2016年04月17日
狂った歯車が元に戻っていない。今シーズンのモンテディオ山形に対する印象はこのようなものだ。J1昇格プレーオフでの劇的な勝利から2年。厚いJ1の壁に弾き返されてあえなく降格となってしまった彼らだが、心機一転もう一度J1という目標に向けて走り出したと思ったのだが…。チームに多大な貢献をしたと思われる社長の更迭や主力選手の怪我での長期離脱など複合的な原因を受け、第7節終了時で5敗2分と最下位に低迷している。J1でも猛威を振るったディエゴや「点取り屋」大黒将志など戦力は整っている。また「智将」石崎信弘監督が指揮を継続しており、戦術の継続性から見ても侮れないチームのはずだった。
簡単に山形の現状を不利化って見たいと思う。前節までの山形は左右へのパスが少なく、前に前に蹴りこんでいくスタイルだった。参考にしているFootball LABのデータを引用すると攻撃回数はJ2最多、アタッキングサードとも呼ばれる30mライン進入回数でもリーグ平均値に近い9位に位置している。なのだが、シュートは平均10.4本と19位、枠内シュートは3.6本と15位となっている。つまり効果的な攻撃になっておらず、かえってカウンターを受けてしまい、被攻撃回数では22位、被攻撃成功率でも21位と山形の泥沼の深さを窺い知る事が出来る。
だが石崎監督も手をこまねいているわけではない。フォーメーションを3―4―3から4―2―3―1へ変更。ドリブルが持ち味のMF伊東俊とMF汰木康也を左右両翼に据え、石崎サッカーの真骨頂とも言えるサイド攻撃に本腰を入れてくる模様だ。なりふり構っている場合ではないようで、ディエゴ、大黒を先発出場させゴールを何が何でもゴールネットを揺らしてやろうと意気込みが見える。
では対する北海道コンサドーレ札幌としてはどうするべきか。「相手の圧力に屈しない」これが肝要だ。フィジカルで押すディエゴ。90分間虎視眈々とゴールネットを見据える大黒。彼らにボールを渡さない。そのためには中盤の攻防が鍵を握る。町田ゼルビア戦の反省を活かし、中盤での運動量とボール奪取を心がけ、前線で待ち構える都倉賢、今季初先発が予想される内村圭宏へシンプルに運ぶ。コンサドーレの2トップはそれぞれ裏への抜け出しに定評がある。彼の活躍でDFラインを押し下げることが出来れば、連動する中盤もじりじりと下がらざるを得なくなり、ゴールに飢えている山形2トップとの間に大きなギャップが生まれるだろう。そうなれば山形はロングボールの放り込みに頼らざるを得なくなり、191cmの増川隆洋を中心に長身の選手が並ぶ札幌山脈の餌食となるだろう。大黒に対するマークの受け渡しにミスが起こらなければ無失点で切り抜けられると思う。
勝利への近道は先制点だ。山形が先制点を挙げれば今季初勝利を目指し、がちがちにゴールに鍵をかけてしまうだろう。そうなれば町田戦の二の舞だ。札幌が先制することが出来れば、最悪勝ち点1は拾うことができると思う。チームとしてのストロングポイントが構築できていない山形は焦りから攻守のバランスを崩し、そこを衝けば追加点を奪うことは容易だろう。
「最初から飛ばしていく。一番大事なのは点を取ること」と語ったのは内村圭宏だ。相手の順位や成績は関係ない。冷静に相手と対峙し、最高の結果を導く。石崎監督に引導を渡すような最高の結果を期待している。今年こそ「ホントに」行くぞJ1!コンサドーレ!
プロフィール
98年J1参入決定戦に敗れ涙に暮れる札幌サポを見たことで、コンサ愛に目覚めた非道民。 何の因果か札幌に居を構え、試合結果に1週間のテンションを左右される日々。 いい年こいてまだ中二病が完治していない。 思い出とコンサの試合と日常をミキサーに投げ入れて、味の素で整えた文章を提供していく。 ご笑覧いただければ幸いだ。
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