不満足な上出来

2009年07月25日

 はぁ、やれやれですね。

 j2の中位のチームとしては上出来だけど、仮にもJ1の定着を目標としているチームとしては、まだまだ。

 4点取ったことはまぁよしとしても、なんで2点取られて、岡山と「良い試合」をしてしまう。3-0で危なげなく勝たないとならない試合でしょう。

 2失点のうち、1失点目は、まぁ、J2だとほとんどが枠から逸れるボールが、たまたま入っちゃったもの。とは言え、J1ならばああやって入れてくるから、仮にもJ1の定着を目標としているならば、あれは抑えなければならない。

 問題は2失点目。見事に崩されて取られた。
 ゴールへの形ということでは、実は岡山の方がしっかりと持っている。中盤からペナの前で構えているポスト預け、ポストがタメを作っている間に、サイドに走り、それを見てサイドに私、折り返してのゴール。ポストに入ったらどうすればいいのか、岡山の選手は理解して動いている。

 このような得点が札幌にはない。ああしたカタチを持たないと中位からは抜け出せない。4失点のうち、コンビネーションで取ったと言えるのは、1ゴール目だけ。残りの3得点は、カウンターからの個人技、または当たり損ないがたまたまゴールしたもの。札幌の課題のコンビネーションによる得点という意味からは物足りない試合だった。

 得点、失点の双方からも、J2中位らしい試合だった。

 と辛口のコメントはこの位にして、なんだかんだ言って、4点取ったことは評価していい。特に上原の4点目。個人としてもチームとしても、(私個人としても)、モヤモヤしていたものを吹き飛ばす、まさに次につながるゴールだった。

 こうした積み重ねが、少しずつ自信につながり、自身は体の動きをよくする。積み重ねが悪循環を好循環に変えていく。とどのつまりサッカーは選手個々の能力だが、こうした好循環を自ら作り出すことでしか、個々の能力は伸びないと思う。

 ps 本当は、3-0,4-1の試合になって、古田がピッチに登場するのを見たかったなぁ。


post by hibari

18:29

コメント(1)

負の遺産

2009年07月24日

昨日の議論を補足する。

 現在の札幌の得点力不足、勝ちきれない現状は、かなりの部分、三浦監督時代の負の遺産なんだと思う。

 三浦監督のサッカーは失点に繋がるリスクを極力排除することが基本。セットプレイなどのセーフティな形で得点をあげ、その後はゲームを膠着状態に持ちこんで、僅少差で「結果」を得ることを目指すものだ。

 相手ゴール前でのコンビネーションや、パスを繋いだ崩しなどは、失敗するとカウンターに繋がるリスクとしてほとんど推奨されてこなかった。ボールを奪ったらできるだけ手数をかけずに、最前線に放り込む。そんなサッカーだった。

 ところが、こうした確率論に頼ったサッカーではJ1への定着が難しいというのが昨年の教訓。やはりパスを繋いで、コンビネーションによって得点を奪おうというのが、今、石崎監督が取り組んでいるものだ。

 そして、三浦監督の過去2年間、こうした練習をほとんどやってこなかったことのツケが今巡ってきている。中でも今の主流の若手組は、わずか数年のプロ選手経験の中で、崩しによる攻撃に取り組んだのは、遠い柳下時代。それも1,2年しかない。

 今シーズンに入ってから、ここで私は「コンビネーションによる得点を見たい」と何度か書いたが、石崎監督がいくらゴール前での工夫を求めても、そもそも体が覚えていない。だから指示に付いて行けない。そして、ゴールに近づくと、どうしていいのか、わからなくなる。現場で試合を見ていると、ゴール前でボール受け取ることを恐れているような消極性を感じる。

 これに加えて、FWのキリノは典型的なカウンタータイプの選手のようなのだ。裏に抜け出したボールを長い距離を走って追いかけて決めるというタイプだ。パスを回しながら、相手を翻弄し、アイディアやひらめきでゴール脅かすタイプではない。日本人の経験不足を補うことができない。

 そうこうするうちに、相手の守備戦術と研究が進んで、いよいよ得点が取れなくなってしまった。そうなると、回りからは「やる気を見せろ」「死ぬ気でヤレ」という圧力がかかる。それがやる気の空回りを見せて、いよいよゴールから遠ざかっていくという悪循環。それが今の札幌だろう。

 これはけっこう時間がかかると思う。


チームの完成まで残り25%

2009年07月24日

 昨日の夜は、北見で美味しい地ビールを飲んでいた。北見の人たちといろんな話をしながらも気になるのは、試合経過。定期的に携帯をリドロー。0ー0が続く画面にため息をついてしまった。

 そしてさっき富山でのゲームを見終わった。金は金に集まると言うけれど、ゴールはゴールに集まる。反対に言えば、ゴールを遠ざけるものにゴールは離れていく、ようだ。

 朝のホテルで見た新聞では、後半に富山に圧されたように書かれていたが、実際に見ると、後半の富山は、シュートを打てという監督の檄に応えて、可能性の少ないボールを何回か蹴っただけだった。札幌は前後半とも相手を十分に抑えていた。

 今、快調に上位を走っていたならば、2-0ぐらいで、危なげなく勝ち点3をゲットした試合に見えた。だのに得点が入らずにまたまた引き分け。
 
 ここ何試合もまともに点が取れず、勝ち星にも見放されている。そんな中で、得点のチャンスが目の前に転がり込むと、無用に力が入ってしまうのだろう。後半はじめの藤田の消極的なプレイに象徴されるように、逆に、得点することに意識が過剰になりすぎて、逆にナーバスにもなっているようだ。

 藤田以上に問題だなと思ったのは、変わったばかりの砂川が、ゴールラインの手前から後ろに折り返したグランダーのパス。これに反応する選手が誰一人いなかったことだ。

 ペナルティボックスの横、ゴールラインの手前からキーパーから遠ざかるように走るグランダーのパスは、もっとも得点の可能性の高いパスだ。これが調子のいいチームだと、砂川があそこに走り込んだだけで、ゴールを求めて選手が積極的に動き出しただろう。しかし今節の札幌の選手たちは、最大の得点機に棒立ちだった。

 一部掲示板などでは、監督解任論なども出始めているようだが、バカバカしい。

 札幌の課題は「ゴールにいたるコンビネーションの確立」、これだけに絞られている。

 時々ポカはするが、守備戦術は確立されているし、アグレッシブなプレスからショートカウンターという戦術も浸透している。中盤のボール回しもだいぶ改善された。

 本当に残す課題は「ゴールにいたるコンビネーションの確立」だけなのだ。チームの75%は完成している。なのに、ここで監督をクビにして、再び0からチームを作ろうという意見は正気の沙汰とは思えない。

 チームの完成にはあと25%を残すだけなのだが、前監督の2年間はこの25%の完成を早々に諦めて、残りの75%だけで戦ってきたようなものだから、ゴールにいたるコンビネーションにおいては、石崎監督にとっては0からどころか、マイナスからのスタート。砂川のラストパスに無反応だったことが、これを象徴していると思う。

 だから、名将石崎をもってしても、わずか半年で昇格チームレベルに押し上げることなど、どだい不可能なのだ。

 ヤンツーさんの後に、石崎監督だったら、と思わないこともないけれど、三浦さんのような戦術を選ばなければ、誰が監督をやってもこの順位だと思う。


post by hibari

00:29

コメント(0)

今が正念場

2009年07月19日

千代台
 今、函館から帰りました。はぁ。。。  さて、函館の試合は、ゼロ点で抑えれば勝てたと総括すべきではない。3点取れれば勝てたと総括しなければならない。  仮にも将来のJ1定着を目指すならば、毎試合3点を取る、取れるチームを目指さなければならないのだ。  そして函館でも、厚別でも、札幌は3点を取るチャンスは、確実にあった。とは言え、チャンスはあったと書いたものの、ほとんどゴールで、ギリギリのところで撥ねられたというのはあまりなかったように思う。  クロスを上げればずれる。ゴール前のグランダーのボールは素通し。ポストが落とせば相手に渡り、これぞというチャンスボールが来れば宇宙開発。。。  どうもマイボールが、相手のゴールに近づけば近づくほど、エネルギーという生命力が失われ、キーパーの手前ではほとんど老衰状態だ。コーナーキックを除いて、力強く相手ゴールにけり込まれたシーンを今期は見ていない。ゴールに近づくほど、ヘロヘロになり、力のないボールが相手ゴール前で余裕を持って処理されてしまう。  ボールを1,2,3,4と繋いでいくうちに、一つ一つのズレやブレが増幅されて躍動感を奪ってしまうのだろう。  これを改善するには、一人ひとりのプレイの正確さを上げ、考える時間を短くしていくより無いと思うが、それには監督が言うように「そういうところを改善するのはなかなか難しいのですけど、それをやり続けていかなければならない」。  今は「結果」よりも「プロセス」なのだが、「結果」がでないと監督の言うように「チームがバラバラになる」可能性も十分に秘めている。  しかし、「結果」がほしいあまり、コンビネーションを捨てて、セットプレイや、カウンターオンリーに逃げては元の木阿弥だ。  コンサドーレ札幌の今後10年を考えても、今が正念場なのかもしれない。



post by hibari

22:07

コメント(0)

正面突破か、迂回路か

2009年07月17日

 J2で上位に入るだけならば、J1に昇格するだけならば、守備を鍛えればそれは可能なのかもしれない。しかし、J1に定着できるかどうかの分かれ目は、守りに入った相手を崩して得点を奪えるかどうか。そのことを、私たちは一昨年から昨年にかけて学んだ。

 j1に定着するチームは、引いて守った相手から得点する術を少なからず持っている。いわばゴールをこじ開ける鍵を持っているのがJ1に定着するチームだ。逆に言えば、そんな鍵を持っている相手に、ゴールの扉を閉めても、こじ開けられてしまうのは、昨年経験したとおりだ。鉄壁も守備と言っても、ちょっとしたことで崩れると立て直しが難しいのは大分を見ればわかるとおりだ。

 ゴールをこじ開ける「鍵」とは何か。昨年の三浦監督は「高さ」にそれを求めて失敗した。昇格初年度の甲府やウィルのいた札幌ののように外国人の高い能力の場合もあるだろう。しかし、個人に依拠しすぎたカタチは、その個人がいなくなってしまえば、失われてしまう。

 そうなると、やはり「鍵」は、チームの連動した動き。コンビネーションによる崩しだろう。札幌のように個人の能力がスーパーではないチームの場合は、相手に守備体系を作られる前に、一人ひとりが手間をかけず、できるだけ素早くゴールを陥れる必要がある。と監督は考えただろう。

 しかし、ダイレクトでゴールに迫ろうとするならば、ワンタッチ、ツータッチの素早いプレイが求められる。ワンタッチコントロールで、良いポジションにボールが運ばれればよいが、あさっての方にボールが行ったり、相手にボールが渡ってカウンターを食らったりすると、逆に危機になってしまう。

 そういうことが続くとやはり慎重になってしまう。ボールコントロールして、相手と見方を十分に見定めて、安全な選択をしたくなる。でも、そうなると相手に時間を与え、よけいダイクレトプレイが難しくなる。

 またダイレクトプレイは、ボールの受け手にとっても、ダイレクトにどこに叩かれるのか、把握しにくい。ボールをコントロールしてもらえば、“ため”の間に、アイコンタクトなりで、受け方がわかるのに、その時間がない。味方のボールがどこに出てくるのかわからないので動き出しようがない。いきおいボールウォッチャーになってしまう。そうなると、出してはまた出しどころが無くなる。

 ダイレトプレイは成功するとゴールをこじ開ける最強の武器だ。これに必要なのは、受け手と出してのあうんの呼吸なのだが、これがずれて疑心暗鬼にが生じると、途端に悪循環に陥ってしまう。今の札幌の現状は、こんなところなのではないか。

 J2で攻撃を旗印に掲げたチームが必ずぶつかる「壁」だ。この壁はあまりに高く、正面突破しようとすると、跳ね返されてしまう。時には、空中分解もあるだろう。

 だからといって、この壁を回り道して避けて、乗り越えるのがよいのか。札幌は、いま、この岐路に立っていると思う。

 チームの崩壊もあり得るなかで、あくまでも壁に対して正面突破を目指すのか。真壁を迂回する方法を探るのか。函館での戦いが注目だ。

 明日早く函館に向かいますので、今日は寝ます。

 
 


post by hibari

23:51

コメント(0)

クライトン退団を読む

2009年07月17日

本人が満身創痍なのは確かだ。父のことも心配だったのだろう。それにしてもと思うのは、厚別で一人少ない相手に負けた前節だ。後半30分の勝負所で、クライトンが退き、岡本が投入された。この采配が、退団の直接的な原因になったのではないだろうか。

この試合の後、監督はこんなコメントを発している。

「ボールを止めると相手が間合いを詰めてきてなかなかリズムがでないと思います。やはりそういうところと、シュートにしてもダイレクトで打てばいいところを、コントロールするから、相手は1人少ない分、体を寄せてくるのは当たり前なので、ダイレクトだったらコースが開いてるけど、1度コントロールすると寄せられてコースが開かなくなってしまう。そういうワンタッチでのプレーというのが、ミスを恐れているのかどうかはわかりませんが、まだまだできていません」(jsゴール)
 
実は、これはほとんどクライトンを名指しにしたコメントだったのではないか。

今期の最大の課題は、守備ではなく、引いて守った相手をどのように崩すかという攻撃だった。これまで札幌の得点は、セットプレイや相手のミス、または偶然のような個人技でのものばかりで、攻撃陣の連動した動きの中でのシステマチックな攻撃は見られなかった。

監督のコメントをずっと追っていくと、監督の理想とするのは、激しいプレスで球を奪った後に、ワンタッチのダイレクトプレイでゴールを陥れる早くて連動的な攻撃だ。

20試合を過ぎても一向に完成しない攻撃のカタチ。その原因をついにクライトンに求めたのではないだろうか。

ところが、キープ力のあるクライトンが入るとコントロールしてしまい、そこでプレイの「ダイレクト」さが途切れてしまう。そして何よりも他の選手が、ボールをもらうと、コントロールしながらクライトンを探してしまう。クライトンが上手ければ上手いほど、監督の理想とするダイレクトプレイから離れてしまう。

ここ何試合かの勝ちきれないなかで、水面下では、石崎監督志向するダイレクトプレイとクライトンのコントロールプレイの水激しいせめぎ合いがあったのではないだろうか。

そうして、ついにクライトンを切るという選択が為された。そして、札幌とクライトンのメンツを立てるために、このような発表になったと。

クライトン退団後の補強の早さ、そしてそれが石崎監督の薫陶を受けた二人が電光石火の早業で入団が決まった経緯を見ると、そんな気がする。


post by hibari

00:04

コメント(4)

大ブーイング

2009年07月11日

 結果についてはあえて書くまい。
 
 長年厚別に通い、最大のブーイングだった。今日、自分も大きな声でブーイングした。

 長年、コンササポの間には、ブーイングについての是非論があるが、こんな試合の後では、ブーイングをしなければならないと思った。
 
いつもならば、ブーイングを浴びせると、にらみ返す選手が必ずいる。しかし、今日だけは、すべての選手は下を向き、罵声を浴びせられるままになっていた。岡本は明らかに泣いていた。

 負けようと思って試合をする選手はいない。また、レギュラーで「やる気のない選手」や「勝ちたいという気持ちのない選手」はいない。

 それでも人間である以上、心の奥底に、怠惰や甘え、そして奢りのようなものが、沸いてくる。昨年までJ1を戦い、今期J2に落ちたといえども、外国人の大型補強に成功し、クライトンも残った。有望な若手は残り、石崎監督は、昇格請負人とされた。

 こうした環境の中で、どこか漫然としたものがあったのではないか。自分の中の甘さは、優しい言葉では、吹き飛ばせない。ほほを打たれるような打撃、“目が覚めるような”な衝撃がなければ、人は変われない。

 今日の結果、そしてスタジアムを包んだブーイングが、変わる切っ掛けとなってくれればよい。