最良の別れ。

2013年12月04日

故郷っていうのはやっぱり特別なものだよね。
ずっと離れていても、故郷の恋しさは変わらないし、同郷出身というだけで、見ず知らずの人とも簡単に仲間になれちゃう。
故郷への想いにはそんな力がだからこその地元アピールであり、「北海道から世界へ」というスローガンの意味があるわけで。
他県出身者が、地元のチームでプレーしたいと思うのも、当然のこと。


岡本賢明、ロアッソ熊本へ完全移籍。


ヤスはルーテル学院卒業後、2007年からの7年間在籍。
砂さんに次ぐ在籍年数で、生え抜きとしては最古参。
(途中抜けしたカズゥを含めれば2番手かな?)
まだ25歳なのに、若手中心のチームでは中堅~ベテランの域に入るというヤングアダルトなプレーヤー。

通算で公式戦161試合出場、21得点。
数字としては平凡かもしれないけれど、途中出場でも流れを変えられて、得点感覚に優れた選手。
ルーキーイヤーからコンスタントに試合出場はしており、J1昇格もJ2降格も2度経験する等、経験値的にも悪くない。
年齢的に見てもまだまだ伸びしろがあるし、きっかけがあれば大化けするんじゃないかという期待感もある。
だけど、今回、クラブが下した決断は、完全移籍。

もったいない。

僕なら、そう思う。

金の卵を、やすやす完全移籍で手放すのか、と。




だけど、ヤス自身の将来を考えるとどうなんだろう。


「ひざの故障があり、現状で札幌での先発は厳しい。熊本はスタメンで期待しており、本人のためになる」
これは道新の記事。
これ、札幌としてはスーパーサブとしての起用がメインになるってことだよね。
自分より年下の荒野が台頭し、英雄レコンビンは内外の期待を受けて起用機会増加中。
更に来シーズンからは、ユース出身で札幌サポからの人気も健在な謙伍が復帰してくる。
怪我がちのヤスが、この中でスタメンを勝ち取ることができるのか。
それって、決して簡単ではない。
体調が万全ならまだしも、怪我がちでは、連続してプレーで結果を示す機会も限られるしね。
それなら、最初からスタメンでの起用を考えてくれるチームに行って、出場機会を求めるというのは、プレーヤーとしてアリな選択だよね。


札幌としては、来シーズンはルーキー4名に謙伍の加入が決まっているが、計約満了が発表されたのは、曳地と三上のみ。
来シーズンも今期並みの強化費を前提に考えると、若手複数人、あるいはある程度の年棒の選手を手放さざるを得ない状況でもある。
そんな中、ヤスの故郷、熊本からの完全移籍のオファー。
ヤスの今年の契約が単年契約だったのかはわからないけれど、札幌としても手を打てるオファーがあったからこそ、リリースを決められたのかも。

出場機会が減りそうなリアルの中、届いた故郷のクラブからの誘い。
突き詰めて考えると、ある意味、これが一番最良のタイミングでの別れなのかもしれない。





2007年、サテライトリーグの鹿島戦。
背番号23を背負ったルーキーのプレーに心踊らされた。
ルーキーとは思えない落ち着きと、そして、ボールを持った時に醸し出す期待感。
面白い。
彼のプレーは、面白い。
それが、僕が初めて彼を見た時の印象。

そしてそれは、今も変わっていない。

Good Bye、ヤス。
願わくば、熊本のバンディエラとならんことを。


post by nefty

22:02

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