2015年12月23日
「ネームの追加は6000円くらいかかりますね。どうなさいますか?」結婚し、小遣い制に移行した身としては結構な出費だ。いえ、結構ですと断った。細々とした確認作業を経るうちに、思わず口をついて出たのだ。「すいません。やっぱり選手の名前入れてください。」受付の方の苦笑いを受け流し、僕は、、、
初めてレプリカユニフォームに名前を入れたのは今年のことだった。嫁さんがなぜか前田俊介をいたく気に入り、その影響もあり背番号11を背負うことになったのだ。淡々というか飄々というか人を食ったようなといおうか悩ましいプレイスタイルではあるが、楽しそうにドリブルする彼の姿が好きだった。独特なリズムで相手DFを掻き分け、大きく蹴り出すボールをマリオジャンプさながらに片手を突き出してブロックする彼の姿が好きだったのだ。彼なら名前を背負ってもいいかなと思ったのだ。
サポーターなら誰が好き彼が嫌いなどいろいろあると思う。自分の思うところを書かせて貰おう。賛否両論あると思うが、自分の感情を整理したいという思いもあるのでお眼汚しを失礼したい。
宮澤裕樹のプレーが嫌いだった。相手選手に背を向けてパスを受け、消極的なバックパスや横パスを選択し、挙句の果てパスカットされカウンターを受ける。若手選手がボランチの相棒になると積極的にフォローに周り、生き生きとDFラインに吸収される。そんな彼のプレーが嫌いだった。
石井謙伍のプレーが嫌いだった。ただ我武者羅にプレスを掛け、私はボールを持ってからの選手でございとサイドに貼り付きパスが届くのを待っている。ボールを持ったはいいが、サイドに張りすぎているため後ろの選手が追い越せず手詰まりになってしまう。そんな彼のプレーが嫌いだった。
今年の後半戦から監督が四方田修平に代わり、小野伸二がスタメンに名を連ねるようになった。用いるシステムも変更され、求められる役割が変わったのだろうか。
宮澤裕樹のプレーが好きだ。小野伸二に集中したマークのギャップをドリブルで切り裂く。タイミングを計って2列目から飛び出しゴールを狙う。そんな彼のプレーが大好きだ。
石井謙伍のプレーが好きだ。河合竜二にポジショニングの不備について叱責され、彼自身の考えにおいて怒鳴り返す。あわよくば相対するDFを抜いてやろうと距離感を図りつつゴールに向かう。そんな熱い思いが垣間見える彼のプレーが大好きだ。
これを俗に「手のひらを返す」と言うのだろう。実際にグラウンドでプレーをしたことのない帰宅部出身の身の上で、選手のプレー云々を論じるのは噴飯ものであることは重々承知している。その上で自戒を込めて書かせてもらった。以前から今期の後半戦と変わらないプレーをしていたと言われればその通りだろう。でも好きになっちゃったんだからしょうがない。
「堀米でお願いします。」思わず彼の名前が口をついて出た。
埼玉にも行った。大阪にも行った。東雁来にも勿論行った。試合開始早々に裏を取られ、その後数試合に渡って攻め上がりに消極的になり左サイドの攻撃が停滞した。そこから勇気を持って一歩踏み出し、その結果産まれたプロ初ゴールも目の前で見た。海外移籍を視野に入れたという今オフの彼の去就に何とも言えない感情を覚え、思わず記事を書き思いの丈をぶちまけた。
堀米悠斗が好きだ。彼がコンサドーレ札幌の選手である限り、僕は彼の背中を目で追うだろう。だから2016年、僕は彼の名を背負う。やってやろうぜ、ゴメス。
プロフィール
98年J1参入決定戦に敗れ涙に暮れる札幌サポを見たことで、コンサ愛に目覚めた非道民。 何の因果か札幌に居を構え、試合結果に1週間のテンションを左右される日々。 いい年こいてまだ中二病が完治していない。 思い出とコンサの試合と日常をミキサーに投げ入れて、味の素で整えた文章を提供していく。 ご笑覧いただければ幸いだ。
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