今の札幌に必要なこと

2009年06月27日

 中途半端な降格チームが陥る法則があるように思う。

 (1)警戒し、守備を固めてくる相手を崩す力がない。

 (2)昇格への勝ち点を求め、無理な攻撃を仕掛けて逆襲を食らう。

 (3)相も昇格チームに対する恐れを克服し、自信を持って臨んでくる 

 (4)ゲームは支配するけど、勝ち点を落とす

 (5)昇格戦線から落ちこぼれ、勝利へのモチベーションを下げる

 (6)「結果」を求める回りが、「変化」を要求する

 (7)チームが混乱する

 (8)選手、監督の信頼感が崩れ、チームが崩壊する


 2003年の降格の時、ウィルらを擁したジョアンカルロスのチームはまさにこの法則にはまり、最後には下から数えた方がよいぐらいの順位だった。昨年の甲府、横浜もこの法則にはまり、中位に停滞してしまった。

 今の札幌は、(4)段階から(5)段階へと、落ち込んでいる最中なのだろう。もっと、落ち込めば(8)もあり得る。

 この法則には続きがある

 (9)新チームになって、守備を重視したチームを作る

 (10)固い守備によって1点差の試合を拾い始める

 (11)選手は自信を深め、相手も警戒しはじめる

 (12)集中力が高まり、実力以上に力が出る。

 (13)昇格し、キープコンセプトでJ1に臨む

 (14)J1の攻撃力によって頼みの守備が破壊される

		↓
    (1)に戻る。


 こうやってみていくと、J1に定着するチームを作るためには、守備力の強化によって、1点差のゲームを拾う試合を目指すのではなく、引いた相手から得点を奪う攻撃力を養うことだとわかる。

 しかし、それにこだわると、逆襲を食らい、勝ち点を失って、自信を失う。 そして、「結果」だけを求める回りから非難の声が高まり、それがチームの自信喪失を加速する。

 この悪循環を断ち切るにはどうするのか。

 サッカーがメンタルゲームだとするならば、時間のかかる攻撃力の構築の間、たとえ望まない順位で低迷しても、選手個々のモチベーションを落とさない、コントロールだと思う。

 そういう意味では、上に書いた、エレベーターチームの輪廻から脱出するためには、今ここで、サポも含めたチーム全体が、ネガティブにならない。モチベーションを落とさないことだと思う。


 具体的に言えば、目先の勝ち点よりも、一つでも多く得点パターンを確立すること。
 
 負けたとしても、試し続けきた新しい攻撃が機能し得点できたことを喜ぶ、こと。

 だから、今日も勝ち点のために1点を守りきるサッカーをしなかった監督の采配、後半に3バックにした采配を非難する声が多いようだが、後半15分の失点を防ぐことよりも、新しい攻撃の形を模索している今の監督の路線のほうが正しい・・・と思うこと。

 それが今の札幌に必要なことだと思う。




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21:22

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「結果」か「プロセス」か

2009年06月25日

 求められているのは攻撃の形なんだろうと思う。
 
 05月19日「4のゴールが見たい」再び というエントリーはじめ、なんどか
 流れの中の得点が不足していることを指摘したが、今日まで、流れの中の得点が増えたかというとそうではない。

 札幌の得点は相変わらず得点は、セットプレイや、相手のミス、そしてカンターだ。いわばもらい物なのだ。 

 第2クールに入って、’相手の守備も整備され、“もらいもの”をだんだんもらえなくなってきた。J2とはいえ、もらいもので得点できるのはせいぜい1点。これを超えようとすると、実力で点をもぎ取らなければならない。

 ところが、それができない。

 ゲームが終わり近くになっても、点が取れずに、あせって守備のバランスを崩してしまう。なまじ、J1で通用するサッカーを目指しているため、1点を守りきるサッカーができない。(というかやろうとしていない)、1点をまもるのではなく、2点目を目指し、攻撃の圧力で相手を圧倒してやろうというサッカーだ。

 もっともそれができないので、後半30分過ぎから、点を取るか、守るのか、選手の中で揺れ動いてしまう。それが終了間際の失点癖につながっているのだろう。

 やっぱり札幌の今の課題は、攻撃の形。守備を固めた相手を崩す形なのだ。
 
 前節の湘南を見て思ったのは、得点の形があり、シュートまでのプロセスに、湘南の方が迷いがないということだ。湘南の迷いのなさが、逆転ゴールにつながり、そして札幌の迷いの多さが、厚別無勝利を生んでいると思う。

 なんかで読んだが、守備の形は比較的早く作れるものの、攻撃の形を作るのは時間がかかるという。形が出来るのが待ちきれずに、結果だけを求めて1点を守りきるサッカーになってしまえば、昨年の二の舞だ。

 また、ここで我々は、「結果」か「プロセス」か、という柳下監督時代に何度も議論した課題に戻ったのかもしれない。

 さて、あなたならどうする?


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01:20

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中位チームのメンタリティ

2009年06月24日

 再び湘南戦について。。。

 J2で、勝ち負けは別にして、
 自分たちよりも圧倒的に強いというチームはない。
 (へへ、俺たちは強い)

 少々失敗しても、メンバーも少ないし、
 まぁ、ベンチから外されることは無さそう。

 そりゃ、J1には上がりたい。
 けど、また、ケチョン、ケちょんにされるのもいや。

 まだまだ、(自分は別にしても)、他がだんだん合ってきたら、
 そのうち、勝ち始めるんじゃないの。

 前半、走りすぎたからね。

 今の札幌の選手の、頭の中を覗いて、本音を覗うとこんなところじゃないだろうか。まさにこれは「中位チームのメンタリティ」だ。

 ところが、昇格レースの真っ只中で、抜きつ抜かれつしているトップチームの意識は、こんなもんじゃない。
 
 そうした意識の違い。覚悟の差が、ペナの中の思いっきり、ぶつかり合いの中の威圧感となって、相手に先んじる。

 そうしたちょっとしたメンタルの集積が、まえの湘南戦の結果を生んだんだと想う。降格のないJ2リーグでは、真剣を交わし合うような勝負は、昇格を争う一握りのチームだけ、それ以外のチームは簡単に「中位のメンタリティ」に飲み込まれてしまうように想う。

 これが、J1だと、下には下で、降格を避ける戦いがあり、「中位のメンタリティ」は蔓延しにくい。

 この事実を率直に認めつつ、降格がないJ2というリーグの中で、どうやって「中位のメンタリティ」から脱して、選手の気持ちをドライブさせるか。

 第2ステージからの見所は、そうした監督のマネージメントにあると見たい。

 少なくも、次節、前節のショッキングな負けが、心理的なショックとして、よい方にデルか、それとも、引きずって「中位のメンタリティ」の中に落ち込むのか。それを確認したい。


 
 


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00:56

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腹の底から悔しがれ。

2009年06月21日

 これは、J2という下部リーグにいて積もり積もったもの、うっ積したモノの差だろうな。

 札幌は一昨年、それを吐き出して、いったんリセットしたのに対して、湘南は10年、仙台で6年、セレッソで3年と、歴史と伝統がありながら、下部リーグに甘んじているクラブの、今年こそ上に行きたいという想いの差かな。

 ちょうど、2年前、コンサドーレ札幌も反町湘南と同じように、なんであそこに勝てないんだろう、なんであんなチームが首位なんだろう、と想われていたに違いない。

 確かに田原、アジェル、ジャーンというストロングポイントはあっても、昔の川崎だとか、去年の広島だとか、と比べて圧倒的な戦力を持っているわじゃない。

 今日の試合だって、個々の力や内容的に見ると五分五分、ひょっとしたら札幌が推していた。だのに勝てない。あまつさえ、逆転を食らってしまう。

 後半終了間際に何度も追いつき逆転した湘南の自信と、反対に何度も追いつかれ、勝利を逃した札幌の不安が、正直に出たと言える。

 まぁ、俺たちは若い。こうした試合で、精いっぱい、悔し涙を流せ。落ち込め、ショックを受けろ。腹の底から悔しがれ。`

湘南はもっとも、もっとたくさんの悔し涙を流して、もう涙は見せないと決意して、今日がある。

 


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20:44

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チームの成熟度

2009年06月15日

 徳島は昨年は3年連続でJ2で最下位だった。
 監督の解任も普通なのに、フロントは美濃部監督に指揮を任せ続けた。そして、2年目の今年、万年最下位から脱し、上位を伺う位置につけている。

 今日の試合を見ると、両チームのチームとしての成熟度が現れたように思う。
「人もボールもよく動くサッカー」というのは、よく聞く言葉だが、徳島のサッカーはまさに、そんな感じだった。一方、札幌は個の力でかろうじて対抗できているものの、チーム全体の連動性、人もボールもよく動くという面では徳島の方が上だった。

 よく美濃部監督を信頼し、最下位の屈辱を受けても監督にチームを委ね続けた徳島のフロントは良い仕事をしたと思う。

 反面、この事実はチームが完成するには長い時間がかかることを示している。

 連勝が途切れてから勝ちきれない試合続いている札幌。勝ちきれない理由は、個々の選手や、監督の采配、そして戦術などにあるのではなく、チームとしての成熟度にあると感じた。

 ゴールまでのイメージが70%できあがっていても、30%が未完成なために、この未完成な部分でゴールから嫌われ、逆襲を受けてしまう。

 しかし、着実だが少しずつ成熟に向かっている手応えも感じた。またまた後半に失点してしまったが、守備の連携は良くなってきた。

 今は、守備の土台の上に攻撃の形を作ろうという段階なのだと思う。口で言うのは容易いが、この段階が完成するには、1シーズン以上かかるかもしれない。
 


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07:26

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負ける時は、こんなもんだ。

2009年06月08日

ミスからカウンターを取られ、裏に上手く抜け出されて1点。
セットプレイで高さにやられて2点。


相手のボールをたくさん奪い、多くのコーナーキックを取り、なんどもゴールを脅かした。失点のシーンを除けば、まるで前節のプレイバックのような展開だった。札幌はボールを獲れていたし、相手にも試合をさせていなかった。

前節はゼロで抑え、今節は2失点。これが鳥栖と栃木の力の差なのだろうか。
そうでもないと思う。前節も1失点する可能性が後半にあったし、1失点にコーナーからの失点が加わる可能性もあっただろう。前節たまたま失点ゼロで終わり、今節たまたま2失点だったという違いでしかない。

問題は失点ではなく、20試合を戦ってまだ得点のパターンが確立されていないことだ。今節も、これだけゲームを支配していれば、1得点ということは無かっただろう。2点、3点取れても不思議ではなかった試合だった。

開幕当初、札幌の課題はプレッシングからのボール奪取だった。後半のスタミナ切れという大きな問題を除くと、ほぼこの課題は達成できたように思う。ところが、その次の段階で、ここ何試合も足踏みをしている。

一つの課題をクリアすると、次の課題が立ち現れる。それは確実に前の課題よりも難易度が高くなる。今、札幌はこの次の課題を超えられずにいるのだ。

しかし、見方を変えれば、課題がはっきりしている。それだけに取り組みやすい。こうして一づつ課題を明確にしながら、次の段階に導いていく手法が、育成に評判があるという石崎監督のあり方なのだろう。

そう思えば、まったく悲観することはないのだが、若いチームだけに、今節の負けを必要以上に重く受け止めないでほしい。



クライトンが帰国した。

2009年06月05日

 心臓病の父親の看病が理由にクライトンが帰国した。
 今シーズン、合流が遅れたクライトンには、一時、古巣のアトレチコ・パラナエンセのホームページで移籍の告知があったという話もあっただけに、ちょうど欧州が選手の移籍時期に入るこの時期の突然の帰国は、またもや退団=移籍の悪い予感を高めてしまう。

 そうしたクライトンだが、ウィキペディアで恐縮だけど、ここに掲載されたデータを見ると、彼のシーズン最多ゴールは05年、31試合出場した名古屋の4得点だ。

 今期、札幌で17試合ですでに3得点となっている。このまま行けば、シーズン最多得点を更新することは間違いない。

 そうしたクライトンだけに、離脱が長引けば、チームに計り知れない打撃を与える。発表通り、湘南戦までには戻ってくることを信じて疑わないが、一方、クライトン頼みからの脱却も現実的なテーマかなとも思う。

 


ボリバレント

2009年06月04日

 今季のコンサドーレでもっとも面白いのは、石崎監督その人だ。
 これまで、いろんな監督を見てきたけれど、こんな采配をする監督は見たことがない。
 毎試合、楽しませてくれるけれど、今日のアウェイ栃木戦は、ベンチにFw3枚だ。最終ラインで体で相手を止めるDFには、レッドや負傷のリスクがあるのに、DFが一人もいない。

 本来、MFの上里、西をDFで使い続け、何とか形になってきたからこそ、DFが1枚かけても、西を投入することで対応できるという腹なのだろう。中盤で誰かが欠けたら、宮澤をトップにして、西を本業のボランチという采配も可能だ。

 今期J2の長丁場を少ない選手で戦い抜くために、石崎監督が目指しものは、複数のポジションをこなせるボリバレントな能力だと言った。

 J2のベンチ入りは5人と少ないが、一人で何役もこなせる選手がいると、5人のベンチメンバーが、7人にも、10人にも化ける。宮澤のボランチや上里のSBなど、少々面食らったが、ここにきて監督の思惑が少しずつ形になろうとしている。

 一方、これの欠点は、絶えずフィールドにポジション経験値の不足した選手がいるため、安定感が生まれない。攻守にわたってなかなかチームとして機能しない。ここ最近の勝ちきれない試合も、石崎監督のボリバレント戦略と無縁ではないだろう。

 もう一つの弊害は、出場選手の固定化だ。ボリバレントの能力に欠ける選手は、なかなか出場機会に恵まれない。堀田や柴田などがベンチにも入れないのは、おそらくそういうことなのだろう。

 それでも、このボリバレント作戦が定着すると、シーズン終盤に面白いことになっていそうだ。ただ、選手が疲労の蓄積で動けなくならない限りだが。


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00:18

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