J1初戴冠

2017年01月29日

 ぼくサッカーで優勝したよ!…ということでね。お約束となっているからね。
そう、優勝したのである。昨日行われたJ3所属FC琉球戦、我らが北海道コンサドーレ札幌は見事2-1で勝利し、JリーグDAZNニューイヤーカップ 沖縄ラウンドの勝者となったのである。昨季の主力を惜しげもなく投入し、必死に勝利を狙った琉球の波状攻撃に曝されながらも、前半を0-0で折り返し、さらに後半開始に当たり8枚替えという「奇策」を用いきっちりと2点を決め勝利をもぎ取って見せた。昨年に続き勝負強さは健在である。
 この試合の殊勲はもちろん菅大輝であろう。この試合では数少ないフル出場した選手であり、結果的に決勝点となった2点目を決めて見せたのだから。かつての古田寛幸や神田夢実、中原彰吾があえいだ公式戦無得点地獄。これをあっさりと打ち破り、落ち着いてゴールネットを揺らして見せた。先輩選手に遠慮してボールを要求しきれないところがあるらしいが、ゴールという実績をもぎ取ったことが自信になってくれることを祈っている。
 それにしても見事なゴールだった。久しぶりにボランチに入った河合竜二の身体を張ったタックルから上原慎也へのロングパス。改めて上原の身体能力の高さを見せ付けられた。河合がタックルを仕掛けた時には彼の横を走り抜けたばかりだったにも関わらず、トップスピードでパスを受けそのまま相手DFをぶっちぎって見せた。なるほど彼が身体能力はJ1級と言われるだけある。そして冷静にゴール前でフリーになっていた菅へ折り返すと、お手本のような「ゴールへのパス」がGKとDFの間を抜けていった。若手選手にありがちな力が入ってふかしてしまうということもない。やはり、このルーキーはただ者ではない。今年からルヴァンカップの規定が変更になり、「21歳以下の選手を1名以上先発に含める(決勝を除く)」という一文が追加された。おそらく進藤亮祐が第一選択になると思われるが、これからの活躍次第では菅にも充分チャンスはある。野々村社長が待ち望んでいた「ラッキーボーイ」の誕生が待ち遠しい。
 さて、私がこの試合で注目していたのは守備時のフォーメーションだった。スタートのフォーメーションは3-4-2-1。1トップに金園英学を置き、その背後に2シャドーとして菅大輝、内村圭宏を据えた。少し驚きだったのは2試合とも早坂良太をWBとして起用していることだ。てっきりシャドーストライカーとして考えているものと思っていたが、素人とプロの考えは違うということだろう。実際早坂はサイドで躍動し、時折鋭いクロスも上げていた。運動量とクロスの精度が求められるWBとして、十分戦力になるだろう。
 話が反れてしまった。そう、守備時のフォーメーションだ。三上GMも四方田監督も「5バックにならない3-4-3を目指す。」とキャンプイン前に語っていた。だが試合の映像からは、昨シーズンと同じく両WBがDFラインに落ちてくる5バックを敷いていたように見て取れた。無論まだキャンプが始まったばかりで、戦術面の落とし込みは二の次になっていることは重々承知している。その中で琉球の猛攻を凌ぎ切ったということは好意的に捉えるべきだろう。…試合を見返せないので守備の時のスライドを確認できないっていうのもあるんですがね。一部4バックになっていたようにも見えたんだけど、基本的には去年と守り方一緒だったと思うんだけどねぇ。中盤でボールを持たれた時は5バックで、サイドで持たれた時は4バックとか使い分けていたんだろうか。
 なんにせよ、初戴冠だ。喜ぶとしよう。またサッカーのある、最高の週末がやってきた。


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14:40

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システムを考える。5バックにならない3-4-3とは?(後編)

2017年01月24日

 アルベルト・ザッケローニ。1953年生まれのイタリア人監督はプロ経験こそないものの、95年当時セリエAに昇格したばかりのウディネーゼを率いてリーグに旋風を巻き起こした。その切り札となったのが3-4-3だったのだ。その導入は偶然出会ったという。…この話は有名すぎるので割愛します。気になる人はググってみてね。簡単に言うと4-4-2で戦っていたが、DFに1名退場者が生じ、そのまま3-4-2で戦ったところユヴェントスに3-0で勝ってしまったというもの。これがきっかけで本格的に3-4-3システムを志向するようになったようだ。この3-4-3を大胆に活用しウディネーゼを3位に押し上げたザッケローニは遂にACミランの監督に登り詰める。そして99-00シーズンのスクデットを獲得するのだ。
 と、簡単にザッケローニ氏の経歴を紹介した。この後、紆余曲折を経て極東の島国で彼の運命を変えるあのスパイスと出会うことになるのだが、それはまた別の話。ここではあくまでも3-4-3について語るとしよう。
 なぜザッケローニの3-4-3を紹介したか。理由は単純。守備の時にはCBが攻め込まれているサイドにスライドし、逆サイドのサイドハーフがディフェンスラインに落ちて、一時的な4バックを形成するシステムだからだ。守備時に5バックになってしまうことは3バックを用いるシステムの宿痾と言っても過言ではない。いかに全体をコンパクトに保ち、かつスペースを埋めるか。これがザッケローニの処方箋というわけだ。
 だが、思い出してもらいたい。ザッケローニが日本代表を率いた時、この3-4-3のシステムは宝の持ち腐れとなったことを。どうしてこうなったのか。それは単純にディフェンスから攻撃、攻撃からディフェンスの時のポジショニングを、選手たちに上手く落とし込めなかったからだろう。当時は4-2-3-1全盛期。バルセロナ式4-3-3も持て囃される様になりポゼッションサッカー華やかりし頃だ。そんな時代に屈強なCFWを中心に置き、彼に絡むようなプレーを求められる2シャドー。残りの7人でボールを拾い潰すというようなリアリスティックなサッカーは、テクニックや創造性に溢れた代表選手たちには馴染まなかったのではないか。そもそも当のザッケローニが「日本に空中戦の文化はない」と明言していたのだから失敗したのも仕方がなかったのかもしれない。
 とはいえその3-4-3というシステム自体は文句の付けようはない。それゆえ一番の課題となってしまったのが3バックから4バックへの移行だ。前編で触れた3バックから5バックへの移行の最大のメリットは、「CBが持ち場を離れないこと」だった。攻撃側からすれば敵のギャップを作るためにまず彼らがすることは、ボールを回し相手守備陣のスライドを促すこと。常に正しいポジショニングを取ることは困難を極める。このリスクを最大まで減らしたのが5バックだったわけだ。サイドプレイヤーは対峙する相手に合せて下がってくるだけでいい。あとは後ろで待ち構えるCBと協力してボールを奪い、カウンターに繋げることができれば少なくとも相手陣内までは押し返すことができる。
 だが、プレーのレベルが上がるJ1の舞台ではサンドバックになってしまう危険性を孕んでいるため、コンサドーレ三上GM・四方田監督ともにシステムのレベルアップを図っているのだ。そう考えればSBの経験のある田中雄大の獲得にも頷ける。右WBのマセードもブラジル時代はSBだった。さらに考えを進めていくと左WBのバックアップは石井謙伍であり、右WBのバックアップは上原慎也ということになる。そう、彼らもSB経験者だからだ。改めて思うのが堀米悠斗の移籍である。ザッケローニ式3-4-3であれば、左WBとしての出場機会は彼が考えるより多かったのではないかと悔やまれるのだ。むしろボランチもこなせる分重宝されたのではないかと思う。そもそも田中の獲得は堀米の移籍に端を発している。今更言っても詮無いことではあるが、昨年彼の背番号を背負って戦ったものとして恨み節の一つも言いたくなるのだ。
 さて前編ではアントニオ・コンテ、後編ではアルベルト・ザッケローニと異なる3-4-3を紹介してきた。攻撃の手法としてコンテを、守備の手法としてザッケローニを「良いとこ取り」することができればJ1残留が見えてくるという感じだろうか。そんな中でいよいよ明日ニューイヤーカップ・ジェフユナイテッド千葉戦が組まれている。私が見ることができる試合は28日のFC琉球戦になりそうだが、自分の予想が当たっているかも含めて結果を楽しみに待ちたいと思う。


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00:35

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システムを考える。5バックにならない3-4-3とは?(前編)

2017年01月23日

 去る21日、北海道コンサドーレ札幌2017年初の対外試合が行われた。30分ハーフで行われたこの試合は開始早々失点を許すも、都倉賢のチーム初ゴールを含め計6点を決め6-1というスコアで大勝した。相手が大学生ということもあり開始早々の失点は猛省しなければならないが、新加入の兵藤慎剛や金園英学もゴールネットを揺らし実力を示してくれ、実りの大きな試合だったといえるだろう。
 この試合はWボランチに1トップ2シャドーという形でスタートしたと報道にあった。そうであるならば、やはり今年のフォーメーションは3-4-3.そう「5バックにならない」3-4-3が軸になるということだ。以前の記事「J1残留にむけて」で私は「ぼくのかんがえるさいきょうのこんさ」とでも言うべき3-3-1-3のフォーメーションを書いた。アップして初めて「これ、バルセロナじゃん!?」と驚愕したが後の祭りだ。そう現実的に考えれば、昨季用いた3-5-2のトップ下をトップに挙げた3-4-3がベストであるに決まっている。なによりチーム戦術の継続性がJ1残留には欠かせないからだ。そこで改めて昨年用いた3-5-2について見直し、3-4-3がどのようなシステムであったか考えていきたいと思う。
 まずこれを見ていただきたい。

         コスタ
   アザール      ペドロ
アロンソ マティッチ カンテ モーゼス

   ケーヒル  ルイス  アスピリクエタ

         クルトワ
 
 これはカタカナが並ぶ通り海外のチームのスターティングメンバーである。フォーメーションは3-4-3だ。開幕時は4-2-3-1でスタートしたものの守備に安定感を欠き、そこで監督の慣れ親しんだ3-4-3を導入したところ、これがチームにフィット。クラブ新記録の13連勝を飾り、現在17勝3敗1分と2位トテナムに勝ち点6差をつけて首位を快走している。そんなチームのスタメン。もう、察しがいい人は気づく頃だろう。そう、イングランドプレミアリーグ所属、チェルシーFC。昨季10位と低迷しながらもある男の監督就任を機に不死鳥のように甦ったリーグ屈指の名門チームである。その男の名はアントニオ・コンテ。ユヴェントスを3連覇に導き、イタリア代表監督も務めた名将である。
 …もったいぶったけども、みなさんご存じだよね。海外サッカーに疎い私はつい最近知ったんだけどさ。そんな状況で解説なんておこがましいとは重々承知ですが、コンサとチェルシーの共通点が多いもんで…。おそらく今季のコンサドーレは、このコンテ式3-4-3を参考にチームを組み上げていくんじゃないかと思う。そこでそのキーマンを5名、、、その、footballchannel(https://www.footballchannel.jp/2016/11/24/post186505/)の記事を参考にして、彼らはコンサドーレでは誰に当たるのかを紹介していくことにする。

 ●セサル・アスピリクエタ(右CB)
 「本職は右サイドバックにもかかわらず、ジョゼ・モウリーニョ体制下では左サイドバック、そしてコンテ監督のもと3バックの右センターバックにコンバートされた。対面したサイドアタッカーを的確に封じることができる、いわゆる“守備のできるサイドバック”として知られているが、その守備力はセンターバックに移ってからも変わらない。俊敏性と危機察知能力の高さで相手FWからボールを奪い、必要に応じてサイドバック然として持ち上がることができる。」…らしいですよ。身長は178㎝とCBとしては小柄ではあるが、守備力は折り紙付きな様子。彼をコンサドーレに置き換えるとすれば、やはり菊地直哉になるだろう。2015年のサガン鳥栖でセンターバックの中心を担った実力者である。昨季も夏場からの加入ながら違和感なくフィットし、DFラインを支えた。特筆すべきはボランチをこなせるレベルの技術の高さである。最後尾からのロングフィードは左サイドの福森と並んでコンサの攻撃の軸となった。2017年も昨季同様の活躍が望まれる。

 ●ダビド・ルイス(CB) 
 「3バックの中央にポジションを取ることで、持ち前のパスセンスやフィードの正確さが生き、攻撃面での貢献が顕著となった。ヘディングにはめっぽう強いタイプで、負傷明けでベンチを温めているキャプテンのジョン・テリーに比べればスピードにも優れるため、DFラインを高く設定できるのも利点のひとつである。」…とのこと。ヘディングにはめっぽう強いタイプと言えば増川隆洋だが、新加入の横山知伸も負けていない。手元にあるELGOLAZO year book2016によると、昨季の増川は自陣における空中戦は125回記録し勝率は60%、他方横山は42回記録し勝率73.8%と勝率だけで言えば増川より優れている。横山の42回はMF江坂任と並びチーム4位の数字であり、決して見劣りする数値ではない。横山も菊地同様ボランチ経験があり、事実昨季はボランチでの起用がほとんどだった。スピードという面では増川より優れていると思われる彼の加入は、今季のコンサドーレの守備陣をスケールアップしてくれるだろう。その一方で、彼が活躍してくれるか否かがチームの浮沈を左右することになる。

 ●ビクター・モーゼス(右WB)
 「持ち前のスピードでサイドを駆け上がったかと思えば、抜群の運動量で守備にも参加する。6試合連続の完封勝利に裏には、モーゼスの貢献が大きいことは明らかである。ハードワークが求められるウイングバックのポジションにおいてコンテ監督の要求を完全に満たしている。」…です。それに付け加えるとするならば、キレのあるステップを武器に失わないドリブルで鋭く侵入するアタッカータイプであるというところだ。その特徴を活かした「カットイン」が右サイドの特徴だ。カットインと言えばマセードの特徴でもある。昨年加入した陽気なブラジリアンは精度の高いクロスとリズムに乗ったドリブルで相手DFを切り裂いた。故障が重なりフルシーズンの活躍はできなかったものの、チームクロスランキングでは3位、ドリブル企図ランキングでは5位にランクインしている。その彼と切磋琢磨しているのが石井謙伍だ。クロスランキングでは福森に次ぐチーム2位、ドリブルは内村圭宏と並びチーム3位となっている。個人的に驚いたのはその成功率である。クロスの成功率は25.7%、ドリブルの成功率が49.2%。マセードのクロス成功率が28.8%、ドリブル成功率が55.4%。なぜ比較するようなデータを提示したのか。ただ単純に自分のイメージより石井の数値が悪くなかったという点に尽きる。J1屈指のドリブラーとして鳴らしている斉藤学のドリブル成功率が53.5%であり、彼ですら5割を少し超える程度である。そう考えれば石井も決して悪くないのだ。運動量には折り紙付きの二人。彼らがどの程度攻撃にアクセントを加えてくれるか。彼らのドリブル突破に注目したい。

 ●マルコス・アロンソ(左WB)
 「希少な左利きでキックの精度は正確。攻撃のセンスも高く、守備面では対面のウイングへのマークも怠らない。」…選手です。モーゼスがアタッカータイプなら彼はSB。ペナルティーエリアの角で左ウイングのアザールや1トップのコスタとボールを回して崩していくのが、左サイドの特徴と言える。左利きで「SB」と言えば、一昨年のJ2クロスキング田中雄大である。ヴィッセル神戸では定位置を掴むことはできなかったが、左足の精度は中々のもの。新潟へ移籍してしまった堀米悠斗もいいクロスを上げていたがミドルシュートの精度は今一つであった。その点田中は問題ない。ペナルティーエリア左隅から放たれる弾丸シュートは惚れ惚れするというより怖気の走る凄まじさだ。だが、彼の問題は守備。アロンソのようにサイドに蓋をすることができるのか。見ものである。

 ●エデン・アザール(左ウイング)
 「好調の要因は守備の負担軽減にある。4-2-3-1ではサイドの守備に走る時間が長く、攻撃面で100%の力を発揮できなかった。しかし、3-4-3では中盤の4枚と3バックが献身的に守備をこなしてくれるため、アザールは攻撃に専念できるようになった。守備から解放されたアザールはセンターフォワードのジエゴ・コスタとゴールを荒稼ぎ。新布陣採用後は、2人で6試合10得点を叩き出している。」…絶好調みたいですね。2年連続プレミアリーグで14点を挙げたベルギー代表のストライカーは守備から解放されることで全力を発揮できるようになったようだ。サイドを主戦場に相手を恐れずドリブル突破を試みる。そして足の振りの早いシュート。やはり彼を当てはめるとしたジュリーニョしかいない。ドリブルの成功率こそ33.3%と低いが、12ゴールを挙げた得点力は非の打ち所がない。ブラジル人特有のトリッキーなプレーはJ1でも十分通用すると思われる。…思われるんだよ。

 とまぁ、このように今年のコンサドーレとチェルシーを重ねてキーマンを紹介してきた。そのうえで予想フォーメーションを書き殴るとすれば、以下のようになる

        都倉賢
 ジュリーニョ     早坂良太
田中雄大             マセード
    宮澤裕樹  兵藤慎剛

  福森晃斗  横山知伸  菊地直哉

       クソンユン

 右ウイングの早坂とボランチの兵藤、彼らのオフザボールにおける献身が中盤と前線をうまくつなげてくれるはずだ。不確定要素は多いものの、そんなものは開幕前だ、多くて当たり前だ。そもそもジュリーニョや都倉が得点を量産してくれるとは限らないからだ。より一層コンテ・チェルシーと化した2017版コンサドーレがJ1に旋風を起こしてくれることを祈っている。

 …とここで終われば綺麗なのだが、そうは問屋が卸さない。コンテ式3-4-3はひとたび守備に回るとどのフォーメーションは5-4-1となる。両WBが最終ラインに吸収され、ウイングがWBに代わりボランチの横にスライドする。がっちりと2ラインを敷き、相手を待ち受けるのだ。
 変更前のチェルシーの布陣は4-3-3. サイドバックのやや積極的な攻撃参加が必要とされていたことや、攻守の切り替え直後のロスト、大外へボールを展開している途中でのロストはバランスを崩すきっかけとなり守備に安定感を欠いていた。そこで5バックだ。このシステムで改善された点は、センターバックが持ち場を離れないことである。そのうえWBが相手SHを、シャドウが相手SBを対応してくれるため、ケーヒルやアスピリクエタの左右CBはニアゾーンへの侵入口を埋めるだけとタスクを簡素化されることになる。カットインやトップ下を絡めた攻撃は2つのラインが距離を縮めて、ごちゃっと密集する事でフィニッシュを許さない。実際ゴール前のごちゃごちゃは昨季のコンサでもよく見られたと思う。だがこのフォーメーションでは4-1-4-1(4-3-3)と対戦した場合、サイドの崩しや中央の密集で相手に支配を許すことはないが、浮いたアンカーを軸にMFブロックの前でポゼッションを許してしまう。そうなれば、そこを軸にポゼッションを許しサンドバックのスタートになる。無論チェルシーならカウンターの精度も高く、パスカットから容易く相手ゴール前に迫ることができるだろう。そう、昨季のコンサドーレのように。
 だからこそ5バックにならない3-4-3を三上GMも四方田監督も志向しているのだろう。昨シーズンの戦い方を踏襲したうえで、どのように進化させていくか。守備的な3-4-3.そこで思い出されるのは「Udinese dei miracoli」。ジャーマンタワーことオリバー・ビアホフを中心にした「奇跡のウディネーゼ」だ。そのチームを率いたのは誰だったか。次回は大のワサビ好きであったイタリア人監督を紹介し、「5バックにならない」3-4-3を考えていきたいと思う。


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22:34

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キックオフ2017を終えて

2017年01月15日

 トンネルを抜けると、そこはきたえーるだった。
皆さまキックオフ2017、お疲れ様でございました。集いに集った4029人。開始時間も19時半と遅かったにも関わらず、この参加者数。相変わらずコンサドーレのサポーターは熱い方が多いなと思いを新たにした。
 さて、笑いと歓声と生暖かいぬるっとした空気に包まれて大団円を迎えた今回のキックオフ。トークショーの部分が多数を占める異色のラインナップとなった。内容としてはメインMCを買って出た野々村社長の無茶ぶりに金山隼樹と荒野拓馬が必死になって付いていくも、マイペースな選手たちに振り回され結局グダグダという、いかにもキックオフらしい代物であった。
 右往左往する彼らを見ながら、私は不思議な感覚に囚われていた。かつて2010年のベストアメニティースタジアムで感じたのと同じあの感覚。アウェイゴール裏に陣取る私の目の前に中山雅史が居て、絶妙な動き出しからヘディングシュートを狙ったあの瞬間。それと同じ感覚を背番号6が姿を現した時に感じたのだ。
 兵藤慎剛。まだ彼が赤黒のユニフォームを着ていることが信じられない。中山の後も小野伸二、稲本潤一というビッグネームがコンサドーレのユニフォームに袖を通したが、その時には感じなかった「スゲー」というこの感じ。言い方は悪いが小野や稲本はビッグネーム過ぎて一周回ってしまっていたとでも言おうか、野々村社長のサプライズ報告もあったこともあり、妙にストンと受け入れられていたように思われる。今回の兵藤に関しては降って沸いた移籍話であり、新聞報道からあれよあれよという間に完全移籍となった。この変化のスピードに気持ちが付いて行っていないのだろう。
 だが彼はここに居て、背番号紹介の時にはマリノス時代の大先輩である河合竜二の横に並んだ。馬場ちゃんの横にカッパが並んだのだ。より一層不思議な感じを覚える。Jリーグに興味を覚え、サッカー関連誌を読み漁っていた学生時代にマリノスを支えていた2人がコンサドーレに居る。…やっぱり夢じゃないだろうか。
 つい先ほどのことだ。1日経ったにも関わらず狐につままれたようなフワフワした気持ちだった私は携帯電話を握っていた。通話口の男は何用であるか私に問うてくる。何者であるか答えた私は口が回るのに任せて用向きを伝えた。結果として、今季のユニフォームに入れるネームの変更依頼は成されてしまったようだった。…悩んじゃったなら仕方ないよね。濱ごめんよ。たぶん手元に届いても信じられないままだろう。選手たちにはこれから苛酷なキャンプが待っている。福森のBefore Afterを楽しみしつつ、2月25日の開幕を待つとしよう。


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11:30

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キックオフ2017

2017年01月14日

 遅ればせながら、皆さま明けましておめでとうございます。また、本年もよろしくお願いいたします。
補強ポイントを検討したいと思うなどと大言壮語しながらも、すでに補強は終了し全体練習も始まっている。まして今日はキックオフの当日である。検討もへったくれもない。
なので、今季の補強の「感想」を述べたいと思う。結論から言えば、文句のつけようがないという言葉に尽きる。堀米悠斗の新潟への移籍は残念であるが、満額の育成費用と移籍金を得ることができ短期的に見ればwin-winの移籍となっている。加えて彼の穴埋めとして一昨年のJ2クロス2位、田中雄大をJ1ヴィッセル神戸から獲得しており、穴は埋まったもしくはスケールアップしていると考えられる。それ以外の主力の離脱は見られず、まさしく補「強」となっているという印象だ。
 CFWである都倉賢のライバルとしてJ1通算27得点を挙げている実績充分の金園英学をベガルタ仙台から、2列目ならどこでもこなせる早坂良太はサガン鳥栖から、コンサ躍進の屋台骨として獅子奮迅の活躍を見せた増川隆洋の代役として大宮アルディージャから横山知伸を期限付きで獲得した。加えてクソンユンとリオ五輪を戦った大型ボランチのキムミンテもベガルタ仙台から、国外での注目度はNO1、タイのメッシことチャナティプ・ソングラシンも7月から加入する見込みだ。前回昇格した2012年シーズンは3位での昇格ということもあり補強が急務であった。にもかかわらず1年かけて育て上げた山下達也が移籍してしまい、終盤の快進撃を支えたジオゴも退団したことでセンターラインに課題を抱えてしまった。この穴を埋めきれずにあえなく1年でJ2に降格。このような印象だ。まともに戦力になったのは清水エスパルスから移籍してきた山本真希ぐらいではなかったか。その二の舞になるまいと強化部が入念に調査し口説き落としてくれた結果が表れている。
 そしてなにより忘れてはいけない男がいる。兵藤慎剛。名門横浜Fマリノスでバリバリのレギュラーを張り、中心選手として活躍してきた男がトリコロールのユニフォームを脱ぎ、赤黒縦縞に袖を通すことになったのだ。…夢でも見てんじゃないかな。モンバエルツ体制になり冷や飯を食ってはいるが、実力は折り紙付きだ。奇しくもコンサドーレには、彼と同じくフロント主導の世代交代の煽りを食った河合竜二という大先輩がいる。プレーした期間も重なっており違和感なくチームに溶け込めるはずだ。そう、今回移籍してきた選手はそれぞれ共通点がある。兵藤と横山が早稲田大学の同級生、田中と金園は関西大学の同級生、早坂はサガン鳥栖で菊地直哉とプレー経験あり、キムはそれこそリオ五輪をクソンユンとともに戦っている。勿論彼らはプロであり新しい環境に溶け込まなくてはならないのであるが、それでも知った顔があるという安心感は何物にも代えがたいだろう。ここまで計算してオファーを出していたとしたら脱帽ものである。
 三上GMは今季のフォーメーションを「5バックにならない」3-4-3を考えていると述べている。昨年は主に3-5-2を用い、守備的になると5-2-1-2ととれる5バックに移行することが多かった。目標勝ち点を40とするなら10勝10分け14敗という星勘定になるため、5バックではカウンターの精度が余程高くない限り現実的ではない。そう考えると中盤をトリプルボランチとした3-3-1-3、間の3-1を4と勘定すれば3-4-3になる、を想定しているのではないだろうか。そこで主観が入りまくっているが、新年の賑やかしと思ってお目汚しを失礼したい。

  '2017年 予想フォーメーション

          都倉賢
ジュリーニョ        早坂良太
          ヘイス

深井一希   宮澤裕樹  兵藤慎剛

福森晃斗   横山知伸  菊地直哉

         クソンユン'

 …どうですかね?ヘイスがボールキープしてくれれば押し上げが効くと思うんですよ。3ボランチにしたことにも理由がありまして、鹿島を始めとして4-4-2を採用しているチームが6チームあり、中盤のスペースに出たり入ったりする選手を捕まえやすいように3人並べてみたんです。3人並べることでスペースを消すこともできるし…。この3人で相手の攻撃にフィルターをかけて、そこで奪ったボールをヘイスに預けてそこからカウンター。イメージは石崎体制での柏レイソル、そのフランサ役をヘイスに担ってもらえれば最高かな。
このような落書きができるくらい今年の補強は夢が広がる有意義なものだ。目標はあくまでJ1残留。今日選手たちはそして野々村社長は何を語るのか、それを楽しみにして筆を置きたいと思う。


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14:20

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