2008年10月27日
僕がコンサドーレに惚れたのは、最初の降格が決まった雨の室蘭。 「どんなことがあっても応援していく」とばかりに「コーンサドーレ!」のコールが響いていた。 僕は北海道にまだ住んだこともなく、テレビ越しに見ているだけだったけれど、その熱いサポーターの姿勢に胸を打たれた。 僕の札幌のゴール裏に対するイメージと理想、その原点はあの雨の室蘭にあると思う。 「あの時」を経験していないから何とも言えないけれど、絶望の度合いも、先の見通しの暗さも、「あの時」の方が深かったんじゃないだろうか。 「どんなときでも温かく応援する」。 もしかしたら、ぬるいとか、だからチームが強くならないとか、言われるかもしれない。 でも、それはそれでいいと思う。 確かに、浦和や鹿島の応援はすごい。熱い。手厳しい。でも、よそはよそ、うちはうち。 浦和や鹿島はゴール裏に入るのに応援団の認定がいるという話だ。 対して、札幌のゴール裏は「誰でも来られる」「そこに来た誰もが自然に応援したくなる」、そういう良さが、昔はあったと思う。少なくとも、僕はそういうイメージを持っていた。 でも、最近は、ちょっとよその事情を見過ぎてしまったのかな。 これを機会に、札幌らしいゴール裏のあり方を考えてもいいように思います。 あくまで、個人的な意見ですが。 それから、今後のビジョンについて。 「ビジョン」というのが来季のチーム構想のことをいうのなら、他チームはまだ優勝、残留、昇格をかけて戦っている時に、「来季の監督は誰で、誰に戦力外通告を出して、誰にオファーを出して」なんてことを会社が言うわけにはいきません。サポーターとしては、裏で工作が進んでいるものと信じるしかないかと思います。 また、もっと長期的な戦略ことを指すとしたら、これは明確です。 「若手を育てて売って、借金返済。さらに資金を貯めて、あるところで一気にJ1昇格と定着をはかる。昇格と定着で新規スポンサー獲得やスポンサー料増額を行い、J1に見合った収入を得る」 これ以外に何か良い案があれば教えてほしいくらいです。 ここを見て下さい。2008年度予算の「当期未処理損失」。これはいわゆる「累積赤字」ですが、6億円あります。減増資を行って、30億円あった累積赤字を大幅に減らしましたが、なお6億円残っているのです。 J1に上がって強化費を倍増させてようやく8億円というクラブにあって、6億円の累積赤字が重くないはずがありません。 まずは借金を返さないことには始まらないのです。 戦力とはすなわち経済力です。 フォーメーションとかは「戦術」であって、戦術はその時の指揮官によって変わって当然です。その「戦術」の変遷が、自然とそのチームの「カラー」を作っていくのだと思います。 ですが、問題はその「戦術」をいかに表現するか。J2を勝ち抜き、J1に踏みとどまるには、相応の戦術を体現できる選手が必要です。そして彼らを札幌に引き留め、あるいは獲得してくるには、どうしてもお金が必要です。 借金を返し、資金をプールして、ある時にプールした資金を一気に注入して、その「戦術」を形にして、昇格と定着を目指す。 有力スポンサーのない地方のクラブがお金を得るには、人を育てて売る以外にありません。売って得た資金を、「勝負の年」に一気に注入して人材を引き留め獲得して、昇格して翌年残留を果たす。その間に、HFCの営業の方に新規スポンサー獲得とスポンサー料増額に奔走してもらい、翌年必要な資金を工面する。 かなり妄想の入った絵空事かもしれませんが、J1定着を狙うなら、それしかないと思ってます。 この際、縮小再生産でも何でも、とにかくチームが存在してくれさえすればいい。もちろん、存在する以上は、トップリーグを目指す姿勢だけでも見せてほしいですけどね。 JFLや地域リーグでは、札幌よりももっと規模の小さい街の規模の小さいチームが、細々とだけれども精一杯活動している。それを、サポーターが精一杯支えている。 「札幌は恵まれている」。 これは選手だけじゃなくて、サポーターにも言えることです。だって、Jリーグチームがあって、しかも、時々はJ1に顔を出せるチームなんですから。 「エレベータークラブ」上等。J1へのエレベーターにも乗れないクラブだって、J2やその下にはたくさんあるわけですしね。 三浦監督の「現有最強メンバーで」という言葉とGMの「来季を見据えて」というのが相反する、という意見もあるようですが、僕はそうは思いません。タイトな日程の時のターンオーバーはともかく、原則として現有最強メンバーでやるのがプロだろうし、また、降格が決まったからといって若手を試合に出すよりも、そう簡単には出られないんだぞ、と思わせた方が、来季を背負う若手のためになる、ということだと思います。 大体、「来季を見据えて」ってのはこの時期の決まり文句みたいなものです(もちろん、中では実際にいろいろ「来季を見据えて」動いたり、選手を指導したりしているのだと思いますが)。降格の決まった今、「来季のことは何も考えてません」なんて言ったらそれこそ総スカンじゃないですか。 厚別でのHFCの対応がどんなだったか、僕にはわかりません。もしかしたら現場にいた人にはお役所的で不誠実に感じられたのかもしれませんね。それが今回の応援拒否につながっているのかもしれません。それはそれで、尊重したいと思います。 でも、僕個人としては、以上の理由から、こんな時こそ声を出して応援したいと思います。
ビジョンで思ったこと
Re:応援と今後のビジョン
2008-10-27 15:43
おじゃまします。 昨日ぼんやり考えていたのですが、チームの理想像をクラブが持っていたとして、頼む監督に「その予算じゃ私のサッカー無理」なんて、断られることの方がコンサは多いのではないかと想像したのです。 もし、そうならば理想はみんなの大好きなスタイルであっても、受けてくれる監督がいなければ、結局ツマラナイと言われるサッカーしか、当面方法はないのかも。 だからビジョンといっても、ブレても仕方ないというか、それしかないのかもしれません。 あくまでも私の想像ですが。
元多摩
Re:応援と今後のビジョン
2008-10-28 02:06
ビジョンで思ったことさん そうなんですよね、どんなに明確なビジョンがあっても、 予算の都合や監督の意思、人材の育ち具合、獲得具合などによって、変わることはあり得ますよね。 時期的に、他チームの選手・監督に食指をのばせる(のばしていることを公表できる)時期じゃないし、 自分のチームの選手にだって、戦力外か否かを通知する時期じゃありません。 それで「来季のビジョン」と迫られても、フロントがちょっとかわいそうな気がします。 話は変わりますが、方針がぶれることもあるってのは「五段階計画」についても同様で、あの計画は、 今思えば、累積赤字について何の考慮もされていなかったのが問題だったのではないかな、と。 累積赤字さえなければ、今年だけはもう1億か2億の赤字は覚悟して臨む、という手もありました。 こちらも検証し直して、新たに計画を練り直す必要があるように感じています。
プロフィール
HN:元多摩の農民/大澤唱二 東京多摩地域出身。 2001年最終戦、対セレッソ大阪戦でコンサドーレデビュー。 翌年、翌々年と徐々に試合に行く回数が増え、2004年にはファンクラブ会員になるなど、身も心もすっかり赤黒く染まる。 2005年、CVS登録。また、OSC蹴遊旅人の立ち上げにも加わり、赤黒さに磨きがかかっている。
最新のエントリー
リンク集
月別アーカイブ
コメント
検索