開幕戦

2017年02月24日

 幕が開くと書いて「開幕」。幕を開けて芝居などが始まること。転じて、大会・行事などが始まる、また、それを始めること。だそうだ。読者諸兄にも思い出深い開幕戦があったと思う。例えば2013年。前年惨憺たる結果であえなくJ1降格の憂き目にあい、主力選手の退団も相次ぎ先の見通せない暗闇にいた。その闇を払った砂川→内村のホットライン。例えば2010年。炎のゴールハンターが赤黒の戦士としてもっともゴールに迫った、後半アディションルタイムのヘディングシュート。私がサポーターとしてスタジアムに通うようになって早8年。また開幕戦の記憶が増えていく。
 春の訪れの遅い北の大地。一足早く大輪の花を咲かせるのはどちらのチームか。コンサドーレとしては早く1勝を上げ、自分たちの戦い方は間違っていなかったのだと自信を持つためにも大事な初戦。ベガルタとしたらホームの大観衆の前で昨季J2を戦った相手に対し無様な戦いはできない。おそらく両チームとも同じく3-4-3、3バック・Wボランチ・2シャドー・1トップ、のフォーメーションを用いてくると予想されている。いわゆるミラーゲームだ。昨年を3-5-2で戦ったコンサドーレに一日の長があるといえるが、2010年以来J1残留8年目を迎えるベガルタ仙台も、チームの大黒柱であるリャンヨンギをサイドからよりゴールに近いシャドーストライカーとして起用するとのこと。加えて1トップ候補として国見の怪物、平山相太を獲得し攻撃力を増大させている。J1残留という点に対し一日もとい8年の長を誇るベガルタは、コンサドーレの今年1年を占うには最適な相手と言えるだろう。
 ミラーゲームを打開するために重要なこと。それは1対1に勝つこと。ピッチ上のあらゆる局面で相対する相手選手をチンチンに翻弄してやればいいのだ。かつてのコンサドーレにはそういう選手がいた。バルデスしかり、エメルソンしかり。個の力で打開し得た1点を守り切る。極論、全34試合すべて引き分ければ勝ち点は34。例年の残留ラインが35ということから考えると、J1はいかに負けないかということが問われてくる。この引き分けを1点でも取り勝ち点3に変えることができるかが残留への分水嶺だ。
 昨年のコンサドーレは得点数・失点数でリーグ2位の好成績を収めている。さすがJ2チャンピオンと言える素晴らしい結果だ。得点は少なくなると思うが、いかに失点をしないか。1年かけて磨いてきた守備網をJ1という舞台でも変わらず披露することができるのか。心配である。ただただ心配である。だが、泥臭く、ピッチを走り回り、ただひたむきに勝利を目指す。そんな赤黒の戦士たちの姿を目の当りにしたら、不安はどこかへ行ってしまうことだろう。
 ユアテックスタジアムのアウェイゴール裏は完売したようだ。僕らが余計なことを考えずに声を嗄らし、彼らを鼓舞する12人目の選手になることができれば勝ち点は目の前に転がってくると信じている。泣いても笑っても明日。今年も忘れられない1年になる。
 


post by kitajin26

22:34

雑記 コメント(0)