありませんが ( ̄□||||、 ダヴィとHFCの関係は如何に!(笑)
2008年10月02日
ゾーンディフェンスを考える。も3回目になりました・・・(・・;) 1回目は、サッカーに限らない球技における一般的な意味での ゾーンディフェンスとマンツーマンディフェンスの意味を確認しました。 一般的な説明のされ方として『マンツーマンは人、ゾーンは地域。』というが、 どちらもボールホルダーに人が付いてプレッシャーをかけて、 ボールホルダーを自由にしてはならないことが重要であることを確認しました。 ゾーンディフェンスを考える。 -その1- 2回目は、現代サッカーでは、 基本的にマンツーマンではなく、ゾーンで守備をしていることに触れました。 ゾーンディフェンスを考える。 -その2- (※2回目で書き忘れましたがセットプレイ時は、マンツーマンで守る場合も多いです。 それについては、以前書いたのでそちらを参照してください。 セットプレイ時のゾーンディフェンスの問題点について)
今回は、マンツーマン(マンマーク)ディフェンスとゾーンディフェンスの サッカーに限らない一般的なメリット、デメリットを比較したいと思います。 まず、マンツーマンディフェンスとは、 「常に特定の相手選手に1対1で付くディフェンスの方法」です。 〇マンツーマンディフェンスのメリット ① 相手選手に守備側が誰が付くのか選択できる。 そのため、「長身>長身」、「足が速い>足が速い」などの対応がしやすい。 ② 守備を行う相手が明確で、1対1による守備を基本とするため、初心者でもわかりやすい。 〇マンツーマンディフェンスのデメリット ① 攻撃側の選手の位置に守備側の配置が固定されてしまう。 そのため、ディフェンスの選手間が離れてしまいバランスが保ちにくくなる。 ② ①が原因でディフェンス間の距離が離れると、 ディフェンスの選手が抜かれた場合、他の選手がフォローし難い。 また、守備側の選手が存在しないスペースができやすい。
次に、ゾーンディフェンスとは、 「特定の相手選手に付かず、自陣の守備エリアを各ゾーンに別けて、 それぞれディフェンスの選手が各ゾーンを受け持ち、 自分の受け持つゾーンに侵入してきた相手選手に対してディフェンスする方法」です。 〇ゾーンディフェンスのメリット ① これは、マンツーマンのデメリットと裏返しになりますが、 特定の選手をマークしないので、守備側の配置がオフェンスの選手の位置や動きに依存しない。 そのため、ディフェンスの選手間のバランスが保ちやすい。 ② ①が原因でディフェンスの選手間のバランスが良いと、ディフェンスの選手が抜かれても 他の選手がフォローしやすく、ディフェンスの選手が存在しないスペースを作りにくい。 ③ 以上のメリットから、ディフェンスの選手同士の連携が上手く取れていれば、 個々の選手の1対1における守備能力がそれほど高くなくとも 失点を防ぐことができるとされている。 〇ゾーンディフェンスのデメリット ① マークの受渡しが、ゾーンの境界で行われるため、 ディフェンスの選手のマークがあやふやになってしまうことが多い。 ② マークの受渡しを行うとオフェンスの選手とディフェンスの選手の間に 身長差や能力差といったミスマッチが発生しやすい。 (※相手選手に対してマークの受渡し行うか、マークの受渡しを行わず そのままついて行くかは、その時の状況やチームの方針などによって異なる。) ③ マークの受渡しを行わないとゾーンの配置が崩れ守備のバランスが悪くなり ゾーンディフェンスの利点が失われる。 ④ それぞれのマークが固定されていないため、リバウンドが取られやすい。 参考: ゾーンディフェンス マンツーマンディフェンス 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
以上が、マンツーマンとゾーンディフェンスのメリットとデメリットをまとめたものです。 ここから札幌がゾーンディフェンスをする理由を考えていきます。 まず、三浦監督がよく口にしていますが、マンツーマンの場合、 そのデメリットである選手間の配置がアンバランスになると お互いがフォローしにくく、スペースが出来ます。 ゾーンならば、選手間のバランスが良いため、結果的に 『ディフェンスの選手同士の連携が上手く取れていれば、 個々の選手の1対1における守備能力がそれほど高くなくとも 失点を防ぐことができる』という点を重視しているということになります。 選手の能力と年俸が必ずしも比例するわけではないですが、 総額年俸がJ1最低の札幌は、個の能力をカバーすべく よりゾーンのメリットを追求する必要があるということだと思います。 ただ、ここまで来ると問題の本質は、ゾーンの最大のデメリットである 恐らく「マークの受け渡し」なのだということに気づいていただけると思います。 要は、どこまでボールホルダーに付いていって、 どこでそのマークを放すかという問題なのです。 そこで札幌の守備再建においてよく見られる 『ゾーンからマンツーマンに切り替えれば失点を防げる』という点について考えます。 まず、ゾーンからマンツーマンに切り替えるというのは間違いです。 2回目でも触れましたが、現代サッカーでは、セットプレイ以外でマンツーマンで守るのは、 特定の危険な選手に固定のマークを付けるという以外ないからです。 ただ、恐らくこれは、「マンツーマンっぽく」もっと人に付いて、 「危ない時はマークの受け渡しを全くせずに相手に付いていくか、 そこまでしないまでも、もっと相手に徹底的に付いていくべきだ。」という 批判なのだと思います。 まず、マークの受け渡しを全くしないとどうなるかということですが、 これはマンツーマンのデメリットと同じことを招きます。 選手間のバランスが崩れて、フォローがしにくくなり危険なスペースを作ります。 従って、新たな問題を引き起こすので失点を防ぐという問題の解決にはつながらないと考えます。 次に、もっと相手に徹底的についていくべきだという批判ですが、 「程度の問題」なのですが、それは私が1回目に触れていたことと 重なることにお気づきいただけるでしょうか?バランスを崩さない範囲で、 結局、『自分のゾーンでは、しっかり相手に付いて守備をしろ』ということなのです。 ただ、マークの受け渡しについては、難しいことは間違いないです。 「吉弘、柴田」と「西澤、箕輪」の一番の違いはここだと思われます。 一番大事なのは、マークを確認する声を自分と周囲が出すことです。 あとは、チームの約束事を確認して周囲とコミュニケーションをとる そして、試合をして経験を積んでいくしかありません。 ゾーンディフェンスは、現代サッカーにおいて基本的な戦術ですから 極端な話、札幌でできないなら、他のチームに行っても活躍できません。 従って、三浦監督が何か特別な要求を選手にしていると私は思いませんし、 個の力で劣る札幌は、ゾーンの組織を磨くことで、 J1の攻撃力に対抗するしかないと思っています。 個の力で劣る札幌が、より「マンツーマンっぽい」守り方をしても 守りきれると思いません。 最後にひとついえることは、「欠点のない戦術などない」ということです。 次回は、今までのゾーンディフェンスに関する考察から 札幌における三浦監督の戦術についてもう少し考えていこうと思います。
2008年10月01日
よく、『人に付くのがマンツーマンディフェンス。地域を守るのがゾーンディフェンス』 という表現のされ方をしますが、ゾーンディフェンスを考える。 -その1-では、 ゾーンといえども、ボール保持者(ボールホルダー)を 自由にしてはいけないということに触れました。 しかし、ゾーンディフェンスを考える上で、様々な誤解があるようなので 予定を変更して今回はまずそこを整理していきたいと思います。 現代サッカーでは、基本的にマンツーマンディフェンスをしているチームはありません。 マンツーマンディフェンスは、常に特定の相手選手に1対1で付くディフェンスの方法です。 例えば、芳賀が試合中ずっとFC東京のFWの赤嶺に付く(をマークする)。 これをマンツーマン(マンマーク)ディフェンスといい、現在も相手の危険な選手に対して、 このように特定のマーカー(マークする人)を付けることはあります。 (※例であって、実際の試合ではしていません。) しかし、現代サッカーは、選手のアスリート能力が向上し、 以前と比べて運動量が各段に増えたため、 マンツーマンでは相手選手に付ききれなくなったといわれています。 特に、スペースへ走りこむ選手へのパスをマンツーマンで付くことが難しいのです。 そのため、危険なスペースに人を配置して、そこを相手に使われないようにする というのが基本的な考え方であるゾーンディフェンスが有効とされています。 従って、どんなチームも普通、ゾーンディフェンスをしています。 3バックは、マンツーマンだという言説もよく見受けますが、あれもゾーンです。 前のストッパーの二人がゾーンで守備をして、 後方のスイーパーがカバーリングをしています。(※下図参照) 確かに、ストッパーは相手FWをマークすることが多いですが、 四六時中相手FWに付いているわけではなく自分のゾーンに来た時だけマークします。 ◎図(3バックの守り方)
●(ストッパー(ゾーン)) ●(ストッパー(ゾーン)) ●(スイーパーorリベロ(カバーリング)) ●(ゴールキーパー)
ですから、マークの受け渡しが発生した時点で、それはマンツーマンではなくて、 ゾーンです。ボールホルダー(ボール保持者)が移動して守備エリア(ゾーン)が、 変わったのでマーカーも変わったのです。 しかし、ゾーンであっても自分の守備範囲では相手とは1対1の状況ですから、 その範囲では、相手を止める、ボールを奪うとマンツーマンとすることは変わりません。 ゾーンだから、スペースを埋めることが重要で相手を 素通りさせても良いということにはなりません。 冒頭の『マンツーマンは人、ゾーンは地域。』というイメージが一般的に強いために、 誤解している人が多いようですが、ゾーンだから地域優先で相手をマークしなくて良い ということにはなりません。この言葉は確かにマンツーマンとゾーンの違いを 端的に表していますが、ゾーンだろうがマンツーマンだろうが、 人に対して人が付いてしっかりディフェンスしなければ相手を止められません。 そこのところはどんな戦術を用いたとしても変わりません。 参考: ゾーンディフェンス マンツーマンディフェンス 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
前回、マンツーマンとゾーンのメリット、デメリットという予告でしたが、
それはまた次回ということで・・・。
あと、三浦監督の求めるゾーンが特殊なのかという話ですが、その話もいずれしたいと思います。
ただ、三浦監督の戦術は、現イタリアセリエAインターミラノ(インテル)監督のモウリーニョが、
チェルシー時代にやっていた戦術に似ていて、その後、一般的に広まった戦術であり、
三浦監督の戦術が特別であると私は思っていません。
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当ブログは、ただのサッカー好きが、地元北海道のプロサッカーチームであるコンサドーレ札幌の情報を中心に、サッカーの話やそうでないものをチラシの裏的に書いたものです。 “whiteowl”の由来は、“ドーレくん”から何となく。 特に、サッカーの戦術やプレーに興味があり、他のスポーツも観ます。空手は、黒帯。 最近は、気分転換も含めて、スタジアムの色々なこところで観てます。 始めは純粋にサッカーだけに興味があったのですが、このチームは経営がもっとしっかりしないと強くならないと感じるようになってからは、HFCの経営に関する記事も書いてます。 尚、記事が長いのはデフォルトです(-"-;A ... コメントについて: 当ブログでは、長文コメント大歓迎です。 頂いたコメントに、すぐ反応できない場合が多くて申し訳ないのですが、極力返事をする方針です。 ただし、感情的なコメント、悪意が感じられるものについては、スルーするかブログ主権限において削除する場合があります。 ※当ブログはリンクフリーですが、コメント欄にでもこそっと書き込んで頂けると嬉しいです。
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