ヴェルディが大変なことになっている。

2009年09月19日

 

 親会社の日本テレビが撤退し、OBを中心に設立される持ち株会社に譲渡されるのだという。J2落ちした今年、日本テレビの撤退は確実視され、ここに変わる親会社探しが行われてきた。来週には正式発表というような報道があったこともあったけれど、その後、まったく話を聞かなかった。そうしたところ、今回のような発表だ。

 しかも、持ち株会社の事業計画に掲げたスポーサー獲得ができなければ、Jからの退会させられるという。普段意識しないことだが、Jリーグに参加するたは、いくら下部リーグで好成績を挙げようとJリーグの会員でなければならない。今、ヴェルディは札幌よりも順位が一つ上だが、このままの成績でシーズンを終えても、リーグが会員資格を認めなければ、リーグから姿を消してしまうのだ。来期もJであり続けるためには、2ヶ月で5億以上、集めなければならないのだ。

 僕らの世代にとってヴェルディという名前は、ほんとうに王者の象徴だった。それがこのわずかな間に、クラブの存続も危ぶまれるまでになっているなんて。

 一方、降格が確実視されているJ1大分の台所事情も苦しい。胸スポンサーにマルハンというパチンコメーカーの広告を入れていたが、これは青少年の健全育成を旨とするJの趣旨に反するとして、一期のみの特例だった。この契約が切れて、大分は新たな契約先を探さなくなり、ようやく見つかったのが、怪しげな健康食品会社。サポーターは、クラブのイメージを落とすものとして、これに抗議。横断幕を掲げたところ、クラブから観戦禁止の通達が出されてしまった。それにとどまらず、この横断幕におこった健康食品会社が、契約撤回を示唆しているという。

 J1であり続ければ、いずれスポンサー問題も好転する、という大分の戦略が崩れ始めようとしている。

 リーマンショック以降の100年に一度の大不況はスポンサーに依拠するJのクラブに大打撃を与えている。このほかにマリノスから日産が撤退する噂なども聞こえている。

 かつて、コンサドーレ札幌サポーターの中で、強力な親会社にサポートしてもらう企業クラブがよいのか、市民に薄く広くサポートしてもらう市民クラブがよいのか、なんども繰り返し議論された。私は、コンサドーレインフォメーションで、「やれやれ」さんと論戦を繰り返したものだ。(いつも攻められてばっかりで、私はゴール前に貼付けになっていました)

 こうした事態を受けて、いまさら「だから企業クラブなんて」と得意顔に語るつもりはない。とどのつまり、市民クラブであろうが、企業クラブであろうが、そのクラブが地域で作り上げたクラブの本来持っている経済価値、社会価値を超えて、経営規模を膨らませるならば、いずれは破綻するということなのだと思う。そこに、市民クラブ、企業クラブの違いはない。


この記事に対するコメント一覧

すが

Re:ヴェルディが大変なことになっている。

2009-09-22 00:25

ごぶさたです。少し遅れたコメントになりますが・・ 「企業クラブなんて」というところですが、得意気に語らなくても、「だから、やっぱり」くらいは言うべきだと思います。やれやれ氏の主張は当時も今も間違っていると思っています。 最後の「違いはない」というのは間違いだと思います。なぜなら、市民クラブは本来の価値を超えて規模を膨らませられないからです。 もう一回、やれやれ氏と議論してみたいですね。 市民クラブ派の「すが」でした。

hibari

Re:ヴェルディが大変なことになっている。

2009-09-24 19:24

すが さん  ありがとうございます。こちらこそ遅レスですみません。 さて、 >なぜなら、市民クラブは本来の価値を超えて規模を膨らませられないからです。 確かにそうなのだが、初期の札幌や現在の大分は市民クラブでありながら、本来の価値以上に膨らませたのが、さまざまな問題の根源だったのではないだろうか。。。な~んて、昔はよく議論したものですよね。 私もすっかりサッカー戦術派になってしまいましたけど、ヴェルディを見るにつけ、サポとしてクラブ経営に目線を注ぐのはやはり大切だなと思いました。フロントに抗議したヴェルディサポは、シーチケの不買運動をしたそうですが、長年クラブの経営について議論してきた我々としては、信じられないですね。 これから、ここでももう少し経営についても考えてみます。 またよろしくお願いします。 ps ガンバボーズ2号さん トラパありがとうございます。

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