2016年08月21日
1勝1分け10敗。鬼門。春先に日本平で使ったこの言葉をまた使うことになるとは…思っていた。京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場。なぜか夏場に日程が組まれることが多く、文字通り熱い戦いが繰り広げられている。なにかとキーポイントになることの多い夏場のアウェイではあるが、京都戦は特に印象深い試合が多いように思われる。個人的に印象深いのは前回昇格した2011年の西京極。前半押せ押せムードで若手主体の京都を翻弄し、勝ち点3は間違いないだろうとテレビの前で油断しきっていた。そこから後半のみで0-4.そしてここから連敗し、迎えたのが昇格を争うライバルの徳島ヴォルティス。天国と地獄を味わう夏となった。
そんな熱戦の幕が今、切って落とされようとしている。19時キックオフだ。現地に赴かれる方のご多幸を祈念したい。といったところで、近5戦の京都サンガFCの試合を振り返ってみたいと思う。
後半戦のみの順位
01位 札幌 △△○○○○●○ 勝点17 +9
07位 京都 △●○△△○△○ 勝点13 +3
上位陣星取表
札幌松本桜大京都岡山町田清水山口
札//○●○△○ー○△ー●○○○○26(残2)
麿ー●●ー▲○//ー△○△○ー○△16(残4)
まずは参考までに、後半戦のみの順位と星取表をご覧いただきたい。後半戦のみの順位で行くと京都は7位。3勝1敗4分けとなっており、近5戦では2勝3分けと無敗で来ている。総得点は7、失点は4、ここ3試合は無失点と守備も固まってきている。25節のレノファ山口戦は先制されたものの、すぐに同点に追いつきシュート数も20体14と圧倒し、アウェイの地で貴重な勝ち点1をもぎ取った。だが、関西ダービーとなった26節のセレッソ大阪戦では悪夢に見舞われる。0-0で迎えた後半18分の菅沼駿哉のゴールから5分間で3ゴールを決め、1万人を超える観衆を飲み込んだホーム西京極を歓声で揺らす。が、悪夢は後半アディショナルタイムに待っていた。30分31分と立て続けにゴールを割られ、左サイドで奮闘していたMF山瀬功治をDF内田恭兵に交代するなど逃げ切りにシフトしていたにも関わらず、最後の最後にセレッソ大阪FW杉本健勇にこの日2ゴール目となるヘッドをぶち込まれジ・エンド。ライバルから奪い取れるはずの勝ち点3は露と消えた。
勝ちきれなかった2試合を糧にしたのか、その後3試合で無失点の2勝1分け。だが、後半戦未勝利のモンテディオ山形に0-0の引き分けはアウェイの地とはいえ、「取りこぼし」と捉えざるをない。勝ち星を積み重ねてはいるものの、エスクデロ競飛王や堀米勇輝などの個人技による中央突破から「なんとなく」ゴールが生まれている印象だ。以前の様な「右SBの石櫃洋祐からのクロス」というほど明確な武器は今の京都には見られない。目につくのがアンドレイ、エスクデロ、堀米という中盤3名のパス交換だ。特にアンドレイは攻撃のスイッチを入れる選手のようで、彼がボールを預けるエスクデロは4ゴール9アシスト、堀米はチーム得点王の6ゴール8アシストを記録している。アンドレイ自体も186㎝の堂々たる体格を活かし、空中戦でも無類の強さを誇っている。コンビを組む佐藤健太郎も177㎝と長身であり、32歳と円熟味を増したプレーで攻め上がりがちな山瀬・堀米の両ワイドとのバランスを取っている。
とはいえ、京都は守備からリズムを作るチームではないように思われる。なぜそう思うかといえば、無失点で「切り抜けた」ここ3試合を見ていても守備の粗さが見えるのだ。基本的に相手ボールになったらリトリートしてラインを整えるのが約束事なのだろう。27節の東京ヴェルディ戦後の石丸清隆監督へのインタビューの中で、「しっかり守備をしてからゲームに入ろうというところで、コンパクトな陣形を取りながら我慢強くゲームを運べた。」「基本的には、今日は相手に持たせていた感じ。(中略)スリーラインもきれいに保てていた。」とボール狩りよりもラインコントロールを重視して守備を組み立てていることがうかがえる。先制点を奪うことができればいいが、試合の入り方を間違え相手に主導権を渡してしまうと途端に苦しくなる。石丸監督もそれを認めているようで、0-0に終わった28節モンテディオ山形戦後のインタビューで、「ゲームの方は、前半はちょっと相手のボール回しというより、自分たちが引き込んだイメージがありますし、若干主導権を取られた中でゲームを運んでしまったので、かなり苦しい時間が続いてしまったのは少し残念です。」「前半からもう少し自分たちからアクションを起こしてボールを取りに行くようにやっていかないと、体力も奪われますし、自分たちで首を絞めたなというようなゲーム展開になってしまったのは少し残念でした。」と受け身になった時の弱さを吐露している。ラインを整えコンパクトな陣形を整えるのはもちろん大事だ。だが、京都守備陣のスライドやプレスのかけ方を見ていると前回対戦した時と大差がないように思われるのだ。無失点で終えられたのも、相手のゴール前での精度の低さに助けられたのではないかと。
決して貶めているわけではないのだが、3連勝以上がなく9試合負けなしで勝ち点23を荒稼ぎし上位戦線に殴り込みをかけた後に2連敗を喫するなど波に乗り切れていない今季の京都を見ていると苦言を呈したくなるのも事実だ。おそらく2011年のコンサドーレが傍から見ればこのような状況だったのだろう。
京都の攻略としては、ゲームの主導権を握ること。例年のように日が落ちても残暑が残り過酷な試合環境になることは間違いない。だからこそ、前半のうちに出足の早いコンサドーレのサッカーで京都守備陣の粗さを突き、先制点を挙げたい。ビハインドになれば京都はバランスを崩して攻めに出ざるを得ず、さらに綻びが生まれてくるだろう。そこをこじ開けていけば春先の対戦と同じく複数得点での勝利が見えてくるはずだ。詰まる所、いつも通りに試合を運ぶことだ。
そのうえであえてこの試合の見どころを述べるならば、前半15分までと後半30分過ぎからだろう。前半はどちらがゲームの主導権握るか、後半30分からはどちらの「精神力」「集中力」「監督力」が上回るかベンチワークも含めて目が離せなくなりそうだ。…改めて書き出すとどの試合もそうじゃないか。…まぁいいか。なんにせよ!手に汗握り、心臓に悪いシーンが展開されるものと覚悟している。足が止まりそうになる選手たちに知らず知らずテレビの前で声が出てしまうだろう。背番号12番は彼らを支えることしかできないのだ。さぁ、行こうぜ!道は険しくても、突き進め!世界を切り拓け!! We’re Sapporo!!
2016年07月09日
夏の大阪アウェイに良い思い出はない。初めて遠征した2011年は春先の完勝とは程遠く、自力の差を見せ付けられた。唯一の救いである古田寛幸のJデビューも、試合後のゴール裏に飛び交うサポーター同士の罵声に掻き消され惨めな思いをしたものだった。夏の大阪。陽炎立ち上る昼間の熱気が晴れることなく、時折吹くやる気のない風がその熱気を運んでくる。乾くことのない汗が肌に纏わりつき、不快指数を上げていく。目の前で展開される試合も相まってか、目の前が真っ白になるほどの激情が込み上げ爆発する。長丁場であるJ2リーグの折り返し地点を向かえ、チーム力が問われてくる時期だ。そのため今まで牙を研いでいた本命と目されていたチームが一気に浮上してくる。そんな時期。遂に雌雄を決する時が来たのだ。7月9日、キンチョウスタジアム。5連勝、4連勝。そして前節5点ずつ取り合い準備万端整えた両チームによる首位攻防戦。日が暮れてなお暑い大阪の夜に、もっと熱い試合を見せてくれることになるだろう。
と、ここまで書いたのだが…。どうにも様子がおかしい。右足関節靭帯損傷で離脱したFW柿谷曜一朗の穴を埋め、3試合連続ゴールでチーム5連勝を支えてきたトップ下のブルーノ・メネゲウが中国1部の長春亜泰に完全移籍することが決定的という報道が出たのだ。報道に間違いはないようで、すでに全体練習にも参加せず9日のコンサドーレとの一戦にも出場しない見込みのようだ。セレッソ大阪大熊清監督はトップ下の代役に関し、「経験値なら玉田が主軸だし、ソウザや関口にキヨ(清原)。満(丸岡)もいるしね」と候補はたくさんいるとばかりに嘯いたが内心はいかばかりだろうか。柿谷の全治は4週間、負傷したのは6月9日と単純計算で行けばこれから始まる後半戦に間に合う見込みではある。とはいえ回復状況まではネット記事を検索する限りは伝わってこない。コンサドーレとの試合後、下位ザスパクサツ群馬を挟んでプレーオフ圏内を狙うFC町田ゼルビア、またカマタマーレ讃岐を挟んで京都サンガFCと気の休まらない試合が続く。その緒戦であるコンサドーレ戦に「ベストメンバー」で挑めないことは悔やんでも悔やみ切れないものがあるのではないだろうか。
とはいえ首位攻防の大事な一戦である。簡単ではあるが基本陣形を紹介していきたいと思う。セレッソ大阪は4-2-3-1を採用している。4バックを採用しているチームらしく、サイドアタックが軸になっている。左の丸橋祐介、右の松田陸はクロス数ランキングにおいて、丸橋5位松田7位とそれぞれリーグ屈指のクロッサーとしてセレッソ大阪の攻撃を支える両輪となっている。彼らからのクロスを待ち構える1トップには、長身187cmを誇るリカルド・サントスを据える。長らく「電柱」として活躍する時期が長かったが、近5戦で4ゴールとポストプレイヤーとしてチームにフィットしつつあるようだ。攻守の切り替えを担うボランチは人材豊富で、序盤のセレッソを支えてきた山村和也をベンチに据える余裕を見せ付けてくれる。ブンデスリーガから先日復帰し、スケール感を増したプレーで観客を魅了する山口蛍とコンビを組むのがソウザだ。183cmという抜群のフィジカルを活かしドリブルで前線にボールを運び、長短のパスを織り交ぜて攻撃を組み立てていく。まさしくセレッソの「心臓」ともいえる選手だ。総得点は31とリーグ屈指の破壊力を誇る攻撃陣に加え、加え…。日本代表の玉田圭司、関口訓充、ジーコイズムを体現するストライカー田代有三などベンチには錚々たるメンバーが名を連ねている。恐ろしい相手である。一体何点取られてしまうのだろう。しかもアウェイ大阪、不快指数MAXでスタミナを削られJ1レベルの攻撃力でコンサドーレの守備陣は引き裂かれてしまうのではないか…。
…ザルッソ。皆様はこの蔑称をご存知だろうか?3点取っても4点取ったら勝てるんじゃとは、青黒のチームを率いたマイアミの奇跡の首謀者の弁だったように思われる。どうにも大阪の2チームは得失点の出入りが激しいようだ。笊+セレッソ=?というわけで、セレッソのウィークポイントはセットプレーとクロスの守備にある。総失点数は20とリーグ6位と決して「ザル」ではないのだが、そのうちセットプレーで8、クロスで4と計12失点。つまり半分以上をクロスへの対応で失っているのだ。実際前節の熊本戦における1失点もクロスから喫している。これは間違いなくCBの田中裕介と山下達也、そしてGKキムジンヒョンの連携ミスから起きている。前半戦を終えようかという時点でも改善が見られていないというのは致命的だ。特にコンサドーレはセットプレーに強みがあり、すでに10点と全体の3分の1強。クロスからの7点をあわせれば17点と全33ゴールのうち50%強を占める。無論コンサドーレの守備にも弱みがあり、混戦からのこぼれ球を決められてしまうケースが散見される。前節の横浜FCイバの2点目がそれだ。こぼれ球を決められたのは4と全15失点のうち4分の1強を占める。シュート数でいけばおそらくセレッソに軍配が上がるだろうという今節。いかにゴールマウスに襲い掛かるシュートをブロックした上でこぼれ球を弾き出すか、これがコンサドーレ守備陣の課題となるだろう。
以上を踏まえた上でセレッソのキーマンを挙げるとすれば、左サイドバック丸橋祐介と中国へ移籍するメゲネウに替わりトップ下に起用されるだろう玉田圭司だ。無論セレッソの「心臓」ソウザも恐ろしい存在だが、彼の存在を消すためには前述した2名を封じる必要がある。セレッソの攻撃の軸を成すのがサイドアタックであるというのは先ほども書いた。コンサドーレもクロスからの得点が多いが、福森晃斗のクロス数はリーグ39位と突出した数字ではない。これに比べてセレッソの両SBから供給されるクロス数は丸橋5位、松田7位と明らかに偏重している。今回コンサドーレの右CBには先日J1サガン鳥栖から移籍してきた菊地直哉が入ることが濃厚だ。ボランチもこなしてきた元日本代表は今シーズン出場機会に恵まれなかったものの、昨シーズンは4バックの中心として活躍しサガンのJ1残留に貢献している。まさしく実績充分であり、左の福森と同様に高い足元の技術を活かしてサイドを活性化してくれるもとと思われる。マッチアップは杉本健勇だが、その後ろでは丸橋が虎視眈々と攻め上がりの機会を狙っていることだろう。加入してからまだ間もなく、石井謙伍や増川隆洋と連携面で不安があるものの報道を見る限り、練習中に彼らと距離感やボールを奪いに行くタイミングを何度も確認し改善を図っているようだ。増川も「声をよく出してくれるし、ボールを持ったら落ち着く」と手ごたえを口にしている。試合中の調整も勿論あると思うので、前半15分まではきっちりと右サイドに蓋をするように安全運転を心がけてもらいたい。今回のスタメンにはボランチ深井一希の相棒にベテランの上里一将の起用が予想されている。前寛之の怪我は残念だが、上里には上里の武器として「展開力」がある。前線には出場停止明けでエネルギーが有り余っている都倉賢と絶好調ヘイスのモンスターコンビが田中・山下のセレッソCBコンビに襲いかかろうと舌なめずりをしている。そこに福森と上里の裏を狙うロングフィードが届けば必然とセレッソのDFラインは下がらざるを得なくなるだろう。そうなれば攻め急ぐ前線と中盤の間にギャップが生まれ、コンサドーレ自慢の「深井過労死システム」が機能する。
セレッソもう1人のキーマン玉田圭司であるが、なぜ取り上げたかと言えば彼の交代タイミングが得点のチャンスになるからだ。第20節東京ヴェルディ戦。セレッソ大熊監督はトップ下に玉田を起用し、前節徳島ヴォルティスにあわやという失態を演じてしまったチームに梃入れを図った。だがこれが上手くいかず、前半に先制点をあげたものの攻撃は低調。そのため62分に玉田に変え藤本康太を投入しボランチに入れて守備を厚くするとともにソウザをトップ下の位置に上げた。しかしその10分後に、ボランチ山村和也に代えてFW澤上竜二を投入してソウザをボランチに戻しシステムを変更するなど手詰まりを露呈した。つまり中盤における攻守両面におけるソウザへの依存度が高いため、メゲネウが抜けた今トップ下の出来が試合結果にシビアに反映してしまう結果に陥っているのだ。選手配置を弄り、連携を確認する10分間これが得点のチャンスになる。もし、今節トップ下にソウザが入ったとしたらそれは好機と捉えるべきだ。はっきり言って今年のセレッソは昨年のセレッソではない。ドイツの空気を吸ったからといって新しいチームですぐに連携が上手く行き超絶パスが繋がるわけではないのである、誰とは言わないが。油断は禁物ではあるが、トップ下が穴になってしまった今節のセレッソは厳しい戦いを強いられることになるだろう。だからこそ、コンサドーレとしてはセレッソのサイド攻撃を封じ中盤にボールを集めさせたい。コンパクトな陣形を保ち、ボール奪取からショートカウンター。これぞサッカーの王道というべき美しい攻撃を魅せてくれることを願っている。
熱い試合になるだろう。諸事情がありテレビ観戦も叶わないが、リアルタイムで観戦できないことが残念だ。残念だと思わせるような試合を見せてもらいたい。夏の関西という呪縛を振り払い、5年ぶりのJ1へ向けて正念場が始まる。現地に行かれる方は熱中症に気をつけて、全身全霊魂を選手達にぶつけて貰いたい。きっと選手たちもあと一歩が出るようになるはずだ。We’re Sapporo!!
2016年07月02日
横浜FCに触れる前に、簡単に前節ザスパクサツ群馬戦を振り返っておこうと思う。1-0。いつものように先行逃げ切り。美しいウノゼロでの勝利で、コンサドーレは勝ち点を42に伸ばし首位をキープした。この試合で取り上げるべきはここ5試合で3ゴールと調子を上げているヘイスなのかもしれない。だが、私は右サイドハーフで先発出場した石井謙伍を取り上げたい。なぜか。それは私が考える群馬のキーマンを潰し切り、終わってみれば前半シュート3本と群馬に攻撃の形を作らせなかった功労者だからだ。
私の考える群馬のキーマンは左サイドの2名、SBの高瀬優孝とMF高橋駿太だった。高瀬はJ2最多クロス数を誇り、高橋は今季6ゴール6アシストを記録している。彼らをゲームから消してしまえば、群馬の攻撃は機能不全に陥る。そのためには右サイドでプレーする選手の奮起が期待されると、このように前回の記事で触れた。前回の記事で注目選手に上げたのは進藤亮佑であったが、石井のスピードに乗った再三のドリブル突破が彼ら2人を自陣に押し込んでいたと感じた。そしてキーマンの1人高橋を途中交代に追い込んでいる。攻撃の手を封じられた群馬は苦し紛れに中央にボールを戻すも、そこに網を張っていた深井一希、前寛之のダブルボランチがカットしカウンターに繫げ、最終的には後半25分福森晃斗のクロスからヘイスのヘッドがゴールネットを揺らした。下位相手ではあるが3連勝で勝ち点9を積み上げており、「強きを挫き、弱きを助く」と揶揄されたコンサドーレの面影はない。5年ぶりの函館開催で更なる弾みをつけ、後半戦セレッソ大阪から始まる上位3連戦に挑みたい。
そこで今節対戦する横浜FCについて分析してみよう。現在6勝8敗5分、勝ち点23でコンサドーレと同じく1試合少ないながらも12位に位置している。得点失点ともに20で得失点差0である。シーズン途中にミロシュ・ルス監督から昨年同様、強化育成テクニカルダイレクターを務めていた中田仁司が監督に就任。新監督となってからの2試合は1勝1敗となっている。基本的には前監督のサッカーを引き継ぎ、4-4-2のフォーメーションを軸としている。しているが、大きく変わったことがある。そう、キングカズこと三浦和良のスタメン起用である。御歳49歳と馬鹿にしてはいけない。昨年は3ゴールを挙げ、今年もスタメン起用に応え先発6試合で1ゴールを挙げている。彼とコンビを組むのが津田知宏。徳島ヴォルティス時代14ゴールを挙げ、四国勢初のJ1昇格の立役者となったストライカーだ。ただ近年不調が続き、ゴールを量産とはならないものの今シーズン3ゴールを決めており侮ることは出来ない。侮ることは出来ないが、小粒であることは否めないだろう。
そんな彼らを操るのがダブルボランチ。寺田紳一と佐藤謙介だ。チーム内のパス交換ランキングにはどちらかの名前が載り、彼らを介して横浜の攻撃が構成されているのが分かる。その攻撃に厚みを出すのがサイドハーフ。左の野村直輝、右の小野瀬康介だ。どちらも縦への突破から鋭いクロスを入れるクロッサーではあるが、その一方で貪欲にゴールを狙うアタッカーでもある。その証拠に、野村は2ゴール、小野瀬は3ゴール3アシストを今季記録している。実に4-4-2のサイドアタッカーらしい数字であると惚れ惚れしてしまう。
それだけではなく、横浜には切り札が2枚残っている。ツインタワー大久保哲哉&イバがベンチに控えているのだ。大久保、イバともに190cm。スタミナや守備の面に不安を感じるためベンチスタートとなっているが、後半の疲れた時間帯にパワープレーで出られるとどこのチームでも辛いものがあるだろう。しぶとく、粘り強く勝ち点を拾ってきている横浜FC。ホームよりアウェイで勝ち数が多いというところからも、なかなか侮れないチームであるといえよう。
そんな彼らにも泣き所がある。それは左SB不動のレギュラー田所諒の出場停止である。前節の町田ゼルビア戦でイエローカード2枚を受け退場となってしまい、今節は出場停止処分。先ほど取り上げたチーム内パス交換ランキングでも上位に位置し、また攻撃につながるラストパスもチームで上位に位置している。クロスもJ2で11位と攻撃のスイッチを入れてきたチームの中心選手である。その彼が欠場。代役として永田拓也が予想されるが、今季先発出場はなく途中出場も3試合と穴を埋めるまでは至らないだろう。
無論コンサドーレもチーム得点王の都倉賢を累積警告による出場停止処分で、ボランチの宮澤裕樹は肉離れで全治1ヶ月と主力を欠いている。ベストメンバーを組むことは出来ないが、その中で遜色ない試合を群馬相手とはいえ展開することが出来た。都倉のところに素直にジュリーニョを入れるか、それともヘイスをトップ下に置いたまま2トップの一角にジュリーニョを入れるか、はたまたジュリーニョはあえてジョーカーとしてベンチに置き荒野を先発で起用するか。四方田監督の悩みは尽きることがないだろう。私としてはヘイス・内村の2トップにトップ下ジュリーニョで試合に臨んで欲しい。というのは無論理由がある。連携が上手くいっていなかったシーズン序盤。途中出場で起用されていたヘイスはよくポジション取りで都倉と被っていた。現在は都倉がサイドに逃げ、空いたスペースをヘイスが使うことでバランスが取れている。都倉とポジションが被るということは、考えやプレースタイルが似通っていると考えることができる。そのうえで身体も絞れ、ゴールを決めて精神的にも安定している今の時期。ポストプレーヤーとしてどの程度通用するのか、改めてチェックするべきではないだろうか。ヘイスとジュリーニョという守備に不安を抱える2人を同時に起用することで、中盤にギャップが生まれカウンターのリスクは当然高まるだろう。だが、3-5-2対4-4-2であり中盤の人数はコンサドーレのほうが多い。生じたギャップを深井たちダブルボランチが勇気を持った飛び出しで埋めることができれば、ゲームの主導権は次第にコンサドーレに傾いていくだろう。
今節のキーマンとしては左サイドの福森晃斗をあげたい。小野瀬のサイドアタックをいなし、いかに攻撃を組み立てるか。正確なフィードが武器の福森であるが、自陣深くからでは魅力が半減してしまう。中盤に宮澤を欠く今、コンサドーレの攻撃を一手に担っているともいえる。シンプルにボールを捌き、前線で待ち構えるヘイス・内村・ジュリーニョに預けて彼らの攻撃センスに任せるのもまた一興だ。
どちらがサイドを制圧するかがゲームのポイントとなる。快勝になるか、泥仕合になるか。それは彼らの肩もとい脚にかかっている。幸いにも日曜日の雨は朝早くに上がり、日中に降雨の心配はないそうだ。1万人を超えるであろう函館のサポーターを飽きさせないような素晴らしい試合を期待したい。
とここまで書いていたのは昨日の話。どうやら荒野拓馬をトップ下に置き、ジュリーニョ、ヘイスの2トップになる模様。サイドも左に堀米悠斗、右に前節同様石井謙伍という布陣になりそうとの予想が出た。福森の前に攻守万能の堀米を置き、小野瀬のケアを彼に担当させるものと思われる。身体が強く、懐の深いプレーを垣間見せるゴメスのプレーが福森の正確なロングフィードを引き出せるか注目したい。その福森も結婚が発表され気持ちも新たに試合に臨む。「守る家族ができた。生活が自分にかかっていることを強く自覚していきたい」と頼もしいコメントも聞かれる。守備が課題であることも自覚し、「1対1の間合いが遠いところがあるが、最後は体を張れている」と粘り強く対応する意識を見せていた。横浜FCのウィークポイントはセットプレーとクロスである。総失点の75%を失っており、福森に掛かる攻撃の比重は大きなものになるだろう。だからこそ「一皮剥けた」New福森晃斗を僕らに見せ付けてもらいたい。
泣いても笑ってもこれが前半戦ラストゲーム-1試合少ないが-になる。気分良く後半戦、地獄の上位3番勝負を迎えるためにも笑顔溢れる試合結果になることを祈っている。
2016年06月26日
J1の1stステージは鹿島アントラーズが制した。フロンターレ悲願のタイトル獲得かと思われたが、経験の差か粘り強く勝ち点を積み上げたアントラーズに勝利の女神は微笑んだ。アビスパ福岡との対戦となった本日の試合、特に印象に残ったのは先制点のシーン。右からのCK、ゾーンで守る福岡ディフェンスを掻い潜り柴崎岳から送られたクロスに合わせたのが山本脩斗。直前のCKでもDFに阻まれたものの、上手く抜け出し競り合っていた。セットプレーは確実にモノにするという執念が感じられたゴールだった。また、このゴールは鬼が笑うと思われる方が多いが、来年コンサドーレが昇格した際に改善しなくてはならない点になると感じられた。アビスパ同様、コンサドーレもセットプレーはゾーンで守っているからだ。松本山雅FCに攻略されてしまう「程度」のセットプレーディフェンスではJ1上位に対し守りきることはできない。更なる連携の向上と選手のレベルアップが急務と感じられた。
ともかく、まずは目の前の一戦。ザスパクサツ群馬を倒すこと。これに尽きる。これに勝利し、函館での横浜FC戦そして後半戦開幕のセレッソ大阪戦に好調を維持したまま挑む。そのためには…ということだ。
それではザスパクサツ群馬の現状を確認してみよう。0-8と屈辱的な敗戦となった清水エスパルス戦以降、守備陣を建て直し3試合で負けなしと好調を維持している。とはいうものの1勝2分。対戦している相手も下位に低迷する北九州、熊本、長崎と正直「好調?」と疑問符をつけざるを得ない。2分の内容はビハインドを追いついているという点は評価できるが、先制を許したり逆転されたりと守備陣の不安定さを露呈している。「守備陣の建て直し?」という疑問符も付いてしまっているのが現状だ。
基本フォーメーションは4-4-2。すでに6ゴールを上げている瀬川祐輔と187cmの長身FW小牟田洋佑の2トップに、左サイドから飛び込むような形で今季6ゴールの高橋駿太が攻撃に絡んでくる。彼らを操るのがボランチのベテラン松下裕樹であり、J2最多クロス数を誇る左サイドバック高瀬優孝だ。特に瀬川は最近5試合で4ゴールと好調であり、同じく5試合で2ゴールの高橋と同様チームの攻撃を支えている。好調な攻撃陣と引き換えに失点が多く、総失点数31はツェーゲン金沢に次ぐ今季J2ワースト2位となっている。特に目立つのがセットプレーからの失点で、全体の3割近くにあたる9失点を記録している。他にはクロスから7失点、スルーパスから3失点、30m未満の細かいパス交換から4失点などとなっている。この失点傾向から考えると、コンサドーレとしては今までどおりワンタッチでのパス交換を重ねてゴールに迫りつつ、ゴール付近でファールを獲得して得意のセットプレーの機会を得るというのが勝利への最短コースと思われる。
この試合のキーマンとなるには、2試合ぶりのスタメン復帰となる進藤亮佑を挙げたい。理由としては、群馬の攻撃パターンが左サイドに集中しており、ここの攻略が試合のキモになりそうだからだ。特に群馬のチーム内パス交換ランキングの上位に顔を出す左サイドバック高瀬優孝を自陣に釘付けに出来れば、その1列前に布陣する今季6ゴール6アシストを記録している高橋駿太も守備に時間を割かれる時間が増えるはずだ。コンビを組むマセードとともに、彼らをゲームから消してしまうほどの活躍を期待している。
梅雨時であり日中の暑さが残る中で行われる今日の一戦。これからはこのようなタフなコンディションでの試合が増えてくるだろうと思われる。その中できっちりと下位から勝ち点を奪っていくという試金石になる試合であろうと思われる。1-0とは言わず複数得点を奪い、昇格へ向けてもう一段ギアを上げて行くぞという気合の入った試合をみせてもらいたい。
2016年06月08日
「今の札幌に勝てるのは松本しかない」松本山雅FC、DF當間建文はこう語る。勿論「首位だけに勢いがあるが」と札幌をリスペクトしつつも、3連勝でホーム「アルウィン」に首位北海道コンサドーレ札幌を迎えるに当たり、思わずこぼれた本音かもしれない。成績は8勝5分3敗 VS 10勝3分2敗と差はあるものの、得点は22 VS 20、失点はお互い9とJ2最小タイと堅守を誇る。まさに雌雄を決する一線の様相を呈している。
それでは松本山雅FCの陣容を確認してみよう。基本フォーメーションは3-4-2-1。1トップを務める188cmの長身FW高崎寛之は得点こそ3点に留まるものの、懐が深くボールを収め2列目以降の攻め上がりを促す厄介な相手だ。また、ボールを収めるだけでなくドリブルでペナルティーエリアに侵入しファウルを誘うなど老獪なプレーを見せる。いうなれば松本の「都倉賢」だ。彼の作ったスペースを活用するべく猛進してくるのが、右WBの田中隼磨と2列目のMF工藤浩平だ。数値的にもチームで1,2を争うドリブラー。特に田中隼磨は勢いそのままにサイドを抉り鋭いクロスを上げ、中央で待ち構える高崎ら長身FWが仕上げをする。FWが落としたボールに反応するのが2列目の工藤浩平だ。チームトップの4ゴールを上げるだけでなく、アシストも2つ記録するなどラストパスの出し手としても侮ることが出来ない。彼ら3人だけでも充分に恐ろしいのに、その彼らを操る存在がいる。それがボランチの宮阪政樹だ。今年モンテディオ山形から移籍してきた26歳のファンタジスタは、すでにチームの中心に君臨している。前述の田中隼磨と同様、パスの受け手出し手として攻撃に顔を出し牽引している。彼のタクトに応え、ロングボールやサイドチェンジを基本とした「緑の津波」と言うべき縦に早いカウンターが炸裂する。また宮坂はセットプレーのキッカーとしても精度の高いクロスを供給しており、総得点20点のうち8点がセットプレー絡みのものだ。加えてフリーキックだけでなく、スローインまでも得点のチャンスに変えてしまうのが松本の特徴だ。今季から大宮アルディージャに移籍してしまったが、「人間発射台」岩上祐三から引き継がれた「弱者の戦法」は健在である。少しも気を抜くことができない相手である。そんな「山雅四天王」とも言うべき高崎、田中、工藤、宮坂がコンサドーレの前に立ちふさがっていると言えよう。
対するコンサドーレは松本とどう戦うべきか。まずは不安材料だ。なんといっても3人のCBで1トップを見るというアンバランスさだ。基本的に守備に必要な選手の数は「相手の攻撃の選手の数+1」と言われる。つまりカバーリングの選手が「+1」の部分、あとはマンツーマンでマークということだ。そう考えればどうしても1人余る。そして暇があれば試していただきたいのだが、コンサドーレの基本布陣3-4-1-2と松本の基本布陣3-4-2-1を紙に書き出し重ね合わせてみて欲しい。するとコンサドーレの両サイドに大きなスペースが生まれているのが分かるだろう。1トップの高崎に対しCBトリオが互いに声を掛け合い、GKからのコーチングを参考にしながらスライドを徹底しなければ、このスペースを田中や工藤に良い様に使われてしまうことになる。これが守備面での不安。そしてもう一つの不安が攻撃面、トップ下に君臨するジュリーニョに関してだ。まだ手元に重ね合わせたフォーメーション表があれば見ていただきたい。お気づきだろうか。トップ下に位置するジュリーニョの周りを松本の選手が4人、彼を取り囲んでいるのだ。工藤、宮坂と攻撃のキーマンが4人に含まれているとはいえ、ジュリーニョの自由度合いはかなり制限されてしまうだろう。いかに彼のマークを外すか。チームの連動性が問われてくる。
以上を踏まえた上で改めてコンサドーレはいかに戦うべきか。基本的には中盤での潰し合いになるだろう。出足の早いプレスから宮坂、工藤を自陣に押し込んでしまう。そうすれば前線の高崎にロングボールを放り込むしかなくなり、DF陣の高さに分があるコンサドーレにとって対応しやすくなるだろう。無論先ほど述べた守備スライドを徹底した上でだが。この点から言えば、コンサドーレのキーマンは高崎とマッチアップするであろうDF増川隆洋と攻守の要MF深井一希になるだろう。彼らがコンパクトに陣形を保つことが出来れば、そう易々とスコアが動くことはないだろう。これに加えて攻撃陣のキーマンを上げるとすれば、石井謙伍、マセードの両WBではないだろうか。彼らが4人に囲まれるジュリーニョのフォローに入ることが出来れば、独特の攻撃センスを持つ彼のことだ、思いも寄らないようなアイディアで松本ゴールを脅かすだろう。また4人に囲まれるということはドリブル突破の際にファウルを貰う可能性が高まることも意味する。松本の9失点のうち4失点はセットプレー絡みだ。相手ゴール近くでファウルを獲得すれば、コンサドーレには福森晃斗がいる。彼の左足からのクロスに待ち構えるのは4試合連続ゴール中と絶好調の内村圭宏、そしてフィジカルモンスター都倉賢だ。この2枚看板は松本にとっても脅威だろう。惜しむらくは鼻骨骨折の恐れがあるということで怪我明けの宮澤裕樹が試合に出られないことだ。ベストメンバーではないが、誰が出ても試合のクオリティーが落ちないのが今季のコンサドーレの特徴だ。前節に引き続きボランチでの出場が予想される堀米悠斗には、「このポジションは俺のもんだ!」というような気迫とより一層の奮起を期待したい。
連勝中の相手。アウェイの地。勝ち点1を持ち帰れば充分と考えるのは当然だろう。ここで四方田監督がどのように松本戦を捉えるかがポイントとなってくる。引き分け上等なのか、それとも勝つしかない試合なのか、あわよくば勝てたら良いななのか。どのようにリスクを管理し選手を運用するのか。こんな面白い試合を平日ナイターに持ってきてしまった今年の日程くんに苛立ちを覚えるが、一方で面白い試合になるように今までの試合日程を組んできたのかと考えると舌を巻く。はたしてどんな試合になるだろうか。なんにせよ、見ごたえ充分の試合になることは間違いなさそうだ。
2016年06月04日
24、20。この数字が何を示しているのか。勝ち点?たしかに15節終わった時点での勝ち点に見えるかもしれない。だが今回対戦する千葉の勝ち点は23であり、1点足りない。正解を述べよう。それは昨シーズンオフにジェフユナイテッド千葉が行った「血の入れ替え」である。24名退団、20名入団。もともと所属していた佐藤勇人をして「自分が移籍してきたような感覚」と言わしめたDr.関塚による大手術であった。
だが、現時点で患者に快方の気配は見られない。関塚隆が監督に就任して3年目。2014年は鈴木淳から途中でバトンを受け、昇格プレーオフまで漕ぎ着けることが出来たが、昨シーズンは勝ちきれない試合が多く9位に沈みプレーオフ進出を逃した。そこで行った大手術。その結果が6勝4敗5分で8位。プレーオフ圏と勝ち点2差というのは、言い方は悪いが昨シーズンまでのジェフと大差は感じられない。ある種総入れ替えしてこの順位をキープしているのは監督の手腕の成せる技と評価するべきかもしれない。この5試合負けなしで着実に勝ち点を積み上げてきており、さすがは古豪ジェフユナイテッド千葉と名将関塚隆、侮ることが出来ない。
ここで今シーズンのジェフ千葉の陣容についておさらいをしておきたい。基本布陣は4-4-2。近藤直也・イジュヨンのCBコンビが最後尾を支え、左サイドの阿部翔平・井出遥也が攻撃を牽引する。彼らのドリブル突破にボランチの長澤和輝が絡み、中盤を撹乱する。そしてフィニッシャーとして前線に構えるのがエウトン・船山貴之の強力2トップだ。阿部翔平のクロスに彼らが反応することでゴールが生まれる。現に得点の40%近くはセットプレーとクロスから生まれており、彼らの活躍無しに千葉の躍進はない。そして22%を占めるショートパスからのゴールというのも、井出・長澤といったドリブルを得意とする選手が前線を掻き回すことで生まれている。ストロングポイントをチームとして持っており、少しでも守勢に回ってしまうと試合の主導権を奪われかねない。
ストロングポイントとウィークポイントは紙一重。前節千葉と対戦したV・ファーレン長崎は攻撃のキーマンである左サイドバックの阿部翔平からのクロスを警戒し、素早いプレスで自由を与えずに縦に速い攻撃へとつなげていた。ドリブルによる攻め上がりの機会を封じられた千葉はエウトンをターゲットに長いボールで対抗した。どちらも狙い通りの展開で1点ずつを取り合い、結果1-1の引き分けとなった。試合後、長崎の高木琢也監督は「キープして逆サイドに展開していくというトレーニングでやっていた形で得点を取れたこと。」を収穫としてあげた。また、11節で同じく1-1で引き分けたカマタマーレ讃岐の北野誠監督は試合後の会見において、選手交代の意図を問われ次のように答えている。「一番重要だったのが中盤のコネクターの部分です。永田(亮太)に代えて、綱田(大志)を入れましたが、(相手のボールが)サイドに入ってから中を固めるというところが狙い通りだった。そこで全てボールを切ることができたので、千葉は完全に中で勝負するしかなくなった。(後半は)うちがサイドを全て支配できたと感じています。」そしてこうも言っている。「後半はしっかりと狙い通りのボールの動かし方で点が取れた」と。彼らの言葉を借りれば、千葉のウィークポイントは「中盤の展開力」ということになる。
ラストパスの出し手やパス交換などのデータから浮かび上がってくるキーマンは、左SBの阿部翔平だ。アシストこそ1と少ないものの、ラストパス供給はチームトップ。FKのキッカーも任されており、SBというポジションもあり攻守の要とも言える重要人物だ。そこを封じてしまう。パスもクロスも左サイドの阿部、井出から上がっており、そのストロングポイントを封じられたジェフが取れる戦術。それが「ロングボール」ということだったのだろう。
前節の山口戦でもコンサドーレのストロングポイントとしてあげた「札幌山脈」。これはジェフにも勿論有効である。ロングボールを弾き、セカンドボールを素早いプレスから物にしてしまえば試合の主導権はコンサドーレのものとなるだろう。実はジェフのウィークポイントはクロスからの失点にある。全16失点中5点をクロスから、6点をセットプレーから失っている。近藤直也181cm、イジュヨン186cm。決して小柄なわけではないが、なぜか失点を重ねている。連携不足を露呈してしまっているのかもしれない。その隙を逃さないのが今のコンサドーレだ。前線の「3枚刃」が全得点のうち半分を叩き出しており、彼らにボールを運ぶことが出来れば得点のチャンスも生まれることだろう。
やはり重要なのは試合の入り方と先制点を奪うことが出来るか、これらに尽きる。今のコンサドーレは首位であり、各チームが勝ち点を奪いにやってくる。3だろうが1だろうが勝ち点は勝ち点。あわよくば大きいほうを持って帰りたいのが人間というものだろう。そんな彼らをきっちりといなして、土産代わりの勝ち点3を奪う。目下の懸案事項はレッドカードによる出場停止で欠場深井一希にかわり宮澤裕樹とコンビを組むのが誰かということ。中盤の差が試合結果として現れる試合となりそうだ。四方田監督の悩みは尽きない。最良の結果を出すことを期待している。
2016年05月27日
J2に旋風が吹き荒れている。レノファ山口という名の嵐が。14節終了時点で21得点を挙げ、すでにジェフユナイテッド千葉・セレッソ大阪という昇格候補をともに4-2というスコアで打ち負かしている。J3で猛威を振るった攻撃力、もとい爆撃力は健在なようだ。
4-2-3-1のフォーメーションをベースに、攻撃のタクトを振るうのは4月度月間MVPに輝いた庄司悦大だ。チーム内でのパス交換ランキングでは上位10位までの全てに出し手・受け手として彼の名前が並んでいる。この絶対的な司令塔から放たれたパスに反応するのが2列目に控える3人衆だ。左から島屋八徳、福満隆貴、鳥養祐矢が虎視眈々とDFラインの裏へ飛び出すタイミングを狙っている。そして忘れてはならない男が1トップを務める中山仁斗だ。180cmの長身を活かしチームトップの5点を挙げている。だが前線にだけ目を向けていては山口の恐ろしさは分からない。侮れないのは両SB。彼らが前述のパス交換ランキングのトップ2なのだ。左の香川勇気、右の小池龍太。庄司がボールを受けた瞬間、チームの攻撃のスイッチが入りSB2人が走り出す。パスコースを作り出し、流れるようなパス交換で相手ゴールに迫る。まさに「全員攻撃」。恐ろしい戦闘マシーンを上野展裕監督は作り上げたものである。
恐ろしいチームである。こんなチームに決定力不足のコンサドーレは勝てるんだろうか。たった1点しか取れないコンサドーレでは先制しても追いつかれてしまうじゃないかと。…悲観する必要はないんじゃないだろうか。というより普通にすれば勝てると思っている。そう考える理由は2つある。
まず1つ目は「プレスに弱い」こと。前節0-3でV・ファーレン長崎に敗れたレノファ山口。その敗戦に関して山口DF小池龍太は「長崎さんが自分たちのサッカーに対する分析をしてきて、自分たちが掛けられたくないこと(プレス)をしてきたという印象が強いです。」と語っている。戦略家である敵将、高木琢也監督にとっては会心の勝利だったようで、「今日は山口がボールを出してくるときの動きやタイミングを考えて、対応したことがうまくはまったし、ボールを奪ってからもトレーニングでやってきたことをしっかりやってくれた。レノファのMFが下がり気味にボールを受けたときに、必ず走り出す選手がいる。そこを抑えていくとボールをとりやすい」と山口の弱点まで語ってくれた。プレーする選手が自覚しているプレスへの苦手意識。ここを衝いて勝利を収めたチームがもう1つある。第12節1-0で完封勝利を挙げたツェーゲン金沢だ。森下仁之監督は「縦のパスコースをしっかり消した中で、しっかりボールにアプローチするため、出るところは出ていく。攻撃のところも手数が掛かっていた部分があった」と語り、山口がポゼッションするときには前から厳しくプレッシャーを掛けた。ボールを奪うとアーリークロスや縦へのフィードを使い、シンプルに前線に当てて、ゴールへ迫った。興味深い点は両者とも山口と対戦した時点で最下位に沈んでいたことだ。そう、司令塔である庄司を潰してしまえばパスの出し手が居なくなり、攻撃力は半減どころか無力化されてしまう。その結果を如実に表すように、彼らが敗戦した試合は全てが無得点なのだ。
彼らが苦手なプレッシングは今年のコンサドーレの持ち味と重なる。久しぶりのホーム札幌ドームで気の抜けたプレーは見せられないはずだ。試合開始直後から激しいプレッシングを掛け、相手陣内に押し込もうとするだろう。これは願望もあるが、根拠がないわけではない。山口のキーマンである庄司はWボランチの右に入るケースが多い。勘の良い方は気付かれたかもしれない。彼とマッチアップするのが誰なのか。そう「俺らの10番」宮澤裕樹だ。今季から主将を務める彼は、攻守両面で一皮剥けた様に思われる。絶対の自信を持ってプレーしており、キャプテンとして責任を持ってキーマンを封じてくれることだろう。
そして2つ目。山口は「セットプレーに弱い」。21得点という攻撃力は確かに脅威だが。彼らは19失点している。そのうちセットプレーで8失点、こぼれ球を押し込まれたのが2点、計10点をセットプレー関連で失っている。これは失点の約半分を占めている。原因はおそらくCBにある。DFにとって身長が全てではないと思うが、身長もDFの才能のうちだろう。左CB北谷史孝は180cm、右CBユンシンヨンは183cm。他のフィールドプレイヤーに目を移しても170cmそこそこの選手が目立つ。そのためフィジカル力押しのチームには分が悪いだろう。だからといって前線の「電柱」にクロスを入れてゴールを狙おうとすると、そう簡単には行かない。実際19失点の割りにチームとしての守備指標はJ2トップの数値を叩き出している。これはボール支配率がリーグトップであることも関係しているが、タックル数2位・インターセプト数3位という攻撃の芽を摘む全員守備の意識の表れでもあるだろう。
ここでコンサドーレの得点パターンを見てみよう。セットプレー・こぼれ球からの得点は5。全17得点のうち3割強を占めている。セットプレーとなれば191cmの増川隆洋を筆頭に187cmの都倉賢、182cmの宮澤裕樹など180cm前後の長身選手が並ぶ。またキッカーの福森晃斗はすでに2度直接ゴールネットを揺らしている。このような機会を増やすためにも、内村圭宏・堀米悠斗・荒野拓馬などがドリブルで敵陣深くまで抉り、ファールを誘うようなプレーを心がけなくてはならない。両サイドを押し込み、相手ゴール近くでプレーする機会が多ければ必然と得点のチャンスも増えるだろう。
結論としては、コンサドーレとしてあえてやり方を変える必要はない。今年のチーム戦術を継続する。プレスを掛け、キーマンを潰し、素早いカウンターから試合の主導権を握る。そして先制点を取ることが出来たら、相手がバランスを崩して攻めてくるまで粘り強く対応し、その綻びをカウンターで切り裂く。この必勝パターンを継続することができれば、勝利が近づく。
1-0で続く連勝街道に一抹の不安を覚えている方が居る。株式会社コンサドーレ社長、野々村芳和氏だ。9年ぶりの5連勝にチームの成長を感じ、心安らかな日々を過ごしている野々村社長だが、苦言を呈するのも忘れていなかった。何を危惧しているのか。それは「知らず知らずのうちにチームが守備的になっていくこと」。この「知らず知らず」というのが問題らしい。先制点を挙げているうちはいいが、得点が産まれなくなると昨年のような引き分け地獄に陥ってしまう可能性がある。攻撃におけるリスク回避が先にたち、パススピードが落ち足元で貰う選手が増えることで運動量が落ちていく。この段階に無意識で踏み込んでしまえば抜け出すのは容易なことではない。こうならないために、チームに一番近い部外者として提言しているんだと社長は語っていた。
1-0というスコアは美しい。先制点を奪い、勝利を目指して攻めに掛かる相手チームをいなして完封する。追いつかれるかもしれないスリルがあり、最後まで目を離すことができない。だが、3-0というスコアも良いものだ。なにより心臓に優しい。そして3度もゴールシーンで喜ぶことが出来る。しかも完封勝利だ。完膚なきまでに相手を打ち倒した勝利といえよう。先制点を取っただけで満足しているとは思わない。常に追加点を奪うんだという意識を持ってプレーしてもらいたい。なんであれ、まずは勝つこと。おそらく心臓に悪い試合になるだろうから、皆様気を強く持ってドームに集うとしようじゃないか。
2016年05月21日
名前のインパクトが強い。というより出落ち気味だった。このTHE☆うどん県な名称に香川紫雲フットボールクラブからサンライフフットボールクラブを経て、現在の名称に改称されて早10年。こんな名前のチームがあるんだと微笑ましい気持ちで見ていられたのも束の間だった。2敗2分。死の国と書いて四国。J2昇格から3年足らずでコンサドーレの天敵になりおおせてしまった。智将北野誠体制は7年目を迎え、より円熟味を増している。この天敵に対し、四方田監督は「試合によって陣形が変わるつかみどころのないチーム」と評し、更にキーマンとして木島徹也、高木和正の名前を挙げ、前線の選手を働かせないようにしたいと意気込んだ。
「つかみどころのないチーム」。4-1-4-1、4-4-2、4-2-3-1と3つのフォーメーションを駆使し、手堅く勝ち点を積み重ね現在4勝4敗5分で12位に付けている。「立ち上がりの早い時間帯に失点しないのが大事。ブロックを組んで、最後は体を張って守る。」と北野監督が述べるとおり、まず守備から入る。エブソン、藤井航大のCBコンビを中心にゾーン気味に4バックを形成。そしてボランチの岡村和哉がボールを奪い高木和正を経由し前線に鋭いカウンターを仕掛ける。また左サイドに攻撃の比重を置き、SBの西弘則とSHの馬場賢治が敵陣を抉り、待ち構える仲間隼斗や良輔・徹也の木島ブラザーズにラストパスを供給する。とはいえキーマンは高木和正だろう。ゴールこそないもののアシストは5と2位タイ、ラストパスも24を数え司令塔として中盤に君臨している。FKも任されており、チームのゴール15点のうちセットプレーからのゴールは5と重要な得点源となっている。粘り強くコシのある「カマナチオ」を展開し、蜂の一刺しを狙う非常にやりづらいチームだ。
とはいえ弱点は勿論ある。現在6試合勝ちなしと勝利の女神に見放されており、先制した試合も清水エスパルス戦の1試合のみ。だが「蜂の一刺し」でどうにか引き分けに持ち込んでいるというのが現状だ。「守備から入る」あまり、前半に相手に押し込まれると失地回復が覚束無いのだ。ロングボールを蹴ろうにも、ターゲットになりうる我那覇和樹は怪我明けで限定的な起用が続いている。そのため自陣深いところからドリブルを仕掛けてサイドに散らすという非常にリスキーな選択を取らざるを得なくなっている。中途半端なカウンターが最悪の結果を招くことは皆様の骨の髄まで染み込んでいることと思うので理由は割愛する。つまり、リアクションサッカーの限界に直面しているというのが讃岐の現状だ。また頼みの綱となっている守備の面にも不安が残る。クロスボールへの対応だ。クロスボールからの失点は6と全体の約4割を占める。この数字はツェーゲン金沢と並びJ2ワーストタイだ。ゾーン気味に守る4バックのギャップを衝かれたり、単純に競り負けたりと少しずつではあるが綻びが見えている。
対するコンサドーレはクロスからの得点は4。またセットプレーからは直接も含めて4と全得点のうち8点をクロスまたはセットプレーから挙げている。そう、この点から言えばコンサドーレは讃岐の「天敵」となっている。スタメンに復帰するジュリーニョ、5戦3ゴールと絶好調の内村圭宏・フィジカルモンスター都倉賢の強力FW陣に加え、恥骨骨折から復帰しリオ五輪に向けて必死のアピールを続ける荒野拓馬や堀米悠斗がサイドから讃岐ディフェンスを切り裂く。前半からゴール前に釘付けにしてしまえば先ほどから述べているように、カマナチオの綻びを噛み切ってやればいいだけだ。先制点をコンサドーレが挙げることができれば、ひょっとすると思わぬ大差がつく可能性もある。
だが侮れないのが四国という地。明日の丸亀市の天候は晴れ時々曇り。最高気温26℃。湿度は75%。纏わり付くような暑さが選手の体力を奪うだろう。札幌も最近暑くなってきたとはいえ、向こうの暑さは質が異なる。それゆえ、課題とされていた後半での追加点。これが鍵を握る。内村というジョーカーをスタートから起用するため、新たなジョーカーの出現が望まれる。上原慎也の意外性にも賭けたいが、彼の投入はおそらくサイドからの組み立てを再構築するという意図で選手達に伝わってしまう恐れがある。それゆえ、ヘイスの爆発が待たれる。彼の投入が追加点奪取へのメッセージだ。
可能ならば前半で試合を決めてもらいたいが、試合は水物。誰も予想できないことが起きるのがサッカーだ。楽な試合などひとつもない。首位確保のためどのようなゲームを展開するのか。更なる成長を感じさせる試合を期待したい。
2016年04月29日
シュート1本で1-0勝利。ある意味究極の省エネで前節勝利を勝ち取った徳島ヴォルティス。名将小林伸二(現.清水エスパルス監督)の副官として2度の昇格を勝ち取った長島裕明を監督に据え、ある種の継続性を持ってシーズンに臨んだ。もののだ。9節終わって2勝5敗2分の17位。開幕ダッシュに成功したとは言いがたく、また1試合平均8.7本のシュート本数は12.7本というJ2平均に対しても少なく、J2全22チーム中最下位だ。チャンス構築率としても同じく22位と低迷しており、攻撃におけるストロングポイント不在という苦しいシーズンとなっている。その中で守備は光るものがあり、タックルでは2位、クリアは1位、インターセプトは5位と高い数値をたたき出している。一方で前述どおりチャンス構築率は最下位、30mライン進入回数は21位と攻撃回数が4位の割りに上手くカウンターが機能していないという問題点が見えてきている。''
ここにきて調子を上げ2試合連続スタメンが予想されている堀米悠斗は「相手は真ん中に人数をかけてくる。サイドからいかに崩せるかが勝負」「2次、3次攻撃ができるようにボールを取られても、取り返せるようにやっていきたい」と攻撃のスイッチになるような動きが出来ればと意気込みを語っている。9試合も戦えばチームの基礎戦術というものもある程度固まってきている。今年のコンサドーレは、硬い中盤で相手のカウンターを受け止め、奪ったボールを裏へと蹴りこみ「鋭利」なカウンターを志向している。サイドの福森晃斗・マセードの両翼が機能しジュリーニョがアクセントを加える。そして都倉賢・内村圭宏の強力2トップがゴールを叩き込む。これが今後の基本戦術となっていくだろう。プレーする3人も攻撃の軸になることは重々承知のようで、内村は「3人で柔軟性を持って戦う。距離感を近くして、自分のパフォーマンスを発揮したい」 「(徳島は)引いてきたら(崩すのは)難しくなる。動き続けられるだけ動き続けて、最後に決められれば」とコンサドーレでの50ゴール目へ向けてやる気満々。他方都倉も、「押し込んでいる状態なら3人の良さは出る。特長を引き出し合っているし、距離感がいい」「自分のゴールがなくてもチームが勝てているのが救い。苦しい時に自分も取れれば。欲は常に持っている」単なるターゲットマンで終わる気はさらさらないようだ。
これにアクセントを加える選手の有無が、昇格を左右する。後半苦しい時間帯に多彩なプレーで疲弊した相手を掻き回しゴールを奪うスーパーサブも勿論必要だが、ここはボランチに期待したい。そう、俺らの10番、宮澤裕樹である。「今季はまだなんで、早く点を取りたい」と徳島戦に向けてゴールに飢えた発言をしている。やはり前節の稲本潤一のゴールに影響を受けているようだ。ボランチの仕事は、しばしば己の仕事に忠実なあまりギャップを生んでしまう攻撃陣と守備陣のバランスを取ること。そして「このボールを攻撃につなげるぞ」と意思を持ったパスを供給し、攻撃のスイッチを入れる。このバランスが難しく、ともすれば弱気と形容されてしまいかねない。そこでリスクを負い前に出て攻撃のバリエーションに自らを加えていく。その結果産まれたのが稲本の今季初ゴールだった。
攻守のメリハリ。このタイミングの妙を教えてくれるのが、稲本潤一であり小野伸二である。彼らのプレーをチームメイトとして体験できることは得がたい経験であるといえる。存分に彼らに使われ、そして使うことでプレーの引き出しは増えていくことだろう。野々村社長が実績充分なベテラン2人に期待していたことだ。ベテランと若手の融合。目に見えないころでのチームとしてのレベルアップ。この化学反応が起きると昇格は手の届くところまでやってくるだろう。
外はあいにくの天気で、開き始めた桜の花もまた萎んでしまいそうだ。コンサドーレも町田や大阪の試合結果次第で首位に立つ可能性が芽生え始めている。今年のチームは強いんだと一足先に大輪の花を咲かせてくれるような試合を期待している。会場の熱気と外気の冷たさのギャップに風邪など引かれないよう、各自注意されたい。さぁ皆さん準備はいいか?コンサの春はもうすぐそこまで来ている。
2016年04月17日
狂った歯車が元に戻っていない。今シーズンのモンテディオ山形に対する印象はこのようなものだ。J1昇格プレーオフでの劇的な勝利から2年。厚いJ1の壁に弾き返されてあえなく降格となってしまった彼らだが、心機一転もう一度J1という目標に向けて走り出したと思ったのだが…。チームに多大な貢献をしたと思われる社長の更迭や主力選手の怪我での長期離脱など複合的な原因を受け、第7節終了時で5敗2分と最下位に低迷している。J1でも猛威を振るったディエゴや「点取り屋」大黒将志など戦力は整っている。また「智将」石崎信弘監督が指揮を継続しており、戦術の継続性から見ても侮れないチームのはずだった。
簡単に山形の現状を不利化って見たいと思う。前節までの山形は左右へのパスが少なく、前に前に蹴りこんでいくスタイルだった。参考にしているFootball LABのデータを引用すると攻撃回数はJ2最多、アタッキングサードとも呼ばれる30mライン進入回数でもリーグ平均値に近い9位に位置している。なのだが、シュートは平均10.4本と19位、枠内シュートは3.6本と15位となっている。つまり効果的な攻撃になっておらず、かえってカウンターを受けてしまい、被攻撃回数では22位、被攻撃成功率でも21位と山形の泥沼の深さを窺い知る事が出来る。
だが石崎監督も手をこまねいているわけではない。フォーメーションを3―4―3から4―2―3―1へ変更。ドリブルが持ち味のMF伊東俊とMF汰木康也を左右両翼に据え、石崎サッカーの真骨頂とも言えるサイド攻撃に本腰を入れてくる模様だ。なりふり構っている場合ではないようで、ディエゴ、大黒を先発出場させゴールを何が何でもゴールネットを揺らしてやろうと意気込みが見える。
では対する北海道コンサドーレ札幌としてはどうするべきか。「相手の圧力に屈しない」これが肝要だ。フィジカルで押すディエゴ。90分間虎視眈々とゴールネットを見据える大黒。彼らにボールを渡さない。そのためには中盤の攻防が鍵を握る。町田ゼルビア戦の反省を活かし、中盤での運動量とボール奪取を心がけ、前線で待ち構える都倉賢、今季初先発が予想される内村圭宏へシンプルに運ぶ。コンサドーレの2トップはそれぞれ裏への抜け出しに定評がある。彼の活躍でDFラインを押し下げることが出来れば、連動する中盤もじりじりと下がらざるを得なくなり、ゴールに飢えている山形2トップとの間に大きなギャップが生まれるだろう。そうなれば山形はロングボールの放り込みに頼らざるを得なくなり、191cmの増川隆洋を中心に長身の選手が並ぶ札幌山脈の餌食となるだろう。大黒に対するマークの受け渡しにミスが起こらなければ無失点で切り抜けられると思う。
勝利への近道は先制点だ。山形が先制点を挙げれば今季初勝利を目指し、がちがちにゴールに鍵をかけてしまうだろう。そうなれば町田戦の二の舞だ。札幌が先制することが出来れば、最悪勝ち点1は拾うことができると思う。チームとしてのストロングポイントが構築できていない山形は焦りから攻守のバランスを崩し、そこを衝けば追加点を奪うことは容易だろう。
「最初から飛ばしていく。一番大事なのは点を取ること」と語ったのは内村圭宏だ。相手の順位や成績は関係ない。冷静に相手と対峙し、最高の結果を導く。石崎監督に引導を渡すような最高の結果を期待している。今年こそ「ホントに」行くぞJ1!コンサドーレ!
2016年04月09日
3勝3分無敗。立派な成績でコンサドーレより上位にいるファジアーノ岡山を札幌ドームに迎える。相変わらず春の岡山は強い。なぜか分からないが春先の岡山は好成績を収めている。夏前くらいからだんだんと中位に落ち着き、最終的には10位前後をうろうろしているという「印象」だ。勿論コンサドーレサポーターとして目糞鼻糞を嗤うとならないように謙虚な気持ちを持って掛からなければならない。DFラインを経験豊富な岩政 大樹が統率し、攻撃陣にはJ1で2年連続二桁ゴールを決めた実績のあるストライカー赤嶺 真吾や五輪代表で名前を売った豊川 雄太が名を連ねる。今年のファジは一味もふた味も違うぜとサポーター達は息巻いているのではないだろうか。
とはいえコンサドーレも波に乗り切れてはいないものの、プレーオフ圏内まであと一息の7位に着けている。岡山から勝ち点3を奪うことが出来れば、順位は入れ替わるだろう。
注目選手は彼しか居ないだろう。菅 大輝だ。コンサドーレ史上最年少でスターティングメンバーに名を連ねることになる。過大な期待が禁物であることは招承知している。だが、してしまうのだ。神田や中原が力を出し切れないなか、移ろいやすいこの気持ちが浮ついてしまうのを抑え切れない。「ミーハー」の誹りは甘んじて受けよう。だが、彼のDFを背負う体の入れ方使い方は体幹の強さを見せ付けるものであるし、切れ込みからシュートへ向かったあの積極性は停滞する前線を活気付かせるものであった。
ファジアーノは3バックを採用する3-4-2-1システムで、中盤に人数を掛けボールを奪うことを重視している。そうなれば中盤での潰し合いがこの試合の見せ場になるだろう。寄せる相手を美しいパスワークで翻弄しゴールに迫っても良いだろう、ゴツゴツぶつかり合い勝ち得たボールをDFラインの裏に蹴りこんだって問題ない。受身にならない。これが鍵だ。どちらが主導権を持って試合を構築するか。願わくばレフェリーが無用なファールを与え、細切れのげーむにならないことを。
「10000人のスポーツバー」へ出かける準備は出来てるか?
2016年04月01日
FC町田ゼルビア。FC町田のトップチームとして1989年に創設された「FC町田トップ」が前身となり、1997年から現在のクラブ名となる。2011年にJ2昇格圏内であるJFL3位となりJ2に昇格。しかしJ2の壁は厚く最下位から抜け出せず1年でJFLへ降格となってしまった。しかし、監督に復帰した相馬直樹体制2年目となる2015年。遂にJ2・J3入れ替え戦で大分トリニータを下し4年ぶりのJ2復帰を果たした。現在3勝1分1敗、勝ち点10で5位。スタートダッシュを決めたチーム同士、雌雄を決するべく野津田競技場で激突する。
昨年のJ3を最小失点である18点で凌ぎ切ったゼルビア。引き分けが9と多く勝ち切れない試合も散見されるが、堅牢な守備を軸に勝ち点を重ねていたことは想像に難くない。その中心になっていたのがGK高原寿康だ。コンサドーレサポーターにも馴染み深い岐阜出身のGKは、2014年から町田に所属し昇格を決めた15年には全36試合でゴールマウスを守り抜いた。特に大分と死闘を繰り広げた昨年の入れ替え戦。大銀ドームに乗り込んだ第2戦で、MFの森村昂太がファウルによりPKを与えるも、高原が大分FWの高松大樹のPKを見事セーブし、勝利の立役者となっている。また、先ほど登場した森村とボランチのコンビを組むのは李漢宰とコンサドーレと因縁の深い選手がスタメンに名を連ねている。
守備のキーマンが高原なら、攻撃のキーマンは中島裕希になるだろう。2013年J2山形で12ゴールを決めた実績があるストライカーは既に4ゴールあげ、チームを5位に押し上げる原動力になっている。京都サンガ戦での同点弾のようにDFを2枚引き付けてでも頭で決めきれる身体の強さは脅威だ。
ゼルビアの基本陣形は4-4-2。190cmの金聖基を中心に跳ね返し、豊富な運動量を誇る李漢宰が攻守にスイッチを入れる。攻撃のメインは右サイドで、SBの星野悟から鋭いクロスが前線に供給される。その前線で待ち構えるのが191cmを誇る高さの戸島章とゴールの嗅覚に優れた中島裕希の2トップだ。更に独特のリズムで左サイドを切り裂く谷澤達也が攻撃に絡んでくる。当初は攻め急ぐ攻撃陣とDF陣とのギャップがあり陣形が間延びしてしまっていたが、すでに修正されている。相馬体制も3年目を迎え、チームコンセプトの選手間理解は深まっているようだ。攻守の切り替えも早く、ストライカーも居る難敵だ。
とはいえ攻略ポイントがないわけではない。まずは攻撃の中心である右サイドを封じること。先日の京都戦同様、SB星野の裏へ堀米悠斗やジュリーニョを走り込ませサイドに釘付けにしてしまう。するとどうなるか。中央のWボランチを経由しなければ左SH谷澤達也、右SH鈴木崇文にパスが渡らなくなる。そうなればコンサドーレの思う壺だ。中央を固める3ボランチがボールを刈り取り、手数をかけずに前線の都倉賢、ジュリーニョの強力2トップが待ち構える前線にボールを運ぶ。仮にファールで止めても、キッカーには前節直接FKを沈めてノッている福森晃斗が控える。付け加えるならば、町田の3失点のうち2点はセットプレーから失ったものであり、まだJ2のセットプレーの圧力に対応しきれていないように思われる。連動した守備から素早い攻撃につなげ、シュートを「撃ち切れ」ば勝利は見えてくるだろう。2014年の福島時代に町田と一度だけ対戦経験がある堀米悠斗は「当時とチームはあんまり変わっていない。中でつくってサイドから崩せばいける」と攻略法を明かしていた。
しかし、これを避けるために中盤を省略したロングボール放り込みキック&ラッシュ作戦に出られると厄介である。2トップに3バックで対応するというミスマッチに、裏抜けを得意とする中島への対応。マークの受け渡しに失敗し、後ろから走りこんできた選手にミドルをぶち込まれるという未来は回避したい。仮に先制を許せば、ここは町田のホームだ。思う存分強固な守備ブロックを構築し逃げ切りを図るだろう。彼らの今年の目標は「J2残留」。そのためには1点でも多く勝ち点を積み上げることが肝要だ。いかにして彼らを振り切ることができるのか。コンサドーレの底力が問われてくる。また、指揮を預かる四方田監督も「攻守に前志向が強く、攻撃はどんどん前に入れてくるし、守備もどんどん前に来る。それを支えるのが切り替えと運動量と速さ。自分たちもチームコンセプトとして持っている部分なので、そこは負けたくない」と静かに闘志を燃やしていた。
注目ポイントとしては前半30分までにどちらがゴールを奪うか。ゲームの主導権ではなく、ゴールだ。恐ろしく当たり前であり、口にするのもおこがましいが、先制点が大事だ。そして追加点はもっと大事だ。ゴールを奪うという姿勢がチームで共有されれば、もう少しサイドでの攻撃が改善されていくだろう。J1昇格へ向けての茨の道は果てなく険しい。だからこそ攻撃陣の一層の奮起が待たれる。都倉だけじゃなくて俺も居るんだぞ!というぐらいの気概で、ボールがゴールネットに突き刺さる「ガシャッ!」という音を何度でも聞かせてもらいたいものだ。しばらくぶりの3連勝へ向けて、勝利を我らに!We're 北海道コンサドーレ札幌!!
2016年03月24日
4分。勝ち点4を獲得し、現在13位。これが2011年函館決戦以来勝てず、以後1分6敗を喫している京都サンガFCの第4節まで終了時点の成績だ。この京都サンガをホーム札幌ドームに迎える。
京都サンガといえば任天堂、京セラ、ワコールと名だたる大企業がスポンサードする天皇杯を手にしたこともある古豪だ。近年は若手選手の活躍も目覚しく、U-23日本代表で主力を勤める原川力など紫魂を胸に秘めた選手たちがピッチを縦横無尽に駆け回り各チームのサポーターを震撼させている。…昨年までは。
彼らの試合をハイライトで見返しているのだが、なんとも評価に困る。すでに原川力、駒井善成、宮吉拓実といった、それこそJ2を震撼させた若手軍団は他クラブに移籍しており、もはやかつての京都とは違うチームであるのは分かっているのだが。その中で拾える情報といえば、チームコンセプトは4-4-2をベースとし、右サイドバックの石櫃洋祐を起点として攻撃を組み立ていること。有田光希、イ・ヨンジェといったアタッカー陣は強力で第1節から3節まで3試合連続で先制点を挙げており、決定力は侮れないものがある。一方で攻守の切り替えに難があり、追いつかれての引き分けが2度、先制した上で逆転されたことが1度ある。積極的なプレスで主導権を狙うことを主眼としているものの、DFラインとボランチの間にギャップを生じるシーンが散見された。とはいえ逆転されたファジアーノ岡山戦も終了間際に石櫃のゴールで追いついており、勝ち点1を拾うことはできている。第4節のV・ファーレン長崎戦ではフォーメーションを4-3-2-1のクリスマスツリーに変更している。186cmの体格を誇るイ・ヨンジェが1トップとして身体を張り、石田雅俊や有田といったアタッカーが彼に絡む形で相手ゴールを狙った。だが狙いは上手くいかなかったようで、立ち上がりから中盤で激しくつぶし合う展開が続き、見せ場はセットプレーだけだった。
おそらくキーマンといえるのは石櫃洋祐だろう。彼を封じることで、京都の攻撃は機能不全を起こす。攻撃のスイッチが入らないのだ。前線へのクロスがアタッカー陣に届けば、彼らの個人技でシュートまでは持っていける。だが、、、というところだ。その個人技のところで有田光希にも注意が必要だ。近年スコアは伸び悩んでいるものの、2012年には14ゴールを挙げた生粋のストライカーだ。うっかりCK与えてしまうと、エリア内で反転シュートをぶち込まれる危険性がある。
相性は悪い。すこぶる悪い。なんせ5年勝っていないのだ。ポカンと一発お見舞いされる危険は大いにある。だからこそ、清水戦と同じように開始直後とハーフタイム明けは当たり負けしないように積極的にボールを追ってもらいたい。なにせ京都の目標は「今季初勝利」。キックオフ直後のプレス地獄は並大抵のものではないことが予想される一度でも受身に入ってしまえば、ファールを冒してでも食い止めねばならずセットプレーの機会が増えるだろう。守備からゲームの主導権を握り、先制点を奪うことができれば勝ち点3は向こうから転がり込んでくる。追加点を2試合連続で奪えるかどうか。この点に注目して土曜日の試合を待ちたいと思う。・・・こう書いておいて、あっさり0-1で負けるのがコンサドーレなんだけど。今年は大丈夫だと信じて筆を置くことにする。
2016年03月20日
鬼門である。古豪、清水エスパルス。過去15戦対戦してコンサドーレが勝利を収めたのは僅かに1度のみ。そして日本平における試合では引き分けすらない。私もかつて天皇杯を観戦しに足を運んだことがあるが、開始1分経たないうちに裏を取られ永井雄一郎に先制点を許し無様な敗戦を見せ付けられた苦い思い出が蘇ってくる。
その日本平だ。今はネーミングライツの関係からIAIスタジアム日本平となっているが、Jリーグベストピッチ賞を全国のスタジアムで最多の9度受賞しているその美しいピッチが牙を剥いてくる。エスパルスの志向するパスサッカーに合わせて短く刈り込まれ水を撒かれた芝は球足が速く、慣れていない選手のとっては足をとられる最悪の環境となる。まさしくアウェイの洗礼。これに「勝ちロコ」に代表されるサンバのリズムで選手を後押しするオレンジの悪魔たちの大声援がプレッシャーとなって押し寄せてくる。
試合を落ち着かせるにはベテランの力は不可欠である。アキレス腱を痛めた河合竜二に代わり、3バックの中心には増川隆洋が陣取る。開幕戦こそコンディションが上がりきらず、あっさりと裏を取られ戦犯の一人に名を連ねてしまったが、まだまだ実力を出し切っていないのは彼の戦歴が物語っている。一抹の不安があるとすれば、前述した滑りやすいピッチとパスサッカーだ。また裏を取られるのではないか。この不安が首をもたげてくる。無論増川本人も自覚はあるだろう。だが、その中でいかにラインを上げ、コンパクトな陣形を維持するか。ここが闘莉王が攻めあがったDFラインを統括し、カウンターの芽を摘んでいった2010年Jリーグベストイレブンの腕の見せ所だろう。
また堀米悠斗、前寛之もスタメンに名を連ねるだろうとの予想もある。「まだまだ勝負に徹する時のピリピリした感じが足りないというか、そう言われてもしょうがないという感じかな。」と、先日の愛媛戦での失点を野々村社長に評された上原慎也に代わりスタメンに返り咲いた堀米に個人的には注目している。左サイドは福森晃斗がパフォーマンスに若干精彩を欠いており、攻撃の起点となり切れていない現状がある。そこを堀米がどう改善するのか。また、ユース育ちの深井一希・前寛之のWボランチからどのようにパスを引き出すのか。この辺りに注目したいと思う。
とにもかくにもあと2時間ほどで運命のキックオフだ。ここで勝ち点の上積みが出来ないようであれば、スタートダッシュに「失敗」したと言わざるをを得なくなる。鬼門だ。この鬼を倒せば光が差す。赤黒の勇者たちよ!いざ勝負!!
2016年02月27日
川崎VS広島の1戦を見ながら、記事を書いている。選手名鑑や専門誌に眼を通していないので知らなかったが、奈良が川崎の3番を背負いスタメンを張っている。出場機会に恵まれず、移籍を決断した彼の選択は現時点で成功だったといえるだろう。目立ったポカもなく声を張り上げラインを整える姿勢から、五輪代表に選出されたことが自信の裏付けになっているんだと伝わってくる。大きな怪我なくリオ五輪の舞台を踏むことを祈っている。
さて開幕だ。すでに機上の人となり決戦の地に降り立ったサポーターも多いだろう。ブラジル人トリオの中からはジュリーニョ、マセードがスタメンに名を連ねるとの報道もある。そして何より進藤だ。ユース育ちには珍しく自己アピールが上手い選手だ。声を出し自分からノッていく選手は周りにも好影響を与える。コーチングは勿論のこと、声を出すことが癖になっていればプレーに対する摺り合わせも容易だ。プレー中も寡黙な選手というのは想像するが難しいが、コンサドーレU-18はかつて「静かな」サッカーを志向していた。しばらく見ていないのでなんとも言えないが、現在も東雁来ではサポーターの声だけが響き渡っているのだろうか。
話が逸れた。若手の突き上げがチーム力の底上げにつながると常々書いてきた。どこかから借りてきた台詞ではあるが、至言である。小野・稲本という黄金世代。彼らの牙城を崩し、引導を渡してやる選手の出現がコンサドーレを次のステージへと導くだろう。そのスタートが明日だ。
「開幕戦ってそんなに簡単じゃないと思うんですね。どのチームもモチベーションが高いわけで、あんまり大差がつくということが起こりにくいのが開幕戦だと思う。でもその中でも、案外それなりの差をつけて勝ってくれないかなあって(笑)。」とは野々村社長の弁だ。この気持ちはサポーター諸兄も同じだろう。旨い酒を飲もう!今言えるのはそれだけだ。頑張れ!北海道コンサドーレ札幌!
プロフィール
98年J1参入決定戦に敗れ涙に暮れる札幌サポを見たことで、コンサ愛に目覚めた非道民。 何の因果か札幌に居を構え、試合結果に1週間のテンションを左右される日々。 いい年こいてまだ中二病が完治していない。 思い出とコンサの試合と日常をミキサーに投げ入れて、味の素で整えた文章を提供していく。 ご笑覧いただければ幸いだ。
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