2008年03月02日
ロスタイム表示2分に対し、手元のストップウォッチは47分10秒を過ぎていた。札幌は、左コーナー付近で、岡本と西嶋に石井も絡んで、狭い範囲内で短いパスをつないでボールをキープし、相手の網に穴が空いたところを一気にドリブルで突破しようとしていたのだが、とにかく時間がない。 もうそんなことしてないで、早くゴール前にボール入れろよ!と思っていたら、どこからともなく現れた芳賀が「おまえらもういいからオレによこせ」みたいな感じで少し引いたところでボールを受けると、唐突に(それまでに流れていた時間をぶった切るかのように)ゴール前へ放り込み、その先にフリーで立っていた中山がジャンプ、きれいにヘディングシュートを決めた。中山があまりにどフリーだったから、一瞬、オフサイドなんじゃないかと思ったのだが、あれは、それぐらいに熊本の選手たちの足が止まっていたということなのだろう。 白いユニホームの札幌の選手たちが喜ぶ中、主審のホイッスルが吹かれ、試合終了。 そのすぐ後↓ まったく、相変わらずのセレモニークラッシャーぶりである(笑)。 試合全体を通じてみると、札幌が主導権を握れたのは、前半28分の芳賀のスライディングタックルからの15分間ほどだけだった。後半17分にダヴィがベンチに下がってからは、攻撃にまったく迫力がなくなってしまった。昨日の練習と見比べると、ああなるほどねと思えて納得する部分もあるのだが(ここはあえて詳しくは書きませんのであしからず)、開幕直前の試合としては、ちょっと寂しい。 もっとも、攻撃がどうこう以前に、このチームは守備にベースがあるのだから、守備が安定しなければ、効果的な攻撃は難しい。前半の札幌は、自陣ゴール前に放り込まれる相手のクロスをことごとく競り負けていた(曽田いないとつらいなあ)。ナニワのゴン(旧称?)に勝てなければ、田代との勝負なんて、話にならない。 前半の4バックは、左から西嶋、坪内、吉弘、平岡と、西嶋を除く3人が新加入選手。先発11人の中でみても、今年からの新加入選手は、この3人だけだ。そして、彼らは、まだ迷っているようにみえる。 前半、中山が落としたボールが右のスペースでルーズになり、平岡が前へ出て拾おうとしたのだが(上から見ている限りでは両チームの選手の中でもっとも近い位置にいたのは平岡だった)、平岡は、2、3歩前に出てから歩みを止めてしまい、ボールはそのままタッチラインを割ってしまった。 熊本の両サイド(とくに札幌から見て右=車と有村のサイド)からのアーリークロスは、何度も札幌の最終ラインの裏に入ってきた。ラインを高く上げようとしているのはわかるのだが、中途半端なので、キーパーとの間にクロスを通されてしまう。後半の途中、負傷者が出たか何かで試合が中断したとき、優也が芳賀と坪内を呼んで話し合っていたが、あれは、早いうちに解決しておかないとまずい。 2列目と3列目の間のスペースを相手にうまく使われると厳しいのは、去年から変わっていない。横から入ってくるボールに対し、熊本のFWが下がってボールを受ける、あるいは、2列目からこのスペースに飛び出してくると、まったくつかまえられない。昨年の第3クールの水戸戦@笠松の失点シーンや、第4クールの東京V戦@味スタでのセットプレーでの失点シーンを思い浮かべてもらえれば、想像がつくのではないかと思う。 セットプレーといえば、熊本のコーナーキックやフリーキックを、ゴール前できれいに合わされるのは、勘弁してほしい。これまた去年からの課題と同様で、ゾーンで守っているゆえの弱点とはいえ、後ろから飛び出してくる選手の頭に合わせられると、誰も競れない。 前半の途中で相手と接触した吉弘がハーフタイムでベンチに下がり、池内が出てきたら守備が安定した、って、そりゃないだろって思うわけですよ。でも、現実は、そうだったんだなあ。 曽田、早く戻ってきてくれ。 ただ、最後まで気持ちを切らさずに戦えたことは、素直に称えたい。熊本の選手たちが(かなり交代していたのに)足が止まっていた中、おそらく試合を通じて最長距離を走ったであろう中山が最後にゴールを決めたのは、エライ。やっぱり先発2トップは中山とダヴィかなあ。でも、中山は、ゴール前で足元に受けたボールを、何度も失ってるんだけどね(苦笑)。
孔明
Re:PSM熊本戦-現地観戦記
2008-03-02 21:31
詳細な現地観戦記ありがとうございます。お疲れさまでした。なるほど今のチームはそんな状態なんですね。本来ならばフルメンバーで試合をしなければいけない位置づけの試合なんでしょうけど。怪我もあるんでしょうけど未だにテストをしているような状況では非常に不安がありますね。
issey
Re:PSM熊本戦-現地観戦記
2008-03-03 22:35
孔明さん 楽観は禁物ですが、前日の戦術練習と対比すると、新加入の3人以外は、チームがやろうとしていることはできていたように感じています(具体的には書けないこと、ご理解ください)。とはいえ、戦術消化で頭の中がいっぱいなままプレーしている新加入選手が最終ラインに並ぶのは、とても怖いです。 少し明るいことを加えると、短い時間ながらひさしぶりにちゃんと見た上里が、一皮むけた印象で、よかったです。もうちょっと長い時間見たかったと思うほどでした。
プロフィール
最新のエントリー
リンク集
月別アーカイブ
コメント
検索