選択肢。

2014年08月25日

今更、栃木戦の振り返り・・・。
「空気読めや」って感じですが、監督交代については頭を整理しておいおい・・・。


んで、栃木戦。

栃木の荒堀のスーパーなゴールで崩されることなく失点するも、お返しとばかりに上原の豪快なゴールでこちらも崩すことなく得点。

4連敗の札幌対6連敗の栃木という連敗ダービーは、1-1のドローで痛み分け。
試合全体を通した内容を見れば勝ち点3を逃したともいえるし、終盤の不安定さを見れば勝ち点1を拾ったとも見えるし、何ともすっきりしない試合となりました・・・。

今日はあれだね。
相手を崩すにはどうすればいいのか、実戦形式の練習をしたってことだね。
そう考えれば、貴重な実戦であれだけ長い間相手を押し込んでいろいろ試せたのは無駄ではなかったはず。
・・・そう思おう。


・・・まぁ冗談はさておき、引いた相手を崩すのが難しいのは全国共通。
これまでカウンタースタイルを強みとしていた札幌が、一朝一夕で崩す能力を身に着けられるはずもなく、こればかりは長い目で見ないとね。
大きなサイドチェンジが見られるようになったこととか、成長の跡は見て取れるし・・・。
まぁ、順位=勝ち点に執着するなら、リスクマネジメントはどうなのよ、とか、いろいろ突っ込みたいところはあるんだけれど、それはまたおいおい。



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閑話休題。

「この男、底が知れん・・・!」
某ゴリキャプテンのこのセリフ、まさしくこの男にぴったりきますな。

上原 慎也。
沖縄大学を卒業後、快足FWとして札幌に入団。
圧倒的な身体能力を見せるもなかなか結果を出せず、村田コーチの助言でサイドバックにチャレンジ。
不慣れな守備にもろさを見せるも、それを補って余りある攻撃力とスタミナを発揮し、攻撃的SBとして昨年、ブレイク。
苦手だった守備も改善しつつあり、今や不動の左SBに定着。

上原の何がすごいって、目に見えて成長していることだよね。

上原の強みは、縦に抜けるスピード。
だから、サイドでの1対1の場面では、ほとんどの場合で縦に大きく蹴りだしてスピード勝負を仕掛ける。
でも、去年の途中あたりからそれもマークされ始め、縦を消されるシーンが増えてきて、縦に抜けないシーンも増えてきた。
それじゃあ、どうするか。

解決策は明快。
中に切り込むという、攻撃パターンを身に着けること。

攻撃に、バリエーションを持たせる。
ワンパターンではなく、選択肢があるからこそディフェンスは迷い、後手に回る。
砂さんのクライフターンが決まるのも、砂さんには相手を抜き切らなくても決定的なクロスを上げられる、という選択肢があるからこそ。
縦に仕掛けても、中に仕掛けても、相手に脅威を感じさせる。
それが一番の解決策。

でも、それは多分、いうほど簡単なことではないと思うんだよね。
上原はスピードには自信があるだろうけれど、ドリブルが上手いかといえば、決してそうは言い切れない。
得意ではない方に進めば、それだけ失敗のリスクは高くなる。
それ、怖くないわけがないよね。
失敗する恐怖と戦いながら、勝負を挑めるか。

それができずに伸び悩む選手もいるわけで。
かつての、我々の若きスピードスターも、この殻を破れてはなかった。


ところが、上原は恐れずに果敢にチャレンジし続けた。

何度も失敗して、あらぬ方向にシュートを打ちまくっても、逃げずに挑戦し続けた。
そして、この試合、その挑戦が、実を結んだ。

これって、すっごくでっかいことだと思う。
これが自信になれば、次からはもっと精度が上がっていくはず。


縦もある。
内もある。
何なら、高さでも勝負できちゃう。


大卒とはいえ、まだ、6年目。
着実に成長している、この男。
それを支えているのは、失敗を恐れずに果敢にチャンジし続ける、そのメンタルの強さなのかもしれないですな。