2008年05月06日
自分の頭を冷やすために、多少の時間が必要だった、ので、帰宅してからしばらく寝た。それからメシ食ったら、ちょっと、気持ち悪いかも。 今日の試合について、なんではじめからクライトンを中盤に置かないのか、とか、デビ純と芳賀を並べても始まらんだろう、とか、また負けてるのに交代枠をディフェンダーで使うのかよ、というよりなんでセンター平岡なのよ、とか、そんな話はネット時間的にはもう消費され尽しているだろうから、別のお話をしてみましょうか。 2002年Jリーグディビジョン1ファーストステージ第11節、FC東京-コンサドーレ札幌@国立(観客20,326人)。キックオフは7月28日(日)19時04分、得点は11分ケリー(東京)、21分石川直宏(東京)、33分戸田光洋(東京)、54分バーヤック(札幌)、で、結果は3-1で東京の勝利。 この年は、ご承知の通り、本日の相手チームの監督が新人監督として札幌を率いたものの、まったくうまくいかず、リーグ戦7節を消化したワールドカップ中断期間中に新人監督は解任。イバンチェビッチ監督+バーヤック+ジャディウソンの新体制で迎えた中断明け後の初戦(第8節ヴィッセル神戸戦@神戸ユニバ)は、押し気味で試合を進めたが、チャンスを決めきれず、75分に失点して0-1で惜敗。その次の第9節浦和レッズ戦@国立は、延長Vゴール負け。さらに第10節横浜F・マリノス戦(札幌ドーム)は、前節まで無敗だったマリノス相手に2点を先制、相手チームが退場者を出すという状況だったにもかかわらず、残り時間わずかで同点に追いつかれ、最後は延長Vゴール負け。 そして第11節の東京戦。ようやくこのシーズンのチームの形が見えてきたというのに、イバンチェビッチは、自ら形を崩してしまった。登録上はそれまでと同じ3-5-2だったが、この試合に限っては、東京対策として、守備時には4バックとする戦い方を選択した。その結果が、前半のあっという間の3失点(当日は神宮外苑で花火大会が開催されていて、東京のゴールとともに花火が上がっていた)。ハーフタイムを挟んで、いつもの3-5-2に戻したら、後半は別のチームかと思うぐらいに札幌が一方的に攻める展開になったが、さすがに3点のビハインドは重すぎて、1点を返したにとどまった。 確かに、イバンチェビッチ就任後、この試合の前までの3試合は、いずれも「負け」ではあった。でも、それ以前のことを考えれば、チームは、明らかにいい方向に進みつつあった。何をしていいのかわからないようにすら見えた前監督の頃とは違い、選手も何をすればよいのかがはっきりして、生き生きとしてきていた。だから、もう少し我慢していれば、長いシーズンの中での流れが変わってくるのではないか、と、一介のサポーターである僕は思っていた。 しかし、前監督のチームを知らないイバンチェビッチには、自分が就任してからの3試合の負けだけがすべてだったのだろう。せっかくたぐり寄せつつあったいい流れを、自分から動くことで手放してしまった…イバンチェビッチが悪いのでもなければ、もちろん選手が悪いのでもなく、ただただ、残念だと思った。土曜-水曜-日曜と8日間で3試合が行われた過密日程の中で、イバンチェビッチの勝負師としての勘(そんなものを持っていたならば、ではあるが)が、どこかずれてしまったのだろうな、と。 で、結局、監督どうなのよ?という現状になるのではあるが、このところの三浦監督の選手起用がわからなくなっているのは、過密日程+故障者続出+勝てなくなっていることで、監督のみならず、選手も、サポーターも、どこかにちょっとしたズレが生まれてしまっているからではないかと、サッカーの戦術や戦略から離れた部分に答えを求めたくなっている-というのが、ちょっと寝て少し頭を冷やした今の時点での感想。 そうした中で結果を出せないのは監督の能力の問題だ、といえば、それまでのことなんだけど、そんなことを言ったところで代わりの人なんか見つからないんだし(<というわけで、現監督にはものすごく後ろ向きな理由しか見つけられないのだが)、現監督の意固地なところはそう簡単には変わらないどころか、周囲が騒ぐほどに意固地になっていくだろうから、まあ、結局、サポーターとしては、応援するしかないっすよね、と思うわけです。 ここからは、チームではなく、ファン・サポーターの話。 試合が終わった直後に、ああでもないこうでもないと言うのは、かまわんのだ。ただ、試合が始まったら、終わるまでの間は、試合を投げちゃいかんですよ。そりゃ、途中で「もうダメだ」と投げ出して評論家になったほうが、試合終了後の落ち込みや怒りは、少なくて済む。前半だけで3点取られて、しかもこちらは攻め手がまったく見えない状況で「まだ行ける、頑張れ」と言ってるのは、傍から見れば、バカでしょう。それでやっぱりそのまま負けたら、まだ勝てると思っていた自分に対し、自己嫌悪になるかもしれない。それでもいいじゃない、いまさらカッコつけてどうすんの!と思っちゃって、今日みたいな試合展開になっちゃうと、周囲の観客と(心の中で)戦っちゃってるのですよ、わたしは。 ボールがタッチラインを割ってもいない(割ったと判定されていない)うちから「あー」とため息ついたり、ちょっとしたパスミスに「えー」とか言ったりしてるから、ピッチ上の選手が、タッチラインの手前で止まるかもしれないボールを追いかけるのを途中でやめちゃったりする、というのは、かなりの暴論ではあるが、勝っているときはサポーター目線なのに、今日のような展開になると、観戦している自分が傷つかないように評論家目線になってしまうのは、やめましょうよ。 グッチーさんが言ってるじゃないっすか。「選手と一緒に戦う」って。「一緒に戦う」っていうのは、「選手を観察する、批評する」ではないのですよ。そんなの思い上がりだといわれようがなんだろうが、少なくとも試合が行なわれている間は、ぼくらが試合の展開を読む必要はないでしょう、と、なんだか一人称も文体もぐだぐだになってきましたけど、そう思うのです。 「カズさん、なんで負けても遊びにいけるんですか」 「次の試合がある。だから切り替えるんだよ。次が始まるんだから。後ろを振り返ってもしょうがねえだろ」 (望月重良『もう一回蹴りたかった』ぴあ刊、70ページより引用)
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