2016年03月20日
鬼門である。古豪、清水エスパルス。過去15戦対戦してコンサドーレが勝利を収めたのは僅かに1度のみ。そして日本平における試合では引き分けすらない。私もかつて天皇杯を観戦しに足を運んだことがあるが、開始1分経たないうちに裏を取られ永井雄一郎に先制点を許し無様な敗戦を見せ付けられた苦い思い出が蘇ってくる。
その日本平だ。今はネーミングライツの関係からIAIスタジアム日本平となっているが、Jリーグベストピッチ賞を全国のスタジアムで最多の9度受賞しているその美しいピッチが牙を剥いてくる。エスパルスの志向するパスサッカーに合わせて短く刈り込まれ水を撒かれた芝は球足が速く、慣れていない選手のとっては足をとられる最悪の環境となる。まさしくアウェイの洗礼。これに「勝ちロコ」に代表されるサンバのリズムで選手を後押しするオレンジの悪魔たちの大声援がプレッシャーとなって押し寄せてくる。
試合を落ち着かせるにはベテランの力は不可欠である。アキレス腱を痛めた河合竜二に代わり、3バックの中心には増川隆洋が陣取る。開幕戦こそコンディションが上がりきらず、あっさりと裏を取られ戦犯の一人に名を連ねてしまったが、まだまだ実力を出し切っていないのは彼の戦歴が物語っている。一抹の不安があるとすれば、前述した滑りやすいピッチとパスサッカーだ。また裏を取られるのではないか。この不安が首をもたげてくる。無論増川本人も自覚はあるだろう。だが、その中でいかにラインを上げ、コンパクトな陣形を維持するか。ここが闘莉王が攻めあがったDFラインを統括し、カウンターの芽を摘んでいった2010年Jリーグベストイレブンの腕の見せ所だろう。
また堀米悠斗、前寛之もスタメンに名を連ねるだろうとの予想もある。「まだまだ勝負に徹する時のピリピリした感じが足りないというか、そう言われてもしょうがないという感じかな。」と、先日の愛媛戦での失点を野々村社長に評された上原慎也に代わりスタメンに返り咲いた堀米に個人的には注目している。左サイドは福森晃斗がパフォーマンスに若干精彩を欠いており、攻撃の起点となり切れていない現状がある。そこを堀米がどう改善するのか。また、ユース育ちの深井一希・前寛之のWボランチからどのようにパスを引き出すのか。この辺りに注目したいと思う。
とにもかくにもあと2時間ほどで運命のキックオフだ。ここで勝ち点の上積みが出来ないようであれば、スタートダッシュに「失敗」したと言わざるをを得なくなる。鬼門だ。この鬼を倒せば光が差す。赤黒の勇者たちよ!いざ勝負!!
プロフィール
98年J1参入決定戦に敗れ涙に暮れる札幌サポを見たことで、コンサ愛に目覚めた非道民。 何の因果か札幌に居を構え、試合結果に1週間のテンションを左右される日々。 いい年こいてまだ中二病が完治していない。 思い出とコンサの試合と日常をミキサーに投げ入れて、味の素で整えた文章を提供していく。 ご笑覧いただければ幸いだ。
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