サイド攻撃。 -第27節 熊本戦-

2009年07月16日

試合の感想は、今のところ皆勤賞なので、
少々遅い更新の上に、負け試合なのですがご容赦ください。
ドラクエ9をっ(-"-;A ...アセアセ


前回ドームで、HFCによる集客大作戦によって、久々の2万人越えをして迎えた第27節熊本戦。

その反動か、第18節の6,359人に次ぐ、今季下から3番目の観客数6,376人。

その差、わずかに17人!(苦笑)

ホームで勝たないと集客効果が持続しないことを証明してしまいました。
集客に貢献しないと、選手は年俸上がらないよ!


さて、前回の試合は、クライトンが退場し0-4で負けたので、
是非リベンジして欲しかったのですが(-"-;A ...






今回は、前半39分に熊本の原田が連続でカードをもらって、熊本に退場者が。
残りの半分以上の時間、札幌の数的優位に。

しかし、後半25分に、西が空ぶった球を吉井に決められ、
ほぼこのワンチャンスのみの熊本が1-0で勝利Σ(- -ノ)ノ エェ!?

退場者が出てしまったことで、圧倒的に試合を札幌が支配するものの、
シュート2本の熊本が、シュート23本の札幌に勝つという珍事が発生。

こんな試合をしていては、終了後の大ブーイングも仕方ないでしょう。


しかし、札幌が数的不利に陥って勝った横浜戦のような試合もあるので、
何が幸いするかわからないのがサッカーの恐ろしさでもあり、面白さ。

数的不利に陥った方は、しっかり守ってカウンター、
カウンターが成功しなくても、セットプレーには数的不利は関係ないと、
やることが明確になるだけに厄介ではあります。


それに比べて、札幌の“意思統一”のなさっぷりが敗因ではないでしょうか。

後半から西をリベロにおいて、いつもの4-2-3-1から、
攻撃的に行く3-5-2にフォーメーションチェンジをしたわけですが、
4-2-3-1のままの方が良かったかもというのが、私の意見。


まず、3-5-2が守備的といわれる所以は、3バック時にできる両サイドのスペースを
大体、中盤の両WBが戻ってカバーするためにWBがDFラインに吸収されて、
(※ボランチがカバーするという選択肢もあります。)
5-3-2、つまり、5バックになってしまうことが多いからです。(↓図参照。)


図):●…選手、○…スペース


    ●    ●

●(WB)  ●     ●(WB)
↓             ↓
    ●    ●

○ ●   ●   ● ○

       ●



↑の典型例としては、岡田監督時代の札幌を思い浮かべてもらうと分かりやすいかと思います。

しかし、現在の札幌が攻撃的に行く時に使っているノブリンの3-5-2は、
両WBがDFラインまで下がらないので、3-5-2でも攻撃的というわけです。

ですから、札幌は数的優位を活かすために、
4-5-1からDFを一人減らした3-5-2にするというのは、一見合理的な選択のように見えます。


しかし、この変更が結果的に裏目に出たのかなと。


当然、熊本は数的不利とはいえ、まだ0-0でアウェイなので、
引いてしっかり守ってカウンター、引き分け狙いでいい。

どんな試合でもどんな状況でも、引いてきた相手を崩すのは難しいことですが、
サイドからの攻めは、中央からの攻めより崩しやすい。
従って、引いた相手を崩すにはサイドからというのが定石です。

しかし、先ほどの3-5-2の場合、サイドに張っている人数がWBの一人しかいない上に、
札幌の左WBの砂川が熊本の市村に抑え込まれてしまったので、
完全にサイドからの攻撃が止められてしまいました。

そこで、上里を左にもってきましたが、上里は縦に突破するタイプではないので、
クロスは上がりますが敵陣深く切り込んで(相手のゴールに向かって)マイナスのクロスを上げるより、
早めにゴール前にあげる(相手のゴールに向かう)プラス方向のクロスが多くなります。

それが、おそらく両監督のコメントの差異になったのだと思います。

【J2:第27節 札幌 vs 熊本】石崎信弘監督(札幌)記者会見コメント(09.07.11)
Q:後半立ち上がりから3バックにして、すぐに中山を入れてパワープレーをしたが?
「いえ、パワープレーではありません。ゴール前でクロスに対して、相手は4-4-1。
クロスは上がっていくんですけど、ゴール前での工夫というところ、
クロスに対する入り方というところがまだ足りなかったので、
そういうところでアクセントをつけたかった。」


【J2:第27節 札幌 vs 熊本】北野誠監督(熊本)記者会見コメント(09.07.11)
●北野誠監督(熊本):
「札幌が早めにパワープレーをしてきてくれたので、セカンドボールが取れるようになった。
で、それでカウンターもまた狙えるかなと思いました。」


ノブリンの意図は、サイド攻撃だったのだと思うのですが、
結果的に、サイドを崩しきれないために敵陣深く切り込むことが出来ず、
サイドの浅い(自陣側の)位置から前線へのロングボールが多くなってしまった。

これをサイドからのアーリークロスと見たのがノブリン。
前線へのロングボールと解釈したのが熊本の北野監督であると思います。


ですから、引いた相手を崩すために有効であるはずのサイド攻撃を、
札幌が有効に機能させられなかったことが、敗因ではないでしょうか。



私が後半も4-2-3-1のままで良かったのではないかという理由は、
サイドを崩すために、局地的にでも人数を置けばいい。
ならば、SHとSBがサイドに居た方が3-5-2よりサイドの人数が多い。
(※この辺りは、“あの杉山茂樹さん”の著書が詳しいです(苦笑)。)

まして、相手は4-4-1の1トップですから、こちらは2バックでいい。

極端な話が、両SBをSHの位置まで上げて、両SHをFW位置までそれぞれ上げて、
2-5-3で良かったのではないでしょうか。

3トップで相手の4バックを押さえ込めれば、相手の中盤は4人ですから、
中盤の5人の選手がサイドを突破することはより容易になるはずです。

要は、相手の4-4-1だと守備が8人なのに対して、
3-5-2だと、攻めての人数が7人になり、数的優位を活かせない。
2-5-3にすると、攻めと守りが8の同数になった上で、DFも一人余る。


まあ、杉山さんのようにフォーメーションだけで全ては語れないと思いますが、
より自らに優位な状況をつくり出すことは可能であると思います。




さて、以上のように考えると、ノブリンの采配ミスともいえますが、
その上で、私が考える敗因は選手の状況判断の甘さだと思います。

おそらく、ノブリンは、3-5-2にした時に、3バックの両ストッパーに、
4バック時のSBのように攻撃に参加する役割を期待したのだと思います。
そうすれば、先ほどの2-5-3と同じように攻め手の人数を8人にできる。

しかし、数的優位にもかかわらず札幌のDFが、相手の1トップに対して、
律儀にも3バックのまま残ってしまい両ストッパーが上がらないため、
3-5-2のサイドでの数的不利をカバーできず、数的優位を活かせなかったのだと思います。


結果的に、札幌が点を取りに行く時に採用している
いつもの3-5-2と全く同じ攻めをしてしまった。

選手に札幌の方が一人多くいつもと違う
という状況判断が足りなかったのではないでしょうか。




この記事に対するコメント一覧

はげお

Re:サイド攻撃。 -第27節 熊本戦-

2009-07-19 23:13

こんばんは。 昨日の試合についてのことは、もう少し考えがまとまったらにしようかと…。 >極端な話が、両SBをSHの位置まで上げて、両SHをFW位置までそれぞれ上げて、 2-5-3で良かったのではないでしょうか。 >おそらく、ノブリンは、3-5-2にした時に、3バックの両ストッパーに、 4バック時のSBのように攻撃に参加する役割を期待したのだと思います。 同感ですね。 特に、上の方の考えは大切だと思っています。 今回の場合に限らず、イシサッカーの攻撃の時には、4-2-3-1から2-5-3に意識をシフトさせる必要があるのではないかと感じていました。(開幕戦の石井の動きに可能性を感じた理由が、そこにあるのではないかと) >相手の1トップに対して、律儀にも3バックのまま残ってしまい これも…(-_-;) ただ、イシさんが3バックにした理由の一つに、「相手の1トップに対して、律儀に4バックのまま残ってしまう」のを回避しようとしたのではないかとも思ってしまいます(数試合、そんなサッカーもありましたからね…) DQ9は魅力的。内容や完成度はどうですか?

whiteowl

Re:サイド攻撃。 -第27節 熊本戦-(はげおさんへ)

2009-07-20 19:38

4-2-3-1は特に、3の選手が攻撃に絡まないと得点力不足に陥りますからね(;´Д`A ``` SBが上がるタイミングは難しいですからね。 ただ、あの状況は、数的優位だったので、あまり考える必要もなかったとは思うのですが(-"-;A ... 結局、フォーメーションを変えることでしか、 まあ難しいですが、チームの積極性を引き出せないのが課題といえば課題なのかなぁと。 DQ9は、アイテムを組み合わせて別のアイテムを作る錬金システムが楽しくて、 そればかりやってます。 話は、子供向けっぽくて、あまり好きではないかも・・・(・_・;

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