J2リーグの将来像

2006年02月11日

J2のクラブ数はいくつが理想?
日本サッカー協会はJリーグと共にJリーグ将来構想委員会を作って「J2リーグの将来像」を模索している。

1月には第一回報告が行われ、新聞紙上でも一部が公表された。メディアでは「2010年18クラブ」と結論が先行しているが、まだまだ議論は続く。近く開かれるJ実行委員会でも話し合われることになっている。

この議論は数合わせだけではなく、協会の理念「サッカーを通じて豊かなスポーツ文化を創造し、人々の心身の健全な発達と社会の発展に貢献する」、Jの百年構想「スポーツで、もっと、幸せな国へ」にかかわってくる本質的な問題を抱えている。

今シーズン、愛媛FCが加わって、J2は13クラブになった。さらに全国では都道府県協会の調査で30を超えるクラブがリーグ加盟を具体的に計画している。同協会が把握できていない動きを考えると40から50のクラブがJリーグ入りを目指している。


こうしたクラブを、これまでの基準に照らして、次々と加入を認めるのか、あるいはどうやって、加入に歯止めを掛けるのか。JFL、地域リーグとの関係も整理する必要が出てくる。こうしたことから、過去5回にわたって検討してきた結果が第一回報告となった。

1月のJリーグ実行委員会でも議題に供された。そこでは①J2は将来22クラブ以上になることが理想。まずは2010年18クラブ②クラブを増やしていく過程で、3回戦リーグ方式をとる時期がある③入会基準の明確化、入会時に年間5億円程度の営業収入を。Jリーグ準会員制度の創設とアドバイザー・チームの設置。J2クラブの安定化のため、当分の間、J2とJFLとの入れ替えは導入しない等が報告の骨子だ。

今後、これを下敷きに議論が進められることになる。
世界のトップリーグのクラブ数(日本を除いて’04年5月)は

イングランド・トップリーグ 20、2番目のリーグ 24
スペイン         20        22
イタリア         20        22
フランス         20        20
オランダ         18        19
ドイツ          18        18
日本           18        13 

世界の状況は上記だが、日本がさらに増やしていったら、プレイのレベルが低下しないか、新規加入クラブの経営の安定化ははかれるのか。今でも苦境にあるクラブは多い。地域に偏在化しないか。少子化が進む中で、サッカー人口は増えていくのか。

こういった疑問も出てきている。協会の理念、Jの百年構想を進める上で、将来構想委員会の議論の行方はクラブ経営者、サッカー関係者全てにとって深く考えていかなければならない課題だ。こうした問題をはらみながら13クラブのJ2リーグはまもなく始まる。。