ホーム初勝利(VS京都サンガFC)

2016年03月27日

 完勝だ。クリーンシートではないものの、先制、中押し、そしてダメ押しと効果的に得点を積み上げ4位に順位を押し上げた。開幕して5試合が終わり、3勝1敗1分けで勝ち点10。無事プレーオフ圏内を確保し、コンサドーレはスタートダッシュに成功した。
  試合前に京都サンガに触れた記事で、私はこの試合のポイントを2点挙げた。1つはいかに攻撃の起点である石櫃洋祐を封じるか。もう1点はコンサドーレが追加点を上げることができるのかだった。この2点とも彼らは前半のうちに回答を出してくれた。前節の長崎戦とはうってかわり、バランスを重視しハイプレスを自重した京都。これが全く裏目に出て、前半3分。前線でボールを収めたジュリーニョを起点に繋いだボールは堀米悠斗から走り込んできた前寛之の元へ。「前寛につないだつもりが、うまくスルーしてくれた。アシストはついてますが、ほとんど都倉さんの個人能力です」とは堀米の弁だ。これを前寛之は「後ろに都倉さんがいるのが見えていた。自分にマークが食いついてきたのでスルーした」と狙い済ましてスルーパス。そして彼に釣られたDFを引き剥がし、裏へ抜け出した都倉賢の右足一閃。利き足の左ではなかったものの「相手が左に対して対処してくるケースが多かったので。キャンプから右で打つことには取り組んできた」「違和感なく打つことができた」と更なる成長を見せ付けるゴールを叩き込む。あっさりと コンサドーレが先制した。
 早すぎる先制点。若干すぐに次の1点を取りに行くか、ある程度時間を使って攻撃を組み立てていくのか迷った部分もあったかと思う。そこで崩れたバランスも3ボランチから2ボランチにシステム変更し建て直すことができた。都倉やジュリーニョといった強さとスピードのあるFW2人に手を焼いたのか、頼みの石櫃は攻めあがる機会がほとんどなく、アタッカー陣のインスピレーションと個人技に頼らざるをえなくなった。とはいえ山瀬功治の個人技で裏を突かれたり、ミドルを撃たれるなど部分部分で危うい所はあったが、ゲームの主導権はコンサドーレのものだった。その後前半ATの福森晃斗のFK、後半にはこの日2点目となる都倉のPKで順調に加点し、3-1 でコンサドーレは勝利を収めた。試合終了間際の失点はもったいないといえるものだったが、完勝には変わらない。金山隼樹、宮澤裕樹を体調不良で欠く中、文句ない勝利だった。
 試合後の選手のコメントの中で特筆したい言葉が、「チームが攻守にコンパクトでいい距離感」「全員が声を出し合っている。」この2つだ。陣形をコンパクトに保てているため、都倉賢曰く「攻撃に集中できる」ようになっている。実際この試合でも、自陣で奪取したボールを都倉にあて、彼を起点に京都ゴールに迫るというプレーが多く見られた。また「声を出し合っている」というのは特にこの試合、GK阿波加俊太がプロ初スタメンとなっており彼を盛り立てるためという点も加わり、いつも以上に声を掛け合っていたように思われる。また元気印の進藤亮佑がFKの際にキッカーの福森に対し自分が蹴りたいと直訴するなど、物言える雰囲気が醸成されつつある。無論進藤だけかもしれないが、変に萎縮して声が出ないよりはよっぽど良いはずだ。現主将である宮澤もかつて芳賀博信に対し、試合中呼び捨てで指示を出していたと記憶している。
 今のコンサドーレは良いサイクルが出来ている。ベテラン、中堅、若手が融合し、試合ごとに成長を見せている。選手層が厚くなってきているのが分かる。四方田監督も今後のスタメンを考えるのが大変だろう。あえて不満を述べるとすればカウンターでサイドから崩す時にフォローするプレイヤーが足りないことだろうか。TVhの中継で解説の吉原宏太が指摘していたが、たとえばマセードがサイドライン際でDFに囲まれたときにフォローのために寄るであるとか、追い越す動きで連動して崩してゴールに迫るであるとか、このような動きが加われば4点目、5点目というところも見えてくる。試合を優位に進めているとはいえ、サイドプレーヤーに任せきりになってしまうと癖になってしまい、いざというときに戦術的に手詰まりになってしまう恐れがある。だからこそ油断せずに、攻め切る所は攻め切るという攻撃の形を見せてもらいたい。ここで若干受身に回ってしまったからか、シュート数が同数の14-14という結果、そして3-1というスコアになって顕れたともいえる。たかが1点、されど1点。守るか奪い取るか。このバランスが難しい。だからサッカーは面白い。
 過去、コンサドーレは開幕5試合で2ケタ以上の勝ち点を奪うと、翌シーズンは必ずJ1という心強いデータもあるそうだ。凶敵清水、難敵京都を倒した今、過去データなどあてにならないことが証明されつつあるが、都合のいいデータは信じていきたいと思う。次節は4月3日、相手は町田ゼルビア。最高の週末がまた僕らを待っている。


post by kitajin26

22:12

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