プロビンチャクラブの悲哀

2015年12月12日

 「みんな、やればいいんですよ・・・ここで!ここでやる責任があるでしょう!と思います。」思わずこぼれた本音だったのか。ラジオから聞こえてきた野々村社長の声は若干の哀愁を誘うものだった。本日付の日刊スポーツにこんな見出しが躍った。『U22奈良は札幌退団 東京、川崎F、千葉が争奪戦』先日の堀米といい札幌ユース出身選手の移籍に関する報道。ステップアップになるし、もちろん育成費だってクラブの懐に入ってくる。プロビンチャの宿命だと覚悟はしていた。社長も同じ気持ちであったのだろう。しかし現実として迫ってくる時、クラブの魅力を積極的に語る社長だからこそ受けるダメージは計り知れないと思う。
 報道を信じるなら奈良の移籍に伴ってコンサドーレに支払われる金額は5000万円前後。仮に2年契約で新外国人を連れてくるなら2500万レベルの選手を連れてくることができる。本日付の道新スポーツによると新外国人は『リストアップされていた外国人選手FWや攻撃的MFを3人まで絞り込んだ。すでにオファーを出して交渉も行っており、順調に進み合意に至れば、近日中に発表される見込み。』とのこと。また、『守備的な補強はせず、より攻撃的なフィニッシャーとなりうる選手に照準を定め、絞り込んでいる。』との報道もあった。
 11月15日の日刊スポーツによると『クラブは来季に向けて動き出しており、強化費は今季の5・1億円から約1億円増の6億円台に増額する方針。』また、記事にまではなっていないが様々なメディアで触れられているように、在京の新規スポンサーが付き少なくとも2年4億はチームの強化に回す事が出来ると思われる。昨日のラジオで社長は新外国人選手との交渉にあたり、現状をこのように語っていた。「すごくいい選手に来てもらいたいという気持ちはあると思いますけど『それは無理だろ』っていう金額の問題もあったりするのでコンサドーレで現実的になんとか一緒にやっていけそうなランクの選手、ランクをかなり超えているけど頑張れば手が届くみたいな選手にどうやってその気になってもらうかというようなことがポイントとしてあると思いますけど、そこのところはそれなりに上手くいっていると思います。」
 この「どうやってその気になってもらうか」という部分。これが札幌ユース出身の選手にも当てはめて考えなくてはならない時が来てしまったのかもしれない。ユースから札幌で育っても、今後のクラブの方針について理解した上でトップ昇格を受け入れたわけではないだろう。若い彼らには酷だろうと思うが、小野伸二や稲本潤一がなぜ札幌を選んでくれたのかを今一度考えてもらいたい。その気になってくれた新外国人が誰で、どの程度成績を残してくれるのか。ここでやる責任を果たしてもらいたいものだ。


post by kitajin26

15:46

雑記 コメント(2)

この記事に対するコメント一覧

まさひろ

Re:プロビンチャクラブの悲哀

2015-12-13 09:45

チームとサポーターの立場でいうと、自前で育った選手だから自分のチームを愛してほしい。チームの現状を理解して共に戦ってほしい。 しかし、選手はプロである。しかも旬の期間は短い。成長力のある期間も短い。 フロントは、選手に「レンタル移籍」「育成枠移籍」を望む。監督も自分の戦術に合わなければ使わない。 契約の切れるシーズンオフまで契約の話がない。来季が見えない。ひどい話だと思う。絶対に抜けてほしくない選手には、普通は1年前、少なくとも半年前には、契約の延長を行う。奈良のように上昇志向が高く、周りの成長を待てなくていらいらしているような場面を多く見せてきた選手であれば、J1にレンタルに出して、普通に違約金がとれる内にとらなければならない。そうしないと、プロビンチャクラブを維持するのは難しい。 ゴメスの契約も今シーズン終了後だった。 明らかに非難されなければならないのは、フロントであり強化部だと思う。

キタジ

Re:プロビンチャクラブの悲哀

2015-12-13 09:47

コメントありがとうございますm(_ _)m 確かに選手たちもプロですので、、彼らのことを考えると難しい問題だなと思います。 コメント参考にさせてもらいます。

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