札幌vs神戸 斉藤宏則さんの「レポート」 

2024年07月14日

Jリーグ公式HPに掲載されています。


    「レポート」タイトル  「意識高く、そしてタフに。熱戦は痛み分けで終了」


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首位・町田を含むトップ3を激しく追走し、追い越しももくろむ4位・神戸。一方、流れを一変し得る勝利をホームでつかみ取りたい20位・札幌。立ち位置や状況こそ異なれど、並々ならぬ勝利への意欲を持つチーム同士の対戦は熱戦となった。

序盤から勢いを持って試合に入っていったのは札幌。後方からのロングボールを織り交ぜつつ、大﨑 玲央が中盤でボールを呼び込みながら展開して神戸を揺さぶりにかかった。複数人が積極的にボールへ関与し、あらためて意気込みの強さを感じさせていた。そうやって勢いよく挑んできたホームチームに対して、神戸は冷静に応戦。札幌のプレスが弱まった局面を見逃さず、大迫 勇也を中心に精度とパワーのあるカウンターで押し返す。5分には右サイドのクロスから広瀬 陸斗が惜しいシュートを放つなど好機を複数回作り、力強さを感じさせた。

そうやって好機が増えるにつれて、次第に神戸のリズムも良くなっていき、アグレッシブにボールを運んで得点を狙う札幌との攻防は非常に見ごたえのあるものになった。札幌が攻めて、神戸がカウンターを繰り出す場面があれば、その逆もある。神戸のCKの直後に札幌がCKを得るなど、目の離せないやり合いだった。7月中旬のデーゲームではあったが、空調の整った札幌ドームだからこそのタフな好ゲームだったとも評せる。そうした中で39分に青木 亮太が見事な直接FKを蹴り込んで、札幌がスコアを動かした。

後半は選手交代をしつつ選手の立ち位置にも若干変化をつけて攻守のバランスを整えた神戸が、うまくボールを動かせるようになる。そして、48分に左サイドからのクロスを大迫が頭で合わせる形で同点にする。

そしてここからは比較的、神戸が優勢になる。同点に追いついたことで精神的な余裕も出てきたのか、ボールがよく動き、選手間の距離も良くなる。57分にはゴール前でボールをコントロールし、最後は初瀬 亮がシュートを放つ惜しい場面も作った。札幌もフレッシュな選手を投入するも、タイスコアになってからはなかなか良い形でボールを奪うことができず、劣勢が続く。75分のPKはGK前川 黛也に阻まれてしまう。

終盤はどちらも勝点3を目指して球際で激しく戦う。体力の消耗もあるためミスも散見はされたが、タフな攻防が続き、時計が90分に近づくにつれてスタジアムの緊張感がドンドンと高まっていったように感じ取れた。互いが相手ゴールに向かっていく戦いは最後まで繰り返され、どちらが勝点3を手にしてもおかしくはなかったが、両チームともに攻撃のみならず、守備のほうでも粘り強さや意欲を高く保ち続けたため、結局ゴールは生まれず。熱い戦いは1-1のスコアで痛み分けとなった。


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