ザスパクサツ群馬、不快指数との戦い

2016年06月26日

 J1の1stステージは鹿島アントラーズが制した。フロンターレ悲願のタイトル獲得かと思われたが、経験の差か粘り強く勝ち点を積み上げたアントラーズに勝利の女神は微笑んだ。アビスパ福岡との対戦となった本日の試合、特に印象に残ったのは先制点のシーン。右からのCK、ゾーンで守る福岡ディフェンスを掻い潜り柴崎岳から送られたクロスに合わせたのが山本脩斗。直前のCKでもDFに阻まれたものの、上手く抜け出し競り合っていた。セットプレーは確実にモノにするという執念が感じられたゴールだった。また、このゴールは鬼が笑うと思われる方が多いが、来年コンサドーレが昇格した際に改善しなくてはならない点になると感じられた。アビスパ同様、コンサドーレもセットプレーはゾーンで守っているからだ。松本山雅FCに攻略されてしまう「程度」のセットプレーディフェンスではJ1上位に対し守りきることはできない。更なる連携の向上と選手のレベルアップが急務と感じられた。
 ともかく、まずは目の前の一戦。ザスパクサツ群馬を倒すこと。これに尽きる。これに勝利し、函館での横浜FC戦そして後半戦開幕のセレッソ大阪戦に好調を維持したまま挑む。そのためには…ということだ。
 それではザスパクサツ群馬の現状を確認してみよう。0-8と屈辱的な敗戦となった清水エスパルス戦以降、守備陣を建て直し3試合で負けなしと好調を維持している。とはいうものの1勝2分。対戦している相手も下位に低迷する北九州、熊本、長崎と正直「好調?」と疑問符をつけざるを得ない。2分の内容はビハインドを追いついているという点は評価できるが、先制を許したり逆転されたりと守備陣の不安定さを露呈している。「守備陣の建て直し?」という疑問符も付いてしまっているのが現状だ。
 基本フォーメーションは4-4-2。すでに6ゴールを上げている瀬川祐輔と187cmの長身FW小牟田洋佑の2トップに、左サイドから飛び込むような形で今季6ゴールの高橋駿太が攻撃に絡んでくる。彼らを操るのがボランチのベテラン松下裕樹であり、J2最多クロス数を誇る左サイドバック高瀬優孝だ。特に瀬川は最近5試合で4ゴールと好調であり、同じく5試合で2ゴールの高橋と同様チームの攻撃を支えている。好調な攻撃陣と引き換えに失点が多く、総失点数31はツェーゲン金沢に次ぐ今季J2ワースト2位となっている。特に目立つのがセットプレーからの失点で、全体の3割近くにあたる9失点を記録している。他にはクロスから7失点、スルーパスから3失点、30m未満の細かいパス交換から4失点などとなっている。この失点傾向から考えると、コンサドーレとしては今までどおりワンタッチでのパス交換を重ねてゴールに迫りつつ、ゴール付近でファールを獲得して得意のセットプレーの機会を得るというのが勝利への最短コースと思われる。
 この試合のキーマンとなるには、2試合ぶりのスタメン復帰となる進藤亮佑を挙げたい。理由としては、群馬の攻撃パターンが左サイドに集中しており、ここの攻略が試合のキモになりそうだからだ。特に群馬のチーム内パス交換ランキングの上位に顔を出す左サイドバック高瀬優孝を自陣に釘付けに出来れば、その1列前に布陣する今季6ゴール6アシストを記録している高橋駿太も守備に時間を割かれる時間が増えるはずだ。コンビを組むマセードとともに、彼らをゲームから消してしまうほどの活躍を期待している。
 梅雨時であり日中の暑さが残る中で行われる今日の一戦。これからはこのようなタフなコンディションでの試合が増えてくるだろうと思われる。その中できっちりと下位から勝ち点を奪っていくという試金石になる試合であろうと思われる。1-0とは言わず複数得点を奪い、昇格へ向けてもう一段ギアを上げて行くぞという気合の入った試合をみせてもらいたい。


post by kitajin26

08:05

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