2008年04月29日
5万人近くの観客がいて、その大半が相手チームを熱心に応援している(レプユニ着用率の高いこと!)というのは、頭ではわかっていたつもりでも、すさまじい空気だった。スタジアムへ向かう電車の中で、徐々に赤いユニホームを着た人の姿が増えてきて、最後には赤い人だらけになった光景に、思わず笑みが漏れてしまったほどだった。 なぜかニヤニヤしちゃったのは、これでコンサが勝ったら気持ちいいだろうなと思ったから。逆にいうと、そのぐらい、アウェー度が高くて…考えてみれば、自分の経験上、これほどの人数が相手チームのサポーター、ってのは、ワールドカップ予選の韓国-日本戦をソウルに見に行ったときぐらいしか思い出せない。 だけれども、バックスタンドのアッパーアウェー寄りコーナー付近に行ったら、浦和ユニの人たちに混じって「白い恋人」や「ニトリ」を身につけた人がちらほらいて、一触即発、なんて雰囲気でもなく、まあ、同じ赤だからさほど目立たないということはあるにせよ、思っていたよりかなり平和的な空気が漂っている。 でもでも、試合開始30分前、高木と優也がピッチに登場したら、ホーム側ゴール裏を中心に、スタジアム全体から大ブーイング。あ、ちゃんと相手として認めてもらえているんだと思ったら、なんだか嬉しかった(笑)。メンバー紹介でもいちいちブーイングがあって、とりわけ西谷の名前が呼ばれたときは、すさまじい音量の「BOOOOOOOOO!!!!!!!!」。そっか、西谷、直前は浦和の人だったんですね。西京極での札幌デビュー戦~0-4で惨敗~を思い出して、あの翌日が札幌ドームのサブグラウンドでの大宮一人サポーターのサテライトじゃなかったっけ?… 試合の話。 前半は、非常に高い集中力を保ち、浦和にボールを持たせることができた。たとえば2-2に追いつかれた直後の30分、梅崎がハンドをとられて時間が止まったかと思いきや、コンサはいち早くボールを動かし、ボールを持っていない選手もすでに走り出していた。ボールポゼッションで劣ることを前提に、マイボールになったときには後ろに戻すことなく、手数をかけずにとにかく相手のゴールラインだけを目指した。 それでも、あまりに早い時間にリードしてしまったから、一緒に見ていた友人たちとの間で「なっげーなぁ」「長いですねえ」等々、何度も、誰ともなく口にした。試合終了間際ならまだしも、前半のうちからあれほど時間の経つのが遅く感じられたことは、初めての経験だった。 ところが、後半は、何やってんだよ、シュート打てよとぶつぶつ言っているうちに、どんどん時間が進んでしまった。開始早々にエジミウソンが梅崎とのワンツーから見事なゴールを決めた後も、浦和の守備の戻りは遅かった。だから、自陣深くでコンサがボールを奪えれば、カウンターは仕掛けやすかった。それなのに、丁寧にやりすぎているのか、怖がっているのか、シュートを打たない! 64分に西谷がベンチに下がってからは、いよいよもって前へ向かう選手がいなくなってしまった。あそこで西谷を下げたのは、スタミナの問題だったのか。上から見ていると、あのときに交代させたかったのは、西谷よりも砂川だった。砂川は、ボールを奪われた後の戻りが極端に遅くなっていた(リードされていたからあえて戻らなくなっていた可能性もあるが)。 終盤は、ボールを奪っても、サイドに開くだけで中に入ってこない、遠めからのシュートすらない、そしてそれぞれの選手に自分でやってやろうとの気持ちが見られず、ボールを持ったらまずクライトンを探してクライトンに預ける、といった感じになってしまっていた。そのうえクライトンはまったくシュートを打とうとはしないし。 そして惜しまれるのは浦和の4点目。西が粘ってファウルをもらい(今日の西の頑張りは素晴らしかった…一度の決定機を逃したことを除けば…)、フリーキックから相手ゴール前にボールが入るも浦和がクリア、それを追いかけたのが高原一人に対し芳賀と坪内が二人で対応していたのだから、坪内(だと思うが)は、なぜあのボールを高木に戻さなかったのか。確かに、今日の高木は不安定ではあったが…。 あの4点目で、試合が決まってしまった。残りわずかでダメ押しを決められるのが浦和の強さ、といえばそれまでだが、もったいなかった。 ただ、試合を通じていえば、やっぱり、後半の途中からシュートを打たなくなってしまったことが、なんとも、消化不良だ。やるだけやってやりきって負けたのなら「よくやった」と言えるが、どうにも中途半端に悔しい。 最後に、浦和レッズ・オフィシャル・マッチデー・プログラム324号から引用: かつてのライバルが、5年間の苦闘を乗り越えて、J1の舞台に戻ってきた。心から歓迎しよう。全力を尽くして倒すことで。 歓迎してもらったのは嬉しいのだが、やっぱり、悔しい。 個人的観戦通算成績(トップチーム公式戦)293試合111勝61分121敗
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