2015年12月19日
「過去の延長線上に自分の未来はない」。12月17日の道新において吉原宏太が執筆しているコラムの一文を引用させてもらった。彼が指導の勉強をしていく中で出会った言葉だそうだ。更に本文から引用させてもらう形で説明するならば、「過去の実績の延長線上を惰性に進むのなら成長はない。その延長線上から思い切って外れ、新たな道を切り開かなければ進化できない。」ということだ。吉原氏はこの言葉を、伸び悩んでいるコンサドーレの若手選手に向けて贈っている。「常に考え、新しい知識を得て挑戦し、技術や経験をつみながら、日々進化するイメージを持って未来を切りひらいてもらいたい。」
この言葉は若手選手だけではなく、コンサドーレ札幌というクラブ自体も金言として受け取らなければならないだろう。今まで培ってきたスポンサー企業との関係。そして会社間の横の繋がりを活かし、新規スポンサーを募り着実に会社としての体力をつけていく。小さなことからコツコツと。中長期の計画を立て着実に遂行していくことは大事なことだ。ただフットボールクラブとは夢を売るという大変重要な事業目標がある。この達成には大きなリスクが伴い、本気度を測る目安として強化費5億円獲得というものもある。継続して夢を売るためにはやはり金が要る。いかにして資金を得るか。そのためにコンサドーレは中山雅史、レコンビン、イルファン、小野伸二、そして稲本潤一を獲得した。コンサドーレ札幌というチームの日本国内そして海外での露出を高め、スポンサードする価値を高めたのだ。
これは2013年10月の大手商社である住友商事との契約締結という形で実を結ぶ。短期とはいえ札幌の財界とは縁の薄い東京に本社を置く企業がJ2所属チームをスポンサードしたのだ。18日金曜日の野々村社長が出演するラジオ番組において詳細は明かせないと前置きした上で、社長自ら新規大口スポンサーとの契約交渉状況についてこう述べている。「プロジェクトが大きければ大きいほど、または一緒にやっていこうとする会社が大きければ大きいほど、向こうの会社の中で色々な事を倫理通してなんたらかんたらというに相当時間がかかったりするらしいんですよね。1年くらいかかってますから。僕が提案をしてだいたい1年、11か月前くらいですかねえ・・・。まあ、概ね『面白いね!』ということで進んではいるけれども・・・ねえ?(笑)最後、向こうの社長さんなのか誰なのか判子が押ささって『もういいよ!言って!』ってなるまでにはまだ至っていないんです。」
野々村芳和氏がコンサドーレ札幌の社長になるにあたり、某社の前社長の鶴の一声が合ったことは周知の事実である。事実、野々村氏自身が明言している。今後「北海道から世界へ」を実現しようとするなら、会社としてのコンサドーレ札幌は拡大を続けていかなければならないし、メインスポンサーにおんぶに抱っこという体制は改善していかなければならないだろう。そのために新たに「北海道」の名をクラブ名に加え、「コンサドーレは札幌のチームだから」とスポンサードを渋る会社のエクスキューズを封じていく。ホームタウンも拡大し、名実ともに北海道のチームとなった訳だ。この取り組みもまさしく「過去の延長線上に自分の未来はない」ことを念頭に置き行動した結果なのだと思う。地方クラブでありながらナビスコ杯を勝ち取った大分トリニータは地元財界に縛られず積極的に全国企業から出資を募った。やり方やその後について賛否はあれど、一定の成果を残したことは確かだ。リスクとリターンの分岐点を見定めたうえで、積極的な経営手腕を見せてもらえるというのはサポータ冥利に尽きるというものだ。コンサドーレ札幌の未来、僕らはどこまで行けるのだろうか。
sapporo789
Re:未来は僕らの手の中
2015-12-20 22:08
コンサ時々日常のsapporo789と申します。 非常に共感を覚える内容でしたので、思わず投稿させて頂きました。 野々村社長及びスタッフたちの今の方向性は、サポーターとして出来る限り応援したいと考えていましたので。
キタジ
Re:未来は僕らの手の中
2015-12-20 22:09
sapporo789さん コメントありがとうございますm(_ _)m 何かが大きく変わっていく瞬間に立ち会えるということは、大変貴重な経験を僕らに与えてくれると思っています。 お互いサポーターとして彼らを支えていけたらいいですね。
プロフィール
98年J1参入決定戦に敗れ涙に暮れる札幌サポを見たことで、コンサ愛に目覚めた非道民。 何の因果か札幌に居を構え、試合結果に1週間のテンションを左右される日々。 いい年こいてまだ中二病が完治していない。 思い出とコンサの試合と日常をミキサーに投げ入れて、味の素で整えた文章を提供していく。 ご笑覧いただければ幸いだ。
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