ねことおじさん

2009年02月16日

お久しぶりです。
久しぶりでなんですが、以下につきましては、
猫嫌いの人、猫に興味の無い方は飛ばしてくださいますようお願いいたします。




先日、我が家の飼い猫(♂)が天寿を全うしました。
多分17歳くらい、人間で言うと90歳を超えるくらいでした。
彼は、妻が私と結婚する前に飼い始めた、いわば妻の連れ子でした。
私は犬猫の類は飼ったことが無かったので、正直最初はうっとうしかったです。
靴下には穴を開け、洗濯物には粗相をし、よく怒鳴っていたものです。

そんな彼との関係が変化し始めたのは2人目の子供が生まれた頃、
下の娘は喘息もちで、しかも猫アレルギーでした。
子供たちと猫との共存は難しく、引き取り先を探しましたが、思うに任せません。
捨てると言う選択肢も無かったわけではありません。
しかし、一度飼い猫としての習慣がついてしまったら、
人間の手を離れて生きることは不可能でしょう。
それは、猫にとって最後に苦しんで死ぬことになると思いました。
子供とペットではどちらを優先させるかというと、子供になるのは当然です。
でも、捨てることはできませんでした。
情が移ったのはむしろ私の方でした。

結局、昼の間は猫に一部屋与え、外から鍵をかけて閉じ込め、
夜になり、子供たちが寝てから家の中に放し、遊び終わったら
再び部屋に入れて、家の中に掃除機をかけて寝るということにしました。
その部屋で私は猫と一緒に寝ることにしました。7~8年前のことでした。

最初はまだ若かったのか、夜の間ニャーニャー騒ぎまくって部屋の中を走り回り、
春になると、去勢はしていたのですが、外の発情している猫が気にかかるのか、
外に向かって吼え、私は布団をかぶって寝ていました。
私はいつの間にか夜、睡眠が浅くなり、
たまに出張で一人で寝るときだけが熟睡できるときでした。

また、彼も夜になると部屋から出られると言うことをいつしか理解し始め、
時間になると鳴いて催促をするようになり、
1泊くらい家を空けて戻ると怒りの鳴き声で抗議をするようにもなりました。

そんな彼も、ここ3~4年は大分大人しくなり、走る勢いも無くなってきました。
歳とともに甘えん坊になって、寝るときには私の顔の横に丸まるようになり、
あるとき腕を出してみたところ、頭を腕の上に乗せ、
腕枕で寝るのがお気に入りになりました。

ずっと家猫だったせいか、これといった怪我、病気をすることもなく、
一体いつまで生きるのだろうと思っていたのですが、13日の金曜日の夜、
いつものように子供が寝てから、部屋から出そうとドアを開けたら、
丸まって、眠るように死んでいました。

餌が減っており、朝、掃除したトイレには用を足した後があったので、
普通にしていて死んだのでしょう。

年齢的にも、いつこの日が来てもおかしくないと覚悟はしていたのですが、
その日は朝まで眠れませんでした。

土曜の夕方、火葬をしに行きました。
彼にとっては途中自部屋軟禁という理不尽な仕打ちを受けたと
思ったかもしれませんが、いい最期を迎えたと思います。
また、老猫になっても病気もせず、ボケもせず、飼い主孝行なやつでした。

私はバレンタインの時にはここ5年くらいは
シーズンチケットをプレゼントしてもらっています。
シーズンチケットを見るたびに彼のことを思い出すことでしょう。

前回のコメントレスです。


post by kenji

20:05

家族ネタ コメント(3)

この記事に対するコメント一覧

rocket2号

Re:ねことおじさん

2009-02-17 09:53

ドラマティックな展開もハラハラドキドキもないかもしれませんが、 フランス映画にありそうなタイトルです「ねことおじさん」。 観終わったあと、心がほんわかします、きっと。 あえて、猫の名前を出さないのがいいですね。

birrla

Re:ねことおじさん

2009-02-18 23:10

kenjiさん、 『おじさん』の静かな語りが『ねこ』を生き生きと描き出してますねー。 犬とかねこって人間の細かい感情を汲み取ったりするのが凄いと思います。 kenjiさんのところのねこは、まだ自分が寝てると思ってるんじゃないかなぁ~。

kenji

Re:ねことおじさん

2009-02-21 17:31

>rocket2号さん 考えてみると、本当に日常の一部だったんですね。 でも、フランス映画はちょっと褒めすぎです。 名前を出さなかったのは、ミシェルとかジネディーヌ とか言うおしゃれな名前でなかったからです。 >birrlaさん 歳のせいか、感情の激動は少なくなってきたのかなあ? 妻と娘は泣いていたのですがね。 不思議なもので、身近すぎると喪失感の方が大きくなるのかもしれません。

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