東洋の怪談

2008年01月12日

 2008年に向けて、サッカー界も徐々にお休みモードから覚めようとしているところで、札幌にもデビ純の入団が発表されるなど、来期への陣容が揃い始めてきました。

 そんななかで、札幌とは全く関係のない話ですが、すごい気になるニュースがあったんですね。

 ACミランやリベリア代表などで活躍したリベリアの怪人・ジョージ・ウエアがバリエンテ郡山」の総監督に就任するというニュースです。ウェアは、95年にアフリカ人として初めてバロンドールに輝いた名選手で、海外サッカーオタクだった私は、ウェアをマラドーナ以来のサッカーヒーローの出現と見て、大変に興奮したものです。

 そのウェアが、こともあろうに日本の、札幌がいるカテゴリー(つまりJ1です)の下(J2)の下(JFL)の下(地域リーグ)の下(県リーグ1部)の下(県リーグ2部)の下の県リーグ3部のバリエンテ郡山の総監督に就任したというんですね。ビックリしました。

 ブラジルのスポーツ大臣までやった“白いペレ”ジーコが、サッカー界のアウトサイダー日本のアマチュアリーグの、しかも2部にいた住友金属の選手になった、という事件以来の、怪事件だと思います。

 バリエンテ郡山のある福島県といえば、我がコンサドーレ札幌が96年にスタートしたときに最初の対戦相手となった福島FCのあった県で、福島FCはプロ化のめどが立たないとして98年に解散になっていますから、なおのこと、驚きました。

 バリエンテ郡山というのは08年1月6日に誕生したばかりのクラブで、代表はバイク買取・販売などを営むMCMコーポレーションの立川光昭さんといいます。この立川さんという人は、まだ31歳の若さで、01年にMCMコーポレーションを創業すると、瞬く間に会社を成長させ、今ではIT分野にも進出して、上海にも支社を持つような会社になったようです。

 こうした経歴を見ると、立川さんは、ジョージ・ウェアの招聘など、かなり深遠な事業戦略をもってサッカー界に進出したようです。しかし、立川さんは山梨の出身で、会社は東京。福島県との接点は見いだせません。立川さんが福島県にこだわってJ参入を目指すならば、福島FCの残党が作ったFCプリメーロを買収するなど、もっと手っ取り早い方法があったはず。
 
 年末に、Jクラブの買収・売却について、いろいろと意見を交わした経緯があるだけに、このニュースに強く興味を抱きました。一体、立川さんは、ジョージ・ウェアを日本に呼び寄せてまでして、何をしようとしているのでしょうか。
 


post by hibari

00:49

日々雑感 コメント(2)

この記事に対するコメント一覧

EBT

Re:東洋の怪談

2008-01-13 17:43

最初このニュースを見た時ここhttp://www.valiente-toyama.com/かと思いましたが違いますね紛らわしい(w ジーコの場合は日本とは言え一応それなりの組織の一員である住友金属に選手として来ていますから、さすがに今回のような胡散臭い存在と一緒にするのは気の毒な気がします。まぁジョージ・ウェアが本当に日本に来るかは見物ですが果たして福島県民で彼の事どれだけの人が知っているでしょうか。 >福島FCの残党が作ったFCプリメーロ FCプリメーロは福島FCが解散する以前にアマチュア選手が離脱してアマチュアとして活動する道を歩んだチームですのでバリエンテ郡山がJリーグ入りを目指すなら、その受け皿には成り得ないでしょう。 http://fukushimaprimeiro.com/profile.html

hibari

Re:東洋の怪談

2008-01-13 21:22

EBTさん ありがとうございます。 前の論争の時は書かなかったんですが、HFCをどこかの金のあるところに売却できれば必ずハッピーになれるわけでない、という理由に、買い手によっては今よりもさらに混迷を深めることだってあるということなんですね。 で、コンサドーレが再出発を誓って減資とともに身売りを決め込んだら、現実的に買い手となったのは、バリエンテ郡山の社長となったMCMコーポレーションの立川さんだったかもしれないんです。そして守備的で退屈だからという理由で三浦監督を解任し、ジョージ・ウェアを総監督に持ってきて、チームをぐちゃぐちゃにしてしまことだってあったかもしれません。 前にも書いたように、サッカークラブを買おうと考えるのは、過半数の株を持ったいわゆるワンマンオーナー社長ぐらい。そうした社長はえてして自己中心的で、自分の成功体験から自分の考えはいつも正しいと、平気で現場介入なんかしてくると思うんですよ。おしなべてビックネームに弱く、派手好み。 かつての石水さんがやはりそうだったし、楽天の三木谷さんも30億もの超過債務を個人で返済するという大変に高い授業料を払ったようです。横浜FCのオーナーとなったレオックジャパンの小野寺社長も、そうした傾向があるよう思います。 HFCの経営体質を抜本的に改革するために営業譲渡という考え方自体に全く反対するものではないんですが、その先にあるものは必ずしもバラ色だけではないということですよね。 ps たしかにジーコと、プリメーロの記述は、いくぶん配慮が欠けていましたね。

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