2015年11月29日
クラブは誰のものなんだろうと考えてしまう記事に接したので久しぶりのブログはこのテーマで。 クラブの組織が株式会社であれば法的には株主のものということになる訳で、そこにサポーターが介入できる余地はないことになります。 では、株主がサポーターの意向を無視して何でもできるのかというとそれもおかしな話でステークホルダーとしてのサポーターを無視してクラブの存続が可能なのかという別次元の話につながってゆくわけです。 さらに進んでゆくと根源的な問いとして単に法律的な制度の次元を超えた抽象的な意味での「クラブ」は誰のものという様々な解釈が可能なレベルの話へとつながってゆくことになるのですが、それをここで論じるのは長くなりそうなのでやめます。 さて、問題の記事です。 「<J1山形>社長解任 新スタ構想封印狙い?」(『河北新報』2015年11月28日) 「【モンテ】社長交代「誰かが責任取らねば」 不信の末の解任劇」(『山形新聞』2015年11月27日) 「【モンテ】高橋氏「なんで?という気持ち」 モンテ社長交代」(『山形新聞』2015年11月27日) 「【モンテ】高橋社長が退任 モンテ臨時株主総会、辞職勧告決議受け」(『山形新聞』2015年11月27日) 「【モンテ】きょう社長の退任要求へ 急きょ株主総会」(『山形新聞』2015年11月26日) 「モンテの高橋社長、退任の可能性 取締役会に進退諮る」(『山形新聞』2015年11月19日) 要は知事と社長の意向がかみ合わないので知事が社長を辞めさせたということのようです。問題はサポーターの意向は無視して、いやそれ以上に社長の続投を支持する声が上がっていたにもかかわらずということでしょう。 補足するとモンテディオ山形の株主構成は公益社団法人山形県スポーツ振興21世紀協会(49%)、アビームコンサルティング株式会社(49%)、山形県(2%)で構成されていて、 県スポーツ振興21世紀協会自体、副知事が理事長で県の意向が反映しやすい形ではあるようです(が、このあたりのことは良くわかりません)。 ところで、この一連の報道をさらに掘り下げてみると新スタジアムをめぐる問題があり、山形市の前市長が山形市へのスタジアムの誘致を2013年に表明し、NDスタジアムがある天童市の市長と対立。 さらに今年の9月の山形市長選挙で前市長の意向を引き継いだ候補(知事が支持)がモンテディオの本拠は天童市であると主張する対立候補に破れるなど地方政治のゴタゴタが色濃く反映しています。 さらに、国政選挙の与野党対立の図式が持ちこまれるなど混乱が広がっている印象でなんだかよくわかりません。 ただ、報道に接するとサポーターを無視してスタジアム建設が政争の道具にされ、利権の構造が見え隠れするなどサッカーやクラブのことは二の次にされているような印象を持ってしまいます。 こちらの記事を参照ください。 「<山形市長選>J1スタジアム構想が争点化」(『河北新報』2015年8月8日)) ここまでくるとサポーターの声もちょっとやそこらじゃ届かないでしょうし、モンテディオのサポーターの心中を察するに余りあるといった感じです。 これは他山の石なのか、それともどこでも起こりうることなのかと考えられますし、法人としての「クラブ」ではなく、サポーターがサポートする象徴としての「クラブ」を深く考えてゆく契機にしなければならないのではないかとも思います。
sca
Re:クラブは誰のもの?
2015-12-01 00:46
こんばんは。 こっちも読んだほうがよいです。 【臨時株主総会 会見コメント】細谷知行 山形県スポーツ振興21世紀協会理事長のコメント http://www.targma.jp/yamagata/2015/11/26/post3287/ 【臨時株主総会 会見コメント】高橋節 株式会社モンテディオ山形前代表取締役社長のコメント http://www.targma.jp/yamagata/2015/11/26/post3289/ リンクを貼られた地方紙の記事をサラっと斜め読みしましたが、 地方のマスメディアらしい見解しか書いてないので、 私としては何の材料にもなりませんでした。 もっと取材を重ねてほしいですが、こんなもんでしょう。
プロフィール
札幌育ちの川崎在住。とても軟弱なサポーター。実は碧色と黒のクラブも応援したりもしております(念のためですが、ブログIDの”reds”は浦和とは無関係です)。
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