2008年02月17日
昨日のエントリーで、プロ野球の運営コンセプトという話をしました。これについて補足しておきます。 プロ野球とJリーグの運営コンセプトで顕著な違いは、プロ野球には「結果の均等分配システム」(と私が名付けた)というべきものがあることです。それは下記に特徴づけられます。 ・資金力の乏しい企業の参入排除(新規参入権利金60億とオーナー会議の承認) ・地域に対する排他的営業権(フランチャイズ制) ・ドラフトによる新人選手の均等分配 ・FAを取得するまでの間、選手の独占的所有 これらの措置によって、戦力格差が広がるのを防ぎ、結果的にどのチームでも最低4割以上の確率で勝利と言う「結果」を享受できるように調整されています。さらに、近年ではプレイオフの導入によって、優勝争いという「話題性」も、中位、下位のチームにも開放されました。 ところが、Jリーグには、このような「結果の均等配分システム」はありません。選手の獲得も、移籍もまったくの自由競争で、年々戦力が格差が広がっています。手本としているヨーロッパでは、どの国のリーグでも優勝は上位の数チームに限られています。これは自由競争の果てに戦力格差が固定化された状態にあると言えます。 工藤さんのいう「チーム数が多すぎることでチーム間の格差が広がり、首位の勝率が0.7を超え、最下位の勝率が0.3というのでは、プロスポーツの興業として失格だ」というのは、ファンがチケット代支払った金額に見合う価値提供として、最低でも2試合に1試合程度は「勝利」と言う楽しみを構造的に提供できなければ、興業とは呼べないということでしょう。 反対に、プロ野球の運営コンセプトの欠点は、参入チームを増やすことができない点にあります。チームが増えれば増えれるほど、結果や話題の均等配分は難しくなり、戦力格差はどうしても広がってしまいます。そのためにプロ野球では、参入条件を高くし、参加チーム数を最低限に抑えることで「結果」が分散するのを防いでいます。 こうしてJリーグでは、全国すべてのチームに、チャンピオンズリーグ優勝チームと世界一を賭けて戦える可能性が残されている反面、プロ野球では四国や九州の独立リーグのチームがいくら優勝しようと、セ・パのリーグに入ることはできません。 私的にいうと、プロ野球の結果の均衡配分システムはうらやましいです。 これがJでも機能していれば、サポが減資の問題や、累積赤字の問題に頭を悩ます必要はなかったでしょう。しかし、本当にJがプロ野球と同じ結果の均等配分システムを採用したならば、コンサドーレ札幌は、Jリーグで戦うことはなかったでしょう。そもそもコンサドーレ札幌と言うクラブは誕生すらしなかったでしょう。 プロ野球の方は「プロは結果がすべてだ」とよくおっしゃいます。しかし、結果がすべてである反面、その担保システムとして「結果の均等配分」が行われていることはあまり触れられません。Jリーグには結果の均衡配分システムがないのに、プロ野球と同じく「結果がすべて」を求めると、コンサドーレ札幌のようなことになってしまいます。 (すみません、脱線しました。次回こそは・・・・)
大阪の道産子
コンサへの道は遥か?
2008-02-17 23:05
以前イチローがMLBに移籍が決まった2000年の暮に関西ローカルで米国の野球 システム(利益分配や中継権料の配分、また年棒の高騰やFAやスト権等)を番組内で 解説するビデオを編集しましたが、その中で興味深かったのは、神戸在住の年配の米国人が 「現在のチーム数30は多すぎで16チーム時代が懐かしい」とのコメントでした。 16チーム時代でも「テキサスリーガーズヒット」などと田舎チームを揶揄する文言が ありましたが、チーム数が増えてレベルが下がったと嘆いておられました。(暗に東洋人なんか を輸入する必要が生じたとの当時の空気でしたが・・) 米国のプロのスポーツ利益の再配分システムは映像メディアとの連携もありますが、五輪等の 醜い中継権争いには壁壁しますが・・・あっ日本でも世界陸上がコッパズカシイ(・_・?) まあ楽天が仙台での一年目は勝率が三割台でイチローの打率と最終的にどちらが上か?なんて 言う話題が出ましたが、ベガルタの観客動員数がプロ野球が来たのに落ち込まなかった事に対して 宮城県人を評価しています。 ※以下の記載は全て架空のものです、実在する団体・個人等とは何の関係もありません。 藤田誠也「ヒバリさんってまだコンサドーレへの道でコンサの事に触れないんだナァ」 西 大伍「オオドサがじらせっ!言ったからじゃないの?」 三浦監督「♪~もォーじらさないでェがまんできナァ~いィ」 村野明子「あらっ監督さんもシマフク寮でご飯ですか?ここはみんなでご飯をシェアしてます ので再配分が難しいので読○みたいにオカズを取り過ぎないでネ」
hibari
Re:コンサドーレへの道・第11回『Jバブルの崩壊(4)ー『結果の均等配分』
2008-02-17 23:37
オオドサ様 マイド様 A、楽屋内をさらすと、コンサのことを書こうと、ネタ本である北海道新聞の『赤と黒の奇跡』を探していました。 ところが、なかなか見つからずに、変わりに出てきたのが工藤さんの「Jリーグ崩壊」。 それでとりあえずJリーグ崩壊」でつないでおこうと。 どこに行ったんだっけな。赤と黒の奇跡・・・
EBT
Re:コンサドーレへの道・第11回『Jバブルの崩壊(4)ー『結果の均等配分』
2008-02-20 21:27
「赤と黒の奇跡」は道立図書館の2F奥の閉架式書庫に置いてあったと思います。この本は道内の多くの図書館に置いてあるのは当然として内地の図書館にも結構、置いてあって去年の今頃に行った東京の杉並区立図書館に置いてありましたし、驚いた事に5年前に行った三重の桑名市立図書館にも置いてありました。 ちなみに私は2001年の発売当時は愛知県に住んでいたので道新の通販で買いましたが何故か発売日(札幌ドーム初戦の7/21)の前日に届きました(w ひばりさんの指摘される日本プロ野球の「結果の均等分配システム」の内、新規参入権利金60億は1988年にダイエーが南海からホークスをオリックスが阪急からブレーブスを買収した時は30億でした。その後なにかと当時の社長に黒い噂のあった飛脚のマークの某運送会社のプロ野球参入を阻む為、60億に増加しましたが2004年末のオリックスの近鉄吸収合併による球団数の減少を防止する新球団の加入障壁を減ずる為、元の30億に戻っていますが、いずれにせよ大企業でなければ参入できないし道内資本には手が出ないのでコンサのような形ではプロ野球は誕生しなかったでしょうが、それだけ体力あれば今のHFCのような惨状にもなっていないでしょう。 考えてみればプロ野球の場合は阪急からブレーブスを買収したオリックスや日拓ホームからフライヤーズを買収した日本ハムのように、その後その業界のトップ企業に上り詰めた例ありますがJリーグは、そのような例ない辺り双方の世間的な価値あらわれているような気がします。
hibari
Re:コンサドーレへの道・第11回『Jバブルの崩壊(4)ー『結果の均等配分』
2008-02-21 00:24
EBTさん 情報ありがとうございます。たしかに道立図書館なら確実にありますよね。それ以上に古本屋でよく見かけます。それ以上に、うちの本棚に絶対にあるはずなんです。ただ、無駄に本が多いので探せないだけなんですね。 あとプロ野球の新規参入権利金は30億に下がったんですか。失礼しました。 以前ですが、コンサドーレの累積赤字30億を、プロ野球の参入権利金と同じもの。先に払うか、後に払うかの違い、と言っていた人がいました。残念ながら、まったく別なことで逮捕されてしまいましたが・・・。
プロフィール
コンサドーレの試合をはじめて見たのは、招待券で見た1996年伝説の厚別初戦。ペレイラのフリーキックと、オテーロのVゴールを目撃しました。娯楽の少ない北海道で、それは衝撃的な体験でした。そして実際に自分がファンからサポーターになったのは98年に、オフィシャルサポータークラブに入ってから。以来、今日までホーム全試合観戦を目標に、シーズン券を買って、応援を続け、たとえJ2の最下位になろうとも、年間に5回しか勝てなくとも、(実際になりましたが)、チームがある限り、サポであり続けることを誓って、今日まで生きてきました。
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