地域クラブの生き残り方について

2012年04月22日

ブログをみていると批判的なものが散見されるようになってきましたね。
こういう時は少し冷静になって考えてみるものです。

勝利に酔いしれ、J1昇格に酔いしれた12月とは打って変わって敗戦を重ねているわけですから勝利を喜びたい気持ちはわかりますが、勝てないからといってフロントや選手のせいにするという単純な批判ではなく、クラブがおかれている状況の分析を試み、その上で批判なり提言なりをするいい機会だと思います。

サッカーの質については語る言葉を持っていませんのでそれには触れません。
財務基盤がしっかりとして資金力のあるクラブはいい選手をそろえることができるので相対的に強くなるのは当たり前ですが、親会社をもたない”地域クラブ”にそれを求めるのは、少なくとも現状は酷な話です。
その意味で”貧乏クラブ”であるという認識を共有することが必要なのだろうと思います。
今回の増資の話にしても債務超過を解消するためですが、8千万円の債務超過の解消を親会社なりスポンサーに頼むことができないということであり、親会社を持たず経営の基盤を地域社会に求めるクラブにできることはこういう方法しかないのだろうと思います。
債務超過の解消のめどが立たなければJ1に昇格することができませんし、たとえば今年クラブが債務超過解消を諦めていたならば3位以内という昇格条件を満たしながら昇格できないという前代未聞の出来事が起こっていたわけです。
J2の強豪であり続けていればいいという極論もあるかもしれませんが、たとえ優勝してもJ1に昇格できなければ選手もサポーターもモチベーションを保ち得ないはずです。

私自身は川崎在住の軟弱サポーターで、クラブの収入増加に貢献することはなかなかできません。
アウエイの試合を応援に行ったとしてもその入場料はアウエイのクラブの懐に入るだけで収入面でコンサドーレに貢献できないもどかしさはあります。
このもどかしさを少しでもやわらげたいと思っていた矢先、増資について告知されました。
参加・申し込みをしようと考えています。
そのために改めてコンサドーレの有価証券報告書を読んでみました。

内実はどうであるかはわかりませんが、なんとかやり繰りしつつ、もがきながら前に行こうとしているような印象を受けました。
改善できるところはありそうですが、少なくとも、経営陣を批判することのできる内容にはなっていません。

もう少し深く”地域クラブ”のあり方について考えて生きたいと思います。
このテーマ、折に触れて取り上げてみたいと考えています。


ところで、フロンターレが勝ったので川崎市民の私としては光が差したかなと思わなくも無いのですが、憲剛だのみということを露呈した試合でもありました。
しかし、二つに引き裂かれた気分で試合を見るのは苦しく、つらいものです。

余談ですが、フロンターレのサポーターはクラブのお金のことは全然気にしていません。
何だかんだいっても親会社にサポートされているからですしそれが当たり前と思っているわけで、親会社をもたないクラブの厳しい現実をしらないからでもあります。

今年、甲府の監督に就任した城福監督が「プロヴィンチアの代表として」と語っています。
最後にこれを引用してこの項を終わりにします。


日本(Jリーグ)は、大都市と地方都市(のクラブ)という区分けではなく、大企業に多大なるサポートをしてもらっているクラブと、市民あるいは県民、地元の企業に支えられているクラブ、この2つに分けられると思う。私の中ではだいたい、大企業に多大なるサポートをしてもらっているクラブが3分の1、市民・県民クラブが3分の2という位置付け。おそらく大きな企業に支えられているチームが、ほとんど(リーグ戦の)上位を占めているのが現実。その中で我々は、残りの3分の2の先頭に立つつもりはありません。私はこの上位の3分の1に、プロヴィンチアの代表として割り込んで行く。そういう気概を持って、このチームを指揮していきたい。

(詳しくは『ゲキサカ Jリーグ最新ニュース(12/1/15 14:59)』城福新監督が大演説! “大企業クラブ”に「プロヴィンチアの代表として割り込んでいく」を参照してください)


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