2008年06月29日
今、テレビで見たばかりの試合について書きます。 感想は「まだら模様」。 これは新たな可能性と、克服しきれない課題が混在した状態という意味です。まずは、克服しきれない課題から。 当然のことながら4失点。守備から鍛え直すと言っていたにもかかわらず、開幕戦に次ぐ大量失点はさすがにいただけません。これは思うに箕輪が入ってDFラインがゼロにリセットされ、ここに来てDFラインの作り直しが始まった、というところでの大量失点だったんだと思います。 そもそも昨年、J2を制したDFラインから今日のレギュラーとして出ているのは西嶋だけ。中断前まではゼロでした。三浦サッカーのラインデフェンスは、そう簡単なものではなく、昨年は奇跡的にうまくいったけれど、今年は、怪我人が相次ぐ中で、新たなメンバーに教え込もうとしても、なかなかモノにならない、というところだったんだと思います。 そして中断期間にもう一度、教え直そうとしたけれどもやっぱりうまくいかない。それで我慢の限界を超えて、「もう外部からの補強しかない」ということで箕輪の加入ということになったんでしょう。そんな事情から、加入数日で箕輪は先発レギュラーとなりましたが、さすがの元日本代表といえども、慣れないラインデフェンスを加入して数日で統率することは、さすがに無理でした。ということで客観的に見ると今日の4失点は、(認めることはできませんが)理解できます。 可能性は、やはりアンデルソンでしょう。ゲームを決定づける大活躍とはいきませんでしたが、文字通り「可能性」を感じさせました。何がと問われると困るんですが、印象として「大人の選手」を感じました。ただ今日見た限りでは、アンデルソンは自分でゴールをこじ開けるというタイプの選手ではなく、ゴール一歩手前でお膳立てをする選手のように思いました。それなのに今日であれば、ダヴィが開いてアンデルソンにラストパスを送るというシーンが目立ち、アンデルソンをからめた攻撃の組み立ては、これからかなと思いました。 反対に課題は、特にクライントンですが、アンデルソンが入ったことにより、いよいよブラジル人3人だけで試合をしようという感覚が(日本人選手も含めて)生まれてくると、ちょっとやっかいかなと思いました。アンデルソンをどう活かしていくのか、後半に見られた攻撃の停滞は、日本人選手も、ブラジル人選手も、さてどうしたモノかという戸惑いだったんだと思います。アンデルソンは全体の連携の中で生きる選手のようですから、攻撃の新たなイマジネーションの確立が求められると思いました。 可能性のもう一つは、札幌の「高さ」はガンバという日本のトップクラスのチームにもある程度プレッシャーを与えるということが収穫だったと思います。中山を右サイド置いた組み立てと言い、これはこれで大きく可能性を感じました。 おそらくまた監督解任論も沸き上がってくるかと思いますが、今日のチームは、昨年の札幌とは別なぐらい違うチーム、監督が替わったのと同じくらい違うチームなんです。課題は、このチーム作りが今新たに今日から始まったというところです。箇条書きにすると ・アンデルソンを加えた攻撃の形の新たな確立 ・箕輪を加えた守備の新たな形の確立 ・「高さ」という新たなストロングポイントの活かし方の確立 まるで1カ月のキャンプを経て、今日からリーグが開幕したような感じです。 果たしてシーズン終了までに新チームが機能するようになるでしょうか。
2008年06月28日
リーグ再開。 中山が右サイドに回るそうですね。 だったら、いっそこんな布陣はどうですか。 ダヴィ 183 アンデルソン 187 西 大伍 175 中山 元気186 ディビ純 186 クライトン 179 西嶋 弘之 180 箕輪 義信 187 柴田 慎吾 187 吉弘 充志 182 富永 康博 193 スタメン平均身長 184センチ。 ドイツ代表よりも高い。 違っていたらゴメンだけど、Jリーグ15年の歴史の中で、 もっとも背の高いチーム(と思うけど)の登場だ。 うーん、このメンツ、背が高いから勝てる分けじゃないけど、 一回は見てみたいね。
2008年06月27日
今日の昼間の事務所のことです。来客がありました。 「いや~、ユーロで寝不足でさ。」と 今開催中のヨーロッパ選手権の話題になり、 「面白いよね。ユーロ。あれ見ていると・・・」と言ったところで、 私の顔見て、一瞬、言葉が途切れました。 いいよ、無理しなくても。 「ユーロを見ていたらコンサドーレなんか見れない」と言いたいんでしょ。 ユーロだけに限らず、衛星放送の普及で、海外サッカーがかんたんに見れるようになってから、こんな話を良く聞きます。その度に「テレビのサッカーよりも、たとえコンサでも、生のサッカーの方がはるかに面白い」と思ってしまいます。 それはさておき、同じテレビの中という枠の中で比べると、日本代表が進化しているとしても、ヨーロッパはそれ以上の早さで進化しているようです。 コートが狭く見えるし、時間の進み方は変わらないはずなのに、スイスの時間だけ、50秒程度で1分になるようなくらい早い。 ところで「未来のサッカーはハンドボールになる」という人がいたけれど、ユーロを見ていて、まったくその通りだと思いました。ボールを手で扱えるハンドボールでは、パスミスやキャッチングミスなどがあり得ないため、中盤でプレスをかけることが無意味なため、ボールを奪われると、守備側は一目散にゴール固めます。 (テレビ観戦で何がじれったいかというと、ボールのない時の最終ラインがほとんど写らないことですね) 未来のサッカーもこれと同じようになるというのですね。技術が上がり、パスミスやトラップミスがなくなるとプレスの意味が無くなり、中盤でボールを奪うことをあきらめて、ボールが奪われると、脱兎の如くゴール前を固める、というサッカーがより顕著になってきたように思います。 そう思えば、ラインを高く保ち、前線からのプレスで高い位置でボール奪おうとする三浦サッカーは、実はオールドなサッカーなのかもしれないですね。ユーロを見ながら、そんなことを思ってしまいました。 早く生サッカー見たいな。
2008年06月21日
川崎から箕輪選手が加入しました。 札幌の最後の砦として、活躍が期待されます。 さて、箕輪選手とその前のアンでルソン選手の加入で、 実は、札幌のある数値がついに大台を超えたのですね。 箕輪選手の身長は187センチ、そしてアンでルソン選手の身長も187センチ。 ノナト選手が去って、二人を加えると、札幌の平均身長は 180.12cm ついに180超えです。 シーズン開幕時点では、 (J1)1 千葉 179.73 (J1)2 川崎 179.70 (J1)3 札幌 179.56 と僅差の三位でしたので、上の二つのチームの補強具合はまだ見ていませんが、 平均身長日本一のチームになった可能性がかなり高いです。 川崎から箕輪を奪取したのは二重に大きな移籍でしたね。 どうやら背が高いから失点が防げるというほど単純ではありませんが、 一つぐらい日本一があるというのは、やはり気持ちのいいものですね。 ーーーーー 吉弘 充志 182 西沢 淳二 181 曽田 雄志 181 池内 友彦 181 西嶋 弘之 180 坪内 秀介 180 平岡 康裕 182 堀田 秀平 181 柴田 慎吾 187 箕輪 義信 187 石井 謙伍 178 ダヴィ 183 アンデルソン 187 中山 元気 186 宮澤 裕樹 182 横野 純貴 183 佐藤 優也 186 富永 康博 193 高木 貴弘 185 高原 寿康 184 藤田 征也 175 砂川 誠 173 鈴木 智樹 172 クライトン 179 大塚 真司 179 岡本 賢明 170 芳賀 博信 173 上里 一将 170 西 大伍 175 岩沼 俊介 175 西谷 正也 170 ディビ純 186 鄭 容臺 178 平均 180.12
2008年06月19日
夕張に浦和レッズが来ますね。 先般、久しぶりに夕張に寄りました。観光案内所のところに「歓迎浦和レッズ」という張り紙がしてあり、案内所のおばさん尋ねてみましたが、要領をえません。夕張のおばちゃんと浦和レッズは、どう見ても距離が遠く、繰り返し尋ねるのを辞めました。 そんなんで忘れていましたが、17日からもうキャンプに入ってきているようです。コンサドーレと練習試合もあるんでしょうか。 夕張には、芝の立派なグランドがあって、かつてベアフッドが夕張にあった時代にホームとしていました。例の財政危機で、あのグランドのメンテナンスが心配されましたが、浦和が来たところを見ると、しっかりと維持されているのでしょう。これも少し安心しました。 浦和さん、たくさんのお金を落として、夕張の財政を少しでも助けてやってください。
2008年06月15日
調子のいいときは忘れ、負けが込んでくると気になるのがJ2。みなさんもそうではありませんか。 J1がお休みの間にも、しっかりとリーグ戦が行われています。そして、何よりも今日は山形と仙台のみちのくダービーの日。なんと山形が仙台を3-0でくだしました。 もう20節を終えて折り返しに近づいているというJ2ですが、今年は例年にまして、順位の入れ替わりが激しいようです。 序盤、アンデルソン(横浜の方)を擁して好調だったはずの横浜FCは、いつの間にか下位に低迷しています。今日、津波監督はアンデルソンをついに先発から外しました。個人的に札幌のFWとして欲しいと思っていたことのある選手なので気になっています。なにか、メンタル的に難しいところのある選手なのでしょうか。 一方、自動昇格圏の2位は山形。昨年も序盤が調子が良く、一時は昇格圏に入っていましたが、途中で大きく没落。しかし、今年は好調を続け、福岡、仙台と強豪相手に2試合連続で3-0の勝利です。強い外国人FWがいるわけでもないのに、得点は広島に続いて2位。昨年のうちのようなワンダーなチームになっているみたい。何が好調を支えているのでしょうか。 ワンダーと言えば、一時は旋風を起こした初昇格の岐阜ですが、いつの間にか中下位に。そして序盤に中下位だったセレッソは、今や山形と並んでしっかりと昇格圏につけています。そして目をおいたくなるような成績なのが、福岡と甲府。特に甲府の華麗なパス回しがここまでJ2に通用しないとは思いませんでした。また巷では今年こその昇格候補とされていた湘南と鳥栖は、仙台と並んで中位に甘んじています。 昨年までは、こういう混戦にJ2のレベルアップを指摘していました。しかし、リアルにJ1に身を置くと、巷で言われるJ2のレベルアップをそのまま鵜呑みにはできません。J1は優勝争いと降格争いという過酷な競争が上と下にあるのに対して、J2は昇格争いがあるだけ。その差は、縮まるどころか開いているように思うのは私だけでしょうか。
2008年06月15日
うーん、アンデルソン ホベルト ダ シウバ ルイス選手の正式入団が決まりました。 どうなんだろう。 アンデルソン選手は、来日してしばらく経ちますし、5月26日の道都大との練習試合では、45分間に6点を入れるという活躍ですし、写真で見る限りは、ノナトよりはずっとサッカー選手らしいですし。 あらためて調べると、5月23日のニッカンがくわしいですね。 http://www.nikkansports.com/soccer/news/p-sc-tp0-20080523-363320.html これによると、本人から押しかけてきたというよりも、もともと札幌の補強リストに入っていた選手らしい。 >経歴は申し分ない。(ベフィンカとコリンチャンスいただけで申し分ないの?) >ただ気掛かりなのは(えっ!) >昨年11月にブラジルのイトゥアーノとの契約が切れた後は海外移籍を志望。 >どのチームにも属さず、地元サンパウロで練習をしながら、朗報を待っていた。 >そこに札幌から声が掛かった格好だ。 (うーん、昨年の11月に時点でフリーで移籍金など発生しないアンデルソンよりも ノナトの方が良い選手だったんだね。三上さん? アンデルソンの方が劣って いたという判断だったんだよね。三上さん?) 身長が高く、三浦監督好みではありますね。 でもそのおかげで、せっかくパスを回し始めたのに、また中盤飛ばしの放り込みサッカーに戻りそうな気もする。 >公式戦出場はできないため、26日の北海道チャンピオンズスーパーリーグ >の道都大戦後に練習試合を設けるなどし、見極めを図っていく。 (そうか、あの変な45分間の練習試合は、アンデルソンのテストだったんだ。そりゃ必死になるわな) 期待しましょう。アンデルソンがこけたら間違いなくJ2ですので。 (本当は、一昨日までサンパウロの公園で一人ボールを蹴っていたような選手よりも、 エッ、あの選手が札幌に来るの。本当に、みたいな選手に来てほしかったよ。)
2008年06月14日
ノナトの退団が確定的だそうです。 ノナトは、シーズンインまで在籍した外国人で、ピッチに立つ姿を目撃しないまま去る初めての外国人にあやうくなるところでした。室蘭でのナビスコ戦で、かろうじて生ノナトを目撃しました。 シーズンに入るとき、札幌ドームで始めてノナトを見た時、ブラジルのトラック運転手と思ってしまいした。もちろん、トラックのドライバーを卑しめるものでないし、トラックの運転手のように見えたからと言って、悪い選手というわけではありません。 でも、どう見てもサッカーをしている姿を想像できなかったのは事実。そして正直に、今年のシーズンの多難さを覚悟したのです。 J1昇格にあたって、ブルーノを放出した判断を批判する声が確かにありました。でも、J1昇格チームが、有能な外国人を前に並べて攻撃を任せ、意思の疎通の図りやすい日本人が後ろを固めるというのは、夢はありませんが、J1定着のためにはもっとも現実的な布陣だと思っていました。 新潟はそれを続けてJ1に定着し、今は中堅と言われるチームになっています。今シーズンでは、川崎が前に3人の外国人を置く布陣になってから、勝ち星を伸ばしています。 強化費の限られた札幌で、J1に定着しようと思えば、前の3人、特にある程度実力のわかっているダヴィとツートップを組む、新外国人のできが残留、降格の鍵を握ると思っていました。 ブラジルには万人単位でプロサッカー選手がいると言われますが、無数の選手の中から、何が嬉しいのか、わざわざノナトを拾ってくることはないだろうと、ポジティブをモットーとする私でも、さすがに引いてしまいましたね。 ことさら非難するつもりはないんですが、ノナトの獲得に情熱を傾けたと言われる三上強化部長に 「ところでさ、怒らないし、誰にも言わないから、どうしてノナトだったのか、本当の理由を教えて」 とささやいてみたい。
2008年06月09日
某掲示板でも書いたことですが、昨日の柏戦。後半44分にデビッドソン純マーカスを投入した采配について、ここでも結構疑問の声や、采配ミスを指摘する声が多いので、私の思うところについて。 マーカスの投入は、守備固めではなく、得点をねらいに行った采配だったと思います。 1点を追いかける札幌は、後半の24分にDFの吉弘を引っ込め岡本を投入しました。そして藤田がサイドバックに下がり、サイドにいた西澤が吉弘の代わりにセンターに移動しました。もちろん同点を狙った攻撃的な布陣です。 ところが38分に西澤が相手にPKを与え、自身も二枚目のイエローで退場。これでスコアは0-2となり、一人少ない中、専門職のDFは柴田と坪内の二人しかいないという事態に陥ります。 そして44分。得点、あわよくば立て続けの追加点を狙って、監督はカードを切ります。西を引っ込めマーカスをボランチに置き、クライトンをトップに上げたのです。 この時監督の頭の中には、残り時間わずかの一人少ない状況で、守備固めに入った相手から、力の劣る札幌が追加点を奪うには、セットプレイしかない、という判断があったと思います。 そしてあの時点で一番可能性の高いセットプレイは、コーナーキック。すなわち、クライトンにキープさせて、ゴールラインの近くでまでボール運び、相手にぶつけてコーナーを取るというもの。クライトンの力ならば十分に可能な戦法でした。そしてクライトンは前に出ます。 しかしこの作戦には一つ問題がありました。この時の札幌のメンバーは、西、クライトン、藤田、岡本、西谷、芳賀、坪内、柴田というメンツで、軒並み170台。80センチ超えは、わずかに柴田、坪内です。つまり44分の選手交代は、コーナーキックの競り合いで、186センチのマーカスを入れて、少しでもコーナーキックからの得点確率を高めようとしたものと思います。 高さなら181センチのエジソンを入れれば良かったという意見もあるかと思いますが、セットプレイというのは、おとりになる動きやサインプレイがあったりと、実は高度なチームプレイが求められます。入ったばかりで、日本語も十分ではない(と思われる)エジソンには、この連携は無理という判断だったのでしょう。他に上里と鄭もいましたが、身長から言うと断然マーカスだったと思います。 また0-2になった時点でエジソンを入れるという采配もあったと思いますが、専門のDFが2人しかいない状況で、これ以上、DFの数を減らすわけにもいかず、入れるとすると、西をエジソンに変えたワントップか、芳賀のワンボランチにしたクライトンとエジソンのツートップかですが、監督の目には西をエジソンに変えても、そんなに得点可能性が上がるようには思えなかったんでしょう。 西澤が退場とならなかったならば、DFを一枚削ってのパワープレイ要員としてエジソンの投入はあり得たでしょうが。 つまりマーカスの投入は西澤の退場が招いたもので、こうして見てみると、確かにあの状況の中では、これがもっとも得点を生む確率の高い(わずかではありますが)采配だったと思います。(これはあくまでも私の素人意見で、監督の意図は全く違っているのかも知れませんけど)
2008年06月08日
現地からです。忘れないうちに、観戦記です。 結果は0-3の惨敗。開始早々に最終ラインの裏をポポに取られて1点。2点目は、久しぶりの登場となった西澤が、相手の早さについて行けず、ペナの中で不必要に足を出してPK(そして退場)。最後は終盤間際に投入されたデビ純が、これもペナの中で何でもないボールクリアをミスし、相手に渡して失点。結果だけを見ると、まったく良いところのない試合で、終了後のゴール裏からの大ブーイングも(私もしましたが)当然の試合でした。 この試合は、評価の視点の置き方で大きく変わる試合だと思います。函館での千葉戦、アウェイの川崎戦、そして今日の柏の3連戦を、リーグ再開後に向けたあらたな再構築の課程として見ると、十分に手応えのあった試合だと思います。反対に、ナビスコの決勝進出という結果に注目すると、3連敗で、守備の崩壊は止まらず、得点も函館の1点止まりと、まさに監督解任を叫びたくなる内容でしょう。 三浦サッカーは超守備的であり、守備でJ2を制覇し、J1での低迷を守備の崩壊に置く見方があります。そうした見方からすると、今日の3失点は守備崩壊がまったく修正されていない状況に写るでしょう。しかし、今日見て私が思ったのは、三浦サッカーの本質は「守備的」であることではない、ということでした。むしろ三浦サッカーの本質は「攻撃的」であると言ってもいいでしょう。 かつて札幌の監督時代の岡田さんは、「J1で1失点はしょうがない。勝ち点を獲得するにはどうやって2点を取るかだ」と発言していました。この言葉の通り、今、ナビスコの後半3節を通して、三浦さんはまさにこの「2点を取るサッカー」を目指しているんだと思いました。 失点しない、堅守を再建する、ということが目標ならば、昨日のバーレーンのように最終ラインを下げれば良いんです。札幌は高さがありますから、もっと下がって事実上の5バックにして高さで跳ね返せば、失点はきっと減ると思います。そうなればカウンターの切れ味も増すでしょう。 ところが今日見た札幌のラインは非常に高く、引き籠もり、どん引きサッカーとは正反対のものでした。1失点目は、札幌がラインを上げた裏のキーパーとの間の広大なスペースを突かれたもので、こうしたラインを高く保つサッカーを目指す以上は仕方のない失点でした。 反対に今日の札幌は面白いようにチャンスを作り出していました。J1になってから今日ほど相手陣内に肉薄した試合は初めてでした。ところが、これが何かに呪われたと思うほどゴールが決まらない。決定機を外す見本市のような試合でした。バーに嫌われたシュートは3回はあったんじゃないでしょうか。 ナビの後半3節の記録を見ると、どちらがゲームを押し気味にすすめかのバロメーターになるというコーナーキック数では、今日と前節の川崎戦では札幌が上回り、函館の千葉線ではコーナーキック数こそ相手が上でしたが、シュート数がはじめて相手を上回りました。結果は散々でしたが、内容的にはこの3節は札幌が押し気味にすすめていたようです。そして今日も、途中で西澤の退場によってゲームが崩れ、撃ち合いとなって相手のシュート数が上まりましたが、こうした事故さえなければ、札幌が柏を圧していた試合だったと思います。 今日のドームでは、守備の再構築が課題という世評とは裏腹に、三浦さんは「三浦サッカーの攻撃的側面」を高め「2-1で勝ち点を取るサッカーの構築をすすめている」ことが実感として感じられました。事実、これまでよく見られた中盤を放棄して、長い球を単純に前線に放り込む、またヘディングで簡単に跳ね返すという工夫のなさは影を潜め、パスを繋ごうという意識は高くなっていました。もっとも、失点を減らそうという意図はあまり感じられませんでしたが。 では、なんで3連戦もして得点はわずかに1点なんだよ、との声もありそうです。それこそノナトに変わる新外国人FW次第なんじゃないでしょうか。いずれ能力の高い外国人FWが来る、来てからでは遅いので、今からトレーニングしておこう、というサッカーではなかったかと思います。今日は宮澤が早々にピッチから消えたため、4-6-0という布陣だったのです。確かに今日は、ゴールの手前でのFWがいないことから来る、戸惑いが目立ちました。 さて今、札幌に絶対に必要なのは守備の再構築だというならば、専守防衛でラインを下げてカウンターに徹するサッカーにすべきでしょう。そしてこの転換には監督交代が伴うものと思います。しかし、J1でも2-1で勝ちきるサッカーを目指すのならば、今の三浦さんの取り組みは決して間違ってはいないと思いました。これが成就するためには、ノナトの代わりとなる外国人FW次第なのですが。 ともかく、ナビスコ3連戦を通して、J2サッカーの延長線上では勝ちきれないと判断した三浦さんが、新たなリフォームに着手していることは確かです。
2008年06月04日
しばらく、コンサドーレの試合を見ていませんね。 昨年にはなかった中断期間というのが、まだ慣れていないというか。 それでもナビスコは行われ、ご承知のように勝ち星は挙げられていないんですが、私的には、もともとナビスコはどうでもよく、あくまでもリーグ戦。そしてそこで少なくとも下から3番目以上になることです。 ということで、ナビスコは本気モードのプレシーズンマッチと言うことで、再開されるリーグ戦に向け課題を浮き彫りにし、その改善策を見出してほしいです。そうした中で、たとえ負けようがかまいません。 なので今週末、久しぶりのドームでは、リーグ戦再開に向け、今、どのような試行錯誤をしているのか、見てみたいですね。 中でも注目点はディフェンスライン。 フットボールは正解のないスポーツで、クロスを上げるととラインを上げてオフサイドにする。裏を取ろうとするとしっかりとゴール前でブロックする、というバランスが取れているうちはいいんですが、ゴール前でブロックしようとするとミドルから撃たれる。ラインを上げようとすると裏を取れると、逆手逆手に行ってしまって、自信をなくす、と言うことがあると思うんです。 昨年も、第3クールの後半から、失点がかさみ、デフェンスラインが自信を失いかけたことがありました。それを、ラインをブレイクするカバーリングの徹底で乗り越えたように思うんです。 今もまた袋小路に入っていますが、ナビスコという本気モードのプレシーズンマッチの中で、これをどのように修正していこうとしているのか、しっかりとみたいと思います。
プロフィール
コンサドーレの試合をはじめて見たのは、招待券で見た1996年伝説の厚別初戦。ペレイラのフリーキックと、オテーロのVゴールを目撃しました。娯楽の少ない北海道で、それは衝撃的な体験でした。そして実際に自分がファンからサポーターになったのは98年に、オフィシャルサポータークラブに入ってから。以来、今日までホーム全試合観戦を目標に、シーズン券を買って、応援を続け、たとえJ2の最下位になろうとも、年間に5回しか勝てなくとも、(実際になりましたが)、チームがある限り、サポであり続けることを誓って、今日まで生きてきました。
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