【第11節】ダニルソーン!!!!!!

2009年04月29日

 またまた最速のレビューだ。

 ずーっと、求めていた流れの中の得点が出た。しかも2つ。
 3点目は、ダニルソンだーーー。
 ボールが流れ、追いつくのは不可能だと思われた距離を、追いつき、しかもゴールに角度のないところから流し込んだ。こんな得点は、あのエメルソン以来。ダニルソンがもっているとてつもないポテンシャルが、ついに本領を発揮しはじめた。


 前節の結果、西嶋と上里が今日の試合には出場停止。今やチームの主軸となった上里の穴を誰が埋めるのか。今日の注目はそこだった。

 順当に考えれば、昨年、クライトンとともにボランチを務めていた西が適任だったろう。クライトンを下げる手もあったかもしれない。ところが、監督はFWの宮澤をこのポジションに据えた。これはサプライズだった。

 試合を見て、このサプライズの意味が理解できた。理由は2つだ。

 一つは、宮澤はゴールに体が向いた状態であれば力を発揮すること。今までの試合では、ポストとしてどうしてもゴールに背を向けた状態で、ボールを受けていた。これでは彼の力は発揮されない。このこと思った監督が、前にスペースのあるボランチに持ってきたのだろう。特に前半、今まで見られない躍動的な姿を、宮澤は見せた。

 もう一つの意味として(私の独断だが)、ダニルソンに対していっそうの覚醒を促す意味があったのではないか。

 これまでダニルソンは、パートナーを組む上里に助けられてきた。上里が出場停止になり、経験のある西をパートナーにしてしまえば、パートナーに依存するという状況は変わらない。

 ここでボランチがまったく初めての宮澤と組ませると、もうダニルソンはパートナーを頼ることができない。一人で自立しなければならない。という監督からのダニルソンへのメッセージだったのではないか。

 ダニルソンは、もともとものすごいポテンシャルを持っているとは思っていた。だけど、初めての海外、まったく違うサッカーの中で、力を出し切れていなかった。前節、前々節あたりから少しずつなじみはじめたところだ。彼が一皮むけるには、もう一つきっかけが必要。監督も同じことを思ったのかもしれない。

 今日のダニルソンは凄かった。
 
 あのポテンシャルは、J1とか、J2とか言うレベルではない。チャンピオンリーグでフッキが活躍しているが、間違いなく、ダニルソンの持っているポテンシャルはヨーロッパレベルだ。これからどんどん馴染んでいけば、とんでもないことになりそうな気がする。今日のMVPを一人選べと言われば、私は迷わずダニルソンを推す。

 さて、今日の試合は3点の得点が生まれた一方、2点の失点があった。テレビなどで、間接的に見ていると、なんで2点も失点してしまうのか、という試合だったろう。でも、現場で見ていると、失点の原因がよくわかる、というか、共感できるのだ。

 つまり、リミッターが外れてしまった。

 これまで、優勝候補、昇格候補とされながら、ふがいない試合が続き、選手たちには溜まったものがいっぱいあっただろう。2点目、3点目と流れの中の得点が生まれると、リミッターが外れ、いけいけ状態。

 見ているこちらも、これから何点取るのか、という気持ちで見てしまった。とくに来日初ゴールを決めたダニルソンは、うれしさのあまり、完全に宮澤のフォローという本来の役割を忘れてしまった。そして、ボランチとしての宮澤は、まったくの落第点。これではしょうがない。

 開幕以来の鬱積したものが取り除かれ、本来の自信を取り戻したところで、相手が一人少なくなる。もう俺も俺もと言う状態になって、2失点目。
 
 まぁ、これも、しょうがない。
 
 今日のゲーム。3点取ったとところで、しっかりとゲームを落ちつかせ、無失点で終わらせるというには、うちらは若すぎる。


 


4のゴールが見たい

2009年04月28日

 J2は試合が多い。もう明日だが、次の対戦がある。
 2つ前のエントリーで述べたように、回復を測る注目ポイントは、流れの中の得点だ。

 あらためて先のエントリーを読み返すと、「セットプレイや個人技は1もしくは2で生まれる得点だ。」と書いてある。。。。うーん、これでは、何のことだか、さっぱり、わかりませんね。

 これは起点となるパスの出し手を(1)として、何人にボールが渡ってフィニッシュにいたのるか、ということを示そうとしたものだ。

 昨日のクライトンのゴールは、起点の砂川のフリースロー(1)が、クライトン(2)に渡って個人技でゴール。だから1-2のゴール。

 前々節のセレッソ戦は、1点目の岡本は、起点上里(1)から岡本(2)に渡り、岡本の個人技でゴールしたやはり1-2のゴール。

 続くキリノのゴールは、相手のトラップミスをかっさらい(1)そのままゴールに持ちこんだ1のゴール。

 続く西嶋のヘッドは上里のコーナー(1)を西嶋(2)がけり込んだもので、最後のクライトンのゴールは、キーパー(1)から直送されたボールをクライトン(2)がそのまま持ちこんだもの。

 こうやってみると、これまでのゴールは、手数(足数か)が1もしくは2のゴールがほとんどだ。

 これに対して相手を崩してのゴールでは、パスの経由先が3,4と増えてゆく。

 でも経由先があまり多すぎると時間がかかり相手に準備されてしまいゴールに至らない。これを防ごうとパススピードを速めるとブレが大きくなって、これまたゴールに至らない。
 
 経由先が増えながらも、ぶれなくゴールに至るというのは、やはりチームの戦術的意志の統一、連動性の表れだ。1もしくは2のゴールしかない現状では、まだまだチームとしてのインテグレーションが不足していると言わざるをえない。

 個人的な意見だが、経由先3のゴールがもっともダイナミックで、経由先4のゴールがもっとも美しいように思う。

 ダイレクトで起点からボールが、ぽーん、ぽーん、ぽーん、シュート、ゴール! というシーンを是非みたい。


ラテン乗り

2009年04月27日

 昨日のエントリーの補足です。

 シーズン入りが遅れ、J2でプレイするのを嫌がっているというような報道もあったクライトンだが、ここに来て絶好調だ。昨年にもなかった連続ゴールを決めている。

 そのクライトンの試合後のコメント

「(記者会見で監督が褒めていたが?)そういわれると嬉しいです。日々練習する中、長い時間一緒に生活をしていますし、監督がそうやって褒めてくれるのは嬉しい。」

 こんなに監督と選手がOne on One なコメントも珍しい。

 前のエントリーで、クライトンにとって、三浦監督から石崎監督に代わったことが良かったと書いたけれど、このコメントを見ると、外れではなかったらしい。

 昨年も持ちすぎが指摘されたクライトンであったけれど、三浦監督が理路整然とボールを持ちすぎないことを指導しても馬耳東風でも、石崎監督がラテン乗りで乗せたら、すっかりその気になったんじゃないかな。

 あの二人、いわゆる“馬が合う”というヤツじゃないか。そんな感じするよね。


post by hm1644

00:28

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二つの逆風

2009年04月26日

 メンタルスポーツとして見ていこうというのが、今期の観戦テーマだった。そういう目線では、とても面白い試合だった。良いか、悪いかは別にして。

 一人少ない札幌が、アウェイで勝利したこの試合のポイントは、カゼ、家本、クライトンに相手監督だった。

 この試合、前半に風上に立った横浜は、風を利用してプレッシャーをかける。どうしても、強いあたりで止めようとする札幌にイエローが続出。そして早々に西嶋が退場になってしまった。

 たぶん今日の家本のレフリングよりも、彼が過去に積み重ねてきたイメージが、そうさせるのだろう。家本が笛を吹いて胸に手を当てるとギョッとする。明らかに札幌の選手は怖じ気づき、相手は明らかにファールをねらいに来た。

 しかし、家本審判はだいぶ改善されたんだと思う。横浜の選手が、家本にファールを取ってもらうことに明らかにねらいはじめると、それを見越して家本は逆にファールを取らなくなった。

 横浜は、札幌にカードが続出する状況を見て、審判におもねるような試合を行い、自らの力で勝利をたぐり寄せる努力を怠った。

 そして第2のポイントは相手監督の采配。非常に不可解だったのだが、前半、一人多い状況で、しかも風上に立ちながら、監督がゲームをスローダウンさせたのだ(スカパー!の解説による)。普通ならば、あの状況だったら、横浜はイケイケ、ドンドンで相手ゴールに選手を飛び込ませるべきだろう。

 ところが、それをせずにゆっくりとボール回しをさせた。後半になると、風上に立つ札幌がプレッシャーをかけてくることは予想できたはずだ。それとも前半0-0で終えて、風に乗って点を取りに札幌の裏を取る作戦だったのか。

 あまりに消極的すぎる。自ら勝利を手放すかのような、相手の采配に助けられた。

 そして最大の功労者は、何と言ってもクライトンだ。草津戦から、クライトンの意識が大きく変わったように思う。球離れも良くなったし、献身的に走るようになった。今日もあの重そうな体で、長い距離を走りきった。時にはマイナスだったキープ力が、本当に今日の試合ではチームを助けた。

 こういう活躍を見ると、昨年、もっと献身的になってくれればと思わないでもない。おそらく監督との相性もあるのだろう。生真面目な三浦さんよりも、石崎さんとクライトンは合いそうだ。

 外国人選手を中心にだいぶ回復してきたが、あとはやっぱり日本人フォワードの回復。やっぱり、頼みは、怪我から復活してきた中山なのか。
 


post by hibari

18:45

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流れの中の得点を見たい

2009年04月22日

 前節の大勝は、不振の極にあった札幌の復調を印象づけるものだったが、実は今ひとつ物足りなさがあった。

 それは流れの中の得点。相手を崩しきっての得点だ。

 前節、1点目は岡本の個人技。2点目は相手のミス。3点目はセットプレイで、4点目はカウンター一発。けっして、パスを繋いで相手守備陣形を崩しきっての得点ではない。

 実は、今期、8試合を戦って、流れの中の得点というのは、草津戦の2点目、キリノの得点しかない。あの時は、「西のクロスのこぼれ球を宮澤が拾いクライトンへ、クライトンのシュートはGK常澤(草津)にセーブされるがそのボールをダイレクトでキリノがゴールにたたき込む」(オフィシャル)という得点だが、相手のペナルティエリアを確かに蹂躙した。

 それ以外の得点は、セットプレイだったり、偶然の産物のような個人技だったりした。

 セットプレイや個人技は1もしくは2で生まれる得点だ。

 ところが、流れの中の得点は、ボールがぶれることなく3以上つながっていかないと生まれない。

 今期の不調を見ると、個々の能力は十分にあるのに、連携が悪いのか、消極的なのか、ボール回しが1,2,3とすすんで行くにしたがってブレが大きくなり、フィニッシュまで至らないことが、ゲームを支配しながらも得点にならない状況を生んでしまった。

 札幌が復調したというのならば、すくなくとも3,4までぶれなくボールがつながりフィニッシュで終わりたい。それができるだけの力量のあるチームなのだ。

 ところが前節を見ると、ボールのつながり、相手の崩しという点ではまだ及第点は上げられない。その意味では、むしろ草津戦の2点目の方が、意味は大きかったかもしれない。

 いずれにしろ、次節、ボールのつながり、ブレがどこまで修正されたのか、注意してみてみたい。3,4とボールがつながって得点が生まれるシーンが増えたとき、はじめて札幌は復調したと言えると思う。


みなさまに謝らなければならない。

2009年04月19日

最速のレビューだ。

 といいつ、みなさまに謝らなければならない。

 今節、勝つとは思っていなかった。
 というか、勝つという高い期待をもって試合に臨んでも、それが裏切られると1週間とても辛いので、あらかじめ期待値を下げておいたというところだった。

 ところが、こんな結果になるとは。だから、サポは辞められない。

 試合前の練習の時だ。
 出場選手紹介のあとに、ゴール裏が1人づつ選手にコールをする。普通、ここで選手は手を挙げてコールに答える。
 
 ところが、今日は、誰一人として(クライトンを除いて)、手を挙げなかった。

 客商売として考えれば、ひいき筋が声を出しているのだから、これに答えるのは当たり前。だのに、札幌の試合をずいぶん見てきたが、こんなのは初めてだった。

 これは集中しているのか、緊張しているのか。今までにないことなので、これがどうでるか。私はとっても不安になった。
 
 しかし、結果は・・・・。

 今、これを読んでいる多くの人は、スカパー!などで結果は知っているだろう。実に見事な勝利だった。積極的なチェイシングから素早いゴールと、石崎さんの理想どうりのサッカーだった。

 昨日のエントリーで、ダニルソンが復調の鍵を握っていると書いた。そのダニルソンだが、今期もっともゲームに溶け込んでいた。戦術的に見ると、ダニルソンが溶け込んできたことが大きいだろう。

 また相手の3バックというシステムに、3-2-2-1というシステムに対して、札幌の4-2-3-1というシステムが上手くかみ合ったと言うこともあるだろう。相手には慢心もあったのかもしれない。

 それにしても改心の勝利だった。
 
 セレッソのサッカーは、これまで見てきたチームとは違い、確かにJ1の香のするサッカーだった。相手の香川の得点などは、まずJ2では見られない。

 他のどのチームでもなく、これまで無敗、J1レベルにある大阪を4-1で下した意味は大きい。それも、圧倒的に攻め続ける相手の隙を突いての勝利というのではなく、シュート数でも圧倒した堂々の勝利が、チームのメンタルにあえる影響は大きい。

 本当の俺たちは強い。

 ということを、思わせた意味で、大きな節目となる試合だった。


post by hm1644

16:34

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復調の鍵はダニルソン

2009年04月19日

 明日のセレッソ戦に快勝して、上昇気流に乗るとは、本心ではそんなに思っていない。
 
 それでも、札幌は、何か大きな気の迷いがなければ、遠くないうちに上昇気流に乗るだろう。その最大の鍵を握るのは、ボランチのダニルソンだと思う。
 
 この代表権もあるコロンビア人は、現在のところまったくチームにフィットしていない。キリノやクライトンと比べて、初めての海外生活で、母国コロンビアのサッカーとまったく違う日本のサッカーに大きく戸惑っていることは、見て取れる。

 コロンビアと言えば、私のような世代ではバルデラマを思い起こすが、非常に南米の中でも南米的なサッカーで知られる。要は遅攻とショートパスだ。

 よく見ると、ボールを持ったダニルソンは次にどうしていいか、当惑する状況がよく見られる。ゲームのハンドルであるダニルソンの迷いは、チーム全体の迷いとなってしまう。

 さて、こんなダニルソンだが、石崎監督は承知の上で使っているようだ。スタートダッシュを狙うのならば、ベンチに温めておく方がよっぽど勝利に貢献するだろうが、監督はしない。不十分を承知で先発させて途中交代をしながら、少しずつ日本のサッカーに慣れさせている。

 それだけダニルソンの潜在能力を買っていると言うことだろう。

 このダニルソンが、チームにフィットする頃、日本のサッカーになれて、本来のポテンシャルを発揮する頃が、札幌が浮上するきっかけだろう。

 指導陣ががまんしきれずに、または、本人がメンタルでダウンしない限り、いずれは日本のサッカーにフィットしていくと思う。

 問題は、それがいつ頃かだ。ここ数試合を見る限り、まだまだ時間がかかりそうだ。一度、海外に出たことのあるキリノが、そろそろフィットしはじめているのに対して、ダニルソンは海外での生活ということからフィットを始めなければならない。

 彼が本当の実力を発揮するのはひょっとすると夏頃、少なくとも明日であることはなさそうだ。

 私としては、今年たとえ昇格レースに乗れなくても、じっくりとフィットさせてほしい。 


post by hibari

00:05

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迷いが疑いになり、疑いが恐れになる

2009年04月17日

 負けたけど、開幕の仙台戦は良かった。

 だけど、この試合もそうだったけど、攻めても、攻めても、点が取れない。何本も何本もコーナーをとっても、シュートを打っても、得点にならない。そして前がかりになったところで裏を取られて敗戦。

 こうなると、迷いが疑いになり、疑いが恐れになってしまう。

 引き分けに終わったドームでの富山戦は、恐れ、迷い、疑いがピッチに蔓延していた。草津戦でも見られたが、かろうじて二試合で勝ち点を得られたのは、個々のポテンシャルの高さだろう。

 対戦相手にとって見れば、シーズン入り当初の降格組は、恐ろしい存在だろう。メンタル的には萎縮や気負い、恐れというネガティブなマインドをもたらしてしまう存在だ。実際に、初めの数試合、仙台、甲府、湘南は、恐る恐る、札幌に挑んだ。

 しかし、札幌が勝ちきれない状態が続くと、なんだ恐れる必要ないじゃん。やってやれ、金星奪ってやれ、と、かつてのJ1だったことが、相手のメンタルにプラス作用を起こすようになったのが、岡山、熊本、富山の3試合。
 
 これら3チームとの対戦は、元J1だった札幌にとっては勝って当たり前。負けは絶対に許されないというプレッシャーがメンタルにネガティブに働いた。すべては悪い方に転び、0-4の大敗を演じてしまう。

 こんな時に、指揮官までが動揺し、ネガティブになっていくと、最悪だ。監督交代しか、打つ手はない。

 でも、ここ数試合の監督コメント見ると、決して慌てることなく、石崎さんは事態を冷静に見ているようだ。

 「もう少しできるんじゃないかなと思っていましたが、私の考えが甘かったです」

 という昨日のコメントも、自分を客観的に見つめることができている証だろう。気持ちに余裕がないと、自分の非は認められないものだ。
 
 百戦錬磨の石崎さんが、次にどんな手を打ってくるか。札幌ウォッチャーとしては興味深い。
 


post by hibari

00:07

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結果は最良の薬

2009年04月16日

 今、録画を見終わった。

 スカパー!の解説の人が言うところでは、前節のふがいない同点の次の日、監督が選手全員を集めて、異例の1時間以上にわたるミーティングを開き、なぜこんな状態になっているのか、話し合ったそうだ。

 昨日のエントリーで、私は札幌の問題はメンタルで、「集団鬱の状態」という書き込みをしたが、監督も同じように考えていたと知って、ちょっとうれしかった。

 さて、勝ち負けを度外視して、メンタルゲームとしてみると、完全には回復はしていないものの、随所に回復の兆しが見られたという試合だった。

 一番の変化は、クライトンだった。明らかに球離れが良くなった。たぶん、J2というリーグを一番なめていたのがクライトンだろう。イライラが高じて退場。前節、ドームのどこかでじっと戦況を見つめていたに違いない。そして、その中で自分の奢りを噛みしめていたのだろう。明らかに試合に臨む姿が変わった。逆転弾もクライトンのシュートのこぼれ球だ。

 さて他の選手はというと、意識の上の方では変わろうと努力するものの、意識の下の方が足を引っ張っているような状態だった。相変わらずプレイには迷いがあり、積極性にも欠けていた。だから、サッカーというのは得点や勝利という「結果」が選手を大きく変える。上里へのチャージがPKでなければ、この試合は本当にどうなったかわからない。

 それでも、同点という「結果」によって、チームが活性化し、今期はじめて“相手を崩して”の2点目が生まれた。その後も、再び前節のようなぶざまなまねを避けたいという一心が、無様でもいいから「守りきる」という意識の統一をもたらし、なんとか勝利を挙げることができた。

 どうやら底は打ったらしい。しかし、完全に回復したとも言い切れない。そんな試合だった。


今日から札幌を見る目線を変えます

2009年04月15日

 調子のいいときならば、何でもないことにくよくよしたり、いつもならいの一番に手を挙げることに、怖じ気づいたり、つまらないことに気を使って、大事なことを見逃したり・・・だれにもそんなときはあるだろう。

 どうやら今、札幌はチーム全体が、そんな後ろ向きの気持ちに支配されてしまっているようだ。つまりは“集団鬱”
 
 現在のチームの不振。それは監督の指導力でもなく、選手のポテンシャルでもなく、選手の組み合わせや起用でもなく、ひとえに選手のメンタルが問題なのだと思う。

 すくなくとも選手のポテンシャルはJ2という限定ながら、平均よりも高い。すくなくとも現在の順位に甘んじているチームではない。監督の力は実績が証明している。しかも、札幌に対する愛がある。それなのに・・・

 メンタルスポーツであるサッカーではよくあることで、いちどこの集団鬱にかかってしまうと、強豪と入れるチームでも勝利に見放され、100年に一度の逸材でもボールを怖がってしまう。

 サッカーにおいて、集団鬱からの脱出法は、二つしかない。
一つは、監督交代というショック療法。もう一つは選手自身がこの壁に向き合い、乗り越えてゆく道。

 0-4で負けた熊本戦後の監督の次の言葉。

精神的なショックもあるんじゃないかと思いますが?
「あったら嬉しいんですけど。逆に、あった方が嬉しいと思います。やっぱり悔しさがないと改善できません」

 つまり、監督はまだまだ選手の気持ちは追い詰められていないと言っている。

 一昨年。札幌と同時に昇格した東京Vはフッキを要しながら序盤戦に7連敗した。まさに今の札幌と同じような集団鬱にかかっていたのだろう。そして水戸に大敗して吹っ切れた。石崎監督の言う「精神的なショック」があったのだろう。その後の躍進はご承知の通り。

 さて、今日から、私はコンサドーレ札幌のゲームを見る目線を変えます。それは、ひとつの集団が集団的鬱の状態からどのようにはい上がっていくのか、というメンタルゲームとして、札幌を見ていきます。

 さて次節。札幌はメンタルの脱出口を見出すのか。見出すとしたら、何がきっかけとなるのか。それとも、底と思われる。さらに底があるのか。

 興味は尽きない。
 


重傷

2009年04月12日

 サッカーというのはメンタルスポーツなんだと今更ながら思う。

 そして石崎サッカーでは、このメンタルがほかにもまして重要な要素となっている。
 だから、現況の不調は、メンタルのウェートが大きい石崎サッカーにおいて、まさにメンタルが足を引っ張っていることをおいて他にない。

 実際に、開始早々、昨期までのJ1から勝ち星という大きな目標を持った富山がアグレッシブに仕掛けて、札幌はホームでありながら守勢に回ってしまう。

 石崎サッカーの真骨頂は、積極的なチェイシングによるアグレッシブな守備だが、気持ちで負けてしまうと、プレスがかからない。プレスがかからないと、石崎サッカーにならない。

 前節の惨敗を引きずったチームは、明らかに自信を失い、プレスを仕掛ける積極性も失われたまま、相手の時間が続く。

 こうして前半の半分ぐらいまで相手の時間が続くが、相手の攻撃の稚拙さに助けられ、個の能力で上回る札幌が、少しづつ劣勢を跳ね返す。

 おそらく相手との一対一の対応の中で自信をいくらか取り戻した選手たちは、ようやく石崎サッカーの本領である積極席を取り戻し、前半の中すぎからボールを奪えるようになってきた。

そしてキリノの先取点。彼の能力は決して低くないことを証明した。

 ここからは札幌のゲームとなっていくのだが、ボールを奪えども、追加点が奪えない。札幌がボール奪うばっても、札幌がゴールまでのプロセスをもたついている間に、相手は自陣をしっかりと固めてしまう。というこれまで何度も見られたか形にはまってしまう。

 こうなると選手たちにまた迷いが生じてしまう。

 こうしてじりじりと時間だけが過ぎ、それまで自陣を固める一方だった相手は、残り5分の段階で明らかに点をねらいに前に来た。そして、追加点を奪うのか、それとも0-1で守りきるのかはっきりしない中で、またもやコーナーからロスタイムに同点弾を決められてしまう。

 この瞬間、選手たちは明らかに棒立ちだった。

 不調のどん底にあるチームにあって、最大の課題は個々のメンタルであり、これを救う一番の特効薬は勝利のはずなのに、もっとも引きずる形で、勝ち点2を失ってしまった。

 この不調は、ちょっとやそっとでは抜け出せないかもしれない。
 


post by hm1644

18:43

hibari コメント(1)

重傷

2009年04月06日

 三浦サッカーの残像
 クライトン+ダニルソンのラテンサッカー
 新たな石崎サッカー

 この3つの要素が、互いに足の引っ張り合いをしている。
 さらに加えるらなば、

 主力の若さ

 主力が若いだけに、気持ちを立て直せない。そして結果に見放されて、
 さらに悪い流れに入ってしまう。つまりデススパイラル。
 
 これはけっこうかかりそうだ。

 つまりはメンタルで、実力以上に落ち込んでいるので、
 こう言うときには、サポはメンタルをしっかりと支えてやらないといけない。


post by hibari

00:40

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