支援はなくさせない

2005年12月06日

社長のブログによると、どうやらあと2年で年間2億円の公的支援は打ち切られそうな気配だとのこと。

道が危機的な財政状況なのは知っています。札幌市も相当苦しいでしょう。
けれど、費用対効果を考えてみて下さい。
コンサドーレが存在するということで、北海道民、札幌市民がどれほどの恩恵を受けていることか。
まず、娯楽としてのスポーツが存在することで、道民、市民の心の健康が促進されていることが考えられます。
僕なんかも、7月に超うつうつに陥った時、もしコンサドーレが存在していなかったら今ごろあの世だったかもしれません。または、回復にもっと時間がかかったかもしれません。そうなれば、僕が将来稼ぐであろうお金は全部、または一部が消えていたことになります。
そういう目に見える金額の効果だけでなく、「コンサドーレからもらった感動:priceless」という効果もあると思います。
また、スポーツを観戦することで、今までスポーツをする機会がなかった人がスポーツを始めることも考えられます。例えば札幌市スポーツ振興事業団の運営する体育館やプールをその人が利用すれば、その一部が税金として道や市に帰ってきます。また、スポーツをすることでその人の健康が保たれ、医療費なんかも抑えることができるでしょう。
さらに、試合会場や開場近辺では、試合前、試合中は昼食や観戦中のビール、試合後はコンサドーレが勝てば祝勝会、負ければちくしょー会という名目であちこちで宴会が催され、大きな経済効果となっているはずです。
加えて、アウェイから来てくれるお客さんは、多分せっかく札幌まで来たなら1~2泊して観光していこうと考えるかもしれません。宿泊費、食事代、交通費、各施設への入館料等を考えると、結構な額になります。
コンサドーレ自体も、札幌ドームや厚別公園に対して使用料を支払っているはずです。
こうして考えてみると、年間2億円で以上のような様々な効果が生まれることを考えると、むしろ安いくらいじゃないでしょうか。

ヨーロッパでは、スポーツクラブに対しては税金が投入されており、中には市の予算の10%近くが支出されている都市もあるそうです。それは、スポーツクラブが、先述の経済効果の他にも、「市民社会に必要なインフラ」と考えられているからだそうです。
Jリーグは、地方自治体、地元企業、地域住民の三位一体となった支援を受けながら、地域社会の「スポーツクラブ」を育てていくことを目的に掲げています。「三位一体」のうちの一翼を担う地方自治体に抜けられたら、特に、大企業をバックボーンに持つわけでもないコンサドーレは、たちまち窮地に陥ってしまいます。
確かに、地方自治体の支援というのは、お金を出すことだけではありません。税制の優遇など、いろいろあるでしょう。でもやっぱり一番手っ取り早いのは直接お金を出すことだと思います。

以前、僕が大学の授業の一環として札幌交響楽団のスタッフの方の話を聞きに行ったときに知ったのですが、ウィーンやミュンヘンなど、有名なオーケストラを抱える街は、やはり地方自治体が相当資金を出しているそうです。それと比べて、日本は文化的なことへの公的な支援が遅れているという話を伺いました。
スポーツについても、同じことが言えます。上で書いた通り、ヨーロッパの都市はかなりスポーツを手厚くもてなしていますが、日本では今、コンサドーレが直面しているように、公的支援が打ち切られようとしている。これは大きな問題です。
スポーツや音楽などの文化は、市民・道民の財産です。
そうした文化をなげうってでも守るべき何かがあるなら話は別ですが、文化を守ろうと考えるなら、地方自治体はそれ相応の負担はするべきだと考えます。
札幌市民、北海道民として、市や道のコンサドーレへの公的支援はなくさせません。もしそのために「コンサドーレ税」が必要なら、導入もやむなしと考えます(まあ、その前に意味のない高速道路とか、いろいろ削ってほしい場所はありますけどね)。




参考文献
・玉木正之「NHK人間講座 日本人とスポーツ」日本放送出版協会、2001年6月1日発行



post by 元多摩

18:35

経営 コメント(5)

この記事に対するコメント一覧

俺王

Re:支援はなくさせない

2005-12-06 20:44

費用対効果、経済効果云々と言うのであれば、数字を出してくれなければ説得力がありません。 その論で言えば、集客数の多い日ハムに分があるのでは?向こうは補助金を貰っているのかどうか知りませんが。 現状では反対派を説得できる論は見つけられないので、方向性としては補助金よりは税制優遇などの支援が望ましいです。

元多摩

数字といわれても

2005-12-06 22:01

一介のサポーターには調べようがないので平にご容赦を。 説得力なくてすみません。 あくまで、僕の個人的な気持ちの表明に過ぎません。 お気に障ったようでしたらスルーしてください。 以下も個人的な考えですが、支援は、要は道や市が コンサドーレをどの程度大切に思っているか、ということだと思います。 また、日ハムは日本ハムという親会社の子会社ですからね。 個人的な感覚ですが、市民道民の物というよりは、 結局のところ日本ハムの持ち物という感じがします。 その点がコンサドーレとの、あるいはJリーグとの違いですね。 補助金を出すならもちろん出してもいいと思いますが、 「日本ハムの子会社」という辺りが支援に当たって問題になりそうな気がします。 どなたかご存知でしたら教えていただきたいのですが、 今、HFCは税制面で優遇されているのでしょうか?

えみっくす

Re:支援はなくさせない

2005-12-07 02:21

お金の話は難しいですよね。 でもコンサの恩恵を受けてるのは一部の人で 道民のほとんどがコンサドーレの試合があるか無いか 勝ったか負けたか知らない状況があったりするので コンサに関わる人以外は納得してしまうかもしれませんね。。。 お金無いですからねぇ。。。 選手も契約更改で保留してますが、きっと心痛めてるはずです。 ただ、彼らも生活かかってますから(ノε<。) 北海道からダイヤモンドでもザクザク出てくれればw

暢気

Re:支援はなくさせない

2005-12-07 09:19

えみっくすさんの最後の下りで不覚にも笑ってしまった。 『コンサドーレが所有する鉱山から プラチナが産出!!』 みたいにね(笑) んー カワイイわ(笑) まぁお金の面に関しては我々がトヤカク言っても 反映されるわけでもありませんからね。 話す事事態は無駄ではないと思いますが… それならばカドテツさんが言っている 収入面のアップを考えた方が かなり建設的ではないでしょうか? どーやったら観客動員数が上がるか 我々サポーターが第一に考えるのは まさにコレだと思いますがね。

元多摩

札幌の路面電車

2005-12-07 10:30

札幌の路面電車が、赤字で廃線になるかと言われていましたが、 アンケートの結果、税金を投入してでも残すべき との意見が多数を占めたため存続が決定した、という経緯があります。 路面電車も直接恩恵を受けているのは一部の人だけなわけで、 コンサも、北海道になくては困る、という意識を植えつけていくのが大切かなと思っています。 スポーツ(当然日ハムも)も路面電車などと同じ公共財だと、僕は思うんですけどね…。 えみっくすさん 確かにw。金鉱でも掘り当てれば(笑)。 ま、まずは、サポーターがそうでない人たちにコンサのことを アピールして知ってもらうのが、まず第1、かな? 暢気さん ちなみに、2億円収入アップさせる方法、暢気さんはどんなのが思い浮かびました? 僕はすぐには思いつかないです…。 ------------------------------------------------- ちょっと計算してみたんですが、2億円って厳しいですね…。 観客動員だけで埋めるとすると、 カドテツブログの「客単価1,700円」を基にすれば、 およそ10万人増が必要。一試合平均約5,000人増。 今年の観客動員25万人のおよそ1.4倍が必要。 き、厳しい…。 J1に上がれば増えるだろうけど、 上に行ったらまたそれなりに出費がかさみますしね…。 あとは、チケットの値上げ。でもそうすると動員が落ちる可能性が。ジレンマだ…。 年末ジャンボ宝くじで一等を当てれば、一発ですけどね(笑)。 ところで、なんで時々コメントの順番が入れ替わるんでしょう? バグ?

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