2008年08月14日
これが今日、書こうと思っていたホンチャンです。あえての極論ですが。 日本のサッカーは世界との差を必ず縮めないとならないのか。ということをあえて提起したい。 今日のオランダ戦。良い試合していたと思いますよ。ところが、試合後の監督インタビューにこんな質問が、 >欧州のチームなどとはまだ大きな差があると思う。どうやってその差を埋めるのか?http://sportsnavi.yahoo.co.jp/special/beijing/soccer/japan/text/kaiken/200808130015-spnavi.html どうしてこんな質問を、他でもない監督にするんだろうか。 日本人と欧米人のフィジカルの格差が元々あるところに、欧米には日本とは比較にならないど、サッカーについての歴史と文化の広がり、積み重ねがありますよね。その中で動くマネーやマンパワーも日本とは桁違いだし、日々行われている競争も桁違い。こうした圧倒的なサッカー文化の蓄積の中で、日本が進歩する以上に、欧米はもっと進歩する。 日本がオランダなどのトップカントリーに追いつくには、まずアジア全域のレベルがヨーロッパ水準になり、常に国際間で、激しい競争が行われること。そして国内では、サッカーがダントツの人気スポーツとして君臨し、運動神経のすぐれた子どものほとんどが無条件にサッカーを目指すこと。 スポーツジャーナリズムは、お祭り騒ぎやムードに流されずに、サッカーの本質を正しく伝え、観客の観戦眼のレベルは高く、良いプレイ悪いプレイに的確な反応を示すこと。芝のグランドが普通にあるような、どんな小さなまちにもクラブチームがあるような、サッカー的な文化がひろく社会に浸透していること。すくなくとも北京五輪では、日本とは関わりなくとも、ブラジル、アルゼンチンの試合が、一般放送で放映されていること。 イタリヤでは、ワールドカップ期間中は重要な会議をしないことを国会が議決したけど、イタリア、ブラジル、スペインといったトップカントリーは、国全体の中に占めるサッカーの地位が極めて高い。このような社会的な諸条件、社会的な認知が整って、始めてトップカントリーを目指せるんだと思う。 では、日本がそんな状態かというと、まったくそうではないでしょ。サッカーについていば、日本はニワカでしょ。少しのことをやったぐらいで、簡単にトップカントリーに追いつけるほど、サッカーは浅くないと思う。 もちろん、チーム力の向上、国のレベルアップを目指すことは当然のこと。出た大会で少しでも上の順位を目指すのは当たり前の話。 それでも日本のサッカーは、スコットランドとか、オーストリーとか、おそらくヨーロッパの中小国レベルにはあるから、それで十分なんじゃないのかな。たまにアトランタのような、番狂わせを起こせば、十分。すべてのスポーツが世界レベルを目指す必要もないし、レベルに達していないから価値がないと言うことでもないと思う。こういう考えってダメなのかな。 おそらくサッカー文化の根付いたスコットランドや、オーストリーでは監督のさじ加減でトップカントリーに追いつけるほど、サッカーは底の浅いスポーツではないことを知り尽くしているので、記者が監督に「欧州のトップレベルのチームとの差を、どのように埋めるのか」という馬鹿な質問はしないと思う。 もっとも問題は「世界とは何か」ということなんだけど。世界のトップスリーの常連になっていなければ「世界と差がある」という認識は改めるべきだと思う。世界の30番目でも、40番目でも、ノーマルにサッカーが楽しまれていれば、そこに「世界との差はない」と思う。 ところで、私が「日本のサッカーは世界に追いつかないといけないのか」という命題にこだわるのは、これが秋春制への移行に、どうも結びついているようだから。 サッカー協会のお偉方が、何が何でもトップカントリーに追いつかないとならないと強い強迫観念を持っているならば、秋春制への移行は避けて通れないものなのかもしれないけど、シーズンだけを動かしたからと言って、日本がキャッチアップできるほどサッカーは浅いものではない、と思う。 むしろ、はっきりとトップカントリーへのキャッチアップをあきらめて、独自の道を進んだ方が、逆に近道になるように思うんだけど、どうだろう。
プロフィール
コンサドーレの試合をはじめて見たのは、招待券で見た1996年伝説の厚別初戦。ペレイラのフリーキックと、オテーロのVゴールを目撃しました。娯楽の少ない北海道で、それは衝撃的な体験でした。そして実際に自分がファンからサポーターになったのは98年に、オフィシャルサポータークラブに入ってから。以来、今日までホーム全試合観戦を目標に、シーズン券を買って、応援を続け、たとえJ2の最下位になろうとも、年間に5回しか勝てなくとも、(実際になりましたが)、チームがある限り、サポであり続けることを誓って、今日まで生きてきました。
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