名誉挽回

2011年09月26日

きのうのハーフタイムパーティー、
宮の沢に着いたときにはすでに開場時刻を過ぎていた。

「入口でドールズのみなさんがお迎えしてくれるから」
というやらしい理由で長蛇の北ゲートを選択。
しかしたどり着いた頃にはすでに解散…。
サイン会も撮影会もお好み焼きの整理券ももらえず…
一体何しに来たのよ?

いえいえ、私の目的は1つ。
PK対決である。

先日のカルビーパークでは見事的を外して
父親としての面目丸つぶれだった私。
プロを相手にゴールを奪えば、2人のこどもたちもきっと見直してくれるだろう…
そんな考えでPK対決の列に並ぶ。

待つこと約30分、ようやく青いユニフォームに身を包んだ3人のGKがあらわれた。

もしも指名できるなら誰を選ぶか?
そんなことを考えながらようすを見ていると、
相手はかなり本気のようだ。

こどもたちの緩い球なんかは軽くキャッチだ。
しかもキーグロさえつけていない。素手である。
読みと逆に飛んでも容赦なく脚ではじく!
俺は本当にゴールを奪えるのか?

いよいよわが家の順番がやってきた。
対戦相手はコンサドーレ札幌正GK、イ・ホスン選手である。
これ以上ない、最高の相手だ!

最初のキッカーは娘(3歳)。
先日のカルビーパークではゴールを奪い、ボーナスジャガを獲得している。
一向に蹴ろうとしない娘にまたしても「シュート!」の声をかける。
つま先でかすっただけのボールはキーパーにも届かなかった。

2番手は小僧。
緊張のあまりトウキックで打ったシュートは軽くキャッチされてしまった。

いよいよ最後は私。
オレンジのボールではなくJリーグ公式試合球「SPEEDCELL」を額に当ててから芝に置く。
ここでホスン選手から「位置が違う。もっと真ん中に置くように!」と注意される。
早くも心理戦の様相を呈してきたが、私も軽く「ゴメンゴメン」といいながらボールをセットしなおす。

さて、どっちに蹴ってやろうか?
軸足を左に向けて、インサイドで右に流し込むか
それともインステップで左か…?
よし、左だ。

ゴール右のサイドネットをガン見しながら、数歩後ろに下がる。
あまり長い助走は好きではない。
一歩だけ踏み込んで蹴るのが好きだ。

右手を挙げて「行きまーす」と宣言してから動き出す。
助走は一歩。軸足を左に向けてインステップに当てる。
その瞬間「痛え!」

久しぶりに目一杯空気の入ったボールだった。

しかも少し浮いてしまった。
「PKは絶対に浮かしてはならない」が私の信条なのである。

「まずい!これは枠の外か?」と思ったボールは、ギリギリゴール左隅のネットを揺らす。

しかもキーパーのホスンは一歩も動けず!(「動かず」だったという説もあるが…)

周りで観ていた方々から「おおーっ!」という声まで上がって私は有頂天!

「おとうさんすごいね、ホスンからゴール決めるなんて!」
2週間前に失った父親としての名誉を、見事に挽回したのであった。(おわり)









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