来季の札幌は、アルアハリからアトランテに進化しないとっ。 -クラブW杯-

2009年12月14日

今年から、日本を飛び出し、UAEで開催されている
クラブチームの世界一を決めるクラブW杯。

日本でも現地でも、あまり盛り上がっていないらしい(-"-;A ...


盛り上がりに欠ける一因になっているかもしれないのが、
開催国枠で出場、オイルマネーを背景にガンバにいたバレーなどを補強したアルアハリが、
アマチュアも混ざっているセミプロ集団・オセアニア代表、
オークランドシティに負けたこともあるかもしれない。

この試合を観た率直な感想は、わかりやすい例でいうと
アルアハリは、“今季の札幌”のようだった(苦笑)。






クラブW杯には様々な国からクラブチームが出ており、
その地域の色がチームに出ていて面白い。


ニュージーランドのオークランドシティのサッカーは、
体格の良さを活かした“ラグビーのようなサッカー”。

ラインを作って守備をし、ボール奪取後、ロングボールを蹴りこみ、
そこに人数をかけ、陣地を獲得しながらゴールを目指す。

観ていて楽しいサッカーではないが、フィジカルの強さを前面に出した
ラグビーの強いニュージーランドに合ったサッカーだろう。


それに対して、アルアハリは、中東といえば、
極端に引いて守ったところからのカウンターというイメージが強いが、
戦術的には現代的な感じで、ポゼッション主体のパスサッカーをしていた。

実際、この試合、セミプロ集団のオークランドに対して、
オイルマネーで潤うアルアハリが、一方的にポゼッションする。
確か、ポゼッション率では、アルアハリが3分の2くらい支配していた。

しかし、アルアハリは、組み立ての部分でミスが多く、ギャップを作ろうとする動きや
サイドチェンジが少なく、ただ前線のバレーを狙うだけで、パス回しに意図が感じられない。
そして、大事な局面で勝負をしない。
こうなってくるとポゼッションしているというより、相手に持たされている感じすらしてくる。

案の定、圧倒時にボールを支配しながら、
強固なオークランドのフィジカルを崩せずあっさり負けた。

ACLの予選で、最下位なのもわかった気がする(-"-;A ...



そして、この後、アルアハリに勝ったオークランドは、
北中米代表、メキシコのアトランテと戦ったのだが、
このアトランテが、アルアハリと同じポゼッション志向ながら
全く次元の違うサッカーを展開していた。

試合結果の違いが、それを端的に表しているでしょうけれど。






メキシコのアトランテは、日本人のように小柄な選手が多いが、
こちらも、とにかくパスをつないでポゼッションサッカーをする。

ただ、アルアハリとの一番の違いは、ボール回しに意図が感じられるか感じられないか。

頻繁にポジションチェンジを繰り返し、相手にマークを絞らせない。

また、サイドに展開するために、サイドにボールを出しても、それは釣りで、
そこから逆サイドに振ってサイドチェンジして、そこで縦に勝負する。


逆サイドで縦に勝負することを前提にしたパス回しのため、
ゴール前で、相手DFラインの前でパスの出しどころがなく、横に出しているのとは本質的に違う(苦笑)。


組み立てのパスワークも速く、DFラインで回していたかと思うと、
隙があると見るや、一気に相手の懐にパスを入れてくる。
そのパスにも、キックフェイントを入れて相手のマークを微妙にずらしてくる。

ものすごい小っさい選手もいるが、さすがメキシコのチーム、
随所にサッカーセンスの違いを感じた。


同じポゼッション志向のチームで、同じ相手と試合をしても、
これだけ試合内容が違うのかというのが、率直な感想。

オイルマネーを背景としたサッカー新興国とメキシコの伝統あるサッカーでは、
年季が違うわけで、そもそもサッカーセンスが違う
といってしまえば、それまでかもしれない。






日本の多くのチームも、表面的には非常に組織的で、
リトリートしてカウンターではない、パスを繋ぐ現代サッカーをしている。

しかし、“ゴールを奪う”というサッカーの唯一無二の本質から考えれば、
理屈以上の“サッカーセンス”、“サッカー勘”の部分が足りない。

“なんでそこにスペースがっ、なんでそこに人がいる!?”というプレーが少ない。


よく小柄なメキシコのサッカーを日本強化の手本にすべきだという声があるが、
これまた多くの人が、サッカーセンスが違うから真似できないともいっている。


しかし、今すぐは無理でも、その進歩が少しであったとしても、

来季の札幌は、“アルアハリからアトランテに進化”しないとあかんなぁ

というのが私のこの2戦を観た感想でした。

アトランテが、同じポゼッション志向でその方面では最強のバルサに、どれくらい通用するか次の試合も楽しみ。




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