フェジョアーダを煮込む。

2007年03月21日

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「しまふく寮通信」を読んでフェジョアーダが食べたくなったので、作ってみた。
関東在住時代にCOPA TOKYOという店に連れて行ってもらって食べたのがはじめてのフェジョン。シュラスコ食べ放題のコースなのに、フェジョアーダばっかり食べていた記憶がある。
ちなみにこの「COPA TOKYO」というお店、Jリーグ各チームのブラジル人がこぞって集まる店としても有名。エントランスには選手のサインがびっしりと!

そんなわけで作ってみる。
調べてみると地域によって使う豆が違うらしいけど、今回はブラジルでポピュラーな黒豆(黒いんげん豆=「フェジョン・ペレット」)で。
作り方については、こちらを参考にしました(簡易版のほう)。

そうそう、できればご飯も炊いておいてくださいね。



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こちらが今回使った豆。
乾燥の黒豆はなかったので、輸入食材店(具体的に言うとESTAの地下です)で黒豆の水煮の缶詰を買ってきた。水煮とは言っても塩と砂糖である程度の味付けがされているらしい。
黒ばっかりだと色合いもアレなので、ひよこ豆の水煮(こっちは純粋に水煮)を加えました。どっちも400g(豆のみだと250gくらい)入りで250円~300円程度で売ってます。レンズ豆の水煮でも良さそうですね。

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ここに、豆だけでなくベーコンとソーセージも加えます。
ベーコンは薄切りではなく、存在感のあるブロックがいいでしょう。
ソーセージは、ほんとうは「リンギッサ」と呼ばれる太い生ソーセージやチョリソーを使うそうなんだけど、リンギッサはないのでふつうのソーセージで代用。といっても、ほんとうはどんなのでもいいらしいけど。

それでは調理開始。
まずはニンニクを細かく刻み、オリーブオイルで香りが出るまで炒める。
そのあとみじん切りにしたタマネギを加え、透き通るまで炒める。
バターだけでもいいらしいけど、今回は水煮缶の缶詰臭さ(個人的に缶詰特有のあの匂いが苦手)が出ることを考慮してニンニク+オリーブオイルで臭みを消すように考えました。
そのあとで水煮缶を投入。黒豆は味がついていたので汁ごと、ひよこ豆は煮汁を捨てて。ここで黒豆缶の味見をしてみたのですが、「ほんのり甘くてちょっとしょっぱいおせちの黒豆」といったような感じでした。ぐつぐついってきたところでまた味見。もうちょっと塩っ気があってもいいかなあ、でも塩だけじゃちょっとなあ、と思ってコンソメキューブを投入。

その一方、ベーコンとソーセージは果たして。
ベーコンは1センチ角か、もうちょっと大きめにカットしてベーコンの存在がわかるようにする。ソーセージもベーコンと同じくらいの大きさに。
豆を煮ている脇でフライパンを熱して、まずはベーコンを弱火でじっくり炒めてうまみと香りを引き出します。ソーセージは焼き色をつける程度でいいかな。
そしてぐつぐつと煮えている豆のところにベーコンとソーセージを投入。

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ここで水加減と味を整える。
仕上がりは豆がふっくらした感じになるように中火で、蓋をしないで(←ここ重要)煮ていくのでそれを考えた水加減と塩加減にします。煮詰まってしまうとしょっぱくなってしまうので、塩加減には注意!
あとは(あれば)月桂樹の葉を入れて、そのまま中火で煮ていきます。ときどき鍋をかき回しながら30分程度でしょうか。

煮ている間にこぼれ話を。
このブラジルの郷土料理「フェジョン」「フェジョアーダ」は、もともと南米の農園で働いていた黒人奴隷が、農園主からもらった肉の切れ端や耳、内臓の部分などを豆と煮込んで食べたものがルーツだそうです。また、「しまふく寮通信」の文中にもあるように、フェジョンは各家庭ごとに味が異なります。つまりは「おふくろの味」ってやつですね。イタリアで言えばマンマのパスタ、日本で言えば千昌夫が「おふくろの味」で歌う「母ちゃんの味噌汁」みたいなものですね。別に千昌夫じゃなくてもいいけど。ちなみにうちの実家では、味噌は地元東神楽町特産の手作り味噌、「食べてみそ」を使ってます。具はジャガイモが好みです。

ここら辺で味見をしましょう。あとまめにかき回さないと鍋底が焦げるので注意。

もう少し時間があるのでフェジョンとコンサにまつわるこぼれ話を。
ブラジル留学や、ブラジル人選手のすすめでフェジョンが好きになった日本人選手は数多くいます。札幌に在籍していた選手にも、フェジョンを毎日にように食べるという選手がいました。現在イタリアでコーチ修行をしている元札幌DF・村田達哉氏がその人です。彼は読売時代からフェジョンが好きだったそうなんですが、札幌に移籍してきてからも同時期に加入したペレイラ氏の奥さんがつくるフェジョンを分けてもらい、冷凍しておいたのを温め直して毎日のように食べていたそうです。うーん、おそるべしフェジョンの魔性。

さてそろそろ煮上がったころでしょうか。黒豆がほっこり、スープにとろみがついたころがベスト。味見をして、最後に塩黒こしょうで味を整えて完成。炊きあがったほかほかのご飯にかけて食べましょう。本場ブラジルでは米以外にも「ファリーニャ」と呼ばれるキャッサバの粉を煎って味付けしたものや、青菜の塩炒めを付け合わせにするのですがそれはそれぞれできる範囲でということで。

さて、こちらもできあがったあつあつのフェジョアーダをひとくち。
うん、黒豆がふっくらしていてほんのり甘く、塩加減もちょうどいい!
ベーコンとソーセージのそれぞれの脂がスープに行き渡っていて深みがあるし、ひよこ豆も黒豆とは違ったアクセントをつけている!生まれて初めてフェジョアーダを作ったにしてはかなり上出来です。ごはんと一緒に食べるとこれまたおいしい。もちろんパンでも大丈夫そう。カリッとトーストしたパンにのせて食べるのもいいかもしれません。フェジョンそのものも、味付けやソーセージなどの肉類は調整できるので少なめでも大丈夫でしょう。

さて、ここまで読んで「おいしそうだけど料理苦手だし・・・」という方々もいらっしゃることでしょう。そんなときは通販で手に入れることもできます。
「Latin yamato」というHPでは、リンギッサや乾燥豆などのほかに、レトルトのフェジョン/フェジョアーダも販売を行っています。

ブラジル人のソウルフードであり、スタミナ源でもある「フェジョン」「フェジョアーダ」。ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。



post by ishimori

00:12

miscellany コメント(2)

この記事に対するコメント一覧

りょうぼ。

Re:フェジョアーダを煮込む。

2007-03-25 01:29

とても勉強になりました。Latin yamatoのホームページも見させていただきました。 インディカ米は、あるので。まず“油ご飯”作らせて頂こうと思います。 フェジョンは、キーパーの高原君も大好きで、必ず作ったらおすそ分けしてます。 豆は、もっともっと沢山の選手にも食べてもらいたいですねぇ。もっとレシピを勉強しなくては。 ありがとうございました。

馬鹿

Re:フェジョアーダを煮込む。

2009-01-20 12:19

まずそうです

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