ハチドリのひとしずく

2007年02月05日

 「ハチドリのひとしずく  いま、私にできること」(光文社刊、1,143円プラス税)。最近、とても感動した本です。南米の民話に基づくもので、スローフードの提唱者、辻信一さん(スローイズビューティフルの著者)が監修した本です。

 ハチドリは北、南米に棲む小さな鳥で、強く翼を羽ばたくので英名でハミングバードといいます。ホバリングしたり、後へ飛んだりできる特技の持ち主です。この物語の主人公は、クリキンディと言う名前のハチドリです。

 わずか17行の物語ですが、示唆に富んだ内容が広く感動を呼んでいます。そして坂本龍一さん、C.W.ニコルさんらの小文[私は、私にできることをしている]などで成り立っています。この話をひとりでも多くの人に伝えたいと願うネットワークも出来ています。

以下が物語の内容です。
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森が燃えていました

森の生きものたちは われ先にと逃げていきました

でもクリキンディという名のハチドリだけは いったりきたり

口ばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは火の上に落としていきます

動物たちがそれを見て「そんなことをしていったい何になるんだ」といって笑

います

クリキンディはこう答えました

「私は私にできることをしているだけ」

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 燃えている森は、戦争なんでしょうか、環境、
飢餓、貧困、高齢社会
それとも?

 この本の絵を描いたカナダ先住民マイケルさんの言葉も印象的です。「逃げ出した動物を卑怯もの呼ばわりするのではなく、それぞれの立場を理解してあげよう。人を批判するひまがあったら、出来ることを淡々とやっていこう」。 

いいですね。心の狭い私にはとても強く響きました。







post by kodama

23:20

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