『スポーツマンシップを考える』

2005年11月15日

児玉芳明社長が、昨日のブログ(コンサドーレが何倍も楽しめる社長日記)で、広瀬一郎氏の『スポーツマンシップを考える』(小学館、ISBN4-09-387572-3)の一節を引用していたと思ったら、今朝の日本経済新聞スポーツ面のコラム「スポートピア」の担当がまさにその広瀬氏。阪神タイガースの株式公開をあくまでスポーツの観点でとらえているあたりはさすがで、このコラムだけでも駅売り140円の価値はある。

広瀬氏の著作は、どちらかといえば会社経営的視点からスポーツ(主としてJリーグ)を俯瞰したものが多いのだが、この『スポーツマンシップを考える』は、かなり毛色が異なっている。きわめて平易な文章ながら、たくさんの考えるヒントが詰め込まれていて、スポーツをする人、見る人のいずれにも読んでほしい一冊。みなさんも、ぜひ。

ついでなので、サッカーを見るうえで、ぜひぜひ多くの人に読んでほしい本をいくつか(いずれも日本語のもの)。

まずは『オフサイドはなぜ反則か』(中村敏雄、平凡社ライブラリー=いまアマゾンで調べたら残念ながら在庫切れになっている<なんでしたらお知り合いの方にはお貸しします)。待ち伏せはずるいから反則ってわけじゃないんですよ、なんてことではなくて(まあその種のことも書いてはあるのだが)、フットボールがいかにして現在に至ったかが非常に丁寧に説かれていて、なぜルールを守らなければいけないのかがよくわかる(どうでもいいことだが、僕が最初に読んだときはたしか三省堂が版元だったような気がする)。

『フットボールの社会史』(F.P.マグーンJr.<忍足欣四郎訳>、岩波新書黄312)は、もうちょっと手ごわいけれど、そうはいっても新書なので、比較的手軽に読める。フットボールと暴力、サポーター論とか語るならぜひ読みましょう。

さらに掘り下げていくと『トム・ブラウンの学校生活』(トマス・ヒューズ<前川俊一訳>、岩波文庫)。古典だけど、ちゃんと日本語で読めるので心配ご無用(と書きつつ調べたら、これもアマゾンは在庫切れじゃないか<まったく)。どちらかといえばフットボールでもラグビーのほうの本なのだが、フットボールを語るならこれも欠かせない。

究極は『闘争の倫理-スポーツの本源を問う』(大西鉄之祐、中央公論新社<僕が持っているのは1987年刊の二玄社版)。これももはや古典の感があるし、これこそラグビー本なのだが(ついでに言っておくと僕は大西先生が教えているときにまだW大学の学生でありまして、卒業後、秩父宮ラグビー場で直接お話させていただく機会もありました)、すべてのスポーツに通じる名著だと思う。

以上を書くために、本棚の前で、小一時間、埃にまみれてしまった(笑)。せっかくだから、探し出した本をもう一度読み直して、このブログでちょっとずつ紹介してみましょうか(ホントにそんなことできるのか!?)。

というわけで、新カテゴリー追加決定!

※事実誤認などありましたら遠慮なくコメント、トラバくださいませ。



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