2008年08月17日
サッカーのダイレクトプレイというのは、ワンタッチでのボールコントロールのことではなく、ゴールにダイレクトに直結するプレイのことだといいます。ボールを持ったら、相手を引き出す、揺さぶる、焦らせる・・・というような回り道を極力排除して、ゴールに一番近づくプレイを選択するのです。となると、三浦札幌のサッカーの特徴は、超ダイレクトサッカーなんだと今更ながらに思いました。 おそくら三浦監督としても、ダイレクトサッカーに磨きをかけることで、J1残留はかろうとしたのだと思います。中断明けに長身のアンデルソンが入ったことと、中山が左サイドに起用されたことによって、前線でのポストが増え、一層、ダイレクトサッカーが明確になりました。 中断開けから、故障や累積警告でなかなかベストメンバーがそろわなかったんですが、今日の京都戦に久しぶりにベストメンバーがそろい、前半は、監督が思い描いたように、平均身長が180センチを大きく超える札幌のダイレクトサッカーが猛威をふるい、相手を圧倒しました。 さて札幌のダイレクトサッカーは、いわゆるカウンターサッカーとは異なるものです。カウンターサッカーは、あえてラインを下げ、相手を引き出してゴールとの間に巨大なスペースを作って、それを攻撃に利用するものですが、札幌のダイレクトサッカーはラインを高くするために、相手の背後にスペースが生まれません。札幌のダヴィの1点目は、きれいなカウンターの形になりましたが、これはたまたまです。 札幌は先制した時点で、ラインを下げてゴール前に選手を並べて、高さで跳ね返し続ける、という正真正銘のどん引きカウンターサッカーも出来たはずですし、結果を求めるならばそうすべきだったと思いますが、監督はやはり美学があるんでしょう、カウンターサッカーを選ばず、ラインを上げるダイレクトサッカーを続けたのでした。 ダイレクトサッカーの欠点の一つは、ラインを高くするために、デフェンスラインの裏を取られやすいということです。後半開始早々、この欠点を突かれて、同点とされてしまいました。今の札幌の問題は、ダイレクトサッカーに特化したため、これ以外の選択肢がないという硬直性でしょう。 さて、ダイレクトサッカーのもう一つの欠点は、攻撃がゴールへの最短経路ということですから、相手に読まれやすい、と言うことがあります。これを回避するために、札幌は、高さという読んでも防ぎきれないファクターに磨きをかけたんでしょうが、クロスの質に難があるために、高さでゴールを確実に陥れるところまでいたっていません。 前半から札幌の高さに圧されていた京都は、同点になったことで、あからさまに引き分けねらい入りました。相手が守りに入られると、札幌の攻撃は単調ですから、攻めあぐねます。 どうしても勝ちたい札幌は時間とともに焦りが高まり、変化を付けようと、高さのあるアンデルソン、中山を下げ、石井、砂川を入れることで、自らダイレクトサッカーを崩していきました。 アンデルソン、ダヴィ、中山の平均身長185センチのポストトリオが崩れたことによって京都は元気づき、終盤は撃ち合いの様相を呈しました。そして、京都の「勝ちたい」という気持ちと、パス、トラップ、ランの基本技術のクオリティが札幌を上回ってしまったのです。 今の札幌のサッカーは、J1J2を通じて他にない独自のサッカーで、それはそれで完成に近づきつつあると思います。しかしながら、これをそのまま伸ばすのか、それとも欠点を補うサブシステムを持たせるのか、という微妙なところの隙を突かれた一戦だったと思います。 いずれにしろ、昨日書いたように最後の結果はどうあれ、今必要なことは、自分たちのサッカーを強く信じることではないでしょうか。
Ryosuke
Re:【第21節京都サンガ戦】超ダイレクトサッカー
2008-08-17 19:50
今日はとくに基本技術の拙さを体感させられました。 カラダもアタマも・・・。メンタルだけでも強ければいいのですが。
○た
Re:【第21節京都サンガ戦】超ダイレクトサッカー
2008-08-17 22:21
こんばんは。(^^) オオドサさん&かもめさんのお母様の見ている前で勝利したかったのですが残念でした。冷静な分析ありがとうございます。m(_ _)m 難しいことは私には分からないのですが(苦笑),我らがチームは迷走しているのではない,少し力が足りないだけで方向性は間違ってはいない,ということですよね。 次節ニッパツにホーム開幕戦のリベンジに行ってきます。
大阪の道産子
まだ信じなくては♪
2008-08-18 18:28
ドーム満喫しました。勝てなかったのは結果であって、試合はそんなに悪くありません でしたね。ただかもめと供に初めてコンサ生観戦の高齢の母が「こんなに多くの方が来て くれていて、札幌にサッカーの倶楽部があるのは良い事だよネェ」と思ってくれたのは 良かったと感じてます。 >最善を尽くして、降格であれば、それはしょうがないじゃないですか。 道内マスコミは本当に最善を尽くしてコンサを報道&サポートしているのでしょうか? 五輪で頑張った選手に対し入賞したのに「メダルには届きませんでした」との記事書く ヤツもいますし。 >今必要なことは、自分たちのサッカーを強く信じることではないでしょうか。 強く信じ応援し、残留を目指しましょう♪そして万一の事があったとしても、今年の広島 を見習いましょう。願わくば来年広島と対戦出来ますように信じてます☆ ※以下の記載は全て架空のものです、実在する団体・個人等とは何の関係もありません。 中山元気「・・・んッ?広島?呼んだッ??」 三浦監督「いやっ呼んだのはシンジだッ」
hibari
Re:【第21節京都サンガ戦】超ダイレクトサッカー
2008-08-18 20:48
みなさま ありがとうございます。 ようやくJ1コンサドーレ札幌の戦い方の骨格ができた と言う段階だと思うんですよ。 07年のJ2コンサは、奇跡的に早く骨格が出来て優勝できましたが、 リーグが上がった今年は、怪我人の続出だとか、外国人助っ人の 期待はずれだとかで、適応するのに時間がかかり、 ようやく昨日の前半に J1コンサドーレの骨格が固まったと見たい。 でも、肉を付けるのはこれからなんで、 後半のように骨と骨の間には空間が大きく空いており、 すきま風が吹くんですが、 これを肉がないと思うか、骨があると思うか だと思います。 今のサッカーは間違っていないと強く信じましょう。
プロフィール
コンサドーレの試合をはじめて見たのは、招待券で見た1996年伝説の厚別初戦。ペレイラのフリーキックと、オテーロのVゴールを目撃しました。娯楽の少ない北海道で、それは衝撃的な体験でした。そして実際に自分がファンからサポーターになったのは98年に、オフィシャルサポータークラブに入ってから。以来、今日までホーム全試合観戦を目標に、シーズン券を買って、応援を続け、たとえJ2の最下位になろうとも、年間に5回しか勝てなくとも、(実際になりましたが)、チームがある限り、サポであり続けることを誓って、今日まで生きてきました。
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