ルヴァン杯長野vs札幌 田中紘夢さんの「見どころ」 

2024年05月21日

Jリーグ公式HPに掲載されています。


    「見どころ」タイトル 「12年ぶりの激突。長野は下克上再現なるか」


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快進撃を続けるJ3長野が、J1札幌と12年ぶりに相まみえる。当時は長野が下克上を遂げたが、ホームでその再現となるか。

今大会から、J1からJ3までの全60クラブが出場することとなったJリーグYBCルヴァンカップ。J3勢は富山、琉球、長野の3クラブが生き残り、プレーオフラウンド進出を懸けて1stラウンド3回戦に臨む。

1回戦から登場した長野は、J2徳島に5-1と大勝を収めた。直近のリーグ戦からスタメンを総入れ替えした中で、出番の少ないメンバーが躍動。イ スンウォンと木原 励がともにプロ初ゴールを挙げるなどして、実りある下克上となった。

2回戦では、J1京都に3-2と逆転勝ち。28分までに2点を先取されるも、前半のうちに三田 尚希のゴールで1点を返す。後半はおおむねペースを握ると、終盤に黒石 貴哉のスーパーボレーが決まって振り出しに。2-2で延長戦に突入し、最後は杉井 颯のヘッドで勝ち越した。

J1チームを相手に2点差をひっくり返して勝利し、リーグ戦にもはずみがつく。中2日で迎えた明治安田J3第11節・北九州戦でリーグ戦4試合ぶりの勝利を挙げると、怒とうの3連勝。前節・金沢戦に敗れて4位から9位へと転落したが、ルヴァンカップで得た自信は大きかった。次節には首位・大宮との大一番を控えており、そこにはずみをつける意味でも今回は重要だ。

一方の札幌は、2回戦から登場。J3沼津に3-1と快勝を収めた。直近のリーグ戦からスタメンを総入れ替えした中で、10分に田中 宏武がプロ初ゴールを奪取して先制。一時は同点に追いつかれるも、小林 祐希の2ゴールで突き放し、順当に3回戦へとコマを進めた。

J1では19位と苦しんでいる。リーグ前々節・磐田戦でリーグ戦7試合ぶりの勝利を挙げるも、前節は柏に1-2と惜敗。後半アディショナルタイムに勝ち越されたこともあり、そのダメージは小さくないだろう。降格圏からの巻き返しに向けて、ルヴァンカップで浮上のきっかけをつかみたいところだ。

両者は2012年に天皇杯2回戦で激突。当時JFLに所属していた長野が、PK戦の末にJ1の札幌を下した。試合は、8分に長野の向 慎一が先制点を決めるも、札幌が69分に上原 慎也のゴールで追いつく。そのまま1-1で延長戦に突入すると、長野は退場者を出しながらもPK戦へ。PK戦を5-3で制し、札幌厚別公園競技場で下克上を遂げた。

札幌には当時を経験した選手が2人いる。宮澤 裕樹と荒野 拓馬だ。ただ、アウェイでのリーグ戦から中2日であることを踏まえれば、主力組の彼らは温存されるだろうか。対する長野はホームでのリーグ戦から中3日で、引き続き本拠地開催というアドバンテージもある。カテゴリーが2つ上の相手とはいえ、勝機は十分。12年前の下克上を再現できるか。

勝てばプレーオフラウンドに進出し、富山対神戸の勝者と相対する。快進撃を続ける長野か、2019年大会準優勝の札幌か。雪国の2クラブが熱い火花を散らす。


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