2006年11月12日
すでに遠い記憶となりつつある(?)天皇杯ジェフユナイテッド市原・千葉戦のお話。 正直なところ、勝てるとは思ってなかったのですが、せっかく東京にいるんだし、ふだんサッカーを見ない友人が行くと言っているし、それなら行ってみっか、ぐらいのスタンスでありました。 フクアリにはなぜか9月10月と続けて行っていて(あんたどこに住んでるのよ?)、いつもバックスタンドで見ていたので、今回はSA席メインアウェー側を選択(メインホーム/メインアウェー/バックがいずれもSA席で同一料金)。メインスタンドって、上段に相当する部分がほとんどなくて(しかもアウェー側は記者席になっていて)、意外に狭いのね。そんなわけで、やや消極的理由から、比較的前のほうの、ベンチのすぐ後ろぐらいに陣取って、まったりと観戦…のつもりだったんですが… 試合開始直後、相手ボールのときに前からどんどんチェイスしていくのを見たときは、これじゃ90分間は持たないだろ、行けるところまで行ってつぶれてもいいってこと?と思いましたですよ。いくら相手は中4日とはいえ、ジェフだし、そりゃ、厳しいだろうと。 ところが、しばらく経つと、ジェフの各選手はどうやらコンディションが悪そうなことがわかってくる。単純なパスミスがあったり、ちょっとした接触で倒れてしまったり、メンタルというよりもフィジカルの問題で粘りがきかなくなってる感じ。おまけに登録上は先発メンバー唯一のDFである水本が負傷交代して、坂本が最終ラインにまわっちゃった(ジェフの場合は最終ラインとかってものはないんでしょうけど)。 それでもさすがはジェフ、攻めに転じると、ワンタッチでぽんぽんとパスがつながり、スペースにちゃんと人が出てくる。ちょっと斜めな見方をすれば、どこかでツータッチの間があったほうが守りにくかろうと思うんだけど、そんなもんなくてもコンサドーレの守備は十分に振りまわされてる。 ただ、いつもと違ってたのは、みんな頑張ってたってことです。西谷があんなに守備に走るのは初めて見たし、フッキは(最初だけは文句言ってたけど)ファウルを受けてもさっさと立ち上がって走り出すし、曽田はしょっちゅう味方に何か怒鳴ってるし(あんなのも初めて見た)、芳賀は必死にスライディングしてるし、あんなに気持ちのこもったコンサドーレ、いつ以来だろうって感じ(2002年雨の厚別の古川伝説並み、かも)。 そんな中、落ち着いてたのは佐藤優也。さすが市船(関係ないか)、セービングとか無駄に飛ぶゴールキックとかではなく、僕がちょっと驚かされたのは、間合いの取り方。林は、味方がテンパってると同調してあわててボールを手放すことが多いような印象があるんですが、優也は、味方が攻め込まれてドタバタしてるときは、ボールを両手の中にがっちり抱えて、なかなか蹴らないのね。そういう点で、僕のこの試合のMVPは佐藤優也なのです。 西谷→相川の先制ゴール、自分で打てよ石井謙伍、などなどあったけれど、本当に、最後の最後、ロスタイムに入っても、まだ同点に追いつかれるんじゃないかと思ってました。だから、主審の笛が吹かれたときには、何も考えずに立ち上がったんですが、周囲の人々がみな立ってたのにはびっくり。あらま、こんなところで見てた人もみんなコンサドーレ応援してたんですか。アウェー側とはいえ、メインスタンドだから、半分ぐらいの人は中立かなと思ってたんですけど。 試合直後は、わたし、はしゃいでました。いつもなら選手が引き揚げるのすら見たかどうかのうちにさっさと帰るのに、わざわざ最前列まで出て行って、西澤母の隣でピッチ上のいろんな人に向かって何か叫んでみたり。選手がいなくなってからは、なぜか児玉社長があらわれて、ゴール裏のダンマク&サポの前に両手を挙げ、ゴール裏からは児玉コール(笑)。もはやなんでもありでした。 ただね。確かに、試合直後はそうだったんですけど、東京駅で友人たちと分かれたときはもうけっこう頭の中が冷えはじめていて、明らかに状態の悪かったジェフとどっこいどっこいの勝負しかできなくなっているコンサドーレに対する寂しさも、ちょっとだけ、浮かんでました。本当はこんなところで「格下」なんて言われてちゃいけないんだよ、1998年の11月にはジェフだってアビスパ福岡とJ1参入決定戦を戦っていたのに(僕はあの2戦目は新千歳空港の搭乗待合室で見てたんです-神戸に負けた直後でありますね)、どうしてこんなに差がついちゃったかなあ?とか、ふだんのゲームでもこのぐらい気合入れてやってればリーグ戦7位なんてことはなかっただろうに、とか。 まあ、でも、もうあとはシーズンの終了を待つしかないかと思っていたのが、少なくとも12月9日までは気持ちを引っ張れる楽しみができたってのは、嬉しいことです。しかも今度はホーム扱いになるから、赤黒のものを身につけていてもカレーや牛丼が食べられる(笑)。いや、ま、そんなことはどうでもいいんだが。 最後に。僕は、この試合をもって、柳下監督のアクションサッカーがJ1に通用したなどとは、まったく思ってないです。一発勝負のノックアウト方式なら、たとえ総合力で劣っていても、他の部分でカバーすることができます。でも、1年間のリーグ戦を戦い抜くとなると、それはまた別の話。だから柳下監督は辞めるべきだ、とは、単純には思わないんですけど、引いて守る相手じゃなかったから勝ったというような短絡的な評価はいかがなものかと思うわけであります。
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