2016年01月31日
(1月24日 0-1で敗戦し記者会見の席上で「若い選手が多くピッチに立っていました。その中でトライしたことは何でしょう?」という質問に対して)
「チャンスはたくさんあったんですけど、そこで最後のパスにつながるかどうか、本当に大きなチャンスにつなげていけるか、最後にきめられるかどうか、という部分がまだ足りないところですね。そこが少しでもできる選手が試合にも出て行けると思うので、練習から結果にこだわってやってほしいと思っています。」(四方田 修平)
(1月30日 4-2で勝利し、コメントを求められて)
「うちのチームには若い選手がたくさんいます。大会を通じて良かった選手も足りない選手もいましたし、3試合で考えてもプレーの波があったので、少しでも最終的にスタメンに食い込んでくるように、さらにアピールしてもらいたいですね。」(四方田 修平)
(毎週金曜日のコンサドーレ特集コーナーにおいて、MCからの「開幕前ですから、若手にとっては(ニューイヤーカップが)アピールの場でもありますからね。」との質問に対し)
「アピールはしているつもりなのかもしれませんけど『それじゃあダメでしょ』っていう風に、僕らからすると思うような感じにしか伝わってこないというのが、何か腹立たしいところじゃないですかね。全然、やっていることとか内容は悪くないんですよ。悪くはないけどもっと表現しないとダメでしょ!って思うところはあるんですよね。」
「『ラストチャンスだぞ?』ってこの間のゲームから何人かに言っているんですよね。今シーズンのラストチャンスだっていう、そのくらいのつもりでやらなきゃダメだと思う。だいたいそのくらいのつもりで若い選手はやらないと絶対ダメなんですよね!」
「もう若い選手達はベテランから見ても『もっとアピールしろよっ!』っていうのはあるので・・・。やっているつもりなんでしょうけどね。えげつないくらいのアピールをここから何人かの選手が見せてくれることを期待したいですね!」(野々村 芳和)
アピール不足。四方田監督、野々村社長に言われるまでもなく、僕らも感じていた若手選手の停滞。4-2で今季対外戦初勝利という結果は喜ばしいものであったが、「結果にこだわって」プレイした選手は多くなかったように感じられた。
野々村社長のラジオによると、神田夢実が小野・稲本・高原そして野々村社長が居並ぶ部屋に呼ばれ、直々に「ダメ出し」をされたようである。小野伸二がせっかくなので神田を呼ぼうとなり実現した「説教」ならぬ「説法」。数ある若手選手から神田を呼んだということは、小野は相当彼のことを買っているのだなと感じさせる。かつて中山雅史は横野純貴(現.タイ2部 バンコクFC)の練習でも決して手を抜かない姿勢に感心し、背番号9の継承者に彼を選んだ。都倉-荒野ラインのような師弟関係は見えないものの、独特のプレーリズムを持つ2人である。30日の試合で神田がどんなアピールを見せてくれるのか。金曜日の放送を聞いてから楽しみにしていたのだが。
1番アピールしたのはイルファンだった。次点で中原。微差で神田というところか。あくまで昨年までベンチを暖めることの多かった選手の中での話だ。スタメンクラスの選手はそれなりにシーズンでの活躍を期待させる安定したプレーを見せてくれた。そのうえで「アピール」してくれたのがイルファンであっただけだ。
何を持って「アピール」とするか。一番分かりやすい「結果」が「ゴール」だ。この試合ゴールを決めたのは、個人技でゴールをこじ開けた都倉賢。カウンターからフリーになり、うれしい公式戦初ゴールとなった中原彰吾。小野と交わした一瞬のアイコンタクトからCKをゴールに沈めた進藤亮佑。そして、爆発的なスピードを活かしゴールネットを揺らしたイルファン。アシストは神田夢実、小野伸二、前貴之。彼らのお膳立てがあって、ゴールがある。勿論そうだ。ただドリブラーという相手を抜き去りチャンスを物にするという「武器」をアピールする上で、残念ながら神田の姿勢には「結果にこだわる」姿勢が見られなかった。
アシストしといて何がアピール不足じゃという声があるのは分かっている。実際、中原のゴールをアシストしたシーンでは、相手選手を3人引き連れドリブルで持ち上がり、中原をフリーにする完璧なアシストだった。あれで決められないなら中原は論ずるに値せずである。とはいえ彼の武器は何か?先ほども述べたが「独特なリズムのドリブルで相手を抜き去りゴールに迫る」ことではないだろうか。少なくとも攻撃にアクセントを加えるために投入されることが多い。・・・できてんじゃん。いやいやアピールポイントがあったことは分かっている。だが、そのうえで気になっていることがあるのだ。そのプレーは何分だったか手元に映像がないので確認できないのだが、相手陣内の右サイドでロングパスを受けた神田はトラップし中央に居るFWにクロスを上げた。残念ながらクロスは合わずにゴールキックとなったシーンだ。何が気になっているのか。それは彼がボールを受けたときにフリーだったことだ。中央で待ち構えるFWは2人のDFにマークされていた。のべつ幕なしにドリブルで突っかけろとは言わない。言わないが、ドリブルが武器なら仕掛ける場面だと思う。迷ったならそれも問題だが、トラップした時点でクロスしかないと分かるボールの置き方だったため「腹が立って」いるのだ。
他方イルファンは内村圭宏を髣髴とさせる反転で相手を置き去りにしスピードに乗ったドリブルでサイドを駆け上がった。またペナルティエリアに入り込み、成功はしなかったが、裏街道でDFを交わしGKと1対1まで持ち込もうという意思を持ったプレイを見せた。そして相手を突き放す4点目のゴールを決める。ニューイヤーカップで一番アピールしたのはイルファンだと言わざるを得ない完璧なアピールだった。
サイドを主戦場とする選手は多い。神田、イルファン、堀米、上原、石井、前兄弟、新加入のマセード、ジュリーニョ。そして内村や荒野も加わってくる。この中で埋没せずにベンチ入りは勿論スタメンとして出場するためには自分の武器をアピールしなければならない。駒として投入されるに当たり、監督の意図を分かりやすく示すための「武器」。中原はようやく結果を出した。位置取りの確かさやフリーランニングなど評価はされていたが、決定力がなかった。彼に決定力が加わればスタメン奪取も夢ではない。
これからチーム戦術の構築が始まる。いかに監督の駒となり試合に出るか。勝負はもう始まっている。
プロフィール
98年J1参入決定戦に敗れ涙に暮れる札幌サポを見たことで、コンサ愛に目覚めた非道民。 何の因果か札幌に居を構え、試合結果に1週間のテンションを左右される日々。 いい年こいてまだ中二病が完治していない。 思い出とコンサの試合と日常をミキサーに投げ入れて、味の素で整えた文章を提供していく。 ご笑覧いただければ幸いだ。
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