2009年08月20日
ハファエルの出番がない。 クライトンが去り、その穴埋を埋める救世主として来日したブラジルのテクニシャンなのに。 なぜなら、うれしいことにクライトンの穴を、18歳の高校生古田が埋めてしまったからだ。抜群のボールキープと自在なドリブル、そして思いっきりの良さ。「末恐ろしい18歳」という声も聞く。 もちろん、コンサポとして諸手を挙げて賛成なのだが、あえて、しかし、と言っておこう。 ユースの先輩、藤田は同じく高校生の時にJデビューし、高卒一年目でレギュラーを取り、2年目には年間7得点取って、J1昇格に大きく貢献した。私は、このとき、この選手がこのまま成長したら、どうなるのだろう、末恐ろしいとはこのことだと期待した。ところが昨年、そして今年も0得点。 同じ、ユースの先輩、石井は高卒1年目で準レギュラーに定着し、2年目には9得点取って大活躍した。私は、このとき、この選手がこのまま成長したら、どうなるのだろう、末恐ろしいとはこのことだと期待した。ところが昨年、そして今年も0得点。 決して古田が二人の先輩のようになると予測しているのではない。 プロに成り立てのルーキーイヤー。失うものは何もなく、勢いだけでフィールドを駆け巡れる。そして回りのプレッシャーも少ない。それが、好成績となって現れる。 しかし、そうした選手でも年数を経ると、求められるものが増え、責任も重くなるのに、相手のマークは厳しくなっていく。こうして、多くの選手がルーキーイヤーの輝きを失ってしまう。どんな名選手でも、一度はくぐるプロの試練だ。「踊り場症候群」とでも名付けておこうか。 コンサドーレ札幌が期待されながらも、今期、中位に甘んじているのも、実はこうした「踊り場症候群」と関係があると思うのだ。 今期、前述の石井、藤田に加え西、岡本、上里が中心選手として期待された。選手としての能力は高く、若いながらすでに多くの経験を積んでいる。これらの若手が、順調に伸びれば、1年でのJ1復帰もそんな難しい目標ではない、と春まで思っていた。 ところがだ。主力とされた若手は、みな同じような年齢、経験。そのため今年、みんな同時に「踊り場症候群」にかかってしまったのではないだろうか。それが現在の順位をもたらしていると。 1年目、2年目の爆発。3年目、4年目の踊り場症候群。ここから、そのままで終わる選手と、復活する選手に別れる。コンサドーレ札幌の若い主力が、そろいもそろって「復活組」になれば、スゴイチームになると思う、と期待せざるを得ない。 と書いたが、中には、3年目、4年目の踊り場症候群を経験せずに、ずっと爆発が続く選手が一握りだけどいる。古田にはぜひそうした選手になってもらいたい。
プロフィール
コンサドーレの試合をはじめて見たのは、招待券で見た1996年伝説の厚別初戦。ペレイラのフリーキックと、オテーロのVゴールを目撃しました。娯楽の少ない北海道で、それは衝撃的な体験でした。そして実際に自分がファンからサポーターになったのは98年に、オフィシャルサポータークラブに入ってから。以来、今日までホーム全試合観戦を目標に、シーズン券を買って、応援を続け、たとえJ2の最下位になろうとも、年間に5回しか勝てなくとも、(実際になりましたが)、チームがある限り、サポであり続けることを誓って、今日まで生きてきました。
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