流れの中の得点を見たい

2009年04月22日

 前節の大勝は、不振の極にあった札幌の復調を印象づけるものだったが、実は今ひとつ物足りなさがあった。

 それは流れの中の得点。相手を崩しきっての得点だ。

 前節、1点目は岡本の個人技。2点目は相手のミス。3点目はセットプレイで、4点目はカウンター一発。けっして、パスを繋いで相手守備陣形を崩しきっての得点ではない。

 実は、今期、8試合を戦って、流れの中の得点というのは、草津戦の2点目、キリノの得点しかない。あの時は、「西のクロスのこぼれ球を宮澤が拾いクライトンへ、クライトンのシュートはGK常澤(草津)にセーブされるがそのボールをダイレクトでキリノがゴールにたたき込む」(オフィシャル)という得点だが、相手のペナルティエリアを確かに蹂躙した。

 それ以外の得点は、セットプレイだったり、偶然の産物のような個人技だったりした。

 セットプレイや個人技は1もしくは2で生まれる得点だ。

 ところが、流れの中の得点は、ボールがぶれることなく3以上つながっていかないと生まれない。

 今期の不調を見ると、個々の能力は十分にあるのに、連携が悪いのか、消極的なのか、ボール回しが1,2,3とすすんで行くにしたがってブレが大きくなり、フィニッシュまで至らないことが、ゲームを支配しながらも得点にならない状況を生んでしまった。

 札幌が復調したというのならば、すくなくとも3,4までぶれなくボールがつながりフィニッシュで終わりたい。それができるだけの力量のあるチームなのだ。

 ところが前節を見ると、ボールのつながり、相手の崩しという点ではまだ及第点は上げられない。その意味では、むしろ草津戦の2点目の方が、意味は大きかったかもしれない。

 いずれにしろ、次節、ボールのつながり、ブレがどこまで修正されたのか、注意してみてみたい。3,4とボールがつながって得点が生まれるシーンが増えたとき、はじめて札幌は復調したと言えると思う。


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