FC町田ゼルビア (4月3日 13:00 kick off)

2016年04月01日

 FC町田ゼルビア。FC町田のトップチームとして1989年に創設された「FC町田トップ」が前身となり、1997年から現在のクラブ名となる。2011年にJ2昇格圏内であるJFL3位となりJ2に昇格。しかしJ2の壁は厚く最下位から抜け出せず1年でJFLへ降格となってしまった。しかし、監督に復帰した相馬直樹体制2年目となる2015年。遂にJ2・J3入れ替え戦で大分トリニータを下し4年ぶりのJ2復帰を果たした。現在3勝1分1敗、勝ち点10で5位。スタートダッシュを決めたチーム同士、雌雄を決するべく野津田競技場で激突する。
 昨年のJ3を最小失点である18点で凌ぎ切ったゼルビア。引き分けが9と多く勝ち切れない試合も散見されるが、堅牢な守備を軸に勝ち点を重ねていたことは想像に難くない。その中心になっていたのがGK高原寿康だ。コンサドーレサポーターにも馴染み深い岐阜出身のGKは、2014年から町田に所属し昇格を決めた15年には全36試合でゴールマウスを守り抜いた。特に大分と死闘を繰り広げた昨年の入れ替え戦。大銀ドームに乗り込んだ第2戦で、MFの森村昂太がファウルによりPKを与えるも、高原が大分FWの高松大樹のPKを見事セーブし、勝利の立役者となっている。また、先ほど登場した森村とボランチのコンビを組むのは李漢宰とコンサドーレと因縁の深い選手がスタメンに名を連ねている。
 守備のキーマンが高原なら、攻撃のキーマンは中島裕希になるだろう。2013年J2山形で12ゴールを決めた実績があるストライカーは既に4ゴールあげ、チームを5位に押し上げる原動力になっている。京都サンガ戦での同点弾のようにDFを2枚引き付けてでも頭で決めきれる身体の強さは脅威だ。
 ゼルビアの基本陣形は4-4-2。190cmの金聖基を中心に跳ね返し、豊富な運動量を誇る李漢宰が攻守にスイッチを入れる。攻撃のメインは右サイドで、SBの星野悟から鋭いクロスが前線に供給される。その前線で待ち構えるのが191cmを誇る高さの戸島章とゴールの嗅覚に優れた中島裕希の2トップだ。更に独特のリズムで左サイドを切り裂く谷澤達也が攻撃に絡んでくる。当初は攻め急ぐ攻撃陣とDF陣とのギャップがあり陣形が間延びしてしまっていたが、すでに修正されている。相馬体制も3年目を迎え、チームコンセプトの選手間理解は深まっているようだ。攻守の切り替えも早く、ストライカーも居る難敵だ。
 とはいえ攻略ポイントがないわけではない。まずは攻撃の中心である右サイドを封じること。先日の京都戦同様、SB星野の裏へ堀米悠斗やジュリーニョを走り込ませサイドに釘付けにしてしまう。するとどうなるか。中央のWボランチを経由しなければ左SH谷澤達也、右SH鈴木崇文にパスが渡らなくなる。そうなればコンサドーレの思う壺だ。中央を固める3ボランチがボールを刈り取り、手数をかけずに前線の都倉賢、ジュリーニョの強力2トップが待ち構える前線にボールを運ぶ。仮にファールで止めても、キッカーには前節直接FKを沈めてノッている福森晃斗が控える。付け加えるならば、町田の3失点のうち2点はセットプレーから失ったものであり、まだJ2のセットプレーの圧力に対応しきれていないように思われる。連動した守備から素早い攻撃につなげ、シュートを「撃ち切れ」ば勝利は見えてくるだろう。2014年の福島時代に町田と一度だけ対戦経験がある堀米悠斗は「当時とチームはあんまり変わっていない。中でつくってサイドから崩せばいける」と攻略法を明かしていた。
 しかし、これを避けるために中盤を省略したロングボール放り込みキック&ラッシュ作戦に出られると厄介である。2トップに3バックで対応するというミスマッチに、裏抜けを得意とする中島への対応。マークの受け渡しに失敗し、後ろから走りこんできた選手にミドルをぶち込まれるという未来は回避したい。仮に先制を許せば、ここは町田のホームだ。思う存分強固な守備ブロックを構築し逃げ切りを図るだろう。彼らの今年の目標は「J2残留」。そのためには1点でも多く勝ち点を積み上げることが肝要だ。いかにして彼らを振り切ることができるのか。コンサドーレの底力が問われてくる。また、指揮を預かる四方田監督も「攻守に前志向が強く、攻撃はどんどん前に入れてくるし、守備もどんどん前に来る。それを支えるのが切り替えと運動量と速さ。自分たちもチームコンセプトとして持っている部分なので、そこは負けたくない」と静かに闘志を燃やしていた。
 注目ポイントとしては前半30分までにどちらがゴールを奪うか。ゲームの主導権ではなく、ゴールだ。恐ろしく当たり前であり、口にするのもおこがましいが、先制点が大事だ。そして追加点はもっと大事だ。ゴールを奪うという姿勢がチームで共有されれば、もう少しサイドでの攻撃が改善されていくだろう。J1昇格へ向けての茨の道は果てなく険しい。だからこそ攻撃陣の一層の奮起が待たれる。都倉だけじゃなくて俺も居るんだぞ!というぐらいの気概で、ボールがゴールネットに突き刺さる「ガシャッ!」という音を何度でも聞かせてもらいたいものだ。しばらくぶりの3連勝へ向けて、勝利を我らに!We're 北海道コンサドーレ札幌!!


post by kitajin26

18:59

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